概要・あらすじ
普段スーパーであまり目にかかれないようなオシャレなナゾ野菜で、何に使うかわからないものを、作者のカレー沢薫自らが購入し、調理して食べるグルメなコミックエッセイ。しかし調理方法を事前に調べることなく、すべて調理は行き当たりばったり。美味しそうなものも、真似したくなるようなものも出てこないとあらかじめ予告されている通り、料理レシピとしてはまったく役に立たない料理が作られていく。
登場人物・キャラクター
カレー沢 薫 (かれーさわ かおる)
ショートカットでタレ目、口元が猫のような形をしている漫画家の女性。漫画家、コラムニスト兼OLの人妻で、一見オシャレなナゾ野菜をインターネットや料理本で前もって調べることなく、行き当たりばったりに料理する。どんな食材でも、「めんつゆさえあればなんとかなる」というのが信条。きゅうりが苦手だが、一方で一番ネタにしていたりもする。 身の周りに対して無神経なところがあり、常に仕事場はゴミや衣服で散らかっている。作者であるカレー沢薫本人がモデル。
ダックス猫 (だっくすねこ)
カレー沢薫の相棒を務めている猫。腹部が白いうす茶色の体で、ダックスフンドのように胴が長い。胸元のあたりに×の形をした模様があり、2本足で立つことができる。「たぶん、オス」とされているが、性別は不明。さまざまなナゾ野菜を調理するカレー沢のそばで、常にフォローやツッコミを入れている。
旦那 (だんな)
カレー沢薫の夫。短髪で目が大きい。野菜に詳しく、家の庭で野菜やフルーツの栽培をしている。カレー沢とは対照的に綺麗好きで、揚げ物で汚れたキッチンをカレー沢が掃除した後、必ず掃除し直しているほど。どこからか珍しい野菜を持ってくる時があるため、こっそり本作『ナゾ野菜』を読んでいるのではないかと、カレー沢から疑われている。
その他キーワード
ロマネスコ
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。アブラナ科でカリフラワーの一種。甘味はそれほどなく、コリコリとした食感の野菜。サンゴ礁のような見た目から、黄緑サンゴとも呼ばれている。ミキサーで跡形もなく粉砕され、シチューにされてしまう。
ドラゴンフルーツ
カレー沢薫が調理することになったナゾフルーツ。サボテン科で果肉は柔らかく、サクサクした食感のフルーツ。果汁は服に付着すると取れなくなる。果肉が白いものと赤いものがあり、カレー沢は赤いものをそのまま切って食べていた。
ミラクルフルーツ
カレー沢薫が調理することになったナゾフルーツ。アカテツ科で常緑の低木に実り、果実はほんのりと甘いが、食べた後に別の酸っぱいものを食べると甘く感じるようになる、という不思議なフルーツ。カレー沢はミラクルフルーツを数分舐めた後、じっくり煮込んだ濃縮梅エキスを舐めていた。
ニンニク
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。ユリ科の野菜で、バレンタインにチョコレートを作ろうとしていたカレー沢に、「これじゃ普通のお菓子作りだ」と指摘して、ダックス猫がどこかから探して持ってきた。
アーティチョーク
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。キク科の野菜で、「朝鮮アザミ」という和名も持っている。主につぼみの部分を調理して食べる。カレー沢は外側のがくの硬い部分を剥がし、残った芯の部分を使ってめんつゆと一緒に卵とじにしたが、のちに追加購入するほど気に入っていた。
セロリ
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。茎よりも葉のほうが栄養が豊富に含まれているセリ科の野菜。実家で出たことがなかったために、その存在を知りながらも一度も食べたことのないカレー沢が、生まれて初めて食すことになった。
金糸瓜 (きんしうり)
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。ウリ科の野菜で、果肉が糸状になることから「スパゲッティ瓜」とも呼ばれる。英語でも「spaghetti squash」と呼ばれる。パスタの材料としても使うことができ、カレー沢がミートソースをかけて食した。
きゅうり
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。ウリ科の野菜で、目立った栄養成分がなく、熱にも水にも弱いデリケートな野菜。カレー沢が嫌いな食べ物のひとつ。カレー沢は加熱調理に適した「加賀太きゅうり」を購入し、シーフードコンソメスープを作った。
ツンドクバナナ
カレー沢薫が調理することになったナゾフルーツ。バショウ科のフルーツで、牛の角に似ているため、「ホーンバナナ」とも呼ばれる。果実が固くて生で食べることはできない。カレー沢はジャガイモと同様の調理方法で、味噌汁や肉じゃがを作った。
ブルーベリー
カレー沢薫が調理することになったナゾフルーツ。ツツジ科のフルーツで、表面に付着している「ブルーム」という白い粉が多いほど新鮮で完熟しているとされる。当初は旦那が漫画のネタのために家の庭で育てていた「ツルムラサキ」という野菜を調理したていたが、ページ数が余ってしまったため、急きょ旦那が庭で育てているブルーベリーの鉢から拝借し、鶏肉のブルーベリー煮を作った。
オリーブ&バジルペースト
カレー沢薫がナゾ野菜料理の調理に使用する加工食品。キッチンにあるだけでオシャレ度がアップする瓶詰め。カレー沢の家の冷蔵庫に眠っていた漬物や瓶詰めを、何でもご飯にのせて処理しようとした際に出てきた。
キャベツ
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。アブラナ科の野菜で、外側の葉と芯の近くの葉にビタミンCが豊富。カレー沢が小学生の時に、給食で1週間のあいだ「世界の料理」が出る週があり、ドイツ料理の日に、キャベツを酢漬けにした料理が出たと語る。
冷製スープ (れいせいすーぷ)
カレー沢薫がナゾ野菜を調理して作った料理。ダックス猫が夏野菜のトマト、ナス、きゅうりを中心とした素材をミキサーにかけて作った冷製スープ。カレー沢はスプーンを使用することなく、直接皿に口をつけて飲んだ。
ピーマン
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。ナス科の野菜。ヘタが六角形以上のほうが、苦味が少ない傾向にあるとされる。クリスマスの日をがっかりした日にするため、カレー沢が赤色と緑色のピーマンを使ってかりんとうを作った。
里芋 (さといも)
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。サトイモ科の野菜。皮をむく際に手がかゆくなってしまった時は、手に酢をつけて洗うと和らぐ。お正月にカレー沢が餅料理を作ろうとした際に、ダックス猫がガーナにも餅に似た食べ物があると助言し、タロイモの代替品として里芋を用いて「フフ」という餅に似た料理を作った。
サツマイモ
カレー沢薫が調理することになったナゾ野菜。ヒルガオ科の野菜。旦那が丸くて皮が薄い珍しいサツマイモを持って帰って来たと思ったら普通のジャガイモだったので、カレー沢が自分で「紅はるか」というサツマイモと、「ゴールド紫」という品種の紫サツマイモを購入して調理した。
干し野菜 (ほしやさい)
近年アサイーが流行したので、遅れて流行に乗ったカレー沢薫がアサイーを作ることに挑戦しようとしたものの、すぐに投げ出してしまった。これに対してダックス猫が干し野菜が静かなブームになっていると助言し、作成に挑んだもの。