グレネーダー

グレネーダー

海瀬壮祐の初連載作品。戦国世紀と呼ばれる架空の世界を舞台に、「殲滅閃士(グレネーダー)」と称される天道琉朱菜と、仲間たちの活躍を描く。「月刊少年エース」2000年11月号から、2005年5月号まで連載された。

正式名称
グレネーダー
ふりがな
ぐれねーだー
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

凄腕の閃士である天道琉朱菜は、侍の虎島弥次郎と共に、自らの生まれ故郷を目指して旅を続けていた。道中にて風船使いの紅みかんを新たに仲間に加えた琉朱菜は、師であり育ての親でもある金剛早雲を訪ねるべく、国の中心である大都市、中央天都へと向かう。しかし、天都の主である天子は琉朱菜を危険人物と認定して指名手配し、十天閃と呼ばれる親衛隊を差し向け、天都への道を阻むのであった。

登場人物・キャラクター

天道 琉朱菜 (てんどう るしゅな)

閃士の少女。明るく前向きな性格で、マシンガンを持つ敵をリボルバーでたやすく無力化するほどの高い腕前を持つことから、「殲滅閃士(グレネーダー)」と称され、恐れられている。複数の人物からナイスバディと称されるスタイルの良さを誇るが、本人には大した自覚はない模様。赤子の頃に、金剛早雲と銀ナマリに拾われ、彼らから閃術を学んでいる。 自分の生まれ故郷を目指し旅を続けているが、天子によって危険人物と認定されており、たびたび妨害を受けている。

虎島 弥次郎 (こじま やじろう)

侍の名家である虎島一族の少年。天道琉朱菜からは「やっちゃん」と呼ばれている。分家の身でありながら、一族から篤い信頼を得ており、本人も一族を守るために戦っていた。しかしある事故によって一家から離反。流れていたところで琉朱菜と出会い旅路を共にするようになる。大砲を刀で斬り落とすほどの優れた剣の腕を持つが、そんな彼でも琉朱菜の桁外れの実力にはいつも驚かされている。

紅 みかん (くれない みかん)

大手の遊郭である桃華楼の手伝いをしている少女。男勝りな性格をしている。かつて有賀ガン蔵に両親を殺されており、その際に紅桃華によって引き取られた。桃華楼がガン蔵による襲撃を受けた際に、天道琉朱菜と虎島弥次郎に助けられ、事件解決後は桃華の勧めによって2人の旅に同行する。自らが膨らませた風船を自在に操る特技を持ち、硬度自体もダイヤモンド並に強化することができる。

紅 桃華 (くれない とうか)

大手の遊郭である桃華楼の主。かつて十天閃の頭領だった過去を持ち、金剛早雲とも面識がある。拳槍閃と呼ばれる武器を自在に操る閃士で、その技量は天道琉朱菜すら圧倒する凄まじいもの。しかし、その体は病魔に侵されており、本気を出して戦える時間には限度がある。紅みかんたち、遊郭の従業員を家族と呼んで可愛がっており、彼女たちから絶大な支持を受けている。

金剛 早雲 (こんごう そううん)

天道琉朱菜の師であり、育ての親。廃墟で泣いていた赤子を銀ナマリと共に拾い、「天道琉朱菜」の名前を与えて娘として育て上げた。彼女が閃術のまねごとをしていた姿を見て資質があると判断し、本格的に閃術を伝授する。のちに故郷を目指し旅だった琉朱菜と、偶然中央天都で再会。ある事情により視力を失ってしまっていたが、琉朱菜に匹敵する閃術の腕は健在だった。

銀 ナマリ (しろがね なまり)

金剛早雲の弟子で、天道琉朱菜にとっては姉弟子にあたる。仲も良かったが、ある時琉朱菜が熊に襲われ、救出する際に左目を失ったことで閃士の道を断たれてしまう。その際に抱いた負の感情を鉄仮面弾爵に付け込まれ、旅を続ける琉朱菜たちの前に、鉄仮面や蒼馬三蔵と共に敵として現れる。

鉄仮面弾爵 (てっかめんだんしゃく)

風龍の同志として、天道琉朱菜の前に現れた仮面の男。機械仕掛けの身体は絡繰(カラクリ)と融合する特性を持っており、それゆえに強力な絡繰を開発することで更なる力を得ることができる。琉朱菜の力に興味を抱いており、彼女が風龍を下した後も、新たな仲間や絡繰を用意し、幾度となく立ちはだかる。

藍前 鉄破 (あいぜん てっぱ)

十天閃の一員。眼鏡をかけた低身の青年。惚れっぽく、女性が絡むと見境がなくなる一面がある。しかしその実力は高く、専用の武器である「金剛鎧布」を巧みに操り、いかなる硬いものでも打ち貫く。中央天都の長である天子の命を受け、十天閃最初の刺客として、辺境霊峰ナバンバを訪れた天道琉朱菜一行を襲撃する。

蒼馬 三蔵 (そうま さんぞう)

「牙楽閃士」の肩書を持つ、十天閃の一員。トサカのような髪形をしている巨躯の男。専用の武器である神音咆を所持し、音による攻撃と防御を使い分ける戦闘スタイルを得意とする。辺境霊峰ナバンバの山頂に隠されていた船に近づいた天道琉朱菜一行の前に、銀ナマリと鉄仮面弾爵と共に現れ、一行を大いに苦戦させた。

白尾 神之進 (はくび しんのしん)

「水狼」の肩書を持つ、十天閃の一員。逆立つ髪形が特徴的な青年。その通り名のごとく、海中における戦闘に秀でており、鉤爪や魚雷などを駆使して敵対するものを追い詰める。辺境霊峰ナバンバを超え、港から中央天都へ向かう天道琉朱菜たちに対し、渡し守に変装して接触。船を爆破し、水中戦を挑む。なお、その際に立て札で会話をするという奇妙な特技を披露した。

紫賀 十左衛門 (しが じゅうざえもん)

「無敵閃士」の異名を持つ、十天閃の一員。ウサギの着ぐるみを着込んでおり、素顔を把握することはできない。鉄仮面弾爵によって、中央天都に侵入した天道琉朱菜たちに差し向けられた。「無敵」の異名の通り、すべての閃士の天敵とされているが、その秘密は彼の使用する「紫賀解甲拳」にある。

紅 桜華 (くれない おうか)

「龍紅槍術二代目当主」の肩書を持つ、十天閃の現頭領。前の頭領であった紅桃華の妹で、彼女に匹敵する閃術の腕を持つ。十天閃を次々と撃破した天道琉朱菜に興味を抱いた紅桜華は、琉朱菜を新たな十天閃の候補とみなし、その力量を見極めるために自ら戦いを挑む。なお彼女を含め、十天閃のメンバーは既に桃華が死亡したものと思い込んでいる。

風龍 (ふろん)

太羅之国(たらのくに)の国王。17歳だが、病が原因で幼少時と変わらない姿をしている。表向きは民に慕われている名君だが、裏では鉄仮面弾爵と手を組んだうえで、太羅之国に伝わる秘密兵器「魔の閃」を操り、姿を隠して多くの閃士を抹殺している。

悪鬼那号 (あっきなごう)

「亡者の怪物」の異名を持つ巨漢の閃士。「ガルド」と呼ばれる散弾銃を武器に、とある城に立てこもり、殿様を人質にして多額の金品を要求していた。その凶暴さに多くの侍が難儀していたが、天道琉朱菜に言わせれば銃の使い方を知らない素人でしかなく、彼女の閃術によってあっさりと無力化されてしまう。

有賀 ガン蔵 (ありが がんぞう)

辺境の豪族である「有賀組」の頭。紅みかんにとっては両親の仇で、当然ながら強い憎しみを向けられている。桃華楼の経営権の横取りを企んでいるが、紅桃華とはあまりにも実力が違いすぎるため、手を出せずにいた。しかし、造師蛮丸から譲り受けた大筒(大砲)を使い、桃華楼を物理的に破壊し降伏を迫る。

造師 蛮丸 (ぞうし ばんまる)

武者貴族の一員。有賀ガン蔵と結託し、共に桃華楼を奪い取ろうと企んでいる。天才を自称しており、自身の発明に対し絶対の自信を抱いている。自ら開発した絡繰(カラクリ)兵器「鬼蛮天」に搭乗し、桃華楼を守ろうとする天道琉朱菜と対決する。

鉄壊鬼 バ王 (てっかいき ばおう)

「地獄の料理人」の異名を持つ、反朝廷の一員。金貨4000枚の賞金を懸けられている。全身を鎧に包んだ巨漢で、戦場における破壊行為を料理に例えている。「爆牛刀」と呼ばれる機械剣を軽々と振り回し、単身で1つの集落を容易に壊滅させられるほどの力の持ち主。鉄仮面弾爵の中央天都襲撃に参加し、虎島弥次郎と対決する。

虎島 乱 (こじま みだれ)

虎島一族の現当主を務める青年。虎島弥次郎とは親しく、妹のすぐはを託したが、彼女が非業の死を遂げたことでそれを後悔している。現在は戦いをもって弥次郎の真意を見定めるべく、あえて反朝廷に組している。異国の人間より受け取ったという機械刀「霹靂の太刀」を持って弥次郎と対決し、彼の侍にかける信念を問う。

集団・組織

十天閃 (じってんせん)

中央天都の主である「天子」を守護する役目を負っている10人の閃士。誰もが認める天下最強の10人と評されており、「天下十閃器」と呼ばれる専用の武器をそれぞれが所持している。現在は、天子が天道琉朱菜を危険人物と認定したことにより、彼女を討伐するために動いている。

反朝廷 (あんち)

現在の朝廷に対して不満を抱く反乱分子の総称。賞金稼ぎや盗賊などの寄り合いに過ぎなかったが、鉄仮面弾爵の統率と、絡繰(カラクリ)の兵を配置することで勢力を一気に拡大。天道琉朱菜の姉弟子である銀ナマリや、虎島弥次郎の義理の兄といえる虎島乱も加わり、今や十天閃に匹敵する力を誇示している。

武者貴族 (むしゃきぞく)

中央天都に居を構える貴族の一派で、十天閃と同じく天子を守護する役割を担っている。貴族ゆえの傲慢さを持ち、補助役であると見下している十天閃が英雄視されていることを快く思っていない。そのため、十天閃を失脚させようと画策している。

場所

桃華楼 (とうかろう)

紅桃華が経営している大手の遊郭。桃華によって救われた身寄りのない女性たちが寄り合っている。世界的な知名度を誇っており、割引券すら、金貨に匹敵する価値を持っているとされる。そのため、経営権を狙う悪党なども存在するが、従業員のほとんどに戦の心得があり、遊郭でありながら軍隊レベルの戦力を保持しているため、うかつに手を出せない場所となっている。

辺境霊峰ナバンバ (へんきょうれいほうなばんば)

天道琉朱菜の一行が、中央天都に向かう際に通りがかった山。「頂に財宝あり」という噂があり、それに惹かれて大勢の侍や閃士が登頂に挑んだが、分厚い雲と強烈な乱気流が阻んでいるため、山頂にたどり着いたものはいないとされている。登山の半ばで力尽きた人々の遺骸や遺物などが気流に押し上げられ降ってくることがあり、真下を通り抜けることすら命がけの覚悟を必要とする。 かつて虎島弥次郎が登頂に挑んだことがあったが、断念している。

中央天都 (ちゅうおうてんと)

1000年に渡り国の中核を担っている、難攻不落の城塞都市。国の内政を取り仕切る朝廷府や、それを守護する十天閃、及び武者貴族の本拠地でもある。紅桃華が故郷を求めて旅をしている天道琉朱菜に対し、この都への訪問を勧めている。しかし現在は、反朝廷の台頭など不安要素も存在している。

その他キーワード

閃士 (せんし)

銃の扱いに長けた武者の総称。また、銃のみならず、爆弾や重火器などに精通した者も閃士と呼ばれることがある。彼らが扱う技術は閃術と呼ばれており、武器の見た目からは想像がつかない、奇想天外なカラクリを用いることが多い。

向日葵式零距離射程閃術 双流星撃 (ひまわりしきぜろきょりしゃていせんじゅつ だぶるいんぱくと)

天道琉朱菜、及び金剛早雲の使用する閃術奥義。撃鉄を掴み直接雷管を殴ることで、銃の重さを利用した打撃と発砲による弾撃を重ねて威力を倍加する零距離射撃。重装甲すら容易く打ち砕く破壊力を誇るが、実際は敵の攻撃に対するカウンターとして用いる技であり、自分からこの技を放ってしまっては威力が半減する。また、銃にかかる負担も大きいため、無暗に使うことは金剛早雲から禁じられている。

金剛早雲直伝二挺閃術秘奥義 輝虹流星 (こんごうそううんじきでんにちょうせんじゅつとっておき れいんぼーすたー)

金剛早雲から新たな銃を受け取り、二挺拳銃となった天道琉朱菜が新たに会得した、最強の閃術。線条構が異なる二挺の銃を同時に撃つことにより、発砲後の気流を反発させ、空気を巻き込んで弾丸の軌跡を変化させ、威力を増幅すると同時に回避を極めて困難にする。両手に銃を持ち、「虹を描くように撃つ」ことでも発動するが、天道琉朱菜と銀ナマリが同時に撃つことによって、その威力は最大限に発揮される。

拳槍閃 (けんそうせん)

紅桃華が使用する、「天下十閃器」の1つ。剣玉の形をした槍で、玉状の先端に衝撃をかけることで内部の弁を解放させ、陰陽2種類の液体火薬を混合し着火。これによる爆発の衝撃で目標を破砕する。鎖による着脱も可能で、桃華の技量も相まってリーチを問わない戦いを仕掛けることができる。

鬼蛮天 (きばんてん)

造師蛮丸によって開発された、拠点攻略用の発条式絡繰(カラクリ)兵器。常人の数倍以上の巨体と、それに似合わぬ敏捷性、さらに、大砲とマシンガンを搭載している。5時間以上の連続機動を可能としており、設計した蛮丸をして天下無敵の絡繰兵器と言わしめている。有賀ガン蔵を退けた天道琉朱菜の前に現れ、圧倒的火力で彼女を追い詰めた。

金剛鎧布 (こんごうがいふ)

藍前鉄破が使用する、「天下十閃器」の1つ。わずかに採掘される金剛石を加工し、鋼線を交え織り込んだ無敵の衣。天子を守る盾の役目として考案されており、実際に銃撃すら弾くほどの防御力を獲得している。さらに、螺旋状にねじり上げることで、どのような装甲も貫く槍としての役割を果たすことも可能になっている。

神音咆 (かのんほう)

蒼馬三蔵が使用する、「天下十閃器」の1つ。笛のような形状をしている。空気を流動させることで音による振動波を発生させ、標的の聴覚器官、および三半規管にダメージを与え、平衡感覚を奪う。さらに、振動波は弾丸を弾くほどの障壁にもなるため、まさに攻防一体の武器と言える。

紫賀解甲拳 (しがかいこうけん)

紫賀十左衛門の用いる超高速の解体閃術。特殊なギミックを備えた手甲を用いて捉えた銃器を一瞬で分解する。十左衛門の頭脳にはすべての銃の図面が記憶されており、完璧な知識と驚異的な解体スキルによって、如何なる銃でも1秒足らずで完全に解体してしまう。銃を武器とする閃士にとっては、まさに天敵と呼べる閃術である。

爆牛刀 (ばくぎゅうとう)

鉄壊鬼バ王が持つ機械仕掛けの大剣。峰にロケットブースターが内蔵されており、斬りかかる際にブースターに点火することによって、剣撃の威力を倍以上に高めることができる。バ王はこの機構を活用することによって、建物すら簡単に両断することができる。

霹靂の太刀 (へきれきのたち)

虎島乱が持つ機械仕掛けの刀。異国の技術が組み込まれている。刀に磁石が、鞘にコイルが内蔵されており、抜刀の際に摩擦を起こすことにより、刀身に触れた物を痺れさせ一瞬で焼き焦がすほどの電気を纏わせることができる。

永久機関 太陽光絡繰 (えいきゅうきかん そーらーじゃけっと)

鉄仮面弾爵の祖先が作り上げ、中央天都に眠っていた超巨大絡繰(カラクリ)。本来は中央天都のエネルギーを賄うための太陽光電池なのだが、鉄仮面弾爵と融合することによって、彼の意のままに動く兵器と化してしまう。かつて鉄仮面男爵はこの兵器を再現するための実験に失敗し、国を1つ消滅させるという事態を招いている。

アニメ

グレネーダー ~ほほえみの閃士~

銃に長けた武者を閃士(せんし)と呼んだ戦国世紀。時代遅れの6連発回転式拳銃を唯一の武器に、機関銃やライフルを使うならず者たちを撃退する、天才的な射撃の腕の持ち主天道琉朱菜。だが、世界を統べる天子の教え... 関連ページ:グレネーダー ~ほほえみの閃士~

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