ハンサムな彼女

ハンサムな彼女

四ツ葉学園の芸能科に通う未央は、ドラマで彩の敵役を演じる14歳の人気女優。ある日、スタジオに来ていたアメリカ帰りの一哉に、初対面でプロ意識が足りないと指摘されてしまう。最初は対立してばかりの二人だったが、次第に未央は映画一筋の一哉に惹かれていく。一哉と未央の恋愛を中心に描かれた少女漫画。

正式名称
ハンサムな彼女
ふりがな
はんさむなかのじょ
作者
ジャンル
学園
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あらすじ

第1巻

女優として芸能活動をしている中学3年生の萩原未央は、となりに住む幼なじみで俳優の森本輝臣の事が好きだった。そして人気No.1のアイドル歌手であり、同じく四ツ葉学園の芸能科に所属する木村彩子とは、親友同士の仲でもあった。そんなある日、未央と彩と輝臣の三人は同じ2時間ドラマに出演する事になり、その現場で熊谷一哉という男の子と出会う。未央や彩と同じく中学3年生の一哉は、父親が有名な映画監督であり、本人も映画監督になる事を志していた。ドラマの話題作りのために、ベテランとの共同演出を任された一哉は、当初は親の七光りと揶揄されつつも、持ち前の才能やこれまで積み上げてきた経験を活かした演出で、次第に周囲の信頼を集めていく。そんな一哉からプロ意識の低さを指摘された未央は、悔しさを感じつつも指摘が的を射たものと認めて素直に反省する。さらに、輝臣が彩に思いを寄せるようになった事で失恋した未央は、自分の事を励まし、女優として評価をしてくれた一哉に対して心を開いていく。そんな中、ハリウッドからやって来た著名な映画監督のアーサー・クライトンが、未央を次の映画に起用したいと言い出し、未央の周囲は騒然となってしまう。

第2巻

ハリウッド映画に出る事を祝福されつつも、不安と心細さを感じる中、萩原未央はアーサー・クライトンから、熊谷一哉を映画に出演するよう説得してほしいと頼まれる。実はアーサーの目的は、最初から一哉を映画に出演させる事であった。まんまと利用された形となった未央に対し、一度は冷たい態度を取る一哉だったが、未央の映画デビュー作品を撮るのは自分だと宣言し、映画の製作記念パーティーの会場から未央を連れて逃げ出してしまう。改めて一哉から映画への出演を求められた未央は、自分の才能を見い出してくれた一哉の思いに応えようと決意し、また映画に一心に打ち込む一哉にさらに心惹かれていくのだった。そんな中、未央はかつて一哉が木村彩子と付き合っており、さらに彩は今でも一哉の事を思っているという事実を知り、激しく動揺してしまう。彩に付き合いを断られた森本輝臣は、これからも陰ながら彩を思い続ける事を心に決める。一方、一哉の映画製作のプロジェクトは着々と進んでおり、未央は一哉の仲間であるほかのスタッフ達とも顔を合わせる。中でもカメラマンの可児収は一哉の親友であり、一哉の家に居候していた。一哉の映画のスポンサーを引き受けたSOMYの沖田優一は、全面的にバックアップする事を約束し、話題作りのために一哉に彩の新曲のプロモーションビデオの制作を依頼する。

第3巻

映画の製作開始に向けて準備を進める熊谷一哉だったが、宣伝に力を入れようとするスポンサーの沖田優一の指示に従わないわけにはいかなかった。木村彩子の新曲のプロモーションビデオの撮影のために、N.Y.に行った一哉は彩から告白され、戸惑いつつも拒絶する。N.Y.での撮影を終えた一哉は、同じ時期にハワイで写真撮影をしていた萩原未央のもとを訪れるが、一哉の姿を見て彼への思いがあふれた未央は、自分の思いを伝えてしまう。しかし即座に拒絶され、映画撮影のためになにごともなかったかのように振る舞う一哉に対して、未央の心は傷ついていた。そんな様子を見て、可児収が未央への気持ちを告白する。一方、沖田は映画の宣伝のためと、一哉、未央、彩の三角関係についてのネタを週刊誌に書かせ、話題をあおった。彩はコンサート会場で、スキャンダルについてファン達に謝罪をするが、途中で泣きながら逃げ出してしまう。そんな彩を必死で励ます一哉を見ている事がつらくなった未央は、収のもとへ行き、一哉を忘れさせてほしいと懇願する。付き合う事を決めた収と未央は初めてのデートをし、楽しいひとときを過ごす。しかしその一方で未央の心の奥には、一哉に対する気持ちが消せないまま残っていた。

第4巻

とうとう熊谷一哉達の映画はクランクインし、新しいメンバーに菊池理花を演出助手に加える。萩原未央は一哉への思いを忘れて、可児収を好きになろうと努めていた。一哉と理花は映画に情熱をかけているという共通点から意気投合し、時には討論しながらも仕事仲間として親密になっていく。そんな二人の様子を目にするたびに、未央の心は穏やかではいられず、苦しい思いを抱えていた。一哉への思いを忘れられない未央の気持ちに気づいた収は、未央と別れる事を決意する。それまで収の事を目の敵にしていた理花だったが、実はその態度は好きな気持ちの裏返しであり、未央のために身を引き、気落ちする収を慰める。そして未央と別れた事を一哉に伝えた収は、未央の気持ちを受け止めてほしいと懇願するが、映画にすべてを賭けている一哉にはそんな心の余裕はないのだった。収と一哉は口論に発展してしまうが、持てる情熱と時間のすべてを映画に注いでいる一哉の姿を見て、収の方から折れる形で仲直りをする。そして未央は、収を傷つけた事を後悔し、これからはどんなにつらくても一哉への思いを貫き通す事を決意する。ところがその時、SOMYの上層部から圧力がかかった事から、映画の製作が中止になるという噂を聞いた一同はショックを受ける。

第5巻

沖田優一の父親であるSOMYの会長の命令で、映画の製作が中止になるという話が出て以来、熊谷一哉萩原未央らは心中穏やかではいられない。父親を説得するためにも、最後まで撮り終えて素晴らしい作品である事を証明したいと考えた沖田だったが、撮影を予定していた危険なシーンの撮影に難色を示す。しかし危険ではあるものの、脚本上どうしてもカットする事ができない大事なシーンだと判断した一哉は、自らがスタントマンを引き受ける事を決意する。そして撮影当日、心配のあまり涙ぐむ未央の目の前で、一哉の乗ったバイクは大事故を起こしてしまうのだった。しかしなんとか命を取りとめ、撮影を成功させた一哉はそのまま入院する。死を覚悟した時にやっと未央を女優としてだけでなく一人の女性として大切に思う自分の気持ちに気づいた一哉は、見舞いにやって来た未央を抱きしめ、告白する。完成した作品の質の高さはもちろん、一哉に大怪我をさせてしまった責任の一端は自分にあると考えた会長は、映画のプロジェクトを再開する。ようやく一哉と結ばれた未央は、女優としてさらなる飛躍を決意する。

第6巻

熊谷一哉のもとに、アメリカからアーサー・クライトンが訪ねて来る。次回作にSF映画を撮りたいと考えている一哉に対し、アーサーは自分の製作するSF映画に主役として出演すれば、最先端技術をたっぷり見せると交渉を持ち掛けてくる。一哉は映画の勉強のためにアーサーの申し出を受け、数か月のあいだロサンゼルスへ行く事になってしまう。離れ離れになる寂しさに萩原未央は落ち込むが、一哉の夢を応援するために涙を呑んで彼を送り出す。ある日、一哉の不在に落ち込んでいる未央を慰めようとした木村彩子から、一哉に面差しが似ているミュージシャンの松木聖を紹介される。その後、未央と同じ四ツ葉学園の芸能科に転校して来た松木は、未央を口説こうとして、なにかとちょっかいをかけてくる。一哉の不在による寂しい心の隙間に強引に踏み込まれ、未央の気持ちは揺れる。一方一哉はロサンゼルスで同じ映画に恋人役として出演しているジョディ・パーカーから言い寄られるが、未央の存在を伝えてきっぱりと断る。久しぶりに電話で一哉の声を聴いた未央は、一哉への思いを再確認し、不安を解消するのだった。松木と同じバンドに所属する本間しのぶに恋心を抱いた大嶋ケンジを応援しようと、ケンジと共にしのぶの住むマンションを訪れた未央は、男性が来客中だと知って驚き、逃げ帰ってしまう。実はしのぶの部屋にいたのは松木で、二人は付き合っていたのである。

第7巻

松木聖はかつて、アーサー・クライトンの映画に抜擢されながら、熊谷一哉が出演する事が決定したせいで役を降ろされる、という理不尽な目に遭った事があった。その事を恨みに思った松木は、一哉の恋人である萩原未央を奪い取る事で復讐しようと目論んでいたのである。だが、松木の自分に対する気持ちが噓だと見破った未央は、松木が本当に愛しているのは本間しのぶだと指摘し、二人のあいだを取り持つのだった。一方、一哉はアーサーの息子であるキース・キャンベルと知り合い、映画好きの仲間として親しくなる。キースは一哉の才能を高く評価し、共にアメリカで映画を撮ろうと持ち掛けるが、一哉はキースとその仲間達のレベルの高さにコンプレックスを感じ、未央と会えない事にも寂しさを感じていた。折しも未央は仕事でロサンゼルスに向かったが、一哉を驚かせようと内緒で向かったため、せっかく近くにいながら会う事すらできずにすれ違ってしまう。やっと会う事ができた二人は久しぶりのデートを楽しむが、未央はキースから一哉と別れてほしいと内緒で説得される。なによりも映画を愛する一哉が、自分のせいでアメリカに残るか日本に戻るかを迷っていると知った未央は、一哉のために身を引く事を決意し、別れを告げるのだった。

第8巻

熊谷一哉のために身を引いた萩原未央だったが、これからも遠くから一哉を思い続けながら、いつか結ばれるために、女優としての自分を磨き続けようと決意していた。しかし一哉はアメリカに残らず、未央のいる日本に戻る事を決める。映画はもちろん大切だが、映画も未央も両方大切にしていく事を決めた一哉は、未央と固く結ばれるのだった。その後、女優業が順調の未央はCDシングルの企画のため、作曲家の佐野亮平のもとで歌のレッスンを受ける。亮平の息子の佐野晃平は子役として活躍しており、ちょうど未央とは同じドラマで共演していた。しかも亮平は一哉といとこ同士で、一哉は亮平が昔から女性にモテる事を知っていた。未央に懐いている晃平からせがまれ、亮平は一哉の恋人である未央に興味を持つ。一哉の映画は2作目の脚本ができあがったが、SOMYの沖田優一から、新人アイドルである竹内みちるを売り出したいため、主演を未央ではなくみちるにしてほしいと頼まれる。しかもその事実を自ら打ち明けられないうちに、四ツ葉学園の芸能科に転校して来たみちるが、未央に伝えてしまう。一哉に真偽を確かめた未央は、あふれる涙を止められず、それでも笑顔で快諾するのだった。

第9巻

泣きながら立ち去ろうとする萩原未央を引き留め、熊谷一哉は次回作こそは未央を主役に撮ると約束する。プロの女優として納得せざるを得ないと頭ではわかっていた未央は、一哉の真摯な態度に心を打たれ、不安を解消する。一哉もまた、本心では未央を主役にしたいと思いつつも、プロの監督として未央以外の女優を使う事を、自分に納得させていたのだった。二人は仕事のオフにデートをする約束をするが、大好きな未央に父親である佐野亮平と結ばれてほしいと願う佐野晃平は、突然の腹痛をよそおってデートの邪魔をする。二人はすれ違ったまま映画の撮影が始まり、多忙になった一哉とは裏腹に、映画に出ない事になった未央は時間を持て余してしまう。亮平と晃平に誘われた未央は共に休日を楽しく過ごすが、その夜、亮平からプロポーズをされてしまう。一方、一哉は竹内みちるの演技に強い違和感を感じて、撮影は思ったように進まない。その原因が未央のイメージで作った作品に、みちるを無理に当てはめようとしていたからだと気づいた一哉は、監督を降りる事を決める。自分の中で未央がどれほど大きな存在になっていたのかに改めて気づかされた一哉は、亮平の家へ乗り込み、未央を奪い返すのだった。

登場人物・キャラクター

萩原 未央 (はぎわら みお)

女優として芸能界で活躍する元気な美少女。四ツ葉学園の芸能科に通う中学生。輝臣の家に来ていたプロデューサーにスカウトされ、デビューした。CKプロに所属している。12月6日生まれの射手座で、血液型はO型。自分の気持ちに素直で、泣き虫。輝臣に片思いしていたが、映画制作に情熱を燃やす一哉に惹かれるようになる。 周りからは未央と呼ばれるが、一哉からは萩原と呼ばれている。

熊谷 一哉 (くまがい いちや)

映画監督の巨匠、熊谷志郎の息子。映画制作を学ぶため2年間アメリカに留学していた若きホープ。演出家や映画監督として活躍する。自信家だが、照れ屋で優しい性格。ローレン・バコールやマレーネ・ディートリッヒのようにクールで知的、毅然としたハンサムな女性をヒロインにして映画を撮るのが夢。 初めて未央をテレビで見た時から、ヒロインにすると決めていた。周りからは一哉と呼ばれている。未央と同じ学年だが、違う男子校に通っている。マンションで独り暮らしをしている。

木村 彩子 (きむら あやこ)

沢木彩の芸名で活動するトップアイドル兼女優。未央の親友で、恋敵であり良き理解者。5月28日生まれの双子座、血液型はAB型。一哉とはデビューする前にいた中学の同級生で、中1の時に付き合っていた過去がある。幼少の頃からレッスンを受けていたため、歌が上手。未央と同じ四ツ葉学園の芸能科に通っている。

森本 輝臣 (もりもと てるおみ)

女の子に人気抜群のアイドルで俳優もこなす。CKプロに所属している。未央の隣の家に住んでいる。未央の2つ年上で、初恋の相手。10月11日生まれの天秤座、血液型はO型。未央に告白されるが、彩に想いを寄せていたため断る。後に彩と恋人同士になる。

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