群雄割拠の時代へ
舞台となる異世界は剣と魔法のファンタジー世界で、アルス・ローベントは辺境の領地、ローベント家の嫡子として生まれる。しかし、ローベント家の属するサマフォース帝国は、長年の腐敗によって皇帝が求心力を失い、各地で独立の機運が高まっていた。帝国は七つの州によって成り立っていたが、それぞれの州は帝国の命令を無視して独立しはじめており、それはアルスたちが暮らすミーシアン州も例外ではなかった。さらに凶事は重なり、ミーシアン州の総督の死亡と同時に跡目争いが勃発。アルスたち弱小貴族たちも否応なく、戦乱の渦中へと身を投じていく。
幼くして底辺領地の領主となる
主人公のアルス・ローベントはアラフォーサラリーマンの日本人で、35年間ものあいだ平凡に人生を歩んできたが、気づけば異世界に転生していた。彼が転生したローベント家は辺境の底辺貴族で、貴族としての格は最底辺に近い地位にある。しかし、それゆえに領民と距離が近く、厳しくも優しい父親の教えもあって、アレスは第二の生を謳歌(おうか)し、自分の領地に強い愛着を感じるようになる。だが、世は戦乱の時代に突入しつつあり、アルスは自分の領地と民を守るため、領主として戦うことを決め、弱小だった領地を最強の領地へと変貌させていく。
「鑑定」スキルで有能な人材を発掘
アルス・ローベントは転生して以降、その人物を見ると、持っている能力を知ることのできる不思議な能力に目覚めており、アルスはその能力を「鑑定」スキルと名付けていた。幼少期からその能力を検証していたアルスは、この力を駆使して人材を発掘し、領地に有益な人物を集めることを決める。アルスは領主としては若く、経験も不足しているため戦乱の世を生き抜ける人材を集め、それによって領地を守ろうと考えていたのだ。そしてアルスは在野に埋もれた人材を発掘し、仲間を増やしていく。
登場人物・キャラクター
アルス・ローベント
ローベント家の跡取り息子。黒髪のセミロングヘアに青い瞳を持つ少年で、前世の日本人アラフォーサラリーマンの記憶を持つ。厳しいながら優しい父親のレイヴンや、親切な領民たちに囲まれすくすく育ったが、成長して領地の現状を把握していくにつれ、近い将来、国全体が乱世に突入することを確信する。転生してから他者の能力を見抜く能力に目覚めており、その能力を「鑑定」と名付けて検証している。鑑定は他者の能力を見抜くことはできるが、自分の能力は見抜くことができない。また、単純な能力とポテンシャルを把握することしかできないため、その人間が持つ特殊技能は知ることができない。しかし、才能を持ちつつも活かしきれない人間や、在野に埋もれた人材を発掘するのにはもってこいの能力であり、アルス・ローベント自身はこの能力を駆使して、領地を守り発展させるため人材集めに奔走する。リーツ・ミューセスの才能を見抜いたことを皮切りに、シャーロット・レイス、ロセル・キーシャといった優秀な人材を発掘していく。そんな中、10歳になる頃に父親が死亡し、幼くして正式に領主となる。さらに直後に情勢の悪化に伴い、領主として否応なく戦乱の世に巻き込まれていく。
リーツ・ミューセス
アルス・ローベントに仕える青年。黒髪ショートヘアで褐色の肌を持つ「マルカ人」で、容姿が非常に整っている。サマフォース帝国ではマルカ人は差別の対象で、まともな職に就くことができず、ほとんどのマルカ人は奴隷として酷使されるか犯罪者に落ちぶれるかのどちらかで、選択の余地はない。リーツ・ミューセスも幼くして奴隷として売られ、傭兵(ようへい)として辛うじて食いつないでいたが、その傭兵団も敗北して壊滅。行く当てもなく、野垂れ死にかけているところを、アルス・ローベントに拾われる。アルスが「鑑定」で見たリーツの能力は、圧倒的なポテンシャルを持つ「稀代の英雄」クラス。武勇をはじめ知略など、非の打ちどころない能力値を誇り、アルスに拾われたことでその才能を開花させ、あらゆる仕事をこなす完璧超人と化す。アルスに拾われたことを恩義に感じており、彼に絶対の忠誠を誓う。戦場でもその圧倒的な武勇を誇り、次第に「黒の死神」と呼ばれるようになる。
クレジット
- 原作
-
未来人A
- キャラクター原案
-
jimmy
書誌情報
転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~ 16巻 講談社〈KCデラックス〉
第1巻
(2020-11-09発行、 978-4065212998)
第2巻
(2021-02-09発行、 978-4065223567)
第3巻
(2021-05-07発行、 978-4065231609)
第4巻
(2021-08-06発行、 978-4065244760)
第5巻
(2021-11-09発行、 978-4065259887)
第6巻
(2022-02-09発行、 978-4065269060)
第7巻
(2022-05-09発行、 978-4065278444)
第8巻
(2022-08-09発行、 978-4065286647)
第9巻
(2022-11-09発行、 978-4065297155)
第10巻
(2023-02-09発行、 978-4065305324)
第11巻
(2023-05-09発行、 978-4065315958)
第12巻
(2023-08-08発行、 978-4065325957)
第13巻
(2023-11-09発行、 978-4065335123)
第14巻
(2024-03-08発行、 978-4065348642)
第15巻
(2024-06-07発行、 978-4065357996)
第16巻
(2024-10-08発行、 978-4065370421)