概要・あらすじ
23世紀の地球。人間の女性の恋愛の相手をするためだけに造られた、セクサイドのカイは、酒場でクラシックな卵型ロボットのナポレオンと知り合う。高性能で実用性に富むナポレオンに、カイはコンプレックスを持つ。反対に、ナポレオンは人間の女性に愛されるカイを羨む。実はナポレオンは、女主人であるチュールを子供のときから愛していた。
しかし、かつての純真な少女は俗っぽい女性に成長し、ナポレオンのクラシックな外見が恥ずかしいから、自分の結婚式までに人間型に作りかえようとする。だが、それはロボットにとって、殺されるも同然の行為だった。
登場人物・キャラクター
カイ
男性の人間型ロボット。人間の女性の恋愛の相手という目的だけに特化して造られたセクサイド。過去に3人の女性を破産させて自殺にまで追い込んでいる。顔と体以外に取り柄がないのがコンプレックス。ロボットなのにギャンブルが好きで、いつも負けている。清水玲子作品にしばしば登場する、定番キャラクターのひとりでもある。
ナポレオン・ル・ボン (なぽれおんるぼん)
卵型ロボット。外見は旧式だが、中身は最新式で高性能。いかにもロボットという形は子供に受けるため、当時5歳だったチュールのために購入された。幼かったチュールの「いちばん好き」という言葉を信じ、チュールが成長しても変わらずに愛し続ける。人間は変化して不安定だから、自分のように不変なものの支えが必要なのだという信念を持つ。
チュール
ナポレオンの持ち主。5歳のときからナポレオンに育てられる。長くストレートな黒髪を持つ美人だが、中身は俗物。結婚を間近にしていて、旧型ロボットのナポレオンを人間型に作り替えようとする。
ヴェラ
カイの新しい主人。チュールの友達で、チュールの結婚式にカイを連れていく。3人の子持ち。
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