概要・あらすじ
玖楼国という人々は明るく優しい平和な国で、主人公小狼は遺跡の発掘をして暮らしていた。玖楼国の姫であるサクラとは幼なじみで、お互い惹かれあっている仲だった。しかしある日、サクラの力を求める者の手によって玖楼国は攻められ、サクラの記憶は奪われ記憶は羽根に姿を変えて異世界へ散らばってしまった。
玖楼国の神官の雪兎によって小狼とサクラは次元の魔女のもとに送られ、そこで同じく次元を超えてきた黒鋼とファイ・D・フローライトに出会う。3人は目的は違うが、違う異世界へ行きたいという同じ願いを持っていた。その大きすぎる願いを叶えるために、それぞれが持っている一番大切な物を対価にして、次元を渡ることができるモコナ=モドキを次元の魔女から渡され共に異世界へと旅に出ることになる。
登場人物・キャラクター
小狼 (しゃおらん)
まじめで心優しい少年。信念を貫き通す強い意志を持っている。琥珀の瞳。考古学者だった父藤隆が、玖楼国の遺跡に興味を持って移住してきた。藤隆に拾われるまでの記憶がなく、いつ生まれたのかさえも解らなかった。そんな小狼にサクラが自分と同じ4月1日という誕生日を作ってくれ、彼女の事が好きになっていく。 サクラの飛び散った記憶を戻したいという願いのために、サクラとの関係性を対価として次元を渡る力を得る。それはサクラの記憶が全て戻ったとしても、その中に小狼という自分の記憶は失われてしまうというもの。右目が見えなくて、それをカバーするため戦うときは足技で戦う事が多い。 その後、もっと強くなるため剣技を黒鋼に教えてもらうようになる。
サクラ
玖楼国のたった一人の姫で王位第一継承者。兄は王で、名前は桃矢。すこし運動が苦手な面があるが心優しい少女。小狼のことが好き。カードゲームで負け知らずだったり、くじでは1番をひいたりと強運の持ち主。小狼が発掘作業をしていた遺跡で、不思議な紋章の床に触れた瞬間、サクラは意識を失い、記憶は羽根に姿を変えて異世界へ散らばってしまい奪われる。 その後、記憶のカケラの羽根が2つ戻ったところで意識が戻るが、小狼の事は覚えていなかった。小さい頃から死んだはずの人や生き物を見たり話したりする事ができ、寂しいものの声なき声が聞こえる。翡翠の碧の瞳。記憶の羽根が足らないからか、すぐに寝てしまう。
黒鋼 (くろがね)
日本国の知世姫に人を一人殺める度に強さが減っていく「呪」をかけられている。修行してこいと知世姫によって次元の魔女のもとに飛ばされるが、元の次元に戻りたいという願いを持っている。次元を渡る力を得る対価として、自分が持っていた銀竜という刀を差し出す。 ファイ・D・フローライトからは「黒たん」「黒ぷん」「黒りん」「黒ぴー」などなど色々な呼ばれ方をされて、おちょくられている。酒にかなり強い。日本国ではスプーン、フォークは使わないのか使い方がちょっと変。深紅の瞳で短髪黒髪。「マガニャン」という雑誌に連載されてる忍者漫画に夢中。この雑誌はどこの国にいっても読む事ができるが、形状は巻物だったり、分厚い本だったり、和とじだったりとさまざま。 絵柄も国によって違う。
ファイ・D・フローライト
セレス国の魔術師。宝石みたいな綺麗な蒼い瞳で金髪。その瞳が魔力の源。自分が元いた次元に戻りたくないという願いを叶えるために次元の魔女のところに自分の意思で来て、自分の体に施されたイレズミを対価にして次元を渡る力を得る。強大な魔力を持っているため長命で、見かけよりも実はかなりの年齢を生きている。 イレズミなしでは魔力は使わないと決めているため、小狼たちとの旅の中でも使用しないようにしていた。しかし小狼らと旅するうちに、彼の心が変化していき、一行に危機が迫った際、封印していた魔力を開放する選択をする。
モコナ=モドキ
次元の魔女とクロウ・リードに作られたもの。白と黒の2匹がいる。黒いモコナのほうは次元の魔女のほうにあり、白と黒で通信や物の転送ができたりする。普段は細い眼だが、サクラの記憶のカケラの羽根の波動をキャッチすると目を大きく開く。異次元を渡る力を持っているが、どの世界に飛ぶかは選ぶ事ができない。 小狼たちの翻訳機の変わりもつとめる。
飛王・リード (ふぇいわん・りーど)
クロウ・リードの血筋のもの。次元を超え、他人を異世界に運ぶ術を得ようとしている。小狼たちの旅に干渉して、彼が行かせたい世界に飛ばしていたが、次元の魔女の力によってそれは阻まれる。星火(シンフォ)といういつも自分のそばにいた女性を、自分を裏切った事で殺してしまうなど、自分の夢を叶えるためならどんな事でもする。
次元の魔女 (じげんのまじょ)
『XXXHOLiC』では壱原侑子と名乗っていて、他にも極東の魔女と呼ばれていたりする。相応の対価を払えば願いを叶えてくれる店を開いている。次元を超え、他人を異世界に運ぶ術を知る女性。小狼、サクラ、黒鋼、ファイ・D・フローライトに対価をもらいモコナ=モドキを与え、彼らを異次元へ旅立たせる。 その後もモコナ=モドキを通して映像や物のやりとりをしている。
知世 (ともよ)
黒鋼に「呪」をほどこし、次元の魔女の元に送った。日本国、白鷺城の姫巫女で姉は天照帝。父母を殺され己を失った黒鋼を鎮める。日本国の結界を支える者に代々伝えられる「月読」という冠名を持つ。
カイル=ロンダート
眼鏡をかけて、長めの髪を後ろで一つに結んでいる。小狼たちが飛ばされたジェイド国で出会った町の医師。余所からきた小狼たちのことを町の人々は胡散臭がったが、親切に家に泊めてくれた。しかし実は医師という立場を利用して子供に暗示をかけ、サクラの羽根を手に入れようとしていたのだった。 その後ピップル国にも現れて羽根を奪おうとする。
桃矢 (とうや)
サクラの兄で玖楼国の王。玖楼国の神官の雪兎とは幼なじみの親友であり、二人きりのときはタメ口で話す。妹のサクラの事がかわいくてしょうがなく、小狼の事が気に入らない。出会った頃の小狼に、自分でも何かわからない「違和感」を感じていた。
雪兎 (ゆきと)
玖楼国の神官で王である桃矢とは幼なじみで親友。未来予知ができ、サクラの運命の人は小狼だと予見する。人の記憶を読み取る事ができ、小狼の記憶からサクラの記憶が羽根となって飛び散った事を知る。サクラを救う手立てを得るため、小狼とサクラを次元の魔女の元に送る。
星史郎 (せいしろう)
右目が義眼で、世界を渡る魔法具になっている。本物の右目は魔法具を得るために次元の魔女に対価として渡している。吸血鬼狩りを生業とする狩人で、吸血鬼の双子を探して異世界を移動している最中、悪漢に絡まれる幼い小狼を助ける。とても強く、小狼の体術の師匠。 桜都国で新種の鬼児を統べる者として小狼と再会する。サクラの羽根を一つ持っていて小狼は取り戻そうとするが、魔法具を使用してどこか異世界へ移動してしまう。
場所
玖楼国 (くろうこく)
主人公小狼とサクラが暮らしている砂漠に囲まれた国。遺跡があり、小狼はそこで発掘作業をして生計をたてている。王政によって統治されており、サクラは王位の第一継承者である姫。現在の国王はサクラの兄である桃矢。
阪神共和国 (はんしんきょうわこく)
小狼たちがモコナ=モドキによって初めて飛ばされてきた国。大阪のような国でソースが名産。その国で有洙川空汰と嵐という夫婦に助けられる。二人は次元の魔女とも知り合い。この世界のものには必ず巧断(くだん)というものが憑く。巧断(くだん)は守護神みたいなもので、その形は人それぞれ違う。