概要・あらすじ
とある名家の庶子である中村美冶は、母親の死をきっかけに、本家である鴻蔵家に引き取られることになる。妾の子である美冶は、本家の義母や義姉にひどい仕打ちを受けることを覚悟していた。美冶と初めて会った義姉の鴻蔵まりかと鴻蔵ありさは、美冶を見るなり「なんだか臭い」「ゴミと暮らすのはごめんだ」と言いながら、彼女を風呂場に連れていった。美冶を丁寧に洗った二人は、さらにきれいなワンピースや袴(はかま)を着せて、おしゃれをさせようとする。そこに現れた強面(こわもて)の義母、鴻蔵てるは、「美冶が寝るスペースを書斎に確保するため、みんなで書斎の本を蔵に移動させる」と宣言した。「どんな仕打ちも受け入れよう」そんな悲壮な思いに反して、美冶は新しい家族たちと幸せに暮らすことになるのだった。
登場人物・キャラクター
鴻蔵 美冶 (こうのくら みや)
鴻蔵家の庶子である少女。母の死をきっかけに、本家である鴻蔵家に引き取られ、三女となる。三編みをリボンで縛っているのが特徴。母親、祖母と貧しい暮らしをしていたが、10歳に満たないうちから奉公に出されていた苦労人。旧姓は中村。ひどい仕打ちを覚悟しながら本家にやってきたが、義母と義姉に優しく受け入れられる。当初は彼女たちの対応に戸惑うが、やがて鴻蔵家の一員として、すてきな人間になろうと考えるようになる。
鴻蔵 まりか (こうのくら まりか)
鴻蔵家の長女。ショートカットに大きな赤いリボンをしている。八重歯あり。強気で偉そうな話し方が特徴で、次女の鴻蔵ありさとよく口喧嘩(くちげんか)をする。母親と鴻蔵美冶のことが大好き。美冶からは「まり姉ちゃんさま」と呼ばれる。主人公が暴れまわる冒険小説を好む。
鴻蔵 ありさ (こうのくら ありさ)
鴻蔵家の次女。ロングヘアに大きな赤いリボンをしている。タレ目。生意気な性格で、嘲笑が得意技。長女の鴻蔵まりかとよく口喧嘩をする。母親と鴻蔵美冶のことが大好き。美冶からは「あり姉」と呼ばれる。暗くて救いようのないラストの小説を好む。
鴻蔵 てる (こうのくら てる)
鴻蔵家の奥方。普段は着物を着ている。銀髪とデカくてゴツい体格が特徴。厳格な性格だが、おちゃめな一面もある。強面だが、娘たちをこよなく愛しており、その愛情は庶子である鴻蔵美冶にも平等に注がれる。美冶に自分のことを「マミー」と呼ばせる。
書誌情報
いびってこない義母と義姉 5巻 一迅社〈comic POOL〉
第1巻
(2021-05-25発行、 978-4758022453)
第5巻
(2023-10-25発行、 978-4758026024)