概要・あらすじ
ヒト型ロボットのジャック・ナイジェルは、人間同様の食欲を感じ、無駄な食事をしている事に深い罪悪感や辛さを抱えている。ある日、捕えられた王女を救出するため、白鳥座の「メヌエット」を訪れたジャックは、人食種として知られるフォトゥリス人の少女ルビィに出会う。彼女たちにとって、食事は命を繋ぐ最も神聖な儀式であり、ルビィもまた愛する母親の命を食べてそこに存在していた。
食べる事に対する価値観が大きく異なる二人は、やがて愛し合うようになり、お互いの命をかけて守りあおうとする。
登場人物・キャラクター
ジャック・ナイジェル
人型ロボット。限りなく人間に近づけて作られているので、感情も欲求もある。数年前に自分がロボットであると知らされる。人間だと思っていた破壊工作員時代、一緒に牢獄に入れられた友人と限られた食料を分け合い、自分だけ生き延びた事に罪悪感を抱えている。人食種の少女ルビィと出会い、食べる事に対する葛藤がさらに増していく。
ルビィ
主人公ジャック・ナイジェルが出会ったフォトゥリス人の少女。人肉を食す人種。ラ・ロンジュのジャングルで生まれ育つ。昼は可憐な少女、夜は大人の美女という二つの姿を持つ。偶然出会ったジャック・ナイジェルに想いを寄せるようになる。愛する人には命を捧げるものという考えがあり、ケガで動けなくなったジャックに、自分の左手を切って差し出す。
フレディ
主人公ジャック・ナイジェルを憎む男。兄と同じ牢に投獄されたジャックが、食事が不要な身でありながら兄と食事を分け合い、自分だけ生き残った事に恨みを持っている。執拗にジャックを責め続け、命まで狙うようになる。
フォトゥリス人 (ふぉとぅりすじん)
人肉を食す人種。白鳥座11番惑星「メヌエット」のジャングル、ラ・ロンジュ一帯を住処とする。まだ未確認の肉食獣扱いであり、他の人間たちから恐れられている。食べる事は命を受け継ぐ神聖な儀式であると考え、子供や愛する人に自らの命を提供する。