概要・あらすじ
13世紀初頭モンゴル。仲間をモンゴル軍の配下ツォグ族に皆殺しにされた女戦士シュトヘルは、仇である「虎の男」ハラバルを探しながらモンゴルの兵を殺して回っていた。ある日、彼女は西夏の文字をひとつ残らず消し去らんとするモンゴルから、西夏文字が記された玉音同を守るため旅をしていた少年ユルールと出会う。
ツォグ族を出奔したユルールがハラバルの弟だと知ったシュトヘルは、ユルールと共にいればハラバルが現れると聞き、彼の旅に同行。はじめはユルールを餌にしか思っていなかったシュトヘルだが、文字を通じてユルールと心を通わせていく。その後、ハラバルに敗れ処刑されたシュトヘルだが、現代の男子高生須藤が憑依し蘇生。
再びユルールとの旅を続けていく。
登場人物・キャラクター
シュトヘル 主人公
赤髪の女戦士。元は西夏の兵士だったが、ハラバル率いるツォグ族に仲間を皆殺しにされ、復讐鬼へと変貌。シュトヘルは本名ではなく「悪霊」という意味の言葉。西夏軍にいたころは、「弱いのにピーピーうるさい」こと... 関連ページ:シュトヘル
須藤
現代の日本に生きる普通の男子高生。よく見る「奇妙な夢」に悩まされており、学校はサボり気味。鈴木さんと出会ったことがきっかけでシュトヘルの肉体に憑依。はじめは人を傷つけることにためらいがあったが、旅の途... 関連ページ:須藤
ユルール
ツォグ族の少年で、ハラバルの弟。名は「祝福」という意味である。表向きはツォグ族族長の息子として育てられていたが、実はモンゴルに奪われた族長の妻玉花が大ハンに孕まされて生まれた子供である。そのため、渦を... 関連ページ:ユルール
鈴木
外国から須藤の通う高校に転入してきた女子高生。須藤と同じように「奇妙な夢」に悩まされている。シュトヘルの記憶を共有する須藤と同じように、ユルールの記憶を共有している。ユルールに似た容姿をしている。
ハラバル
ツォグ族族長の息子で、ユルールの兄。母は西夏人の玉花。弓の名手であり、騎乗しながら一度に三本を射て遠方の敵を正確に仕留めるほどの使い手。愛馬三ツ目を駆り、単騎で敵陣を蹂躙する豪傑。その腕前から神箭手(... 関連ページ:ハラバル
ボルドゥ
ツォグ族で使用人として働いている西夏人の老人。ツォグ族に嫁いだ玉花の下男として共にやって来たが、実は玉音同を守るという命を西夏の番大学院院長のグルシャンから受けていた。ボルドゥという名もツォグ族から覚... 関連ページ:ボルドゥ
アルファド
浅黒い肌のアラブ系男性。ユルールらを南宋まで運ぶ仕事を請け負った商人。人が受けたがらぬ危険な仕事を負うことから「ひとり星」の異名を持つ。十字軍の遠征で故郷を滅ばされたことから、人を縛る「物差し」を嫌い、「物差し」を持たぬ純粋な殺意の塊であるシュトヘルに執着している。
大ハン
モンゴルの王。本名はテムジン。周辺部族を征服し、さらなら勢力の拡大を目論んでいる。幼いころに西夏の物を盗みんだ咎で、背中に西夏文字で「西夏の奴隷」と焼き印を押された過去を持つ。そのため、西夏の文字を強く憎み、この世からひとつ残らず消し去らんとしている。モデルはチンギス・ハン。
ヴェロニカ
大ハンに仕える金髪碧眼の美女。元は教会で働くシスターだったが、村の外れに住みついたロマの女性シャキラと交流を持ったことで異教徒扱いされ監禁。暴徒と化した村人にシャキラは火刑に処され、自身も司教に凌辱さ... 関連ページ:ヴェロニカ
グルシャン
西夏番大学院(国立図書館)の院長。玉花の父で、ハラバルとユルールの祖父にあたる。玉音同を奪いに来たハラバルと交戦し、敗北する。文官でありながら武術にも長けており、分銅付きの棍を武器にハラバルを苦戦させた。
ジルグス
金国の将軍。老年でありながら、筋骨隆々の武人。金国まで攻めいらんとするモンゴルに危機感を覚え、ユルールの持つ玉音同を奪いモンゴルとの交渉を目論む。
メルミ
ナランにつき従う少女。大ハンに背いたため、ナランとトルイに皆殺しにされた部族の唯一の生き残り。部族に伝わる、動物を眠らせたり、動物だけに語りかけるホーミーを使うことが出来る。将来役に立つと判断したナランに拾われ、以降行動を共にしている。
場所
西夏
『シュトヘル』に登場する国。十一世紀、中国北西部にタングート族(チベット系)に建国され、西夏文字をはじめとした独自の文化を築いた。しかし、大ハン率いるモンゴル軍に侵略され、滅亡寸前である。西夏人は自国を大夏と称している。
その他キーワード
玉音同
『シュトヘル』に登場する宝物。西夏文字が刻まれた玉板。番大学院院長のグルシャンが娘・玉花に託し、ツォグ族の集落でボルドゥが隠し持っていた。これを守るため、ユルールの旅が始まった。
書誌情報
シュトヘル :悪霊 既刊14巻 小学館〈ビッグスピリッツコミックススペシャル〉 連載中
第1巻
(2009年4月発行、 978-4091825292)
第2巻
(2009年11月発行、 978-4091827999)
第3巻
(2010年8月発行、 978-4091834201)
第4巻
(2011年5月発行、 978-4091838667)
第5巻
(2011年11月発行、 978-4091842121)
第6巻
(2012年6月発行、 978-4091845504)
第7巻
(2013年1月発行、 978-4091848307)
第8巻
(2013年8月発行、 978-4091854476)
第9巻
(2014年3月発行、 978-4091861191)
第10巻
(2014年10月発行、 978-4091864994)
第11巻
(2015年6月12日発行、 978-4091871053)
第12巻
(2016年1月12日発行、 978-4091874153)
第13巻
(2016年9月12日発行、 978-4091878304)
第14巻
(2017年5月12日発行、 978-4091895745)