自殺未遂の裏に潜む秘密にせまる
双子の姉・上原つばさは、小学5年生の時に両親の離婚によって離れ離れになってからも、双子の妹・園田ありさを大切に思っていた。そんな中、つばさは3年ぶりに再会したありさから、一日だけ二人の生活を入れ替えてみないかと提案される。そして、つばさはありさとして楽しい一日を過ごすが、そんなつばさの目の前でありさは飛び降り自殺を図る。一命を取り留めたものの、ありさの意識は現在も戻っていない。ありさを守ってあげられなかったことを激しく後悔するつばさは、ありさを自殺に追い込んだ原因を探るため、つばさはありさとして日常生活を送ることを決意。ありさの身辺を探るにつれて、これまでつばさが知らなかった事実や複雑な人間関係が明らかになる。
謎の儀式「王様タイム」
ありさとして日常生活を始めたつばさは、ありさが所属するクラスで行われている「王様タイム」と呼ばれる儀式を知る。毎週金曜日の4時限目の自習の時間に行われており、携帯電話の画面に自分の願いを入力すると、王様と呼ばれる人物がその願いを叶えてくれるというもの。テストでいい点数を取りたいといった学業の悩みから、気に入らないクラスメートを消したいという過激な願いまで何でも叶えてくれるため、王様を盲信しているクラスメートも多い。また、王様に少しでも否定的な言動をした者はターゲットにされ、クラス内で嫌がらせを受けたり、いない存在としてイジメの対象となったりする。そのあまりにも異常な光景に、つばさはありさの自殺未遂の原因が王様タイムとなんらかのかかわりがあるのではないかと疑う。
登場人物・キャラクター
上原 つばさ (うえはら つばさ)
鬼兜東(おにかぶとひがし)中学校に通う2年生の女子。年齢は14歳。園田ありさの双子の姉。両親の離婚によって小学5年生の時にありさと離れ離れになるが、両親には秘密で彼女とは手紙のやり取りをしていた。3年ぶりに再会した二人は充実したひとときを過ごし、ありさから一日だけ入れ替わって生活しようと提案され、受け入れた。ありさに代わって楽しい一日を過ごした上原つばさだったが、ありさはつばさの目の前で一通の謎の手紙を残して飛び降り自殺を図る。ありさが自殺に追い込まれた原因を探るため、彼女に成り代わって姫椿中学校での生活を始め、クラスで行われている「王様タイム」と呼ばれる儀式を知る。正義感が強すぎて、ゴミのポイ捨てを言葉ではなく暴力で注意するため、周囲からはヤンキー扱いされている。腕っぷしも強く言葉づかいも乱暴なことから、「東中の鬼姫」と呼ばれている。学校でも不良仲間とつるんでいるため、女友達はいない。趣味はケーキ屋さん巡りで、自分にはない女の子らしさを持つありさにあこがれており、実は乙女チックなアクセサリーや服に興味を持っている。
園田 ありさ (そのだ ありさ)
姫椿(ひめつばき)中学校に通う2年生の女子。年齢は14歳。上原つばさの双子の妹。両親の離婚によって小学5年生の時につばさと離れ離れになるが、両親には秘密で彼女とは手紙のやり取りをしていた。3年ぶりに再会した二人は充実したひとときを過ごし、つばさに自分の生活と一日だけ入れ替えてみないかと提案。つばさに代わって楽しく一日を過ごすが、ありさはつばさの目の前で一通の謎の手紙を残して飛び降り自殺を図る。なんとか一命は取り留めたものの、現在も意識は戻らずにいる。成績優秀で学級委員長を務めており、誰にでも優しく接して人望も厚い人気者。クラスで行われている「王様タイム」に参加していたが、つばさには隠していた。