概要・あらすじ
闇にまぎれ、悪魔族が蠢きはじめた魔界都市東京が舞台。小さいころから魔女に憧れ、現在も魔女を自称する魔鬼邑ミキは、幼馴染の不動アキラや同級生たちと学校の屋上で召喚魔術を行う。儀式の途中、突如現れた悪魔族が同級生を殺し喰らう姿を見て、ミキは無我夢中で呪文を唱えた。すると、悪魔族の勇者アモンが降臨し、不動アキラの肉体を宿主(ホスト)として復活。
周りの悪魔どもを次々と蹴散らした。平和な日常が一転、悪魔の接触者(サモナー)となったミキと勇者アモンは、人間を悪魔族から守るため、闘いの日々を送ることになった。
登場人物・キャラクター
アモン
『デビルマンG』の主人公の一人。悪魔族の中でも勇者と讃えられた獣魔族(ベスティア)の悪魔。他の悪魔を喰らい、合体進化する悪魔族の中にあり、ただ命を奪うため、「喰わず殺し」の異名を持つ異端児。魔鬼邑ミキによって召喚されるが、不動アキラの肉体に憑依した。人間・不動アキラの意識が潜在意識下に残っており、ミキを愛しその命を守るようになる。 必殺技は斬肉飛剣(サウザンド・カッター)、血腕力(セイバー・チョップ)、震空音檄(ソニック・アロー)、燃滅光線(ターミネーション・ビーム)、葬烈脚(フューネラル・キック)、熱風煉獄(ブラスト・ゲヘナ)など。また、断空翼(スラッシャー・ウィング)で空を飛ぶ。永井豪『デビルマン』に登場する悪魔アモンがモデル。
魔鬼邑 ミキ (まきむら みき)
『デビルマンG』の主人公の一人。幼いころから魔女に憧れ続け、ソロモン王の後継者を自称し、怪しげな魔法術を行う女子高生。悪魔召喚の儀式中に現れた悪魔族により同級生を失う。また、無我夢中で呪文を唱えたことにより、アモンの接触者(サモナー)となり、幼馴染の不動アキラに憑依させてしまう。同級生を死なせた責任から悪魔の正体や目的を突き止め、悪魔族と戦う決意をする。 後に悪魔族のフラムとメドックに身体を乗っ取られそうになるが、アモンとの同調を繰り返したために備わった力で、悪魔の支配を拒否。人の心と悪魔の力を持ったデビルマン・フラムメドックとして生まれ変わる。剣道部顧問の大柴ソウスケに剣技を学んでおり、大柴流必殺剣・断鉄閃などで悪魔族を叩き斬る。 永井豪『デビルマン』に登場した牧村美樹がモチーフ。
不動 アキラ (ふどう あきら)
魔鬼邑ミキの幼馴染。気弱でおとなしい性格の高校生。小さいころからお転婆なミキに守られていた。学校の屋上に突如現れた悪魔族を払い去ろうとしたミキが呼び出した、悪魔族の勇者アモンの宿主(ホスト)となる。アモンに意識を乗っ取られるが、ミキを守りたいというわずかな思いが残留しており、アモンに大きな影響を与える。 永井豪『デビルマン』の主人公、不動明がモチーフ。
火叢 アスカ (ひむら あすか)
魔鬼邑ミキの中学校時代の同級生。ミキに好意を持つ不良でしつこくつきまとうが、ミキには嫌われている。後にデビルマン・ハーシュとなる。火叢アスカはアニメ版『デビルマン』の氷村巌(妖獣ヒムラー)と漫画版『デビルマン』の飛鳥了がモチーフ。デビルマン・ハーシュはアニメ版『デビルマン』の魔将軍ザンニンがモデル。
川本 ミキコ (かわもと みきこ)
魔鬼邑ミキと同じ高校の女子高生。ハンチング帽を被るボーイッシュな女性。不良グループに入り、火叢アスカと行動を共にする。後にデビルマン・トゥルグとなる。デビルマンに変身したときは、胸や股間の穴から強力な溶解液を吐き出す。永井豪『デビルマン』に登場したデビルマン、ミーコがモチーフ。
有賀 ネム (ありが ねむ)
雷沼研究室の助手で、シレーヌ配下の悪魔・邪顔族(ゴーゴン)アリーダ。人間形態時はウエーブのかかったロングヘアに丸メガネをかけた美人。同じく助手の入間サチの親友。悪魔の時は体が大きな顔になっている姿。爬虫族(レプティリアン)ジンメンに喰われたサチの敵討ちで、ジンメンを殺す。 永井豪『デビルマン』に登場した悪魔アリーダがモデル。
雷沼 重造 (らいぬま じゅうぞう)
雷沼ツバサの養父。物理学者。妖鳥シレーヌに協力し、その宿主であるツバサを捕らえようとする。その真の目的は、ツバサの力を増幅し、シレーヌを消滅させることにあった。漫画版『デビルマン』に登場した雷沼教授がモデル。
入間 サチ
雷沼研究室の助手でシレーヌ配下の悪魔・鳥人族(ハルピュイア)イルーゲ。下腹部の口から超音波を発する。同じく助手の有賀ネムの親友。爬虫族(レプティリアン)ジンメンに襲われて喰われる。入間サチは、漫画版『デビルマン』で同じくジンメンに食べられてしまったサッちゃんを、鳥人族イルーゲは同漫画に登場した悪魔イルーゲをモチーフにしている。
シレーヌ
「妖鳥」と呼ばれ、勇者アモンと幾度となく死闘を繰り広げたが決着がつかなかった鳥人族(ハルピュイア)の悪魔。魔将軍ザンを倒して、魔将軍の名を手に入れた。雷沼ツバサを接触者(サモナー)として合体するが、宿主(ホスト)であるツバサに拒絶される。そのため精神体だけとなり、死肉を集めたかりそめの肉体で復活。 後に虚を突き、ツバサを宿主とすることに成功。悪魔族の最終奥義である慈悲の一撃(クー・ド・グラース)は、天空から閃光となって体当たりする「乙女、火の見櫓より身を投げし夜半(スターダスト・デカダン)」。永井豪『デビルマン』に登場する悪魔シレーヌがモデル。
千田 マリ (ちだ まり)
雷沼研究室の助教で、シレーヌの右腕と言われる悪魔・水妖族(アクエリアン)ゲルマー。人間形態時はグラマーな美女で、左目に黒い眼帯をしている。タレちゃんの家庭教師として魔鬼邑家に潜入。水と同化する能力を持ち、ゲルマーの水を飲んだ人間を自由に操ることができる。千田マリは、永井豪原作の特撮人形劇『Xボンバー』のブラディ・マリーがモチーフ。 水妖族ゲルマーは、永井豪『デビルマン』に登場する悪魔ゲルマーがモデル。
アオイ
魔鬼邑ミキらが通う高校の女教師。水泳部顧問。ショーットカットの美女。レズビアンで同校教師蘭ジュンの恋人。永井豪『デビルマンレディー』に登場した黒崎あおいをモチーフにしている。
東大寺 (とうだいじ)
魔鬼邑ミキ、不動アキラのクラスメイト。超真面目な優等生。雷沼ツバサに初恋をする。ツバサがシレーヌ形態に変身する姿を目の当たりにしても、その愛を貫いた芯の強い少年。のちに悪魔族の巨竜族カイムと合体し、デビルマン・カイムとなる。人間・東大寺はアニメ版『デビルマン』に登場した東大寺入郎がモチーフ。 カイムは漫画『デビルマン』に登場した悪魔カイムがモデル。
蘭 ジュン (あららぎ じゅん)
魔鬼邑ミキらが通う高校の女教師。レズビアンで同校教師アオイの恋人。のちにデビルマン・マーメリアになる。蘭ジュンは、永井豪『デビルマンレディー』の主人公・不動ジュン、アスカ蘭がモチーフ。デビルマン・マーメリアはアニメ版『デビルマン』の妖獣マーメイムがモデル。
吾河 シロー (あがわ しろー)
雷沼研究室の助教で、シレーヌの片腕と言われる悪魔・地精族(ノーム)アグウェル。人間形態時は超ハンサムで、魔鬼邑ミキらが通う高校の新任教師として赴任する。壁や土などと同化する能力を持ち、群がる女生徒を自室に溶解してコレクションしている。吾河シローは永井豪原作の特撮人形劇『Xボンバー』の主人公・銀河シローがモチーフ。 地精族アグウェルは漫画版『デビルマン』に登場した悪魔アグウェルがモデル。
エバイン
『デビルマンG』に登場する悪魔。水妖族ゲルマー配下の獣魔族(ベスティア)。半人半馬の女性型悪魔。鏡の世界の住人で、その姿を映したものを操り、危害を加えることができる。悪魔族の最終奥義である慈悲の一撃(クー・ド・グラース)は、鏡に映った相手をいたぶる「淫靡に跳ねよ、淑女の連弾(プリンセッセ・ヒステリーク)」。アニメ版『デビルマン』に登場する妖獣エバインがモチーフ。
雷沼 ツバサ (らいぬま つばさ)
雷沼重造の養女。妖鳥シレーヌの接触者(サモナー)だが、宿主(ホスト)となることを拒絶。シレーヌの力のみを持った分身となる。精神体のみとなったシレーヌに、宿主として付け狙われる。シレーヌ配下の悪魔たちに襲われたところを、アモンやミキに救われる。人の心を操ることができ、魔鬼邑ミキの妹になりすまして生活する。 父・雷沼重造をシレーヌから救うため、アモンに協力を求める。のちに一瞬の虚を突かれ、シレーヌに体を乗っ取られる。
ジンメン
『デビルマンG』に登場する悪魔。爬虫族(レプティリアン)。巨大なカメの姿をした悪魔族。生物を生きたまま喰らい、犠牲者の顔を生前の意識を保ったままその甲羅に浮かびあがらせる。入間サチを食らい、その親友・有賀ネム(アリーダ)に殺される。永井豪『デビルマン』に登場した悪魔ジンメンがモデル。
アトロシアス
『デビルマンG』に登場する悪魔。悪魔族元老院(セナトゥス・デアボリ)の一人で、妖将軍の称号を持つ。シレーヌを殺したアモンに対し、魔王同士の私闘を禁じた約定違反で死刑を宣告する。あらゆる攻撃を引き寄せ分厚い肉球で無力化する「万物招来(まねきねこ)」や神速の拳「獅子猛迅拳」(ねこパンチ)が得意技。また、数えきれないほどの尾に命を宿しているため、ほぼ不死身。 その姿は、アニメ版『デビルマン』の妖将軍ムザンをモチーフとしている。
サイコジェニー
『デビルマンG』に登場する悪魔。巨大な顔の下は右手だけという異様な姿をしている。悪魔族一の精神感応(サイコキネシス)の持ち主。悪魔族の最終奥義である慈悲の一撃(クー・ド・グラース)は、「胡椒商人の嘘は喫水線下で腐る(コギト・ディリュージョン)」と呼ばれる精神攻撃。漫画版『デビルマン』に登場する悪魔サイコジェニーがモチーフ。
艫舵 ヒカル (ともだ ひかる)
魔鬼邑ミキらの通う高校にいきなり現れてアモンに喧嘩を吹っ掛ける。その正体は悪魔族・水妖族(アクエリアン)ニクス。冷気を操る能力を持つ。悪魔族の最終奥義である慈悲の一撃(クー・ド・グラース)は、秒間千発の絶対零度の弾丸を放つ「安息日、溝鼠は揚羽蝶を緊縛す(オーロラガトリング・マニフィカート)」。 一方的に宿命のライバルだと言い張り、ミキをだしに、アモンと対決する。敗北を喫し、体を真っ二つにされるが、蘇生能力が高く、翌日何事もなかったかのように現れる。以後、アモンと共闘して悪魔族と闘う。アニメ版『デビルマン』に登場する友田光一(妖獣ドランゴ)をモチーフにしている。
魔王サタン (まおうさたん)
『デビルマンG』に登場する悪魔族。鳥人族(ハルピュイア)の悪魔族で、外宇宙人の血を引く。雌雄同体で十二枚の羽根を持つ。時を自在に操る超能力を使う。節足族(インセクター)メドックと炎鬼族(イグニス)のフラムを使い、魔鬼邑ミキの体を乗っ取らせようとするが失敗。人間の心と悪魔の能力を持ったデビルマン・フラムメドックを誕生させてしまう。 その容姿は、永井豪『デビルマン』に登場したサタンがモデル。
メドック
『デビルマンG』に登場する悪魔族。節足族(インセクター)。「脳幹食い」の異名を持ち、他者の頭に寄生し、思い通りに操る。魔鬼邑ミキに憑りつき、アモンを殺そうとする。炎鬼族(イグニス)のフラムと融合、フラムメドックとなり、さらにミキと合体、精神を乗っ取られ、その力を奪われる。漫画版『デビルマン』に登場するデーモン、メドックがモチーフ。
フラム
『デビルマンG』に登場する悪魔族。炎鬼族(イグニス)。魔王サタンによってこじ開けられた異次元の道を通り、魔鬼邑ミキと接触するが、頭に憑りついていた節足族(インセクター)メドックと融合してフラムメドックとなる。さらにミキに精神を乗っ取られ、その力を奪われる。アニメ版『デビルマン』に登場する、妖獣ファイアムがモチーフ。
クルール・フォン・クラインバルト (くるーるふぉんくらいんばると)
『デビルマンG』に登場する悪魔族。人間形態時は、ドイツの名門貴族クラインバルト公爵家の当主。クラインバルト・コレクションの総合プロデューサー兼宝石デザイナー。その正体は悪魔族元老院(セナトゥス・デアボリ)の一角、冷元帥クルール。魔将軍シレーヌ、妖将軍ヴィルフェとともに、人間に一大攻撃を仕掛ける。 悪魔形態時は、アニメ版『デビルマン』に登場した妖元帥レイコックの姿をモデルにしている。
空宜 リョウ (うつぎ りょう)
日本を代表する舞台演出家で、「現代のダンテ」の異名を持つ。その正体は悪魔王ゼノンと合体した悪魔人間、デビルマン・ゼノン。デビルマン軍団を率いて悪魔族と闘う。「神の声」という、発した言葉が現実となる能力を持つ。人間形態時は永井豪『魔王ダンテ』の主人公・宇津木涼、変身後は漫画版『デビルマン』の悪魔王ゼノンの姿をモデルとしている。
神崎 サエコ (かんざき さえこ)
空宜リョウのマネージャー。その正体はデビルマン・アーガマ。神崎サエコは永井豪『獣神ライガー』に登場する八神冴子と神崎真吾、変身後は同じく『獣神ライガー』に登場する善神アーガマがモチーフ。
守城 ケイ (かみしろ けい)
袖なしデニムに、指なし手袋をはめている青年。ヨーヨーの世界王者。その正体はデビルマン・ヴィルフェ。デビルマン軍団を裏切り、仲間を殺害。悪魔族元老院(セナトゥス・デアボリ)の一角を担う妖将軍となる。守城ケイは永井豪原作、岩本佳浩作画『闘神デビルマン』の主人公・神代慶、ヴィルフェは同漫画に登場する狡魔ヴィルフェがモチーフ。
集団・組織
ココ
『デビルマンG』に登場する悪魔族。ドイツの名門貴族クラインバルト公爵家の当主で、クルールの妹。服飾デザイナー。冷元帥クルールの分身で繊維をつかさどる悪魔。
悪魔族 (でーもん)
『デビルマンG』に登場する用語。獣魔族(ベスティア)や鳥人族(ハルピュイア)など、十の種族に分類される。太古の地球に生息し繁栄していた種族。あらゆる生物と合体し、さまざまな超能力を持つ。その異様な姿、能力ゆえに神に疎まれ、時の止まった異界・時空の牢獄に放逐され肉体を持たない精神体として閉じ込められている。地球と火星が最も近づくときだけ、脳活動が活発化し異界とつながった人間に乗り移り、合体することができる。 異界とつながった人間を接触者(サモナー)、合体する肉体を宿主(ホスト)と呼ぶ。通常は接触者と宿主は同一であるが、アモンのように魔鬼邑ミキを接触者、不動アキラを宿主としたケースもある。
その他キーワード
悪魔人間 (でびるまん)
『デビルマンG』に登場する用語。悪魔族の接触を受け、合体したにもかかわらず人間の心と意識を失わなかった者たちの総称。憑依を受けた悪魔族の名をそのままコードネームにしている。デビルマン・ゼノンをリーダーに世界中の仲間と連絡を取り合い、デビルマン軍団を結成している。
クレジット
- 原作