概要・あらすじ
1999年、地球は滅亡しなかった。だがノストラダムスの予言した通り、恐怖の大王は確かに地球にやってきていた。地球滅亡調査にやってきた恐怖の大王・ハルマゲは、人間の悪事を見つける度に、地球の残存ポイントの2000点から減点していき、このポイントがゼロになれば地球は滅亡する。だが、心優しい地球人の野亜と触れ合うなかで、ハルマゲは残存ポイントを、ついつい増やしてしまう。
見かねた妹や部下たちが、代わりに地球滅亡調査を遂行しようと地球に現れ、恐怖の大王による地球滅亡調査は、だんだんと賑やかなものとなっていく。
登場人物・キャラクター
ハルマゲ
恐怖の大王の青年。1999年7月に、地球を滅ぼすためにやってきた。人間の悪事を見つける度に、地球滅亡調査に残された地球の残存ポイントから減点する、という役割を担っている。残存ポイントがゼロになれば、地球は滅亡することになる。しかし、心優しい野亜の善行を評価して、つい残存ポイントを増やしてしまう。往々にして減点よりも加点の方が多くなり、一向に地球を滅ぼせずにいる。 何かと甘い性格のため、当初は2000点だった残存ポイントを、一時期は30万点まで増やしてしまう。野亜と触れ合ううちに、地球に対する愛着が生まれ、ついには地球の滅亡を避けるため奔走するようになる。地球滅亡調査が長期化したため、軍資金が底を尽き、普段はアルバイトをして生計を立てている。
野亜 (のあ)
心優しい高校生の少女。夏服しか持っていないハルマゲに、マフラーを編んであげたり、満足に食事をとれない彼のために、毎日弁当を作ってあげるなど、ハルマゲの世話をよく焼いている。そのことによって、本人は無自覚ながら、日々地球の滅亡を防いでいる。ボランティア活動にも積極的に参加し、さまざまな人から親しまれている。ハルマゲを追って地球にやってきたマルスやメギド・グランドにも優しく接し、地球の滅亡をさらに遠ざけていく。 実は小さい頃、ハルマゲの父親であるアンゴルモアにも会っている。そのときの地球滅亡調査では、彼女の優しさと無垢さのおかげで、ほとんど地球は減点されなかった。
アンゴルモア
ハルマゲの父親。前任の恐怖の大王。ハルマゲが、恐怖の大王としてやっていけるのかを心配し、ハルマゲが地球滅亡調査に行く5年前、密かに地球滅亡調査を行っていた。そのときは、幼い野亜の純真無垢さによって、ほとんど調査が進まず、残存ポイントを2点減点するのみで終了させている。娘のイオを溺愛している。
マルス
ハルマゲの妹。父親であるアンゴルモアから、ハルマゲが「地球人の色香にまどい、点数を与えまくっている」と聞き、ハルマゲに代わって地球滅亡調査を行うため、地球にやってきた。些細なことでも大きく減点し、さっさと地球を滅亡させようとしていた。しかし、野亜に優しくされると、無自覚にポイントを増やしてしまい、一時期は40万点まで増加させてしまった。 地球を存続させることが決定した結果、宇宙に帰ることができなくなり、ハルマゲと2人暮らしを始めることになる。地球に対して特段思い入れがあるわけではなく、滅亡させるチャンスがあれば、便乗することもある。地球定住以降は、中学校に通うようになる。
メギド・グランド (めぎどぐらんど)
秘書官補佐の男性。マルスの次に、地球滅亡調査をするため地球へやってきた。地球滅亡ノートではなく、滅亡パソコンによって地球滅亡調査を行う。ハルマゲに心酔しており、ハルマゲのあらゆる行動を称賛する。ハルマゲのためを想い、ハルマゲが悲しむことを承知で地球を滅亡させようとする。ところが、マルスが飲み物をこぼして滅亡パソコンが壊れ、地球滅亡調査ができなくなって地球定住が決定。 ハルマゲやマルスと同じく、野亜の優しさに触れると、つい加点してしまう。地球定住後は、マルスと同じ中学に通うことになる。
クロス・グランド (くろすぐらんど)
秘書官で、メギド・グランドの姉。メギドの後に地球にやってきた。メギドから壊れた滅亡パソコンを奪って修理し、地球滅亡調査を行う。残存ポイントを、一時的にマイナスにした。しかし、ハルマゲたちの努力により地球滅亡は回避。その結果、宇宙へ帰ることができなくなって地球定住が決定。当初は、ハルマゲたちと一緒に住んでいたが、出稼ぎのために家を出る。
アルシア=ヴォルケーノ (あるしあゔぉるけーの)
滅亡とされていた火星人の生き残りの女性。地球に出稼ぎに来て、同じ火星人のヘラス=フィールドと一緒に生活している。ハルマゲが地球滅亡調査にやってきていることを知って、地球から脱出しようと計画する。そこで、ハルマゲが地球の残存ポイントを増やしている現場を目撃。地球が滅亡しないと、いずれ技術の進んだ地球人が火星にやってくる。 そして、火星人が滅亡していないことがバレてしまうため、悪事を積み重ねて、地球を滅亡させようとする。
ヘラス=フィールド (へらすふぃーるど)
滅亡とされていた火星人の生き残りの男性。地球に出稼ぎに来て、同じ火星人のアルシア=ヴォルケーノと一緒に生活している。ハルマゲから滅亡パソコンを奪い、地球の残存点数をなくそうとする。しかし、そのとき、ハルマゲが恐怖の大王の資格を剥奪されていたため、まったくの無駄となった。そのせいで、火星人が滅亡していないことがバレてしまう。 しかし、ハルマゲが火星の復興を認める声明を出したため、彼にゴマをするようになる。
イオ
ハルマゲとマルスの妹。父親であるアンゴルモアからの遣いとして、地球にやってきた。パソコンに詳しく、ハルマゲが壊してしまった滅亡パソコンを、出稼ぎ中のクロス・グランドに代わって修理。また、滅亡パソコンの携帯電話型の子機も用意した。その後、結局地球に定住することになり、小学校に通い始める。兄であるハルマゲの言いつけをよく守り、いい子でいようとしている。 将来の夢は弁護士。チュパという名前の猫を、よく連れている。
御木本 みき (みきもと みき)
占い好きの女子高生。「運命を変える出会いがあるでしょう」という占い結果を見た直後、交通事故に遭いそうになる。助けてくれたハルマゲを、運命の人と決める。ハルマゲの正体が恐怖の大王であることを知って、地球滅亡調査に協力する。結局地球は滅亡しなかったが、その後もハルマゲの前に現れては、べったりとくっついている。野亜に好意を寄せているハルマゲには、迷惑がられている。
その他キーワード
地球滅亡調査 (ちきゅうめつぼうちょうさ)
恐怖の大王による1000年に一度の調査。地球滅亡ノートか滅亡パソコンを使用して行われる。地球人の悪事を見つけるたびに減点していき、残存ポイントがなくなれば、地球の滅亡が決定する。なお、残存ポイントはリセットされることはなく、必ず前回の調査から繰り越される。
地球滅亡調査ノート (ちきゅうめつぼうちょうさのーと)
恐怖の大王が地球滅亡調査の記録を残すためのノート。悪事があった場合は、その事柄と、減点した点数を記入していく。地球存続が決まった後は、ハルマゲが分別ゴミに出した。
滅亡パソコン (めつぼうぱそこん)
地球滅亡調査の記録を残すためのノートパソコン。ハルマゲが地球滅亡調査ノートを分別ゴミに出した後、メギド=グランドが、アンゴルモアから地球滅亡調査をやり直すためにもらったもの。宇宙文字が使われている。のちに不正に点数の加点、減点ができないよう、イオによって人工知能が追加された。イオが用意した携帯電話型の子機も存在する。
滅亡カレンダー (めつぼうかれんだー)
地球の災害を記載したカレンダー。地球滅亡調査により地球滅亡が決定した際、地球に起きる天変地異などの災害が記載されている。記載されている災害は、基本的に予定通りに発生する。しかし、洪水ならば水に、火事ならば火に関連したよいことをすれば、回避することも可能。