カクリヨ・バトルマニア

カクリヨ・バトルマニア

日常をエンジョイしていた男子高校生の清藤那望が、不思議な力を持つ少女、法詞いぶきと出会ったことで、幽世の怪物たちを相手に命を懸けたバトルを繰り広げる姿を描いたバトルコメディ。「裏サンデー」で2021年8月29日から配信の作品。

正式名称
カクリヨ・バトルマニア
ふりがな
かくりよ ばとるまにあ
作者
ジャンル
異能力・超能力
関連商品
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あらすじ

平凡な学生生活を送っていた高校生の清藤那望は、学校からの帰宅中に謎の老人からえびす様のストラップを渡されたあとに道に迷ってしまい、見たことのない駅のホームで謎の女子高校生、法詞いぶきと出会う。不可思議な言動を繰り返すいぶきから「出ていけ」と言われた那望は、あわてていぶきの傘を持ったまま帰宅してしまう。翌日、いぶきと再会した那望は、異界からの漂着物「寄り神」であるという傘を返すようにうながされるが、傘は那望の妹の清藤美依に渡していた。那望が美依に連絡を取った直後、三人は異界へと入り込んでしまったことに気づく。突如として現れた鬼の襲撃をかわしながら、なんとか美依と合流することに成功した那望は、いぶきから今いる場所が超自然と人にあらざる者が住む異界「幽世」であり、いぶきは現世を幽世の浸食から守る「異纏(あだまとい)」の一族の者であることを明かされる。幽世の鬼を石化させて倒していく、いぶきの能力を目の当たりにした那望は、心の内に秘めていた戦闘狂の血が目覚め、いぶきにいっしょに戦うことを申し出るが、拒絶され現世へと帰還する。しかし謎の少女が、昨日のいぶきが倒した鬼を復活させたため、美依が命の危機にさらされてしまう。しかし先日、出会った老人のオベロンから異纏の力を託された那望は、凄(すさ)まじい力で鬼を撃破。那望に力を与えた妖精のオベロンの意図を図りかねるいぶきだったが、那望の固い決意に押され、彼を仲間にすることを承諾する。幽世で生き残るために訓練することになった那望は、いぶきの家で特訓を開始し、与えられた力を伸ばしていく。だが、突如として現れた幽世からの侵略者、バンダースナッチと対決した那望といぶきは、そのあまりの強さに撤退を余儀なくされてしまう。帰還した那望といぶきはバンダースナッチへの対策を練り、勝利を誓ってバンダースナッチとの再戦へと挑む。絶妙のコンビネーションを発揮してバンダースナッチの足場を狙い、行動の自由を奪った二人は、みごとバンダースナッチを倒すことに成功する。その後、いぶきと共に彼女の姉である法詞九雨を見舞った那望は、その帰途で鬼を復活させた謎の少女と再会。「理安」と名乗るその少女から取引を持ち掛けられる。

登場人物・キャラクター

清藤 那望 (きよふじ なもう)

城府高校に通う2年生の男子。薄緑色の髪に爽やかな風貌をしている。優しくて穏やかな性格ながら、心の奥底では強者との死闘を望んでいる戦闘狂。ある日、道端で出会った妖精の王、オベロンから異界と現世を結ぶ寄り神をもらったことで、人にあらざる者が跋扈(ばっこ)する異界「幽世」に迷い込んでしまい、そこで幽世から現世を守る一族「異纏」の一人である少女、法詞いぶきと出会う。一度は何事もなく現世へと帰還するも、いぶきの寄り神である傘を持って帰ってしまったことからいぶきと再会し、再び幽世へと入ってしまう。そこで異纏の力を発揮して鬼を倒すいぶきの姿を見たことで、秘めていた戦闘狂の血が目覚める。その後、再会したオベロンから異纏の力を託され、いぶきといっしょに鬼と戦うようになった。「泥の胎児(ゴーレム)」という、パワーで敵をねじ伏せる異纏を使いこなす。鬼と戦う時は圧倒的なアグレッシブさを存分に発揮するが、猪武者(いのししむしゃ)というわけではなく、勝てない相手には素直に引き下がる冷静な判断力も備えている。いぶきのことが異性として気になっているが、さりげなくアプローチしても気づいてもらえないことから脈がないと思い込んでおり、それ以上積極的な行動を取ることができない。妹の清藤美依からは「兄(にい)」と呼ばれ、慕われている。

法詞 いぶき (のりと いぶき)

とある高校に通う女子。ピンク色の髪をミディアムショートにした美少女。正義感が強く生真面目だが、やや融通が利かない性格をしている。人ならざる者が住む異界「幽世」の侵略から現世を守る一族の一人。幽世の生物の異能をまとって行使できる異纏という特殊能力を持っている。異纏と行使するため、乳幼児の頃から特殊な薬剤の投与を受けている。学生として日常生活を送る傍ら、その裏で現世に侵略してくる鬼などを倒していた。敵の目を見ることで石化させられる「うなだれる者(カトブレパス)」という異纏を行使できる。ひょんなことから幽世に迷い込んだ清藤那望と出会い、その後に異纏の力を得た那望とコンビを組んで戦うようになる。人間社会のマナー全般に非常に厳しく、初対面の那望に対しても、しっかりとマナーの講釈を垂れた。異纏の能力を使うと肩が凝ってしまうのが目下の悩み。コンビを組んだ那望を特訓するうちに、彼のことをぼんやりだが異性として意識するようになる。

清藤 美依 (きよふじ みい)

清藤那望の妹で、女子高校生。ストレートロングヘアの美少女で、落ち着いた性格をしている。見た目に似つかわず、妙に大人びたお堅い口調でしゃべる。那望のことは「兄(にい)」と呼んで慕っている。那望の幽世を巡る騒動に巻き込まれ、鬼の襲撃を受けてしまうが、異纏の力を得た那望によって助けられる。ウソをつくのが嫌いで、思ったことを正直に言ってしまう。

理安 (りあん)

飲食店でアルバイトをしている若い女性。大きめのハンティングハットをかぶり、スタイル抜群で露出度の高いセクシーな服を身につけている。明るく飄々(ひょうひょう)とした性格の持ち主。実は人間ではなく、若い女性の姿をした妖精で「妖精の恋人(チャナンシー)」と呼ばれる。人外だが力は人間と大差ない。「メドゥーサの血」という万物を癒す奇跡の石が装着された杖(つえ)を持っており、鬼を含めあらゆるものを治癒することができる。故郷を焼き尽くし、父親を殺した男を探しており、復讐(ふくしゅう)を果たすために清藤那望たちに近づき、「メドゥーサの血」と引き換えに協力を要請していた。土蜘蛛と呼ばれる謎の人物から度々指示を受けている。

オベロン

妖精の王。紳士的な老人の姿をしている。帰宅途中の清藤那望に幽世に入ることができるキーアイテム「寄り神」を手渡した。その後、戦闘狂としての血が目覚めた那望に対し「泥の胎児(ゴーレム)」という異纏の力を与える。人間の心を乱す妖精であるされており、法詞いぶきからは非常に恐れられていた。

バンダースナッチ

幽世に住む生物。全身が真っ黒で、長い首をした四脚歩行の恐竜のような姿をしている。「怒り煙る顎」の異名を持つ強力な生命体で、現世を襲来した際は清藤那望と法詞いぶきの二人がかりでも歯が立たなかった。のちに対策を練った那望たちのコンビネーション攻撃によって撃破される。

法詞 九雨 (のりと くう)

法詞いぶきの姉。病院で眠り続けている女性。すっきりした顔立ちで、正義感の強い性格をしている。2年前に倒れているところを発見され、以降一度も目を覚ましていない。現代医学では何一つ異常を発見できず、髪も伸びないという不可思議な状態に陥っている。いぶきは幽世の力で眠らされていると推測していた。

土蜘蛛 (つちぐも)

清藤那望と法詞いぶきを監視している謎の人物。マスクと帽子で完全に顔を隠し、黒いコートをまとっている。性別は不明。理安の知人で、彼女に携帯電話で指示を送り、那望たちと交渉するように仕向けていた。その目的はいっさい不明。

愛佳 (あいか)

法詞いぶきと同じ高校に通うクラスメイトの女子。胸元まで伸ばしたロングヘアにしている。他人の恋愛話が大好きで、いぶきが家に清藤那望を受け入れたことを知り、恋愛に発展することを期待してテンションが爆上がりしていた。その後はいぶきと会話するたびに、那望を落とす作戦会議を提案していた。

加藤 (かとう)

城府高校に通う2年生の男子。清藤那望のクラスメイト。那望の親友ながらチャラい性格をしている。他人が振られる姿ほど愉快な場面はないという考えの持ち主で、法詞いぶきへのアプローチがうまくいかない那望の様子を見て、無邪気に喜んでいた。

場所

幽世 (かくりよ)

超自然と人あらざる者たちが住んでいる異界。人間たちが住む現世に幽世の住人が渡ってくることが度々あり、その際に現世の一部が浸食され異界化する。異界化が完了すると世界が広がり、幽世に住む者が現世に次々と来てしまうことから、法詞いぶきをはじめとする異纏の一族が侵入者を撃退し、幽世へと戻している。

その他キーワード

(おに)

幽世に住む生物。筋骨隆々とした巨体で人型の生命体。破壊と再生、生と死の輪環の象徴でもある。性質は個体によりさまざまで、すべての生者を憎んでいたり、気軽に人を蘇(よみがえ)らせたり、意外と親切だったりと、人間と同様の多様性を持つ。

寄り神 (よりがみ)

幽世からの漂着物を指す言葉。「えびす」とも呼ばれている。現世の人間が身に着けていると幽世に入ることができる。清藤那望はオベロンからえびす様のストラップの形をした寄り神を渡されたことで、幽世に入ることができるようになった。

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