概要・あらすじ
日乃出浜高校の3年生、深水透子はガラス工房を営む家の娘。彼女は幼い頃からガラスなどのキラキラしたものを通して、幻影のようなものを見ていた。夏休みのある日、転校生の少年沖倉駆から透子に見える幻影のようなものは「未来の欠片」であるという話しを聞かされる。
そして、そう話す彼は、未来の声が聞こえるという。ふたりの力を合わせればより鮮明な未来がわかるというが、あらかじめ未来を知るという事は…。
不思議な力を軸に高校生たちの心が動いていく。
登場人物・キャラクター
深水 透子 (ふかみ とうこ)
日乃出浜高校3年生。美術部に所属のロングヘアの女の子。カフェカゼミチで友達と過ごすことが好き。明るく元気な性格だが、異性の感情には鈍く、井美雪哉に告白されたが、彼を友達以上に思えないと考えるほど恋愛関係は疎い。 家がガラス工房で、小さな頃からガラスなどのキラキラしたものを通して幻影のようなものを見ていた。ある日、転校生の沖倉駆からその幻影は「未来の欠片」であると聞かされる。駆自身は、未来の声が聞ける少年であり、映像が見える透子と一緒にいると未来の事がよくわかると近づかれるが、出会った当初はそんな彼の態度に不満を持つ。 しかし、雪哉の告白や友人とのギクシャクした気持ちの流れに、駆と未来を見てみることにする。 これをきっかけに駆と未来を見るという名目で何度も会っているうちに、お互いの距離が縮まり彼を異性として意識し始める。
高山 やなぎ (たかやま やなぎ)
渚ヶ丘高校3年生。モデルを目指すロングヘアの女の子。幼い頃、母親を亡くし、父は再婚している。再婚相手で同じ年の息子・井美雪哉とも家族となり同居しており、怪我をした彼のリハビリも手伝っている。 雪哉に好意を抱いているが、彼が深水透子を好きなことを知っているため、想いを内に秘めている。透子とのことで沖倉駆と雪哉でいさかいが起こったことから、駆のことをあまり良く思っていない。
永宮 幸 (ながみや さち)
日乃出浜高校3年生。深水透子のクラスメイトで親友である、ボブヘアのメガネ女子。病弱で、療養のために学校を休みがちである。趣味は読書で、他人の心の動きにはとても敏感。親友の透子には好意を抱いており、透子に近づく転校生沖倉駆を警戒している。 このふたりの関係を妨害しようかとも考えていた。白崎祐から想いを寄せられているが、彼の好意は少々重荷である。
沖倉 駆 (おきくら かける)
日乃出浜高校の3年に転校してきた男子。父は建築家、母はピアニストで、幼少から母の仕事について転校を繰り返していた。しかし、高3の夏休みから父の地元で暮らすこととなり、ひとりで山歩きなどを日課にしていた。 未来の声のようなものを聞く能力があり、それを「未来の欠片」と言っている。自分と同じように「未来の欠片」を見ることができる深水透子に特別な気持ちを持っており、透子に好意を持っている井美雪哉には敵対心がある。
井美 雪哉 (いみ ゆきなり)
日乃出浜高校3年生。陸上部に所属。短距離走のホープだったが、高1のときに怪我をして、それ以来リハビリ生活を続けている。母親が高山やなぎの父親と再婚し、家族として皆と同じく同居しているが、学校では旧姓のままで通している。 深水透子に好意を抱いており、彼女に近づく転校生・沖倉駆をライバル視していたが、透子の気持ちの動きや自身の焦りから彼女に告白。しかし、友達としか思えないと断られる。 記録会の後にやなぎに告白されるが、答えは出せないでいる。白崎祐とは中学からの友人である。
白崎 祐 (しろさき ひろ)
日乃出浜高校3年生。趣味は山登り。井美雪哉とは中学からの友人である。深水透子たちが集まるカフェカゼミチは祖父の経営で、時々店番をしたりする。ノリがよく明るい性格で、永宮幸のことが好き。 彼女の入院先に毎日お見舞いに行ったり、彼女の趣味に合わせ本を読んだりと努力するが、空回りである。
深水 陽菜 (ふかみ ひな)
日乃出浜第一中学校2年生。女子水泳部に所属。ショートカットの少女で、深水透子の妹である。あわて者の姉を度々サポートするしっかり者。沖倉駆と姉のことも応援している。姉の友人・高山やなぎに憧れており、やなぎの想い人井美雪哉に対して叱咤激励する場面もある。
白崎 百 (しろさき もも)
女子大生で、白崎祐の姉。運転免許を取ったばかりの若葉マークで、誰かを車に乗せて走りたくてたまらない時期。しかし、運転は下手で、車体のあちこちに傷があり。総合病院に彼氏が入院している。