大好きな俳優の来訪と求婚
俳優・佐久間葵の推し活動に励んでいた小山田すみれのもとに突然、葵本人が現れて結婚を前提に付き合ってほしいと告白される。ファンと推し俳優が恋愛関係になるべきではないと考えるすみれは困惑しながらも、目の前にあこがれの葵がいるうえに、いちファンに過ぎないすみれに恋をしているという事実に喜びを隠しきれずにいた。さまざまな出来事をとおして、ファンと芸能人を超える関係に発展していくすみれと葵の奇妙な日常と恋愛模様が、ドタバタギャグやラブコメディを交えて展開される。
ファンを愛する天然俳優×推し活に夢中なドルオタ女子
小山田すみれは佐久間葵の熱狂的なファンとして長年「推し活」に励んできた女子大学生で、10年前にイケメンコンテストに出場していた葵を雑誌で見て一目惚れする。葵に対し、ふつうの恋愛とは違ったあこがれを抱くすみれは、ファンと推し俳優のあいだには一定の境界が必要であるとの考えから、時にそのルールを破るような行動を取る葵に説教をすることがある。そんなすみれに対して葵は、ファンを大切に思う一方で、時折芸能人がタブーとされる行動に走ることがある。さらには生来の天然っぷりが暴走し、すみれを思うあまり次々と奇行を繰り返すなど、たびたび彼女を困惑させている。
引っ越しても追いかけてくる推し俳優
健全ないちファンに戻るべく、思い切って別のマンションに引っ越した小山田すみれだったが、ファンレターをとおして彼女の新居を突き止めた佐久間葵は、再び彼女のもとに現れる。繰り返されるアプローチと天然さに一喜一憂しながらもすみれは、葵の無自覚な奇行に振り回される日々が続く。そんな中、すみれは葵のマネージャー代行を務めることになり、その業務の中でイケメンモデル・最上レンから気に入られてしまう。ふつうのファン活動を超えて芸能界にかかわり始めたことで、すみれの人間関係は大きく広がり、葵からのアプローチも加速していく。
登場人物・キャラクター
小山田 すみれ (おやまだ すみれ)
大学に行くかたわら佐久間葵の推し活をする女性。年齢は20歳。葵がJUMONのボーイコンテストの最終候補になった際に、雑誌でその写真を見て一目惚れした。その後デビューしてから10年間、葵一筋のファン活動を続けている。葵からは初めてファンレターを送ってくれたファンとして特別視されており、小山田すみれが20歳になったのを機に葵からプロポーズされる。葵のことが大好きで、推しメンからのプロポーズはファンなら一度は夢に見るシチュエーションだと思っているが、謎のプロ意識を発揮し、葵のプロポーズを拒絶。プロの芸能人であるならば、不用意にスキャンダルを起こすべきではないと葵に説教を始める。しかし葵はアプローチを繰り返し、距離を縮めてくる葵の言動に一喜一憂することとなる。ファンとして葵との触れ合いを嬉しく思いながらも、必要以上に推しメンに近づくべきではないと考えており、ある意味模範的でありながら厄介なタイプのファン。天然の葵の言動に振り回されることも多く、その言動のフォローに奔走していたが、その行動が葵のマネージャーの目に留まり、気づけば葵のマネージャー代行として正式に彼をサポートすることとなる。
佐久間 葵 (さくま あおい)
ポラプロに所属する男性芸能人。甘いマスクに、爽やかな雰囲気を漂わせている。公式プロフィールでは身長182センチ、体重62キロ。誕生日は3月2日で、星座はうお座。ファンからは「さっきゅん」の愛称で呼ばれている。好きな食べ物はバナナ。容姿端麗で、若手実力派俳優としてドラマに引っ張りだこの人気を誇る。ただ結構おつむが弱く、バラエティ番組でもその若干天然が入った言動から重宝されている。10年前、小山田すみれからもらったファンレターを励みに、現在まで芸能界で活動を続けることができた。そのため、すみれに対して並々ならぬ愛情を持っており、突然、彼女の家を訪れて求婚した。本来ならもっと早く行こうと思っていたが、すみれが成人するまで周囲から止められていた。すみれのためなら現在の地位を捨てることもいとわないと思っているが、その態度がファンをないがしろにしているとすみれに説教され、考えを改める。ただし、すみれのことをあきらめる気はなく、すみれがプロポーズを拒絶していることも前向きに解釈し、さらにアプローチを強める。実はバラエティ番組でさらしているアホさ加減はかなりマイルドな部分で、本性は相当に頭が悪い。すみれも葵と行動を共にするようになってその事実に気づき、フォローに奔走することとなる。
書誌情報
推しが我が家にやってきた! 10巻 フレックスコミックス〈ポラリスCOMICS〉
第1巻
(2019-06-13発行、 978-4866750668)
第7巻
(2022-09-15発行、 978-4866752426)
第8巻
(2023-03-15発行、 978-4866752785)
第9巻
(2023-09-15発行、 978-4866753126)
第10巻
(2024-08-08発行、 978-4866753713)