シナリオ通りに退場したのに、いまさらなんの御用ですか?

シナリオ通りに退場したのに、いまさらなんの御用ですか?

舞台は、魔法や剣士が存在するファンタジー世界。侯爵家の令嬢として生まれ、次期国王候補の婚約者として育ったクリスティアーヌは、ある日、突然前世の記憶を思い出す。現在の自分が、当時プレイしていた乙女ゲームの世界から転生した悪役の令嬢だと知ったクリスティアーヌが、自身の運命と懸命に向き合う姿と成長を描いた作品。本作はWEBサイト「小説家になろう」で開催された第5回ネット小説大賞の受賞作をコミカライズしたものである。

正式名称
シナリオ通りに退場したのに、いまさらなんの御用ですか?
ふりがな
しなりおどおりにたいじょうしたのにいまさらなんのごようですか
原作者
真弓 りの
漫画
ジャンル
ファンタジー
 
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あらすじ

第1巻

侯爵家の令嬢として誕生したクリスティアーヌは、次期国王候補のグレシオンの婚約者として幸せな日々を過ごしていたが、7歳になった時に前世の記憶がよみがえる。それにより現在の自分は、前世の自分がプレイしていた乙女ゲームの世界の中におり、悪役の令嬢であることを知る。もとのゲームによれば、悪役の令嬢はヒロイン役のリナリアに嫌がらせをしたことで婚約の破棄、身分の剝奪、さらには家族から放逐されることとなる。そのため、クリスティアーヌはリナリアをはじめ、極力周囲とかかわらない生活を送っていた。ところが、クリスティアーヌがなにもしていないにもかかわらず、リナリアをいじめた冤罪をかけられ、そのままグレシオンに婚約破棄を言い渡されてしまう。ゲームのシナリオ通りに運命が進んでいくことにあきらめの念を抱くクリスティアーヌだったが、家族からは優しい言葉で励まされ、身分の剝奪と家族からの放逐は実際には起こらなかった。自分の運命がわからなくなり混乱したクリスティアーヌは、衝動的に家出をして、街の酒場で身分を隠し働き始める。そんな彼女のもとに、誤解を解いたグレシオンたちが迎えにやって来る。こうして家に戻ったクリスティアーヌは、お世話になった街の人々に恩返しができないかと考え始める。

第2巻

民衆の意見を王室に届ける役職の「市井官(しせいかん)」を目指すと決意したクリスティアーヌは、自身の可能性と視野を広げるため、剣術や魔法の習得にも励むようになっていた。そんな中、クリスティアーヌは同様に名を上げたいレオナルド・アルブ・ハフスフルールと知り合い、二人はお互いの夢や目標のために切磋琢磨していく。一方、クリスティアーヌの人生を狂わせてしまったグレシオンも、彼女と交わした「言葉ではなく、これからの生き方で反省の気持ちを見せてほしい」という約束を果たすため、周囲の冷たい視線に負けず生徒会長に就き、たくましく成長していく。そんな中、クリスティアーヌの通う学校では紅月祭(こうげつさい)という、社交パーティーが開催されることとなった。紅月祭には、それぞれ異性のパートナーと出席することが義務づけられていたが、グレシオンと婚約破棄をしたクリスティアーヌには相手がいない。するとレオナルドはクリスティアーヌにパートナーになってほしいと声を掛け、これまでの彼女のイメージとはまったく異なる可憐なドレスをプレゼントする。

登場人物・キャラクター

クリスティアーヌ

裕福な家庭に育った侯爵家の令嬢。貴族の集まる学園に通っている。年齢は17歳。7歳の頃に突然前世の記憶がよみがえり、今の自分は前世でプレイしていた乙女ゲームの世界におり、その立場が悪役の令嬢のものであることを知る。その時から、ヒロインのリナリアに嫌がらせをし、グレシオンに婚約破棄をされたあとに身分を剝奪され、家族からも放逐されるという救いのない運命が自分に課せられていることを知りながら生きている。それでも運命を変えたいと微かな希望に賭け、リナリアはもちろん、周囲とできるだけかかわらずに生きてきた。だが、やはりいじめの冤罪を着せられてしまい、グレシオンとの婚約もシナリオ通り破談となった。しかし、その後は覚悟していたシナリオと一部異なる展開になり、自分の運命に戸惑いを覚える。その結果、パニックに陥り一時的に公爵家から家出をし、身分を隠して街の酒場で働くことを経験する。以来、お世話になった人々に恩返しをするという目標を抱くようになった。グレースリア・ハフスフルールから民衆の意見を王室に届ける「市井官(しせいかん)」という役職の存在を教えられ、市井官になるべく行動を開始する。

レオナルド・アルブ・ハフスフルール

クリスティアーヌが街の酒場で働いていた際、彼女の護衛として、クリスティアーヌの父に雇われた青年。年齢は18歳。末席ではあるものの、侯爵家の出身で、剣術に長けている。夢は名を上げ、今よりも高い爵位に就くこと。明るく親しみやすい性格で、クリスティアーヌともすぐに打ち解けた。クリスティアーヌに恋心を抱き、さりげなくアプローチをしているが、彼女にはまったく伝わっていないために表だった行動を起こせずにいる。ふだんはクリスティアーヌと同じ貴族の集まる学園に通っており、学年はクリスティアーヌより一つ上。クリスティアーヌからは「レオさん」と呼ばれている。グレースリア・ハフスフルールの従兄。

グレシオン

クリスティアーヌが住む国の次期国王候補とされている青年。銀色の髪の毛にエメラルド色の瞳をした美男子。ふだんは貴族の集まる学園に通っており、クリスティアーヌの上級生である。クリスティアーヌの婚約者でもあったが、側近から彼女がリナリアをいじめていると聞き、次期国王の妻として情けないと、一方的に破談を言い渡した。だが、のちに誤解だったことがわかり、一部の者からは、詳しく調べもせず元婚約者に濡れ衣を着せた愚か者だという悪評価を受けている。その後、クリスティアーヌに心から謝罪をするが、言葉ではなくこれからの生き方で反省の気持ちを見せてほしい、と受け入れてもらえなかった。このことを受けて己を成長させるべく、周囲から冷ややかな視線を受けながらも生徒会長に挑戦するなど行動を起こし始める。クリスティアーヌと破談になってから、グレースリア・ハフスフルールと婚約する。

ルーフェス

クリスティアーヌの弟。グレシオンの身の回りの世話などをしている剣士。整った顔立ちの青年で、情に厚い性格の持ち主。クリスティアーヌが前世で知っていたシナリオでは、リナリアへのいじめが発覚した際にはすぐに縁を切ったが、実際には姉を信じて最後までかばっている。家出したクリスティアーヌが一時的に街の酒場で働いていた時には陰ながら護衛をするなど、姉を非常に慕っている。

リナリア

平民出身の少女。クリスティアーヌと同じ年齢。クリスティアーヌが前世でプレイしていた乙女ゲームの世界のヒロイン的立場にある女性。ゲームの中ではクリスティアーヌからいじめを受けるシナリオだったが、前世の記憶がよみがえった彼女からは避けられていたこともあり、嫌がらせを受けるどころかかかわり合うことすらなかった。しかし、次期国王候補のグレシオンに取り入るためにウソをつき、グレシオンの側近を利用してクリスティアーヌにいじめの冤罪を着せることに成功。その後はクリスティアーヌとグレシオンが破談になったものの、すぐにウソが明るみになり、通っていた貴族の集まる学園を退学している。

グレースリア・ハフスフルール

裕福な家庭に育った令嬢。年齢は17歳。貴族の集まる学園に通っており、クリスティアーヌと同じクラスに所属している。クリスティアーヌとグレシオンの婚約が破談となり、新しい王妃候補になる。進歩的な考え方の持ち主で、身分の高い男性と結婚をするよりもグレースリア・ハフスフルール自身の手で成功したいという思いが強い。そのため、貴族の娘でありながらも許嫁を作らず、外交官を目指して勉強をしてきたが、このことが逆にグレシオンの目に留まり、彼と婚約することになってしまった。最初は戸惑っていたものの、王妃の立場を利用して外交をしようと新たな目標を抱く。同時に、クリスティアーヌとの約束により困難なことに立ち向かうようになったグレシオン個人に対しても、次第に好意を抱いていく。レオナルド・アルブ・ハフスフルールの従妹。

リーザロッテ

裕福な家庭に育った令嬢。貴族の集まる学園に通っている。クリスティアーヌより一つ年上で、年齢は18歳。非常に華やかで美しい容姿の持ち主ではあるものの、毒舌家で言いたいことははっきりと口にする。かつてリナリアに夢中になっていた婚約者がおり、彼のことを情けなく思っている。グレースリア・ハフスフルールと親しい。

エールメ

裕福な家庭に育った令嬢。貴族の集まる学園に通っている。クリスティアーヌより一つ年上で、年齢は18歳。穏やかな性格で、クリスティアーヌにも優しく接している。かつてリナリアに夢中になっていた婚約者がいるが、彼がそうなったのは自分にも責任の一端があると反省している。

フロリアーヌ

裕福な家庭に育った令嬢。年齢は17歳。貴族の集まる学園に通っており、クリスティアーヌと同じクラスに所属している。クリスティアーヌとグレシオンの婚約が破棄されたと知った際には、フロリアーヌ自身が新しい王妃になろうと画策をしたが失敗。学園に戻って来たクリスティアーヌに八つ当たりをするなど、陰湿な嫌がらせをする。

カーラ

裕福な家庭に育った令嬢。年齢は17歳。貴族の集まる学園に通っており、クリスティアーヌと同じクラスに所属している。ポニーテールの髪型で、顔にそばかすがある。一時的に家出をし、復学をしたことによって周囲から距離を置かれていたクリスティアーヌに声を掛け、以降はエマも交えて三人で親しい友達になる。

エマ

裕福な家庭に育った令嬢。年齢は17歳。貴族の集まる学園に通っており、クリスティアーヌと同じクラスに所属している。一時的に家出をし、復学をしたことによって周囲から距離を置かれていたクリスティアーヌに声を掛け、以降、カーラも交えて三人で親しい友達になる。甘い物が大好きで、好物を目の前にすると一人の世界に入り込む癖を持つ。また天然気味で、クリスティアーヌからは「言動が自由すぎる」と評されている。

セルバ

有名な魔導士の男性。外見はクールな美男子ではあるものの、天然ボケなところがある。研究熱心であり、魔法を習いたいと言い出したクリスティアーヌに興味を抱き、どれほどまでに成長するのか観察している。「魔力贈与(まりょくぞうよ)」という、手をつないだりキスをすることで他人に自分の魔力を分け与えられる特別な力を持つ。

クリスティアーヌの父 (くりすてぃあーぬのちち)

クリスティアーヌの父親。公爵位を持つ男性。クリスティアーヌがプレイしていた乙女ゲームの世界では非常に厳格な性格の持ち主で、娘がリナリアをいじめて婚約破棄されたと知った時には理由も聞かずに身分を剝奪し、非情に放逐した。しかし、実際にクリスティアーヌが婚約を破棄される状況になった際には、彼女の潔白を信じ、グレシオンの次期国王としての資質を疑うようになった。

エリーゼ

クリスティアーヌの母親。侯爵家に嫁いだ貴族。非常に明るい性格で、クリスティアーヌと弟のルーフェスの二人の子供を溺愛している。グレシオンとの婚約破棄に伴いクリスティアーヌが家出をした際には心から心配して、再会した時には涙を見せている。

女将さん (おかみさん)

クリスティアーヌが公爵家から家出をした際に出会った中年の女性。街中でうずくまっていたクリスティアーヌに声を掛け、自身の酒場で働いてもらう名目で保護した。クリスティアーヌのことをかわいがっており、素行の悪い男性客からはさりげなくかばうなど、大切にしている。次期国王候補というグレシオンの高い身分を知りながらも、クリスティアーヌのためならばと辛らつな言葉を口にすることもある。

マーク

クリスティアーヌが一時的に働いていた街の酒場の常連客の男性。職業は冒険者で、同業者の中では「S級」とランク付けされている。乱暴な言葉使いをするものの情に厚く、訳ありの様子のクリスティアーヌのことを気にかけていた。現在は没落してしているが、元貴族の家系の出身。

クレジット

原作

真弓 りの

キャラクター原案

加々見 絵里

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