ゴッドサイダー

ゴッドサイダー

20世紀末、魔王(サタン)を復活させるため、彼の手下である「悪魔側の人間」(デビルサイダー)が、世界各地で人間の虐殺と破壊活動を始めた。神とサタン、両方の血を受け継いだ少年、鬼哭霊気は、地球と人類を守るため、デビルサイダーたちとの戦いを始める。キリスト教、仏教を中心に、中国神話や中東神話などのエッセンスを盛り込んだ、異能力バトル漫画。1980年代の後半に連載が開始され、ごく近い未来である世紀末、黙示録の戦い(ハルマゲドン)を題材とした作品であった。

正式名称
ゴッドサイダー
ふりがな
ごっどさいだー
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
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概要・あらすじ

1987年、魔王(サタン)を復活させるため、彼の手下である「悪魔側の人間」(デビルサイダー)が、世界各地で人間の虐殺と破壊活動を始めた。日本で目覚めたデビルサイダーのドゥーインは、日本仏教界を取り仕切る大日輪行仁を抹殺しようと自衛隊を操り、鬼哭寺へと攻め寄せる。彼の瘴気による攻撃を受けたことにより、主人公の鬼哭霊気は封じられていた真の力が目覚め、ドゥーインを打ち倒す。

神とサタン、両方の血を引き継いだ子孫であった霊気だが、彼は理不尽な死をもたらすデビルサイダーへ怒りを感じ、神の側の人間(ゴッドサイダー)となることを選択。デビルサイダーたちの目論見を打ち砕くべく、戦いに身を投じるのだった。

登場人物・キャラクター

鬼哭 霊気 (きこく れいき)

魔王(サタン)が、天使長ルシファーであった頃に、その体から生まれた者たちの子孫である鬼哭一族のひとり。育ての親である大日輪行仁により、記憶や力を封じられていたが、サタン復活を目論む悪魔側の人間(デビルサイダー)の襲撃を受けた際、封印が解け、記憶がよみがえり、己の立場を思い出す。 神とサタン、いずれの属性も備えているが、行仁の計らいにより、優しい子供たちや、自然の動植物と触れ合いながら成長したため、邪悪な性質は抑えられており、真っ直ぐな心根に育った。このような性格もあって、理不尽な死をもたらす悪魔側の人間(デビルサイダー)には強い怒りを覚え、人類を守る側、神の側の人間(ゴッドサイダー)として戦うことを決意する。 ゴッドサイダーとデビルサイダー、両方の属性を備えているため、デビルサイダーの瘴気を吸収し、それをゴッドサイダーの技として転化することができる。同じ一族の鬼哭流璃子とは、姉弟のように育った仲。ウッド・ワードとの戦いで影を奪われた際には、図らずもデビルサイダーの鬼哭霊気とゴッドサイダーの鬼哭霊気に分裂。 デビルサイダーの霊気がゴッドサイダーの霊気を殺そうとするが、幽体離脱をした流璃子が駆けつけ、これを阻止。最終的にはデビルサイダーの霊気がゴッドサイダーの霊気を食べることで、再統合を果たし元の霊気に戻った。 天使長ルシファーのみならず、毘廬遮那(バイローチャナ)の血も受け継いでおり、また「智」を司る毘廬遮那を初めとする、五智如来(大日如来=毘廬遮那、阿閦如来、宝生如来、無量光如来=阿弥陀如来、不空成就如来)が守護神となっている。後に、サルガタナスに敗れ、死亡するが、行仁の行った儀式により超魔人鬼哭霊気となって復活した。 ゴッドサイダーではあるが、正義のために戦うのではなく、その行動理念は愛に基づいている。主な必殺技は神魔血破弾、怨霊散弾、怨霊魔鬼雨、神魔壮弾など。また、敵の血肉を吸収することにより、その情報を得て、相手の力を手に入れることができ、パズスとの戦いでは、彼の血からペルセポリス神魔碑文という必殺技を習得し、これを使っている。 十天闘神のひとり。

鬼哭 流璃子 (きこく るりこ)

魔王(サタン)が、天使長ルシファーであった頃に、その体から生まれた者たちの子孫である鬼哭一族のひとり。幼い頃、鬼哭霊気とともに育ち、彼から姉のように慕われていた。超能力で人類を助けていた鬼哭一族が、次第に恐れられ、疎まれるようになっていったという歴史に憤りを感じ、悪魔側の人間(デビルサイダー)として行動するようになる。 悪には染まりきれておらず、霊気との戦いをためらい、デビルサイダーの拠点、地獄境界線(ヘルス・ボーダー)に戻ったところを、裏切り者として捕らえられた。監禁されている最中も、霊気の身を案じ、その危機には幽体離脱を行って駆けつけ、霊気を救っている。 霊気に助けられた後は、神の側の人間(ゴッドサイダー)として戦うようになった。特にサポート系の技に優れており、冥界から魂を救い出す技、冥界逆葬送や、敵の攻撃エネルギーを吸収し無力化する鬼哭聖壁光などを使う。十天闘神のひとりで、「願」を司る弥勒菩薩を守護神とする。

阿太羅 (あらた)

法粛、得尊らとともにヒマラヤ山脈のインド仏教総本山、ラマ寺院で修行をしていたゴッドサイダー。デビルサイダーの動きが活発化した際、極東へと調査に出かけた。正義に対する思いが強すぎるところがあり、仲間の得尊がフォラスに捕えられ人質となった際には、神々の尊厳と正義を優先させようとする非情な一面を見せている。 また、潔癖なところがあり、当初は悪魔の血も引いている鬼哭霊気と距離を置くような言動をしていた。だが、霊気の慈愛の心に打たれ、改心し、心を開くようになる。帝釈天の血を引いており、ゴッドサイダーの中でも、一つ頭抜けた力をもっている。背中から神木の手を生やして敵を切る千手斬舞、風圧を刃先に集中させその波動で相手を内部から突き破る千手波動殺などの技を使う。 熱血漢で思考が固めであり、子供たちにからかわれるようなところもあった。一方で戦いにおいては機転が利き、サタンの生贄として血を取られた際は、サバンナツエツエバエの血を混ぜ、その完全復活を阻止したり、賢者の石と愚者の石版が消滅しそうになった際は、これを剣で破壊し、剣の中に吸収して強化するなどしている。 ベルゼバブとの戦いで両目を潰され、一時期は目が見えなかった。十天闘神のひとりで、「戒」を司る帝釈天(たいしゃくてん)を守護神とする。

大日輪行仁 (だいにちりんぎょうじん)

高野山にある鬼哭寺の住職であり、日本仏教界を取り仕切っている老爺。ゴッドサイダーの指導者的立場の人物である。その能力はかなりのものがあり、魔方陣を使って、鬼哭霊気の復活をなしている。特別な技はもっていないが、その戦闘力は測りしれないものがあり、第一次世界大戦中には、ヨーロッパにベルゼバブを封じに赴いている。

C・マリガン (くらっしゅ・まりがん)

DIA(アメリカ国防情報局)の破壊工作部隊長であり、ゴッドサイダーのひとり。階級は少佐。常に葉巻を咥えている巨体の男性。豪放磊落で家族愛の強い、良き古き時代のアメリカ人男性を体現しているかのような人物である。敵であっても女性は殺さない主義。でかい女がタイプ。 元アメリカンフットボールの選手であり、ニューヨークソルティドックスのクォーターバックを務めた。当時の愛称は重戦車(ビッグタンク)。アメリカの子供たちなら、だれでも知っていると言われるほどの、ヒーロー選手であった。必殺技はアメリカンフットボールのタックルにゴッドサイダーの力を乗せたジーザス・クラッシュ・ショルダー、サイコキネシスによる自分の分身を従え、一部隊を形成して戦う技、念波幻影(サイコキネシスストレンジャー)など。 包容力があり、敵であったジェミニーの心をつかみ、後に、彼女と結婚。間に、一子、トミーを設けている。十天闘神のひとりで、「力」を司る伐虎羅天(ばこらてん)を守護神とする。

ジェミニー

悪魔医師パラケルススによって生み出された、ホムンクルス(無精女闘士)のひとり。非常に体が大きく、C・マリガンに勝るとも劣らないほど。別名、女人間発電所。戦い方は、この巨体を生かした格闘戦で、高速のストレートからエルボーアタックへと変化するエルボー・スピンバスター、パンチの風圧で相手にダメージを与える風圧鎮魂曲(ウインディーレクイエム)などの得意技をもつ。 肉体こそ大人だが、特殊な容器の中で育ったため、純粋で人のいうことを信じやすい一面があった。生みの親であるパラケルススの言葉を絶対視していたが、パラケルススの自分たちホムンクルスに対する非情な扱いと、C・マリガンの優しい心に打たれ、ゴッドサイダーとしての心に目覚める。 これにより、パラケルススを裏切って、自らの手で生みの親を葬った。後に、C・マリガンと結婚し、息子のトミーを設けている。結婚後、家庭の主導権はジェミニーが握ったようであり、C・マリガンを尻に敷いていた。十天闘神のひとりで、「進」を司る頞折羅天(あさらてん)を守護神とする。

T・マリガン (とみー・まりがん)

C・マリガンとジェミニーの息子。父のクラッシュが死んだあとは、十天闘神の座と、伐虎羅天(ばこらてん)の守護を受け継いだ。必殺技はジーザス・フラッシュなど。

法粛 (ほうしゅく)

阿太羅、得尊らとともにヒマラヤ山脈のインド仏教総本山、ラマ寺院で修行をしていたゴッドサイダー。デビルサイダーの動きが活発化した際、ヨーロッパへと調査に出かけた。ヨーロッパから賢者の石を持ち帰っており、鬼哭霊気らの元へ駆けつけた際は、霊気たちを苦しめていたパラケルススをこの石の中に封印している。 ベルゼバブとの戦いにおいて右手を失い、義手となった。剃髪し簡素な衣装を身にまとっていたが、ヨーロッパに行った際、現地で活動しやすくするためと、パンクスタイルの服装をするようになった。神のために戦うことを第一義とし、サタンを滅ぼせるなら、人類が滅んでも構わないと思うようなところがあった。 十天闘神のひとりで、「方便」を司る迷底羅天(めてらてん)を守護神とする。諜報活動が得意。ナルシストな一面があり、顔を傷つけられて激怒したことがある。

得尊 (とくそん)

阿太羅、得尊らとともにヒマラヤ山脈のインド仏教総本山、ラマ寺院で修行をしていたゴッドサイダー。デビルサイダーの動きが活発化した際、アメリカへと調査に出かけた。アメリカでベルゼバブに敗れ、ゴッドサイダーに対する人質として悪魔将軍神父フォラスに利用された。 鬼哭霊気がフォラスとの戦いでピンチに陥った際、彼を助けて死亡。首を切り落とされても、フォラスの体に食らいつき、フォラスを倒すための突破口を開いた。得意技は忿怒六角針。

魔王 (さたん)

デビルサイダーの総帥。元は天使長ルシファーとして神に仕えていた。彼が天使長であった頃の子孫のひとりが鬼哭霊気であり、サタンは、霊気のことを息子と呼んでいる。霊気たちがパズスと戦っている最中に復活。身にまとう瘴気の強さは尋常でなく、何もせずとも、その周囲の人々や建物が溶け落ちるほどである。 その力は圧倒的であり、完全復活を遂げたパズス以上の力を見せている。天界へ侵攻し、自分を追放した大天使ミカエルに復讐をしようとしていた。

悪魔将軍 神父フォラス (じぇねらる ふぁーざーふぉらす)

デビルサイダーのひとりで、日本を制圧するために、ベルゼバブより遣わされたデビルサイダーの指揮官。防衛庁を乗っ取り、東京を死の町へと変えた。銃弾を弾き返し、銃弾につながる鞭状の瘴気で被害者を意のままに操る瘴気操鞭(しょうきそうべん)、無数の十字架で敵を閉じ込め、瘴気を奪い取ってしまう聖逆十字壁(セント・クロス・シールド)、瘴気の中に作り出した内宇宙に敵を閉じ込めて圧倒的に有利な状況で戦う瘴気亜空弾(しょうきあくうだん)などの技を使う。

蠅の帝王ベルゼバブ (ふらいますたーべるぜばぶ)

魔王(サタン)復活を目論むデビルサイダーの総司令官的立場の人物であり、デビルサイダーの副将軍。サタンに次ぐ実力を備えているという。東京、グランドキャニオンなど、世界各地に200mサイズの魔方陣を描き、これらをつないで地球規模の魔方陣を作り、サタンを復活させようとしている。 アメリカ・アリゾナ州のグランドキャニオン地下にある地獄境界線(ヘルスボーダー)に拠点を構え、デビルサイダーの指揮を執っていた。鬼哭霊気たちを迎え撃った際には、迷路帝都(ラビリントス)という地形を変貌させた巨大な罠を敷き、ゴッドサイダーを苦しめた。自身の身体能力も高く、阿太羅の千手斬舞を見切り、彼の手首をつかんでその動きを止めるという離れ業をやってのけている。 蠅を操る力をもち、死の接吻を通して、相手の体内に蛆を送り込み、内臓を食い破らせるという技を持っている。そのほか、体内から強力な酸を吐くことが可能。自分の分身である影を生み出すことができ、この影ですら、阿太羅たちを苦しめる力がある。 ベルゼバブの本体は液状になっているため、物理的な攻撃により、切断されるなどしても、再び元の形に戻れるため、不死に近い。年齢は3億歳であり、第一次世界大戦の折には、行仁と戦ったという因縁がある。

悪魔医師パラケルスス (あくまいしぱらけるすす)

迷路帝都にある悪魔病院(デビルホスピタル)の院長。中世ヨーロッパに実在した医師で錬金術師、パラケルスス(本名:テオフラストゥス・フォン・ホーエンハイム)の子孫を名乗っている。細い眼鏡に蝶ネクタイを締め、髭を生やした容貌。髭はドリル状になり、銃弾のように飛んで敵を攻撃する武器にもなった。 デビルサイダーの悪魔たちの治療を行いながら、彼らを殺してホムンクルス制作の素材としていた。ジェミニーら、無精女闘士軍団(ホムンクルスアマゾネス)の生みの親ではあるが、彼女たちはあくまでも駒であり、愛情は抱いていない。普段は人型をしているが、巨大な亀と竜の合成生物のような姿を取ることもある。 法粛によって、賢者の石の中に閉じ込められた。

ラスネール伯爵 (らすねーるはくしゃく)

パズスを倒すために、魔王(サタン)から鬼哭霊気の元に遣わされた戦士。デビルサイダーながら、利害の一致から霊気たちと行動することが多く、幾度となく交流をしている。体をバラバラにされても元に戻れるという不死身ぶりが特徴。呪術で八首竜(エイトネックドラゴン)を操ったり、生き物の体から養分を吸い取り死に至らしめるマンドラゴラの種を利用するなどの間接的な攻撃を得意とする。 また、別の空間へ瞬間移動できる技、瘴気亜空間移動などを身につけている。不死身の肉体を誇っていたが、最後は、その再生能力を逆手に取られ、マンドラゴラと一体化させられ、封じられてしまった。

ルキフグス

魔界の副王。サタンの9人の幕僚が合体した姿であり、頭部のシャルタ、右腕のガール、左腕のケルスート、右肋骨のカリューモス、左肋骨のミュルトン、左足のロイゴス、胃腸のアリアドーネ、右足のゴネリッポ、心臓のユーハームからなる。パズスとの戦いのダメージにより、鬼哭霊気たちが姿を消している間に富士の樹海に拠点を構え、実質上、地球の支配を行っていた。 ゴッドサイダーを自らの拠点におびき寄せ、獄爆弾(ヘルライザー)によって富士山の下のマグマ層を爆破し、日本もろとも霊気たちを全滅させるという策を実行する。

(きょう)

殷の遺臣たちが死して後に作った、奇肱国の四騎士のひとり。美しい女性であったが、周の軍隊に捕まった際に、鉄板の上で焼かれ、体の大部分と顔の半分に酷い火傷を負った。このため、自分よりも美しい女性に嫉妬を覚えるようになり、鬼哭流璃子に対して強い敵意を抱いた。猛禽類の中でも最も獰猛といわれるワシミミズクを操り、これに敵を襲わせる技、猛禽弾刺などを使う。 彊良が、自らの命と引き換えに、彼女の心臓を取り戻してくれた際、騎士としての誇りと優しい心を取り戻し、ゴッドサイダーとなった。その体には、彊良の気を宿している。また、体の火傷痕は彊良が死に際し、自分の皮膚と入れ替えてくれたことで、体から消え去っている。 十天闘神のひとりで、「忍」を司る両杜羅天(りょうとらてん)を守護神とする。

大影神鳥慶 (だいけいじんうけい)

摩圖崇教団の教祖の弟であり、幹部のひとり。鬼哭寺を焼き討ちし、行仁を殺したとされる人物。占い用のサイコロ、骰気卦を使い、これを敵の額にぶつけて、その出た文字につながる死を敵に与えるという技、骰卦文呪殺を使う。その正体は、デビルサイダーであり、魔王の義弟、アスタロト大公爵であった。

大影神蘇聴 (だいけいじんすちょう)

摩圖崇教団の創始者であり、大影神鳥慶の姉。山犬に封じられたパズスを食べることにより、体内で彼を再生し、生み出した。細胞の一片からでも、パズスを再生することができる。その正体は、サタンの妻、リリスであり、サタン復活のために、パズスと協力体制を作ろうとしていたところ、パズスに精神を支配され、彼の細胞増幅装置としてつくりかえられていた。

魔獣番犬ケルベロス (まじゅうばんけんけるべろす)

『ゴッドサイダー』に登場する魔物。地獄の入り口とされる谷の底に、三つの犬の顔が口を開けている。この口の中に飲み込まれると永遠に消えてしまうという。

彊良 (きょうりょう)

殷の遺臣たちが死して後に作った、奇肱国の四騎士のひとり。殷王朝の正義の英雄であったが、周王朝の残虐さを見て、人間に絶望し、パズスに同調するようになる。虎が襲い掛かり、そこから強力な毒素をもった笹の葉を敵に発射し、体を麻痺させ、腐らせる技、忌陣影虎、虎の頭を撃ちだし、その牙で敵を襲う技、四死殺虎などを使う。 本来は高潔な騎士であったが、パズスに操られ、残虐な行動をとるこがある。四騎士の鶚とは恋人の間柄であった。鶚の心臓をパズスから取り返した際に、命を落とす。

大神魔王パズス (だいしんまおうぱずす)

地上の王であったが、1億年前にサタンに敗れ、その地位を追われた古代バビロニアの神。すべてを食らい尽くす神と言われている。古代バビロニアの食人魔王とも。かつて、奇肱国の四騎士の願いを聞き届け、周の軍隊を食らって全滅させ、周王朝を滅ぼしている。3000年前には、サタンに封じられ山犬へと姿を変えられており、自らを蘇聴に食べさせることで、この世に復活するという儀式を行っていた。 蘇聴の口から赤子として再誕。肉体が成長する際は、蝉のように脱皮を行う。生まれた後、一時間に物の怪の気を1つずつ体に取り込み、88時間をかけて、完全体になるという。バビロンの空中庭園を造り、奇肱国の四騎士たちを配置して、完全体になるまでの時間を稼いだ。 部下の心臓を奪い取り、絶対服従を強いる能力をもつ。皮膚を鏡化し、技を跳ね返す、ペルセポリス鏡牙殺(ペルセポリス・ミラー・クラッシュ)、ペルセポリス超絶碑文などの技を使う。下衆で姑息な性格をしており、敵を嬲り者にしたり、人の心を試して楽しむようなところがある。

リリス

元は天界の住人であったが、夫である大天使ルシファー(地に落とされた後の名はサタン)とともに、地に落とされた。サタンを復活させるためにパズスに協力を求め、近づいたところ、彼に精神を支配されてしまう。パズスが滅してからは心を取り戻し、サタンの妻として彼に従っている。

鬼哭陀華桜 (きこくたける)

鬼哭一族の若衆頭であり、十天闘神のひとり。「施」を司る。

鬼哭密桜 (きこくみつる)

鬼哭一族の若衆頭であり、十天闘神のひとり。「定」を司る。

アスタロト大公爵 (あすたろとだいこうしゃく)

サタンの義弟。姉はサタンの妻、リリス。天使長ルシファーが、罠にかけられ、ろくに調べも受けず天界から追放された際に、彼に従って地に落ちている。このため、天界と大天使ミカエルを憎んでいた。本来はゴッドサイダーたるべき人物であるが、自らのゴッドサイダーとしての血を偽善として拒否しており、このため命を縮めるほどの苦痛を受ける発作が起こっている。

サルガタナス

アスタロト大公爵の弟。アスタロトとリリスが天界から追放された原因を作ったとされ、「呪われた弟」とも呼ばれている。天上界で生まれた際、心と血液をもっておらず、彼の母親が乞うて、十天闘神から血を分けてもらった。だが、それでも足りなかったところを、神の姿をした悪魔が血を提供し、ようやく生を得ることとなる。 このため、十天闘神すべての血と悪魔の血を両方引き継いだ存在となった。長じてから、サルガタナスは凶暴な行いを繰り返したため、大天使ミカエルの逆鱗に触れ、地上に落とされている。宇宙でもっとも高次元とされ、太陽を越えた惑星である、永劫回帰惑星を守護星としてもつ。 体の半分が永劫回帰惑星とこの世を結ぶ扉となっており、普段は鎧でこれを隠しており、この扉からは、パズスやサタンを超える超魔人を呼び出すことができる。大地を抉りすさまじい破壊力をもつ技、神雷(ゴッド・サンダー)や空間を支配し、敵の力を吸収し跳ね返す能力をもつ。超絶的な力を備えていたが、実は永劫回帰惑星の住人から、実験動物として作られていた存在であった。

超高次元の魔人 (ちょうこうじげんのまじん)

天使長ルシファーに濡れ衣を着せ、その反乱を仕組んだ人物。サルガタナス、パズス、ベルゼバブ、鬼哭霊気たちは、彼が星の位置を変えたことにより生まれた存在であった。サタンと大天使ミカエルの戦いによって、この世の消滅を目論んでいる。悪魔のような顔に、4本の腕をもち、虫のような羽を生やし、蛇の尻尾をもった姿をしている。 これは仮の姿であり、その正体は超重量暗黒空間(キング・オブ・ブラックホール)が意思を持った無機体であった。

集団・組織

摩圖崇教団 (ぱずすきょうだん)

『ゴッドサイダー』に登場する組織。フォラスがBC兵器(毒ガス)を使い、東京で500万人を虐殺した後に起こった新興宗教団体。大影神蘇聴によって始められ、日本全国に100万人の信者を抱えている。教義は、「汚れた外界との接触を断ち、教団の教えに従い、共同生活をしながら、神に召されるのを待つ」というもの。 教団の真の目的は、信者の中からわずかながらでも超能力を持つものを選び出し、その生き血を集め、古代バビロニアの大神魔王パズスを新たな神としてよみがえらせようというものであった。

鬼哭一族 (きこくいちぞく)

『ゴッドサイダー』に登場する一族。はるか昔、大天使ルシファーから生まれた人々の子孫を指す。その超常的な力により、人類の黎明期に生存を助けてきたが、かえってその力を恐れられ、迫害されるようになってからは、人類との接触を避け、隠れ住むようになった。天狗、鬼などと呼ばれた存在。若衆頭に鬼哭陀華桜(きこくたける)、鬼哭密桜(きこくみつる)という人物がいる。 彼らは、念力による分身の術や、鬼哭呪法を身につけており、並の悪魔たちは100人束になっても敵わないほどの力をもっている。

場所

バビロンの空中庭園 (ばびろんのくうちゅうていえん)

パズスが作り上げた空間で、侵入を防ぐための物理法則を無視した回廊や、ゴッドサイダーの力では破れない結界、異世界へと通じる庭園などが配置されている。なお、結界は、C・マリガンとジェミニーの愛の力を込めた合体技、ジーザス・ダブルパワーフラッシュにより破られている。

その他キーワード

五大元素短剣 (ふぁいぶ・あとみっくそーど)

トロイア、命(みこと)、覇王など、すさまじい力を秘めた5本の短剣を指す。5本がひとつになることで、悪魔も神もすべてを滅することができる無限強の剣、絶無元素聖剣(ナユタアトミックソード)へと形を変える。天界への扉を指し示し、これを開くための鍵でもあった。

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