コミックマスターJ

奇跡のスーパーアシスタント、コミックマスターJが、締め切りを越えそうな漫画家のもとに現れ、驚異的な神業で彼らを救っていく姿を描いた、1話完結および数話からなるショートストーリー作品。登場する漫画家や編集者たちは架空の人物ではあるが、一部実在する作品や漫画家をパロディとして模したものが登場する。さらに、実際の出版業界で問題定義された事案や、社会問題に発展した漫画にまつわる実在の事件なども作品内のテーマとして盛り込むこともあり、出版業界の裏側の一端を垣間見ることもできる。

概要・あらすじ

どんな漫画家のネーム、ペンタッチをも驚異的なスピードで完璧に再現する奇跡のスーパーアシスタント、コミックマスターJ。その仕事の依頼料は500万円。そして、仕事を受ける絶対条件として、依頼する作品がJの認める良作であること。火事で原稿を紛失した作家や、怪我や日頃の不摂生で入院した作家たちの修羅場と化した仕事場に現れては完璧以上の作品を完成させ、漫画界の生きる伝説として多くの逸話を作っていくJ

だが、彼はなぜ自分自身の作品を書かないのか。誰もがそんな疑問を抱くなか、日本有数の少年漫画雑誌のひとつ週刊少年ダッシュの編集部に、無記名の投稿漫画が送られてくる。その作品が漫画界を激震させ、世界をも揺るがす大騒動へとつながっていき、やがてJの真の目的が明らかになっていく。

登場人物・キャラクター

コミックマスターJ (こみっくますたーじぇい)

依頼料500万円で仕事を引き受けるスーパーアシスタントで、どんな漫画家のネーム、ペンタッチをも完璧に再現する。ブロンドのような白髪に赤眼を隠すサングラス、裏に漫画道具をぎっしりと詰め込んだ白いロングコートと、全身白ずくめの異様な姿をしており、常に沈着冷静。自身が認める作品には無償で仕事を引き受けるなど全身全霊をかけた愛情を見せることもあるが、駄作に対しては非情な決断を下す。 渋谷駅の伝言板に「コミックマスターJの漫画が読めるのは○○(雑誌名)だけ」と書くことで、連絡を取ることができる。

延道 断 (えんどう だん)

長期連載を続けている締め切り間際の漫画家のもとに突然現れ、原稿を破棄したのちに、その漫画家のペンタッチを完全再現させた最終回を書いて去っていく。漫画道具を詰め込んだギターケースを背負い、大型バイクで仕事場に乱入する破天荒な男で、人気や惰性で連載を続けることで名作を駄作に変えてしまう商業主義への怒りが、彼の行動原理となっている。 スーパーアシスタントのコミックマスターJとは、思想の違いにより幾度となく衝突を繰り返す。

おやっさん

渋谷駅の露天で漫画雑誌を販売している初老の男性。コミックマスターJとは旧知の仲であり、彼の仕事場に自由に出入りできる数少ない人物のひとり。Jに対し仕事の依頼を伝えたり、精神的なケアをするなど、さまざまな世話を焼いている。

華彩 (かさい)

仮面を被った執事風のミステリアスな男性で、コミックマスターJが仕事場にしている建物の1階にある画材屋の店長。Jが使用する漫画道具はすべて彼が調達しており、一定時間経つと消えるインクといった新製品の開発にも余念がない。謎の存在CLUBの全容を解明するために組織されたJ機関の一員でもあり、全世界に張り巡らせたネットワークを駆使し、情報収集を担当している。

山下 賢治 (やました けんじ)

日本有数の少年漫画雑誌のひとつ週刊少年ダッシュの敏腕編集者。熱血漢で涙もろく、過剰な妄想癖がある。コミックマスターJとともに多くの修羅場をくぐり抜けており、彼とは酒を酌み交わせる唯一の男。だが、漫画業界を揺るがした一億の伝説の事件の際、真の傑作を生み出すために、漫画家志望の少女木乃花一葉の人格を封じ込めようとしたJの非情な考えを真っ向から否定し、Jの敵になることを宣言した。

木乃花 一葉 (このはな かずは)

週刊少年ダッシュに亡くなった双子の妹木乃花二葉の作品を投稿したことをきっかけにコミックマスターJと出会い、漫画家を志すことになる少女。やがて一億の伝説を生み出した作品の作者として名乗りを挙げて皆を認めさせるが、それはJの暗示によって、彼女の肉体に木乃花二葉の魂を憑依させていたからこそ描けただけであった。 暗示が解けたあとはどうやってその作品を描いたのか覚えておらず、再び漫画家を目指して修業の日々を送る。のちに週刊誌、月刊誌同時連載という破格のデビューを果たした。

木乃花 二葉 (このはな ふたば)

漫画家を目指す少女木乃花一葉の双子の妹。病弱だが確かな漫画の腕前と眼力を持っており、コミックマスターJが代原した作品をすべて見抜き、Jを動揺させた。自身の生きた証として漫画を書き残そうとするが、志半ばで死去。木乃花一葉があとを継いで完成させ週刊少年ダッシュに持ち込んだが、まだまだ荒削りで掲載は見送られた。 その後、木乃花一葉にだけ見える守護霊のような存在として残り、木乃花一葉の仕事をサポートした。

小林 信也 (こばやし しんや)

漫画家を目指して上京し、アシスタント業にまい進する少年。厳しい現実に打ちのめされ、さらに漫画業界を揺るがした一億の伝説の事件の際に発表された作品の凄さを感じることができずに完全に心が折れてしまう。その後、先輩アシスタントだった大口の誘いに乗ってコミックマスターJを貶める巨額の詐欺事件に加担。 主謀者として逮捕され刑務所に収監されるが、地獄のような監獄の中で囚人や看守たちの心をとらえる漫画作品を描き上げ、刑務所の支配者となる。その漫画作製の際に全身全霊をかけたため、髪が白髪になってしまった。

大口 (おおぐち)

その名の通り大口を叩く横柄な態度の男。アシスタント業を生業とし、周囲の人々には愛車ジャガーにちなんで、自らを「ジャガー」と呼ばせている。コミックマスターJの師匠やJ自身を騙るという姑息な所業を繰り返すが、そのたびに本人に遭遇し、手痛い復讐を受けていた。漫画業界を揺るがした一億の伝説で発表された漫画作品の映画化権をハリウッドに売る、という巨額の詐欺事件を企てるが、その企みもJに露見して警察に逮捕されてしまう。 その後、収監された監獄で変態囚人の蛇島に虐待され廃人となった。

アンディ・モルダンJr. (あんでぃもるだんじゅにあ)

アメリカ一の巨大銀行、モルダンバンクの御曹司で、筋金入りの経営者。日本の誇るべき文化として漫画を敬愛しており、ある漫画家の作業場を訪問した際にコミックマスターJと出会い、漫画家とJが見せるプロフェッショナルな姿に感動。以後、日本を訪問した際にはJへの助力を惜しまず、どんな無茶な要求にもその有り余る財力で応えてくれるほどの関係になった。

銭馬 金次郎 (せんば きんじろう)

自身の編集プロダクションを持つフリーの編集者。作家のプライベートを裏でコントロールしてまで傑作を生み出そうとするほどの執念を見せる編集のエキスパートで、彼が手がける作品はかならずヒットを飛ばす。対象の人物が漫画でどれほどの金を生み出せるのかを見抜く異能の眼力の持ち主で、彼がコミックマスターJを目撃した時には、Jが財宝に埋まっている姿が見えたため、その後、手を組むことを持ちかけた。

集団・組織

J機関 (じぇいきかん)

『コミックマスターJ』に登場する組織。世界を破滅に導くというCLUBの全容を解明するためにコミックマスターJが設立した特殊機関。そのメンバーは世界中に散らばっており、メンバーの表の顔はごく普通の一般人やインターポールの捜査官などさまざま。CLUBの動きを察知すると同時にメンバーがネットワークで繋がり、彼らがつかんだ情報は本部基地とも言えるJの仕事場へと瞬時に転送される。

イベント・出来事

一億の伝説 (いちおくのでんせつ)

『コミックマスターJ』で発生した事件で、日本有数の少年漫画雑誌のひとつ週刊少年ダッシュに送られてきた無記名の投稿漫画がその発端となった。それは読んだものが誰もが涙する完璧すぎる作品で、すぐに掲載が決定したが、あまりの完成度の高さにその作品を読んだ漫画家たちが自暴自棄となり続々と失踪。さらに作品を書いた謎の作者に対して、一億円の契約金が懸けられるほどの大騒動にまで発展した。

その他キーワード

CLUB (くらぶ)

『コミックマスターJ』に登場する謎のキーワード。それがいずれ世界を破滅に導くと言われており、コミックマスターJ、およびJが創設した組織J機関のメンバーが全容を解明すべくその謎を追っている。J自身はCLUBを何らかの秘密結社ではないかと目しているが、その存在の一端すら掴むことができていない。

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