概要・あらすじ
南井こころは子供の頃の事故のせいで、2年前に角膜移植をするまで盲目の少女時代を過ごしていた。目が見えるようになったこころは、夢に描いていた高校生活を満喫するが、こころが想像していたよりも日常は汚い部分が多く、こころはそのギャップに苦しむこととなる。そんなある日、こころは不思議な雰囲気を持つ国見真という少年と知り合う。
彼は超能力を持っていると噂されており、かたくなな態度で誰も近寄らせない存在だったが、こころにだけは、心を許していく。
登場人物・キャラクター
南井 こころ (みない こころ)
県立翠北高校1年生の女子。料理部に所属している。3歳の時にバスの衝突事故で失明し、2年前に角膜移植するまで目が見えなかった。そのせいで高校1年生ながらすでに年齢は18歳。好奇心に溢れており、どんなことにも挑戦したい、という前向きな気持ちを持っている。見た目は頼りないが、実はとても芯が強く、大切なもののために自分の持つすべてを賭けられる潔さを持っている。
国見 真 (くにみ しん)
県立翠北高校2年生の男子。料理部に所属している。成績は入学以来ずっと学年トップで、しかもすべてに満点をとっている。触れた相手の気持ちがわかるという能力を持っており、周囲にも超能力を持っていると噂されている。その他にも、触れた相手の傷を治すことができたり、相手に危害を加えることもできるが、国見真自身はそんな力を持て余して苦しんでいる。 南井こころの高潔さに惹かれ、彼女にだけは心を開く。
国見 健二 (くにみ けんじ)
緑山大学で教授を務める男性。国見真の叔父で、真の持つ特殊な能力の唯一の理解者でもある。長身の体躯に長髪で、穏やかな話し方をする。超常現象や超能力の研究をしており、とてつもない可能性を秘めた真に興味を持っており、その引き金になるであろう南井こころにも興味を抱いている。一方で、娘の国見サラに対しては愛情を持っておらず、どこか冷めた態度で接している。
国見 サラ (くにみ さら)
国見健二の娘。超能力を持つ少女。国見真に想いを寄せており、彼が執着する南井こころに対して敵対心を燃やす。真がこころと離れて以降、2年間を一緒に過ごし、何度も死のうとする真を止めていた。のちに真がこころと再会し、こころと生きていくことを選んだため、絶望して自殺しようと試みる。
柴田 優 (しばた ゆう)
超能力を持つ5歳の男の子。危険と破壊の力である赤のオーラを持っており、超能力で相手を攻撃することができる。既にこれまで動物や人間を殺しているが、そもそも生死の意味が分かっていない。殺すことはいけないことだと、力ずくで教えた南井こころを一時は攻撃したが、その後はこころに心を許し、懐いている。心臓の手術で渡米した母親に会いたがっている。
的場 (まとば)
大学病院で医者をしている男性。国見健二の学生時代からの友達。健二が最愛の妻を亡くし、これまで絶望したようにして生きてきたことを、すべて知っている人物。健二の超能力研究を理解しており、大っぴらにできない事態をもみ消すのを手伝う。南井こころが大怪我を負った時には、彼女の治療にあたった。
芹沢 美波 (せりざわ みなみ)
国見健二の研究を手伝っている研究員の女性。国見真の超能力研究の担当になる。ショートカットの髪型で、眼鏡をかけている。真がたぐいまれな超能力を持っていることを知っており、彼がそれを封じ込めようと望んでいるのを、もったいなく感じている。
こころの父 (こころのちち)
南井こころの父親。一人娘であるこころを大切に思っている。こころの母とともに交通事故に遭ったが、一命を取り留めた。妻を亡くした心の傷が癒えず、思い出の残る実家を売りに出し、仕事の都合で大阪へ移り住む。
こころの母 (こころのはは)
南井こころの母親。盲目だった娘を不憫に思っている。心配性なところがあり、こころが国見真と親しくすることに反対していたが、その後、自動車事故に遭って他界した。亡くなる前に、真との仲を反対したことを後悔し、こころの幸せを願っていると伝えた。
岡部 優美 (おかべ ゆみ)
県立翠北高校1年生の女子。南井こころのクラスメイト。国見真に憧れており、彼との接点を作るために、こころを自分と同じ料理部に誘う。真に冷たく扱われたので、真に大切にされるこころを逆恨みしていたが、真に火傷を治してもらって以降、2人の仲を見守るようになる。
木村 貴彦 (きむら たかひこ)
県立翠北高校1年生の男子。サッカー部に所属している。南井こころにラブレターを出して告白した。しかし、こころが目が見えなかったせいで勉強が遅れ、実際は自分たちよりも2歳年上だという事実を知り、気が引けて彼女に告白したことを後悔する。
中舘 (なかだて)
県立翠北高校に入学した1年生の男子。入学時には、南井こころは3年生に進級していた。料理部に所属しており、既に引退したこころへ、自分が作った料理を差し入れに行った。2代続くレストランの跡取り息子でありながら、味覚障害のため、通院しながら料理の勉強をしている。こころに想いを寄せている。
場所
県立翠北高校 (けんりつすいほくこうこう)
南井こころ、国見真らが通っている共学の公立の高校。部活は必修で、必ずどこかに所属しなくてはならない。屋上はいつも鍵が閉まっており、生徒は立ち入り禁止だが、真は超能力で鍵を開けて、よく利用している。料理部があり、こころや真、岡部優美が所属していた。
緑山大学 (みどりやまだいがく)
南井こころが進学した大学。国見健二が教授として講義をする授業もある。超能力研究の施設もあり、国見真をはじめ、超能力者や超能力に関する研究をしている。研究施設では柴田優を保護しており、彼の持つ能力を研究するためのマジックミラー付きの部屋もある。