チア☆ダン

県立福井中央高校に入学した友永ひかりは、中学からの同級生でサッカー部の山下孝介をチアダンスで応援したいと軽い気持ちでチアダンス部に入部する。入部早々「地獄先生」と呼ばれる怖い女顧問から「このチアダンス部は全米制覇を目指します。前髪はひっつめ頭に。スカートの長さは膝丈。恋愛は禁止」とキツく指導される。先生からみんなの実力を見たいと言われ、ダンス未経験のひかりはヘンテコな踊りを見せてしまうが、楽しく踊るひかりの笑顔にはどこか人を惹きつける魅力があった。チアダンス経験者の玉置彩乃は、ひかりと同じ1年生なのに完璧な演技を見せる。上級生が辞めてしまったチアダンス部で部長に任命される彩乃。美人なうえに成績優秀な優等生の彩乃にかなうわけないと思っていた矢先に孝介が彩乃を褒めた。「私の前で他の女の子を褒めるなんて」と怒るひかりだが、孝介から「俺たちそんな仲だっけ？」と言われてしまう。ひかりは孝介と一度映画を見に行っただけだった。孝介の発言でやる気をなくしたひかりは「もう辞めてやる」と叫んでしまう。すると「ひかりちゃんの笑顔だけは良かったのに。辞めるのは一曲通して、みんなで踊ってからにしない？」と彩乃から引き留められる。しぶしぶ部に戻るひかりだが、みんなでいっしょに振り付けを覚え、まちがえながらもやっと1曲通して踊ることができた。みんなで踊る楽しさを知ったひかりは、チアダンス部に残り、福井大会に出場する。しかし結果は最下位で、地獄先生から「このままでは一生福井地獄よ。よく考えなさい」と叱られ、チームメイトたちは罵り合った。彩乃も「みんなのチームワークが足りないのよ」と火に油を注ぐような発言をしてしまう。もう辞めるという人が続出する中、ひかりと彩乃は「チアダンス部をバトン同好会に戻す」と校長が地獄先生に話しているのを聞いてしまう。ショックを受けた彩乃は学校を飛び出し、ひかりはモヤモヤを抱えながら、友達と寄り道をしていた。しかし心は晴れず、彩乃を説得しに行こうと考えた時、ひかりの家で彩乃が待っていた。同じ気持ちだった二人はバラバラになったチームメイトを説得し、みんなを引き連れて「チアダンス部を続けさせて欲しい」と校長に直談判に行くのだった。ひかりはその場の勢いで「アメリカで優勝します」と言ってしまう。同好会になる事態を免れたチアダンス部。部室でみんなのことを待っていた地獄先生は「あなたたちが自らアメリカで優勝するというその言葉を待ってた」と言い、3年という短い期間にジェット噴射のごとく、世界に羽ばたくために「JETS」というチーム名を名付けた。こうして目標ができたひかりたちはチーム一丸となって邁進し、2年目には全国大会に出場。しかし、全国では4位という結果に終わり、地獄先生から「あなたたちはなかよしすぎる。全米制覇をしたいなら、その仲をぶち壊しなさい」とさらに厳しい指導を受けるのだった。