なぜ、ダンジョンには宝箱があるのか?
ゲームや漫画などのファンタジー作品において、ダンジョンに宝箱が存在するのはもはや当たり前のこと。一般的にはそう受け止められているが、ではその宝箱は一体誰が、なんのために置いたのだろうか。本作は、違和感すら感じさせないほど常識化した、この不思議な設定に焦点を当てた物語。主人公の女性エルフ、スネイルは、日々各地のダンジョンを巡りながら宝箱を設置している。その目的は完全には明かされないものの、彼女は冒険者たちと同じ正攻法でダンジョンに挑み、その深部に宝箱を置いていく。
実際に冒険しているかのような臨場感
本作は、風景画のような背景コマを多用した構成と、それらの情景やダンジョンの様子を解説するテキストによって、まるで読者自身がファンタジーの世界を冒険しているかのような高い没入感を実現している。また、各エピソードの最後には登場したモンスターやギミックを解説するコーナーが設けられており、これらの解説文はテーブルトークRPGやカードゲームのフレーバーテキストのように詩的な表現で、世界観を損なうことなく物語を補完している。
登場人物・キャラクター
スネイル
エルフの女性。シルバーのボブヘアで、長く伸ばした前髪で左目を隠している。細身で引き締まった筋肉質な体型だが、胸は大きい。自らを「長命の者」と評し、100年、1000年単位で蘇る敵を何度も相手にしてきたことから、かなりの年齢であることがうかがえる。世界各地のダンジョンに宝箱を設置しており、「冒険者のため」と語ってはいるものの、その真意は不明。「あるべきものはあるがままの姿で」というのが信条で、ダンジョン攻略のために地形や構造を変化させることを嫌っており、宝箱を置きに行く際は、冒険者と同じく正面から正攻法で臨む。また、ボスを倒しても完全には滅ぼさずに命の元を残して立ち去り、やがて再びボスが復活できるようにしている。ふだんから非常に高い戦闘力を誇り、道中のモンスターはまったく意に介さない。加えて、いざという時には髪が黒く長く伸び、肌は褐色になって全身に文様が浮かび上がり、右手は黒く長い爪を備えた姿に変貌する。この姿になると、古(いにしえ)の悪神すら一撃で粉砕するほど戦闘力が跳ね上がる。ちなみに食い道楽で、倒したモンスターを調理して食べるのが好きだが、料理は手が込んでいるものの食材に対する見識はそれほど高くなく、時に毒キノコを食べて悶絶することもある。また、自分よりも年上のもの(古いもの)が大好き。「身に余る力は大いなる欲望を招き滅びを呼ぶ」という理由から、魔法を嫌っている。
ウーちゃん
角の生えた四足歩行するスライム。ダンジョン「空の水殿」にいたところ、宝箱を置きにきたスネイルと出会って彼女になつき、以降、行動を共にしている。スライムということもあり、体を自由に変化させることが可能で、人間のような姿にもなることができる。空の水源の天湧水が凝縮された「甘露水」を飲んで育ったため、その身は非常に美味。また、体の一部を切り取って食べても、すぐに再生する。








