ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド スレッジハマーの追憶

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド スレッジハマーの追憶

『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』に登場する主要キャラクター、浜誠児と後藤玲子を中心に描いた外伝。

正式名称
ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド スレッジハマーの追憶
ふりがな
だんす いん ざ ゔぁんぱいあばんど すれっじ はまーのついおく
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

バンド成立後に外務省を辞め、祖父の後を継ぎ政治家として立候補した後藤玲子と、彼女を狙う「結社」の暗躍。それを護る浜誠児鏑木アキラという構図をメインに、玲子と浜の過去が明らかにされる。

登場人物・キャラクター

後藤 玲子 (ごとう れいこ)

フルネームは後藤・ジェゼフィン・玲子。母方の祖父は衆議院議員の石動。母の最初の結婚相手はアメリカ人ジャーナリストのジョナス・エデルマン。双子の妹としてニコル・エルデマンがいるが、10歳の頃に両親が離婚し、妹は父方に引き取られてしまい直接会うことはなかった。 この時に父からペンダントを貰い、姉妹で一つずつ持っていた。両親の離婚後も二人はメールなどで交流しており、互いの状況を教えあっていた。外国人ボランティアとしてアフガニスタンで活動中、ゲリラ組織に拉致され、当時デルタフォースとして派遣されていた浜誠児に助けられる。直後に石動の命を受けたベイオウルブスにより救出され日本へ帰国する。 その後、外務省から特区監督庁に参事官としてバンドへ出向。しかしバンドを巡る動乱でベイオウルブズと共に独自に暴動を鎮圧したため、動乱終結後は政府からその責任を追及され外務省を辞職。自らの理想を実現するために政治家を目指す。だが国民からは英雄として賞賛され、一転政府与党から支援を受けての立候補となる。 そのタイミングで、父から貰ったペンダントを巡り身柄を狙われる。

浜 誠児 (はま せいじ)

伝説の傭兵、スレッジ・ハマーの異名を持つ。父親はネイティブアメリカンで軍人だったが、作戦行動中に戦死。6歳までは厚木に住んでいた。日本人だった母は居留地住まいで心を病み、彼が10歳の頃に自殺。叔父に育てられるが、居留地がウラン鉱採掘地からの汚染水で健康被害に遭い、国に救済と補償を訴えるNGOの代表であったため、地元の愛国者たちの怒りを買い射殺される。 銃を持った犯人を素手で病院送りにした後に軍隊へスカウトされる。その後米軍デルタフォースの上級曹長としてアフガニスタンに派遣中、難民支援の外国人ボランティア・後藤玲子の救出作戦に参加するが、直前で中止命令が出る。 目の前で殺されそうになる後藤を命令無視で救出するが、別働隊として動いていたベイオウルブスによって彼女は回収される。結果的に命令違反で不名誉除隊となるが、今度はCIAにスカウトされコロンビアの麻薬戦争に身を投じる。一時は麻薬カルテルに拉致され拷問を受けるが、奇跡的に救出されローゼンマン大公家によりベイオウルブズ(人狼)に対抗し得る獣人実験体として蘇った。 その後はPMCの要員として紛争地域に投入されるが、定期的な薬の投与が必要で、それを作ることができるのはドクターだけ。薬の効果が切れると黒豹のような姿に変わる。しかし大公家の庇護下で続けられてきた獣人化プロジェクトも中止となり、大公家からは敵対する公主家と日本政府が同盟を結ぶ動きがあり、反公主家勢力として対ヴァンパイア部隊の訓練と指揮を任される。 その部隊も浜の不在中に不十分な武装のまま秘密作戦に投入され犬死に。その後は警視庁の警部補という偽りの身分でバンドに入国。警視庁特区分署の署長として、特区でただ一人の警察官となり、後藤の身辺を護ることになる。

鏑木 アキラ (かぶらぎ あきら)

『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』では主人公。またの名をアキラ・カブラギ・レーゲンドルフ。地の一族で人狼。盟約に従い、17歳でミナ・ツェペッシュの下僕として仕える。高校卒業後はベイオウルブスに入り、百卒長(中隊長クラス)となる予定だが、正式には拝命していない。 浜誠児と共に後藤玲子の警護を担当する。

クラリッサ・ピエリ (くらりっさぴえり)

後藤玲子の拉致実行犯。「結社」先代盟主の娘。元々は暗殺者として、イタリアからの交換留学生という名目で六条学園に転入。生徒としてバンドに通っており、鏑木アキラたちと同学年だった。卒業後は行方不明となっていたが、盟主の命により後藤を襲撃。 彼女とその仲間たちは元々暗殺専門の少数部隊だったため、幾度となく失敗。最終的には盟主によって浜誠児に対する囮として利用される。人間でありながら、ヴァンパイアと互角以上に戦うヴァンパイアハンター。対ヴァンパイア用の武器として「アグニの血」を使う。

マリア・イザベル・ガルシア (まりあいざべるがるしあ)

ガルシア大統領の娘。14歳。幼少時(10年前)にゲリラに誘拐され、浜誠児に救われたことがある。以来、浜に心惹かれており、嫁ぐためにバンドにやってきた。過去の事件のトラウマから、銃撃の音などでフラッシュバックを起こすことがある。

ニコル・エデルマン (にこるえでるまん)

後藤玲子の双子の妹。姉との違いは口元にあるホクロ。父が残したエデルマン・レポートを解読、それを完成させるべくCNNキャスターという立場を利用してローゼンマン大公家の内情を探っていた。後藤とは連絡を取っていたため、彼女が恋した浜誠児を知り、また浜が大公家によって改造され手駒のように使われていることも知っていた。 その上で後藤の名を騙って接触し、エデルマン・レポートの入ったペンダントを渡すことで、大公家から自由になることを望んだ。しかし、浜が戻らなかったため死んだと悲観し、ヴァンパイアに対する憎しみからテロメアと接触。 バンド建国の際に報道関係者として入国し、腹腔にC4火薬を詰めるという自爆テロでミナを殺そうとする。

ボルトン

ガルシア大統領の秘書官。浜誠児を大統領警護チームのトップにスカウトしに来た。かつては神父だったが、ガルシアの娘・マリアが麻薬カルテルに拉致された際、カルテルメンバーが告解で話したアジトの情報を、浜に漏らしたために破門された。 その正体は結社のマスター(御師)。先代の盟主だったクラリッサの父を謀殺し、その座に就いたが、その事実がエデルマン・レポートに記載されてしまったため、後藤玲子を拉致し、レポートの在処を知ろうとしている。その過程で、クラリッサを囮として使い、殺させるように仕組んでもいた。

ジョナス・エデルマン (じょなすえでるまん)

後藤玲子とニコル・エデルマンの実父。若き日にヴァンパイアの存在を知り、その勢力と人間社会の関わりを探ることにその生涯を捧げた。この時書かれたのが「エルデマン・レポート」。「調停者」である石動の娘と結婚し、二人の娘を得るが離婚。 姉のジョゼフィンは日本側が引き取り、妹のニコルはジョナスが引き取った。

富士見 (ふじみ)

元特区監督庁で後藤玲子の部下だったが、後藤の辞職と共に後を追う。後藤の秘書。ツンツン髪。浜誠児曰く、三人まとめて「ポンコツ三銃士」。

長谷川 (はせがわ)

元特区監督庁で後藤玲子の部下だったが、後藤の辞職と共に後を追う。大阪弁を話す。後藤の事が大好きでお調子者。結社の襲撃から後藤とマリアを護り、瀕死の重傷を負う。浜誠児曰く、三人まとめて「ポンコツ三銃士」。

田宮 (たみや)

後藤玲子の秘書。メガネをかけている。浜誠児曰く、三人まとめて「ポンコツ三銃士」。

集団・組織

結社 (けっしゃ)

『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド スレッジハマーの追憶』に登場する組織。12世紀頃から活動した、カソリックから分派したキリスト教原理主義者の一派。反キリスト者を敵とし、神に背いた人ならざる者を駆逐し、地上に神の国を現出せしめるという教義の元、ヴァンパイアと敵対した。14世紀から17世紀頃まではヴァチカンの庇護を後ろ盾にして、欧州からアジアまで猛威を振るった。 しかし東京にバンドが出来、ヴァンパイアを収容隔離すると宣言したことにより公主家とヴァチカンとの間に不可侵誓約がなされると、結社はそれを神への背信とみなしヴァチカンから離脱して庇護を失った。現在では規模も縮小しているが、背後には別の教派の後ろ盾があるようである。

その他キーワード

エデルマン・レポート (えでるまんれぽーと)

『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド スレッジハマーの追憶』に登場する用語。ジャーナリストのニコル・エデルマンが父ジョナス・エルデマンの遺した資料を元に書いたヴァンパイアに関する書類。各国の歴代為政者たちとヴァンパイアとの密約や、過去から現在に連なるヴァンパイアによる世界支配を記している。元々の執筆は結社の要請によるもので、彼らの資金と情報提供により実現したもの。 しかし、ボルトンによる前盟主暗殺の事実を知ったジョナスはレポートの完成目前に逃走。結社に捕まってレポートの在処を尋問される。この時のジョナスを脅迫するために、アフガニスタンで後藤玲子が拉致されており、一時は脅迫は成功するかに見えたが、浜誠児の急襲によりジョナスは口を割らずに死亡。 そのレポートは双子の娘に託されたペンダントに入っていた。レポートの行方を巡ってボルトン率いる「結社」は後藤を誘拐し、その在処を探そうとしていた。

SHARE
EC
Amazon
logo