概要・あらすじ
北の新天地「ローレシア大陸」を自由気ままに旅する戦士・モカの一行は、機械の民である「ターミナル・マン」との抗争中、彼らの戦艦に捕らわれていた謎の少女を救出する。そこに高度に進化した昆虫・ビートルクが突如として現れる。ビートルクの襲撃によって混乱した現場を脱出したモカたちは、「アロエ」と名乗るその少女を連れ、彼女の故郷である「ユグドランド」へと向かうのだった。
登場人物・キャラクター
モカ
蛮族出身の女戦士。尖った耳と関西弁が特徴。闘争心の塊で、一騎当千の戦闘能力の持ち主でもある。自身が正しいと思ったことを、即断即決で実行する直情的な性格をしており、特にケンカが大好きな乱暴者。ただし、卑怯な振る舞いや単なる殺し合いである戦争は嫌っており、無抵抗な者は襲わない主義。モカの意思によって、ハンマーや銃器といった、まったく別の形へと変化させられる特殊な剣を扱う。 この剣は、「大地の精霊(グレートソウル)」から授けられ、「ロゴスの牙」と呼ばれている。
ブル・マンジェロ (ぶるまんじぇろ)
モカの仲間で、猫型獣族出身の盗賊の男性。頭脳は明晰で、機械操作はお手のもの。縄できつく縛り上げられても、いつのまにか縄抜けしてしまうなど、手先の器用さも人一倍。知識も豊富なため、パーティーの知恵袋的な役割を担っていた。自由奔放なモカには、何かと振り回されてしまうことが多い。
キリー・マウンテン (きりーまうんてん)
モカの仲間で、犬型獣族出身の魔法使いの男性。ローブ姿にとんがり帽子をかぶった、いかにも魔法使いといった格好をしている。極端に無口で、魔法の呪文を唱える時以外は、ほぼ言葉を発さない。ただし、その時に思っているセリフを、手持ちの立て札に書いて示すため、他人との意思疎通は問題なく行える。普段はボーッとしているが、魔法使いとして一流の能力を持っており、魔法に関する知識も深い。
アベル
太古の世界で起こった「真竜戦争」で、モカが守った「真竜ナーガ」の息子。名前はモカが付けたもの。モカが太古の世界から元の世界に戻った後に、「僕は違う場所で違うアベルになるでしょう」と言い残して消滅。その言葉通りに生まれ変わり、ローレシア大陸では神として振る舞い、他の神とともに文明を陰ながら育てる神様ゲームを行っていた。 転生後もモカのことを覚えていたが、母親と自分を見捨てたとして、彼女を憎んでいる。
トキメキア
機械の民である「ターミナル・マン」の戦艦で捕らわれの身となっていたところを、モカによって救われた少女。当初は「ユグドランド」出身の「アロエ」と名乗っていた。しかし、これは偽名で、その正体はローレシア大陸の神の1人。アベルらとともに、文明を陰ながら育てる神様ゲームを行っていた。数百年かけてユグドランドの文明を陰ながら育んでいたが、世界樹が枯れたことで計画が頓挫する。 自由奔放かつ気ままで、食えない性格。美少年が大好き。
イド
ローレシア大陸の神の1人である少年。他の神とともに、文明を陰ながら育てる神様ゲームを行っていた。機械文明「アスタロト」の支配者「ネガトロン」となって民を導き、強大な文明を築いていた。口から吐き出した液体でガラクタを再構成し、配下のロボットとして使うこともできる。人間のことを愚か者として見下しており、時にサル呼ばわりしていた。
ウルガルド
ローレシア大陸の神の1人である少年。トキメキアやイドとともに、文明を陰ながら育てる神様ゲームを行っていた。高度に進化した昆虫が治める「昆虫帝国ビートルク」の支配者となって、文明を育てている。そのため、普段から昆虫型のスーツを着込んでいる。モカに虫呼ばわりされて激怒するなど、他の神と比べると感情的の起伏が激しい。
ミアータ
ローレシア大陸の神の1人である長髪の青年。文明を陰ながら育てる神様ゲームを行っている。「魔導文明オズワルド」を育てていたが、ウルガルドやイドからは失敗に終わったとされていた。冷静沈着な性格をしており、他の神による文明育成のやり方や顛末を観察していた。
バオバブ
「ユグドランド」の世界樹に住み着いている巨大なムササビ。トキメキアが密かに手なずけていた。かなり戦闘力が高く、モカとも五分五分の勝負を展開する。マナの実を主食としており、これを食べると不死身の活力を得ることができる。モカからは、なぜかスカンク呼ばわりされていた。
コルトバ
ガンマンの男性。魔力のこもった魔導弾を放つことができる魔導ガン「スカラベ」を相棒とする。類まれなる銃の腕を見込まれ、フォクスターのもとで用心棒をしていた。強大な力に渇望し、「聖なる谷」に隠されていた大量の魔導弾を我が物にするために、モカと死闘を繰り広げる。
アイアン・ホーク (あいあんほーく)
荒野で原始的な生活を営んでいる「ドパッチ族」の男性。モヒカン刈りに筋骨隆々という風貌をした誇り高い性格。フォクスターによってさらわれた一人娘のリトル・グースを助け出すために、一族で「ガンホータウン」を襲撃した。その際に出会ったモカたちを仲間に引き入れ、ともに「聖なる谷」へと向かう。
リトル・グース (りとるぐーす)
アイアン・ホークの一人娘。フォクスターによってさらわれてしまった。その正体は、自然から不思議な力を引き出せるシャーマン。大量のマナが眠る「聖なる谷」に続く門を、泣き声による共鳴反応によって開くことができる。
フォクスター
キツネのような風貌をした獣族の男性。儲け話には目がなく、目的のためなら手段を選ばない。「聖なる谷」に狙いをつけ、シャーマンであるリトル・グースをさらった。用心棒として凄腕のコルドバを雇っているが、用済みになったらお払い箱にしようと思っている。
シオレパトラ
砂漠の国「アッチラ国」の女王。もともとは非常に美しい女性だった。年とともに日に日に醜く乾いていく自身の姿に苦悩し、永遠の若さを保てる「命の水」を欲している。「男は美しき者に従順」という思想の持ち主。国を保つため、自身が永遠に美しくあらねばならぬと考えていた。
ホメロス
シオレパトラに仕える獣族の男性。慢性的な水不足に苦しむ民の現状と、「命の水」に執着するあまり、内政がおろそかになってしまった女王の姿を憂いている。女王に対しては、単なる配下を超えた感情を抱いているが、それを表に出すことはない。
ロゴス
「黒竜」の化身。太古の世界に「白竜ナーガ」の息子であるアベルを転移させ、真竜を絶滅に導く「大地の精霊」と戦うことを画策していた。一連の騒動に巻き込まれたモカの活躍によって消滅してしまう。これらの出来事は、後世において「真竜戦争」の名で人々に語り継がれている。
場所
ローレシア大陸
旧大陸「ゴンドワナ」の北方にあった群島が、隆起して大陸となりつつある土地。世界樹を中心に人々が暮らす国「ユグドランド」、高度に発達した機械文明の国「アスタロト」、進化した昆虫が治める昆虫帝国「ビートルク」など、多種多様な国が存在している。
その他キーワード
神様ゲーム
アベルやミアータをはじめとする神が人間の支配者となって、それぞれの文明を思うがままに発展させるという壮大なゲーム。他の神の文明に干渉しない、魔法は使わないなどといったルールが存在するが、あまり守られてはいなかった。「ユグドランド」のように、トキメキアが数百年をかけてじっくり文明を育てたケースもあった。
マナ
すべての魔法力の源。旧大陸「ゴンドワナ」では魔法機関と呼ばれる動力炉に、マナを封印して機械を動かしていた。貴重で有益なエネルギーだが、使い方によっては非常に危険。そのため、イドは「聖なる谷」に封印されたマナ・エネルギーがこもった大量の魔導弾を、人間に先んじて回収しようとしていた。