概要・あらすじ
大都市イフールの冒険者ギルド。受付嬢になって3年目を迎えたアリナ・クローバーは、残業三昧の日々を送っていた。そもそも彼女が受付嬢になったのは、平穏な人生を送るため。ギルドの受付は、デスクワークだから安全安心。おまけに公務だから収入も安定している。冒険者が命を危険にさらしているあいだに、クエストカウンターで笑顔を振りまき、定時に帰る。それがアリナの理想だったのだ。しかし、ベルフラ地下遺跡最深層のボス「ヘルフレイムドラゴン」は強すぎた。誰もボスを倒せず、ダンジョン攻略が長らく滞っているため、受付嬢の仕事は激増。アリナは大量の残務のため、地獄の毎日を余儀なくされていた。休日返上で仕事をしても、ボスが鎮座している限りこの地獄は終わらない。精神的・肉体的に限界を感じたアリナは、偽名で冒険者ライセンスカードを作成。定時で帰れるようにするため、「ヘルフレイムドラゴン」のソロ討伐に向かう。その頃、ベルフラ地下遺跡最深層では、一級冒険者ジェイド・スクレイド率いる、ギルド最強のパーティー「白銀の剣」が、ヘルフレイムドラゴンと戦っていた。しかし旗色が悪く、「白銀の剣」は撤退を決意する。そこへ外套に身を包んだ小柄な人物がやって来た。その人物は、巨大な銀の大槌(ウォーハンマー)を創り出し、一撃でヘルフレイムドラゴンを倒してしまう。あまりのことに呆然とするジェイド。仲間のガンズによると、あれは「処刑人」だという。それは、攻略が行き詰まっているダンジョンに現れ、ボスをソロ討伐するという、都市伝説で語られる謎の冒険者である。立ち去る「処刑人」とすれ違ったジェイドは、外套の中の黒髪と翡翠色の瞳を目撃する。それからしばらくあと、街なかでアリスを見かけたジェイドは、彼女が「処刑人」であることに気づいた。ジェイドはアリスに「白銀の剣」に入ってほしいと頼み込むが、彼女は断固拒否。受付嬢は副業が禁止であり、バレたら一発でクビになる。アリスは、絶対に自分の正体をバラさないよう、ジェイドを脅すのであった。
登場人物・キャラクター
アリナ・クローバー
大都市イフールの冒険者ギルドで働く受付嬢。キャリアは3年目。腰まである長い黒髪と翡翠色の瞳が特徴の少女。受付嬢は、安心安全、超安定の理想の職業だと考えて就職。しかし、ダンジョンが発生して攻略が進まないことが多く、残業三昧の日々を送る。激務が続き限界に達すると、偽名を使ってライセンスカードを作成。攻略が行き詰まっているダンジョンに向かい、たった一人でボスを倒してダンジョンを完全攻略。ギルドの業務を減らして、定時で帰れるようにする。「巨神の破槌(ディア・ブレイク)」という神域(ディア)スキルで、巨大な銀の大槌(ウォーハンマー)を生成。最強レベルの攻撃を行う。受付嬢は副業禁止のため、ソロ討伐に向かう際は、外套で全身を隠している。その一方的な強さから、謎の冒険者「処刑人」として都市伝説のように語られている。
ジェイド・スクレイド
冒険者ギルド最強のパーティー「白銀の剣」のリーダー。ギルド最強の盾役(タンク)といわれる一級冒険者で、巨大な盾を持つ銀髪の青年。端正な顔立ちで女性にモテる。「鉄壁の守護者(シグルス・ウォール)」をはじめ、三つの超域(シグルス)スキルを持つ精鋭。アリナ・クローバーが、謎の冒険者「処刑人」であることを知り、「白銀の剣」の攻撃役(アタッカー)としてスカウト。アリナに強く拒否され、脅されるが、めげずに追いかけ回す。「白銀の剣」の顔であることから「白銀様」の愛称で呼ばれることもある。
ルルリ・アシュフォード
冒険者ギルド最強のパーティー「白銀の剣」の回復役(ヒーラー)。レアなスキルや治癒魔法を習得している。ピンク色のショートカットが特徴。あどけない雰囲気を残す少女で、「~なのです」といった語尾をつける。
ロウ・ロズブレンダ
冒険者ギルド最強のパーティー「白銀の剣」の後衛役(バックアタッカー)。赤い髪が特徴の青年。強力な攻撃魔法を得意とする黒魔導士。
ガンズ
冒険者ギルド最強のパーティー「白銀の剣」の元攻撃役(アタッカー)。二級冒険者で、全身を鎧に包んだ大柄の中年男性。立派な口ひげ、あごひげが特徴。武器はバトルアックスで、自尊心が高く自慢話が得意。「暴刃のガンズ」の二つ名で呼ばれた。公式には「治癒不能の負傷により引退」と報じられるが、実際は、ヘルフレイムドラゴンを倒した「処刑人(アリナ・クローバー)」の闘いにショックを受けて引退した。
スレイ・ゴースト
冒険者ギルドに所属する一級冒険者。気性が荒く癇癪持ちの青年。ギルドの窓口で騒ぎを起こすことが多い悪質なクレーマー。超域(シグルス)スキル「夢見の妨害者(シグルス・ジャミ)」で、魔物などを操る。
グレン・ガリア
冒険者ギルドの最高幹部であるギルドマスター。白髪、白い口ひげ・あごひげ、左眼あたりの傷が特徴で、超域(シグルス)スキル「時の観測者(シグルス・クロノス)」の使い手。神域(ディア)スキルが使えるという「処刑人(アリナ・クローバー)」の正体を探る。
その他キーワード
人域スキル (れぎんすきる)
魔法とは別の力で、各人に潜在的に備わるスキルのうち、最も弱いもの。力を増強させるが、人間の能力限界を超えることはない。
超域スキル (しぐるすすきる)
魔法とは別の力で、各人に潜在的に備わるスキルのうち、人域(レギン)スキルより強力なもの。人間の能力限界を突破することができる。
神域スキル (でぃあすきる)
魔法とは別の力で、各人に潜在的に備わるスキルのうち、最も強力なもの。古い文献でしか存在が確認されていない幻のスキル。かつて大陸で栄え、一夜にして滅んだという先人が「神(ディア)の祝福」として使っていた力。アリナ・クローバーがこのスキルを持っているが、本人もなぜ使えるのかは分かっていない。
クレジット
- 原作
-
香坂 マト
- キャラクターデザイン
-
がおう
書誌情報
ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います 5巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第1巻
(2022-02-10発行、 978-4049142631)
第2巻
(2022-10-07発行、 978-4049146523)
第3巻
(2023-06-09発行、 978-4049151053)
第4巻
(2024-02-09発行、 978-4049155006)
第5巻
(2024-10-10発行、 978-4049159714)
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