スキル『台所召喚』はすごい! ~異世界でごはん作ってポイントためます~

聖女の異世界召喚に巻き込まれてしまったごくふつうのOL、小井椎奈は、異世界、リディアータ王国で謎のスキル「台所召喚」を習得する。スキルの力でなじみ深い料理を作って人々を助け、絆を育みながら、異世界の地でたくましく生きる椎奈の姿を描く、成り上がり異世界ファンタジー。「B's-LOG COMIC」2018 Sep. Vol.68から2019 Sep. Vol.80にかけて掲載された作品。コミックス刊行にあたり、描き下ろしエピソードも収録されている。

正式名称
スキル『台所召喚』はすごい! ~異世界でごはん作ってポイントためます~
ふりがな
すきるだいどころしょうかんはすごい いせかいでごはんつくってぽいんとためます
原作者
しっぽタヌキ
作者
ジャンル
料理
 
異能力・超能力
レーベル
B's-LOG COMICS(KADOKAWA)
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

仕事からの帰り道、道端で一人の女子高校生とぶつかってしまったOLの小井椎奈は、気がつくと彼女と共に異世界、リディアータ王国にいた。聞けば自分と女子高校生は、リディアータ王国を守るための「聖女」の召喚により現れたのだという。この世界の誰もが持つという「スキル」を検査した結果、女子高校生が聖女にまつわるスキルを多数持つのに対し、椎奈が持つスキルは「台所召喚」という、前代未聞にして正体不明なものだった。このことから、早々に聖女でないことが確定した椎奈は、王宮の片隅の部屋でひっそりと暮らすこととなった。それから1か月ほど経ったある日、元の世界に帰ることもできずふさぎ込んでいた椎奈は、ふとした思いつきで「台所召喚」のスキルを試してみる。すると次の瞬間、彼女はファンタジー世界にはふさわしくない、元いた世界を思わせる台所に立っていた。そして、壁に設置されたタッチパネルから、ポイントを消費して食材や調理器具が手に入ることを知った椎奈は、ひとまずベーコンエッグを作ってみることにする。この日を境に椎奈は、自らの護衛を買って出てくれた騎士のヴォルヴィ・ハストとの交流を通して、周囲に目を向けるようになっていく。そしてハストの協力を得て、「台所召喚」のスキルを磨いてみようと決意するのだった。

第2巻

スキル「台所召喚」を活用することにより、小井椎奈は、ヴォルヴィ・ハストはもちろん、強力な炎魔法の使い手であるレリィグラン・サージや、レリィグランの兄で次期宰相候補のスラスターといった、若く有力な人々と交流を深めていく。さらに、当初は椎奈に対する嫌悪感をむき出しにしていた騎士のアッシュと部下の警備兵たちとも、気さくな付き合いをするようになっていた。これらの人間関係の改善により、王宮の外に出ることを許された椎奈は、ある日、ハストやレリィグランと共に、王都の市場へ出かけることになる。だがその道すがら、はるか上空に魔獣の影を認めたハストは、最悪の場合は王都から離脱するようにと椎奈とレリィグランに告げ、単身王宮へと舞い戻ってしまう。一方のレリィグランはハストに言われたとおりに椎奈を連れて王都から逃げようとするが、椎奈は親しくなった警備兵たちを心配し、レリィグランを説得して王宮へと戻るのだった。たどり着いた王宮では、魔獣相手にハストが孤軍奮闘していたものの、警備兵たちでは魔獣の相手は務まらず、ケガ人が続出。さらに、ふだんは偉そうに警備兵に指示だけ出しているアッシュも、騎士としての務めを果たし、逃げ遅れた侍女をかばって魔獣の手にかかり、瀕死の重傷を負っていた。その惨状を前にした椎奈は、ハストの援護のために駆け出すレリィグランを見送ったあと、自分がこの王宮にいられなくなるかもしれないことを覚悟のうえで、多くの警備兵たちが見守る中、「台所召喚」を使うことを決意する。

関連作品

小説

本作『スキル『台所召喚』はすごい! ~異世界でごはん作ってポイントためます~』は、しっぽタヌキの小説『スキル『台所召喚』はすごい! ~異世界でごはん作ってポイントためます~』を原作としている。原作小説版はカドカワBOOKSより刊行。イラストは漫画版の作者である、紫藤むらさきが手掛けている。

登場人物・キャラクター

小井 椎奈 (いさらい しいな)

ごくふつうのOLとして働いていた女性。聖女である女子高校生と道端でばったりぶつかった瞬間に、偶然にも聖女召喚が行われたため、彼女といっしょに異世界、リディアータ王国にやってくることとなった。その際に与えられたスキルが「台所召喚」だったため、小井椎奈が聖女ではないことは早々に発覚。だが、一度召喚された者が元の世界に帰る方法が不明なことから、以来、何かあった時のための「聖女の予備」として、王宮の片隅にある部屋で放置されている。なお、椎奈が召喚に巻き込まれてリディアータ王国に来たことは、その場にいたごく一部の者以外には知らされておらず、現在の待遇から、周囲には、悪事を働いたせいで祖国を追われた訳ありの令嬢という、根も葉もない噂が広がっている。その噂をうのみにして、椎奈に対して悪意を持つ者も少なくはないが、椎奈自身は特に気にしていない。リディアータ王国に来て1か月ほどは茫然自失して過ごしていたが、落ち着いてからはこの世界での生活を楽しもうと気を取り直し、自らの護衛を務める騎士のヴォルヴィ・ハストと共に、謎の多いスキル「台所召喚」を成長させることに精を出すようになる。自分に辛くあたった相手でも、いざという時には自分の身を危険にさらしても助けようとする、心優しい性格の持ち主。また非常に料理がうまく、さまざまなものを作ることができる。

ヴォルヴィ・ハスト

小井椎奈の護衛を務める騎士の青年。クールなイケメンだが無口で目つきが鋭く、大柄な体格から、椎奈には心の中で「イケメンシロクマ」と呼ばれている。また、レリィグラン・サージなど親しい者からは「ヴォル」と呼ばれる。当初は聖女を護衛する特務隊の隊長を務める予定だったが、自らの国の身勝手な都合に振り回されている椎奈に申し訳なく思い、任を辞して椎奈の護衛に就くことを望んだ。スキル「台所召喚」で作った椎奈の料理を食べながら考察を巡らし、椎奈がスキルに関するさまざまなことに気づくきっかけを作る。またその過程で、「台所召喚」で作った料理の特別な効果は、スキルというよりも椎奈の優しさに由来するものであり、椎奈こそが本当の聖女なのではないかと考えるようになっていく。人間離れしたすさまじい戦闘能力の持ち主で、木の棒を素振りした衝撃で人をなぎ倒すことが可能。また、その殺気は強烈な冷気を帯び、それだけで人を昏倒させられるほど。ちなみにこれらはスキルではなく完全にヴォルヴィ・ハスト本人の実力によるものである。これほどの高い戦闘力を持ちながら、ハスト自身は、自分が戦闘用のスキルを持っていないことを残念に思っている。所持するスキルは「研磨」で、材質を問わず、さまざまなものを瞬時に鋭く加工したり、形を変えることができる。のちにその能力で、椎奈のための包丁を作り出す。もともとは国の北の森で魔獣と戦う騎士団にいたこともあり、人ではなく獣を相手にする者として、由緒正しい騎士からは「北の犬」と蔑まれることも多い。自らはともかく、椎奈が愚弄されることには非常に敏感で、騎士のアッシュの椎奈に対する暴言に対しては静かに怒りをあらわにし、目にも止まらない早業で彼の髪を片方だけ切り落としていくことで恥辱を与えている。

聖女 (せいじょ)

小井椎奈と同じ世界の女子高校生だったが、リディアータ王国を守る聖女として召喚された。リディアータ王国には椎奈といっしょに姿を現したため当初は混乱をきたしたが、聖女が持つとされる「聖魔法」「魔力∞」「幸運」「神の愛し子」といった有能なスキルを多数所持していたことから、早々に聖女であることが判明。以来、重要人物として大事にされている。国への魔獣の侵攻を防ぐため、魔具に魔力を注ぐことで結界を張ることを求められているが、現状ではスキルを使うことができず、その任を果たせずにいる。

アッシュ

リディアータ王国の騎士を務める青年。王宮の警備兵たちをまとめている。「アッシュ」は通称で、本名は「アシュクロード・フェリメハグリシュヌ・ランギオーリンズ」という。王族の血筋であることを鼻にかけて、小井椎奈やヴォルヴィ・ハストのことを蔑み突っかかっているが、椎奈からは「金髪おかっぱ」と呼ばれて軽くあしらわれ、相手にされていない。また、椎奈に暴言を吐くたびに、ハストの目にも止まらない早業で髪の片側を切り落とされ、その都度、椎奈からの呼称が「金髪アシメ」「金髪剃り込みアシメ」とグレードアップしていく。一方で、椎奈に命を救われ、同時に彼女の境遇を知ってからはそれまでの態度を正式に謝罪し、彼女のスキル「台所召喚」の詳細を周囲に秘密にすることと同時に、部下の警備兵共々、自らの剣を彼女に捧げると誓うなど、騎士として最低限の礼節は持ち合わせる。

スラスター

リディアータ王国の次期宰相と目される青年。レリィグラン・サージの兄で、病弱なレリィグランのことを「私の可愛い子ウサギ」と溺愛しており、彼のためであれば自分の信念も一瞬で曲げる。ヴォルヴィ・ハストとは旧知の仲で、彼が小井椎奈の護衛の任に付けるよう取り計らった人物。ハストとの仲は険悪で、椎奈を巡っては殺気立ったやり取りを展開するものの、その能力については、互いに一応は認め合っている。レリィグランには、性格が悪く狡猾で態度は高圧的だが、頭だけはいいと評されているほか、ハストには、信用ならない相手だが私利私欲で動くので、レリィグランが幸せであれば警戒する必要はないと評されるなど、その人間性について散々な言われようをしている。当初は椎奈の事情を知りながら「ドブネズミ」と蔑んでいたが、椎奈に命を救われ、彼女に懐いていたレリィグランに見下すように叱責されたことで、即座に椎奈の前に膝をついて自らの行状を謝罪。また、レリィグランが快復した事情を聞き、以来、椎奈のスキル「台所召喚」のことを周囲に秘密にすると共に、椎奈への協力を誓う。

レリィグラン・サージ

スラスターの弟。見目麗しい美少年で、自らを「みんなの弟」と公言している。だが言葉のチョイスがどこかおかしく、弟というには思わせぶりすぎるセリフを口にしては、「事案」にあたると小井椎奈を大いに困惑させている。生まれつき体が弱いにもかかわらず、非常に強力ながら制御の難しい「炎魔法」のスキルの持ち主で、スキルの反動による重篤な体調不良に、長いあいだ悩まされてきた。それを抑えるための魔具を多数身につけているが、それでもすでに限界に近い状態にあり、レリィグラン・サージ自身、自らの余命が長くないことを覚悟していた。だが、椎奈がスキル「台所召喚」で作った疲労回復用のデトックスウォーターを飲んだところ、体中から黒い靄が噴き出して快復。さらに基礎的な体力も向上して、スキルの反動に悩まされることもなくなり、以来、椎奈に懐いて彼女の力になろうと決意する。ヴォルヴィ・ハストなど、親しい者からは「レリィ」と呼ばれる。

場所

リディアータ王国 (りでぃあーたおうこく)

異世界にある大陸の南側に位置する王国。温暖で気候は穏やか、土地も肥沃で、海を渡った東の友好国との交易で栄えており、「花の王国」の通称で知られている。一方で、王国の北に広がる森には異様に魔力が溜まりやすく、その魔力を糧として強力な魔獣が生まれ続けているという問題もあり、こことは異なる世界からやってきた「聖女」と呼ばれる存在による聖魔法の結界で魔獣を森に閉じ込め難を逃れている。現在の結界は、最後に魔力が注がれてから20年ほど経過しているためすでに魔獣を封じる力が弱り、時に結界を抜けて魔獣が現れることから、ヴォルヴィ・ハストをはじめとする一部の騎士団が、魔獣討伐の任に当たっている。そのため、改めて魔力を注入して結界を強化することが急務となっているが、新たに召喚された聖女は、有用なスキルを数多く持ちながらも未だスキルを使うことができないため、それを果たせずにいる。

その他キーワード

台所召喚 (だいどころしょうかん)

小井椎奈がリディアータ王国に召喚された際に身につけたスキル。「台所召喚」の言葉と共に椎奈が現代風のキッチンがある別の空間に瞬間移動するというもの。その後、「できあがり」と口にすると、姿を消した元の場所に戻って来ることができる。現代風とはいえ、キッチンは電熱線コンロが一口のシンプルな形状となっている。壁にはタッチパネルがついており、そこからポイントを消費して、椎奈が元いた世界と同様な食材や調理器具を入手することができる。それとは別に、食材や調理器具は、リディアータ王国から持ち込むことも可能。また備え付けの家電もいくつかあり、例えば冷蔵庫なら、入れておけばいつまでも食材が腐らなかったり、下ごしらえをして入れれば、次に開けた瞬間には馴染んですぐに使えるようになっていたりと、椎奈にとって非常に都合のいい性能になっている。ちなみにポイントは、料理を作ることで貯まるほか、例えばヴォルヴィ・ハストの笑顔を見たりと、リディアータ王国で椎奈が体験したことによって貯まる場合もある。台所召喚で椎奈が作った料理は、食べることで強くなったり元気になったりと副次的な効果をもたらす場合があり、中には瀕死の重傷を一瞬で回復するようなものもある。なお、非常にレアなスキルで、過去にこのスキルを持った者がリディアータ王国に現れたことはなく、当初はその効果も不明だった。だが、椎奈がスキルを使うことと、それによりできた料理を食べたハストの考察により、少しずつ詳細が明らかになっていく。それに伴い、このスキルの有用性を知られると、悪用するものが現れるかもしれないとハストには強く警戒されており、椎奈とハストのあいだでは、台所召喚のことは周囲に秘密にしておこうと取り決めている。

包丁 (ほうちょう)

ヴォルヴィ・ハストが小井椎奈に頼まれ、スキル「研磨」を使って製作した三徳包丁。持ち手まで金属の一体化型で、騎士、アッシュの家宝の剣を素材としている。包丁としてすさまじく切れ味がいいだけでなく、のちに椎奈が刃を向けただけで魔獣が地鶏に変化してしまったりと不思議な能力を見せ、椎奈に「聖剣」と呼ばれるようになる。

クレジット

原作

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