皇帝つき女官は花嫁として望まれ中

皇帝つき女官は花嫁として望まれ中

佐槻奏多の小説『皇帝つき女官は花嫁として望まれ中』のコミカライズ作品。前世であるラザネイト帝国の女騎士「カトラ」としての記憶を持ちながら、オルウェン王国の女官として王宮に仕えるリーゼ・ウィンスレットは、ラザネイト帝国の人間を敬遠していた。しかしある日、視察に訪れたエグバード・レヴァー・ラザネイトに皇帝つき女官として選ばれ、皇帝の騎士であるシディスと婚約を結ぶ羽目に陥ってしまう。世界をゆるがしかねない秘密を抱えた女官の奮闘を描く、転生婚約ラブコメディ。

正式名称
皇帝つき女官は花嫁として望まれ中
ふりがな
こうていつきにょかんははなよめとしてのぞまれちゅう
原作者
佐槻 奏多
漫画
ジャンル
ファンタジー
 
ラブコメ
関連商品
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あらすじ

オルウェン王国の王宮に女官として勤めるリーゼ・ウィンスレットは、前世をラザネイト帝国の女騎士「カトラ」として過ごし、皇族の命を守って落命した記憶を持っていた。カトラとして命を落とした際に、ラザネイト帝国にある「原初の光」の秘密を知ってしまったリーゼは、うっかりと口外してしまわないよう、ラザネイト帝国と関係することを避けつつ過ごしていた。そんなある日、5年に一度行われる従属国への視察で、ラザネイト帝国の現皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトがオルウェン王国を訪れる。カトラとして幼少期の彼を護衛していた記憶のあるリーゼは、思わぬ再会と立派に成長した姿に感動するのもつかの間、皇帝の騎士であるシディスの手によって皇帝つき女官として採用されてしまうこととなる。ラザネイト帝国との接触を避けたいリーゼは浮かない気持ちながらも、オルウェン王国の国王からのプレッシャーを感じ、渋々女官として仕えることになる。だが、リーゼを予想外の出来事が襲う。女官の仕事の説明をするために皇帝の執務室に案内されたリーゼは、その場でうっかりと皇帝エグバードが魔力を歪められ、犬の鳴き声しか発せられなくなっている事実を知ってしまったのだ。形式的に雇うだけのつもりだったラザネイト帝国側もこれにより、リーゼを身内に取り込まざるを得なくなる。皇帝エグバードの代わりに政務を行う公爵アルセードは事態を判断し、リーゼが秘密を漏らすことのできないよう、魔法によって相手を裏切れなくなるラザネイト帝国流の「婚約」をリーゼに結ばせることにする。候補としてアルセードとシディスが挙がる中、シディスとの婚姻が結ばれることとなったリーゼだったが、ラザネイト帝国とのつながりを持ちたくない彼女にとっては内心穏やかならざる状況だった。また非常に親身に接してくるうえに、シディスに触れられると不思議と力が出なくなってしまう状況にリーゼは混乱し続けていた。リーゼはこの状況を打破するため、婚約の破棄を目指して持ち前の剣術の腕前と行動力を駆使して奔走を始める。

関連作品

小説

本作『皇帝つき女官は花嫁として望まれ中』は、佐槻奏多の小説『皇帝つき女官は花嫁として望まれ中』を原作としている。原作小説版は一迅社文庫アイリスから刊行されており、イラストは一花夜が担当している。

登場人物・キャラクター

リーゼ・ウィンスレット

オルウェン王国のウィンスレット男爵家令嬢。女官として王宮に勤めていたところを、シディスによって見初められ、ラザネイト帝国の皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトがオルウェン王国に滞在中のあいだ、皇帝つきの女官を務めることとなる。実はラザネイト帝国の女騎士「カトラ」として皇族の護衛を務めて過ごした前世があり、その当時の記憶を今世でもそのままに引き継いでいる。現皇帝であるエグバードが幼い頃の護衛も務めており、彼がオルウェン王国を訪れた際には幼い頃に比べて立派に成長した姿に感動を示していた。今世では現在17歳だが、カトラとしては、ラザネイト帝国の人間の常として外見的、肉体的に若さを保っていたものの、最終的には60歳以上の年齢まで生きていた。前世で命を失う際にラザネイト帝国にとって最重要ともいえる存在「原初の光」の威信をゆるがす秘密を知ってしまったため、今世ではうっかりと秘密を漏らして命を狙われないよう、ラザネイト帝国の関係者に近づくことを極力避けている。前世が女騎士であったために剣術の心得があり、今世でも幼い頃から剣を振り回していた。ラザネイト帝国では女性が剣術を嗜むことは魔物の存在などもあってふつうだが、オルウェン王国では風変わりに見られてしまう。そのため、イノシシを撃退して国王の代官を救ったのをきっかけに王宮の女官として推挙されたあとは、周囲の令嬢や女官たちから野蛮な人間として敬遠されていた。また、実家では前当主である父親が逝去したあとは叔父が家督を継いだため、肩身の狭い思いをしている。実家の複雑な事情と王宮での立ち位置から結婚についてはあきらめの気持ちを抱いており、シディスとなし崩し的に婚約することになった際も、ラザネイト帝国の人間との婚約ということもあって否定的な気持ちが強かった。親族として従兄のレオンが同じ王宮に騎士として勤めている。

シディス

ラザネイト帝国の騎士である青年。皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトに付き従っている。眉目秀麗な青年に見えるが、ラザネイト帝国に生まれ育った人間の常として非常に長寿であり、若々しい外見とは裏腹に実年齢は148歳である。皇帝つきの女官を選出する際、数多くいた候補者の中からリーゼ・ウィンスレットを見初め、彼女を女官に推挙する。女官は本来、形式的に採用するだけのはずだったが、エグバードが犬の言葉しか話せなくなっているという事情をリーゼが知ってしまったため、魔法による制限をかけたうえで、働かせることとなった。その際、「制約」の魔法の代わりにラザネイト帝国流の「婚約」を結ぶこととなり、シディスがリーゼの婚約者に選ばれた。リーゼに対しては初めて見初めた時より特別な感覚と感情を抱いており、非常に親身に接している。一方、リーゼ以外の女性に対してはむげに扱うことも多く、その対比ははっきりしたものとなっている。剣術や魔法に秀でており、特に魔力の強さはエグバードを凌ぐ強さを持ち合わせている。実は皇帝であるエグバードの従弟であり、次代の皇帝とも目される皇族の一員である。しかし、外遊時に訪れた各国で起こりうる求婚などの面倒事を避けるため、周囲には実際の身分を隠している。

エグバード・レヴァー・ラザネイト

ラザネイト帝国の皇帝。精悍な面立ちの青年に見えるが、ラザネイト帝国に生まれ育った貴族であるために非常に長い寿命を持っており、現在の年齢は150歳である。5年に一度行われる従属国への視察としてオルウェン王国に入国したところ、魔力に異常をきたして犬の声しか出なくなってしまった。現在はそれを隠すために体調不良と皇族特有の問題として寡黙を通しており、直接的な渉外を公爵のアルセードにまかせている。オルウェン王国からの女官をつける要請も形式的なものにとどめようとしたが、シディスの暴走とエグバード・レヴァー・ラザネイト自身が原因で、うっかりリーゼ・ウィンスレットの目の前で犬の声を二度も上げてしまったため、隠し通すことができなくなり、他方の事情もあったがなし崩し的に女官として仕えさせることとなった。実はリーゼの前世である女騎士「カトラ」が幼少期にエグバードらの護衛任務に就いていたため、何くれとなく面倒を見てもらっていた。シディスやアルセードとは幼い頃からの知り合いで、周囲に人目がない場面では身分のかかわりなく気安く話す場面がある。特にシディスとは表だっては周辺諸国へ明らかにされていないものの実は従兄弟の関係にあり、親族である。皇帝としては政務を含めて優秀な人物だが、諸事情から婚姻が遅れている。

アルセード

ラザネイト帝国の公爵である青年。柔和な表情を浮かべた、見目の麗しい好青年といった外見をしているが、ラザネイト帝国で生まれ育った貴族であるために非常に長い寿命を持ち、現在の年齢は145歳である。オルウェン王国に入国してから問題を抱えた皇帝のエグバード・レヴァー・ラザネイトの代わりに主な行事への出席や外交を取り仕切っている。貴族としてのつながりのほかにも、エグバードやシディスとは幼い頃から交流があり、周囲に人目がない場面では気安い態度や言葉づかいを見せることがある。非常な甘党で、クリームを増量した菓子などを好んで食べる。そのため、周囲の人間からはその光景を見るだけで胸焼けを起こすと言わしめるほどに異様な光景がお茶会の場では展開される。皇帝つき女官となったリーゼ・ウィンスレットに対しても何くれとなく優しく接する一方、皇帝の補佐として政治や外交を担当する冷徹な思考も持ち合わせており、時としてそうした事務的な思考がはやって周囲を驚かすなど、人心に疎い一面を見せる。「制約」の魔法を使用する代わりにラザネイト帝国流の「婚約」をリーゼが結ぶこととなった際、シディスと共に婚約者候補に挙がっていた。結果として婚約者の座はシディスにゆずったが、その後も贈り物をするなどリーゼに対してアプローチする場面が見られる。

レオン

オルウェン王国の王宮に仕える騎士の青年。リーゼ・ウィンスレットの従兄にあたる人物で、幼なじみでもある。幼少の頃からリーゼに対して強い態度で当たってきたため、リーゼからはよい感情をあまり持たれていない。その一方で、リーゼが親類でまともに話せる数少ない人物でもあり、幼なじみという関係性もあって気安い雰囲気で会話を交わす間柄ではある。実のところレオンがリーゼに示していた態度は好意の裏返しで、レオン自身の感情を素直に告げられないが故、真逆に素っ気ない態度や怒っているような反応を示してしまっている。リーゼがラザネイト帝国の皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトの女官として選ばれた際、シディスに抵抗らしい抵抗を見せず抱きかかえられたのを見て以来、二人の関係性を気にし続けている。

エミシア

オルウェン王国の王宮に仕える女官。正義感の強い性格で、王宮内で白眼視されているリーゼ・ウィンスレットに対してもふつうに接する。一方、最近流行し始めている新興宗教「ドナン教」にひどく入れ込んでおり、教義の定める悪魔であるラザネイト帝国の人間たちを強く敵対視している側面もある。そのため、リーゼがラザネイト帝国の皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトたちと行動を共にしていることを快く思っていない。

ソロム

オルウェン王国の宰相を務める男性。王宮側からラザネイト帝国に対する主な窓口として機能している。しかし、非常に気弱な性格をしており、オルウェン王国がラザネイト帝国の実質的な従属国であるという立場を非常に重んじている。そのため、皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトをはじめ、アルセードやシディスに対応するときでさえ、文字どおり平身低頭、地面に頭を擦りつける勢いで平伏するため、彼らからは相手取るのが非常に疲れる人物として認識されている。

場所

オルウェン王国 (おるうぇんおうこく)

ラザネイト帝国の周辺に位置する従属国の一つ。ラザネイト帝国に税をおさめることで、魔物の脅威から守護してもらっている。契約料である税は王家の支出だけで賄えるほどに微々たるものだが、国力や武力の差は圧倒的であり、従属国という立場もあって、上下関係は明確に分かれている。魔物の脅威に日頃から晒されているラザネイト帝国とは異なる国風であるため、女性が剣をにぎることは非常にまれな風土となっている。作中では5年に一度行われる、ラザネイト帝国皇帝による直接の視察を迎えていた。最近では国内にドナン教と呼ばれる反帝国主義の新興宗教が流行しつつある。

ラザネイト帝国 (らざねいとていこく)

「原初の光」と呼ばれる魔力の塊を国内に持ち、その恩恵によって国民が長寿と魔力を得た強国。「原初の光」に引き寄せられた魔物との争いを常態化しており、女性であれば貴族の令嬢であっても戦場に出て戦うのがふつうという国風を持つ。また、住民たちは並はずれた長寿と同時に、150歳であっても若々しく見えるほど老化が遅いのが特徴となっており、周辺諸国からは理想的な婚姻の対象として見られている。魔物と争ってきた経験と、それによって培われてきた武力によって周辺国とのあいだに「魔物から守る」という契約を結んでいる。契約料それ自体は各国の王族が私費で賄えるほどに微々たる税だが、圧倒的な国力を背景に周辺国を実質的な従属国としているのが現実である。従属国には皇帝が5年ごとに直接の視察へと赴く決まりがある。

その他キーワード

ドナン教

最近になって流行し始めた新興宗教。神の光は唯一、太陽の光のみという教義を掲げ、神によって授けられたとされる「原初の光」を疑問視している。そのため、「原初の光」の恩恵にあずかっているラザネイト帝国を敵対視しており、ミサの度に批判を繰り返している。教えが極端であるためか胡散臭い一面があり、ドナン教の信者とそれ以外の人たちとのあいだには温度差がある。しかし、心に弱い部分を持ち合わせた人間は気づくとドナン教に取り込まれてしまっており、勢力は徐々にだが拡大の一途をたどっている。信者は一様に、光の力を集めるとされる黒い石を所持している。

原初の光 (げんしょのひかり)

ラザネイト帝国に存在する、膨大な魔力の塊。巨大な光の柱であり、ラザネイト帝国の力の象徴として崇められている。この世界は「恵みあれ光の恵みよ」と神が告げて始まったとされており、「原初の光」は神の御業によって創られたものだと信じられている。その一方で、太陽の光こそが唯一の光であると信奉する「ドナン教」の信者たちからは敵対視される存在でもある。「原初の光」は存在する周辺の大地を肥沃にし、生まれた時から光を浴び続けた人間に、通常では考えられない並はずれた長寿と若さを授けることができる。また一説には、ラザネイト帝国の人間が身に宿す魔力も「原初の光」の恩恵と考えられており、魔術をあやつり周辺諸国にその力を誇示するラザネイト帝国にとって力の象徴ともなっている。一方で「原初の光」には魔物を引きつけてしまう性質があり、そのため、ラザネイト帝国は絶えず魔物の襲撃に備え続けなければならないというリスクを負っている。また「原初の光」の周辺には、ごく限られた魔力に対する適応力を持った人間が近づくと体調を崩し、最悪死に至るという性質がある。そのため、ラザネイト帝国の皇族といった一部の人間以外には近づくことすら難しく、「原初の光」に直接触れた場合は適応力に優れた人間でさえ痕跡も残さず消滅してしまう。

婚約 (こんやく)

ラザネイト帝国での婚約は、結婚の約束のほかに魔法による契約が交わされる。効果には制約の魔法と似たようなところがあり、婚約相手を裏切ることがあれば、その事実が魔法による契約を通して伝わってしまうという内容になっている。また、違反者には最初のうちには軽い頭痛などの症状が出るだけで済むが、最終的には「契約違反の証」という紋が数年にわたって体の一部に浮かぶようになる。ラザネイト帝国内では浮気者の証として知られており、紋を浮かび上がらせた人間は肩身の狭い思いをすることとなる。婚約の儀式の際は立会人のもと、お互いに宣誓を行い、相手の指先へ口づけをかわし合う必要がある。ラザネイト帝国皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトの秘密を知ってしまったリーゼ・ウィンスレットの身柄を保証するため、制約の魔法の代わりに用いられた。

制約 (せいやく)

ラザネイト帝国で用いられる相手の行動に制限を課す魔法。制約の魔法によって課せられた制限を破った場合は耐えがたい苦痛がその身を襲うとされる。外部へ漏れてはならない機密情報などを管理するため、情報を知ってしまった女官などに使用することがある。ラザネイト帝国皇帝であるエグバード・レヴァー・ラザネイトの秘密を知ってしまったリーゼ・ウィンスレットも、本来であればこの魔法を使用される予定だったが、エグバードの取りなしによって、同様にある種の行動制限を相手に課すことのできる婚約の魔法で代用することとなった。

クレジット

原作

佐槻 奏多

キャラクター原案

一花 夜

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