くじ引きで決まった運命の出会い
社交界デビューを果たしたベルが、次期公爵のアレンの婚約発表パーティーへ出席すると、くじ引きで婚約者の代理に選ばれてしまったことから始まる純粋無垢(むく)なラブストーリー。表情をまったく変えない無愛想なアレンと、天真爛漫(らんまん)なベルが日常生活を送るうちに惹(ひ)かれ合うようになり、じれったくも甘酸っぱい初恋の様子が描かれる。アレンの笑顔を浮かべる回数が増えるにつれ、二人はお互いを意識するようになり、絆(きずな)も深まっていく。
無愛想なヒーロー×健気なヒロイン
貧乏貴族の一人娘であるベルは、穀物しか育たない辺境の男爵家令嬢。一方、次期公爵のアレンは笑わないことで知られる無愛想な男性。自分の婚約者にもまったく興味がなく、体面を取り繕うための存在としか考えていない。二人の出会いは公爵家の婚約発表パーティーで、アレンの婚約者が前日に失踪したため、ルーヴェント家は代理の婚約者を決める必要にかられ、勢いでパーティーに出席している令嬢からくじ引きで婚約者を決めることとなる。ベルはアレンが適当に選んだ1枚の招待状により、彼の婚約者として生活を共にするようになる。
貧乏令嬢のシンデレラストーリー
くじ引きによって突如、婚約者となったベルは、アレンとの距離感がつかめず、食事も別々に取っていた。また、辺境地で生まれ育ったベルは、公爵家の婚約者として相応しい教育を受けていないため、お茶会へ出席するにも作法を身につける必要があった。しかし、純朴で素直な心延(こころば)えによって屋敷の使用人たちの心をつかんだベルは、貴族令嬢たちの嫌味も持ち前のポジティブ思考で乗り越えると、その様子を見ていたアレンもベルのことを気にかけるようになる。その後、アレンは健気(けなげ)なベルの献身的な姿勢に心を動かされ、幼なじみにすら見せたことのない笑顔を浮かべるようになる。
登場人物・キャラクター
ベル・キャロライン
キャロライン男爵家の令嬢。年齢は18歳。領地はパクス領という辺境地にあり、生まれる前に起こった数百年に一度といわれる干ばつの影響から枯れた土地となっている。領民を救うために父親が私財を投げ打ったこともあり、貴族でありながら庶民と変わらない慎ましやかな生活を送っている。そんな中、ルーヴェント公爵家の婚約発表パーティーに父親と出席したところ、アレンの婚約者が失踪する事件に巻き込まれ、くじ引きでその代理に選ばれてしまう。当初は困惑するものの、父親の強い勧めと公爵家がキャロライン家の領地に支援をしてくれるという申し出もあって代理役を引き受け、アレンの婚約者として振る舞うようになる。冷静沈着で無愛想なアレンに対して距離感がつかめずにいたが、持ち前の純朴さと天性の明るさで屋敷の使用人たちの心をつかむと、アレンも徐々に心を開いていく。
アレン・ルーヴェント
シルビア・ルーヴェント公爵の息子。次期公爵と目される人物で、帝国軍最高指揮官を務めている。無愛想なことが広く知れ渡っており、幼なじみのリュカ・グレーンや古くから家に仕える執事はアレンが笑った顔を見たことがないと言うほどの筋金入り。これは幼少期に両親から十分な愛情を受けずに育てられた影響で、特に他人と親しくなることに恐怖心を抱いている。婚約発表を行うパーティーの前日に婚約者が失踪する事件が発生したため、その場を取り繕うためにくじ引きで代理の婚約者を決定した。選ばれたベルとも当初は義務的な付き合いに徹し、心に壁を作って必要以上に接しようとしなかった。しかし、ベルの純朴な振る舞いや心優しさに触れるにつれ、彼女に惹(ひ)かれて心を開くようになる。一方で、彼女の歓心を失う恐怖から、くじ引きで婚約者を決めた事実をしばらく秘密にしていたりと、コミュニケーション能力に疎い部分が垣間(かいま)見える。
書誌情報
「くじ」から始まる婚約生活~厳正なる抽選の結果、笑わない次期公爵様の婚約者に当選しました~ 5巻 BookLive〈フレックスコミックス エトワール〉
第1巻
(2023-04-14発行、 978-4866752846)
第2巻
(2023-07-14発行、 978-4866752990)
第3巻
(2023-11-15発行、 978-4866753225)
第4巻
(2024-02-15発行、 978-4866753430)
第5巻
(2024-09-13発行、 978-4866753799)