概要・あらすじ
山あいの平和な村で暮らすハーメルとフルートは、故郷を魔物に襲われ、恐ろしい真実を知らされる。フルートは魔族と戦う人類の最重要拠点スフォルツェンド公国の姫であり、彼女を守る結界が破られて魔族が侵攻してきたのだという。
フルートの真の故郷を目指す旅が始まったが、それは同時に、過去の記憶をもたないハーメルが自分と大魔王ケストラーのつながりに直面する、苦しみに満ちた道の第一歩でもあった。
登場人物・キャラクター
ハーメル
バイオリンの魔曲使い。幼い頃、記憶を無くしてある村にさまよいつき、そこでフルートの幼なじみとして成長した。感情を多く言葉にあらわす性格ではないが、最も親しいフルートには思いやり深い。大魔王ケストラーの息子であり、我を失い魔族化して人の命を散らした罪を背負いながら、人間としての生を求めて悩むことになる。 魔族軍のサイザーは双子の妹。
ケストラー
魔族たちの主。天使と悪魔の混血児。記憶喪失に陥り、人間としてパンドラと愛し合い夫婦になったが、封印をとかれた箱の影響で大魔王ケストラーとして覚醒した。ハーメルとサイザーの実の父親であり、その血筋がハーメルに魔族化の悪影響をおよぼすことになる。
オーボウ
ハーメルの旅の共をするカラス。人間の言葉をしゃべり、ハーメルたちの戦いを見守り、助言も与える。
トロン・ボーン (とろんぼーん)
スフォルツェンド公国を守護する騎士国家の王子。魔族の攻撃で国を滅ぼされてしまう。ハーメルを父の仇と考えて命を狙うが、魔族との戦いの旅路の中で思いを変えていく。親譲りの剣術を身につけている。
フルート
ハーメルと幼なじみの少女。自分をただの村娘と思っていたが、実は人類守護の要であるスフォルツェンド公国女王の娘だと告げられる。故郷と思った村は王女を守るため展開された結界内に用意された仮のもので、村人も護衛の兵士たちだった。 ただ1人本物の人間関係を結んだハーメルを支えとして旅をするが、大魔王の血を引く彼との間には悲壮な運命が待ち受ける。
サイザー
魔族軍のナンバー3であり、大魔王ケストラ-とパンドラの間に生まれた双子の片割れ。ハーメルの妹にあたる。幼少期に魔族に連れ去られ、人類世界を侵略する戦力として育てられた。柄が楽器のフルートになって魔曲を奏でることのできる巨大な鎌で戦う。 天使と悪魔の混血であるケストラーから天使の因子を受け継いでおり、背に翼が生えている。
ライエル
ピアノを使う魔曲使い。かつて魔族化して我を失ったハーメルに父母を殺されており、旅の芸人一団に拾われて生きていた。当初は親の仇がハーメルだったとは知らないまま再会して仲間になったが、戦いが佳境にさしせまったころに事実を知ることになる。
パンドラ
ハーメルとサイザーの母親。人間の女性。記憶と力をなくして人間と化していたケストラーと夫婦の契りを交わし、二子をもうけた。箱を開いてケストラーを大魔王として復活させてしまう。
場所
スフォルツェンド公国 (すふぉるつぇんどこうこく)
強大で神聖な魔法力を備えた大兵団を擁し、魔族と戦う国家。国を治めるのは代々女性であり、君主は人類の女王とも讃えられ、その強い力で民衆から畏れ敬われている。
その他キーワード
パンドラの箱 (ぱんどらのはこ)
大魔王の魂が封印されている箱。開けば魔族の軍勢と共に大魔王が復活し、この世に災いをもたらすことになる。パンドラが解放してケストラーを大魔王に覚醒させてしまった後、改めて封印を施した。
魔曲 (まきょく)
『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する音楽。特殊な力を備えたバイオリンやピアノなどでクラシック音楽を奏でて、その曲の題に沿った現象が引き起こされる。例えば ストラヴィンスキーの「火の鳥」を弾くと、燃えさかる鳥の形の精霊が召喚されて敵を攻撃するなど。 また、他者の戦闘力を向上させる補助の効能をもった魔曲もあり、多種多様。
クレジット
原作
ハーメルンのバイオリン弾き (はーめるんのばいおりんひき)
勇者とその仲間達が、北の都に住む大魔王ケストラーを倒すために旅を続けるファンタジー漫画。クラシック音楽をモチーフとした人物名、地名などが多数登場する。また、主人公達の奏でる魔曲にも実在のクラシック音楽... 関連ページ:ハーメルンのバイオリン弾き