概要・あらすじ
アインクラッド編開発者・茅場晶彦により死のゲームと化したVRMMORPG「ソードアート・オンライン」。プレイヤーの一人キリトは、周囲を顧みず自身の強化に邁進していたが、自分の失態から心通わせたギルドの仲間を全滅させてしまう。
傷つき打ちひしがれながらも、新たに知り合った仲間達や、恋仲になった凄腕の細剣使いアスナにも助けられ、浮遊城アインクラッドの攻略を進め、ついにゲームのクリアへと至る。
フェアリィ・ダンス編「SAO」はクリアされたが、キリトの恋人アスナを含む約300人は現実に帰還していなかった。意識のないアスナとの結婚を告げる婚約者の言葉に、無力感に苛まれるキリト。
そんな彼のもとに、VRMMORPG「アルヴヘイム・オンライン」内の世界樹の天辺で、アスナに似たアバター]が目撃されたという情報がもたらされる。キリトは、藁をもつかむ思いで再度、仮想世界に飛び込み世界樹を目指す。
登場人物・キャラクター
シリカ
『ソードアート・オンライン』の登場人物でヒロインの一人。SAOのアバターで、短剣使い。SAOでは稀有な存在であるビーストテイマーで、フェザーリドラという小竜の「ピナ」を使役する。 容姿と年齢、小竜ピナを連れていることも相まって、浮遊城アインクラッド中層域のアイドル的存在。35層の迷いの森で、別件で行動していたキリトに危ういところを助けられ知り合った。
アスナ
ゲーム世界のアバターで、細剣使い。SAOに於いてはただでさえ少ない女性プレイヤーで、その中でも五指に入る程の美貌を持つ。キリトとは1層ボス攻略会議の行われたトールバナの街で出会った。 攻略ギルド「血盟騎士団」の副団長を務め、所属するギルドの制服である紅白(白地に赤のアクセント)の騎士装に身を包む。その美貌や副団長を務める実力などからSAOで知らぬ者は居ない程の有名人。 あまりに速い剣速から「閃光のアスナ」という二つ名がある。またファンクラブがあって「閃光様」などとも呼ばれており、トラブル防止のため護衛が付いている。血盟騎士団に加入する前は、普通の服装にケープを被って顔を隠していた。 後にキリトと恋仲になり(ゲーム内で)結婚した。現実世界での名前は「結城明日奈(ゆうきあすな)」。
キリト
ゲーム世界のアバターで、片手剣使い。黒尽くめの防具を装備した軽装の剣士。女の子に間違われるほどの顔立ちと線の細い容姿を持つ。剣士としての腕やレベルはSAOトップクラス。「ビーター」を自称するが、その装備の色から「ブラッキー」などとも呼ばれている。 秘匿しているが、ユニークスキル「二刀流」を持つ。後にアスナと恋仲となり(ゲーム内で)結婚した。現実世界での名前は「桐ヶ谷和人(きりがやかずと)」。 「アルヴヘイム・オンライン」ではスプリガン族の剣士で、やはり黒尽くめ。
サチ
『ソードアート・オンライン』の登場人物でヒロインの一人。SAOのアバターで、槍使いから転向中の盾持ち片手剣使い。ギルド「月夜の黒猫団(つきよのくろねこだん)」の紅一点で、ギルドのメンバー共々キリトに助けられ知り合った。 ギルドの壊滅と同時に死亡。自分の心構えから近い将来死んでしまうだろうと、時限式の録音アイテムでキリトに遺言を残していた。
リズベット
『ソードアート・オンライン』の登場人物でヒロインの一人。SAOのアバターで、マスターメイサー(メイス使い)。赤のエプロンドレスに身を包み、浮遊城アインクラッド48層のリンダースの街で鍛冶屋を営む。 アスナに紹介され店にやってきた客としてキリトと知り合った。アスナとはキリトに出逢う以前からの知り合いで親友。
カインズ
SAOのアバターで、ギルド「黄金林檎」の元メンバー。ヨルコと共に過去の事件でのリーダーの死の真相をさぐるべく芝居を打ち、同じギルドで事件の共犯者だったシュミットに脅しをかけ白状させ、真犯人を炙りだした。
ロザリア
SAOのアバターで、シリカと出逢うことになった別件で追っていた、犯罪者(オレンジ)ギルドのリーダー。キリトの降伏勧告にメンバーとともに抵抗したが、圧倒的レベル差のキリトの前に刃が立たず降参。 牢獄エリア送りとなった。
グリムロック
SAOのアバターで、ギルド「黄金林檎」の元メンバー。リーダー殺害の実行犯。グリセルダの現実世界での夫で、妻に対する独占欲から凶行に至った。殺人(レッド)ギルドに依頼し、他の元メンバーを全員殺して事件の真実を隠蔽しようとしていたが失敗した。
クラディール
SAOのアバターで、両手剣使い。アスナと同じギルド「血盟騎士団」に所属する。キリトを逆恨みして殺そうとしたが、返り討ちにあって死亡。
シンカー
SAOのアバターで、1層のはじまりの街を統治する巨大ギルド「アインクラッド解放軍」のリーダー。もう一人のリーダーであるキバオウの罠にはまり地下ダンジョンの奥深くに置き去りにされた。 キルドのメンバーユリエールの依頼により、キリトとアスナが救出した。
ユリエール
SAOのアバターで、「アインクラッド解放軍」のメンバー。リーダーのシンカーに対して異性として好意を抱いており、ダンジョンの奥深くに置き去りにされた彼の救出をキリト達に依頼した。
オベイロン
ALOのアバターで、世界樹の天辺に居るとされる妖精王。その正体は、システム管理者である「須郷伸之(すごうのぶゆき)」。アスナを含む約300人を仮想世界に閉じ込め、違法な人体実験を行っていた張本人。 アスナのもとに辿り着いたキリトを一度は圧倒するも、逆転を許し、怒り心頭のキリトに切り刻まれてALOから退場した。
サクヤ
ALOのアバターで、シルフ族の領主を務める実力者。アリシャ・ルー共々、世界樹に向かう途中のキリトに命を救われた。世界樹攻略では、強力な武器を装備した種族の強者を従えアリシャ・ルーと共に参戦した。
リーファ
ALOのアバター]で、シルフ族の魔法剣士。ALOにやってきたばかりのキリトに窮地を救われ、その後一緒に行動することになった。現実世界での名前は「桐ヶ谷直葉(きりがやすぐは)」で、キリトこと桐ヶ谷和人の義理の妹。 当初はお互いに兄妹であることに気づいていなかった。
グリセルダ
SAOのアバターで、ギルド「黄金林檎」のリーダー。過去の事件ですでに死亡している。
レコン
ALOのアバターで、シルフ族の短剣使い。シルフでありながら闇魔法を使いこなす。リーファの知り合い。現実世界での名前は「長田慎一(ながたしんいち)」で、リーファこと桐ヶ谷直葉とはクラスメイト。 リーファと共に世界樹攻略に挑んだ。
アルゴ
SAOのアバターで、「鼠のアルゴ」の通り名を持つ、浮遊城アインクラッドにおける情報屋のパイオニア。キリトとはβテストからの付き合い。頬にヒゲのペイントを施しており、それが名前の由来となっている。
ヨルコ
SAOのアバターで、ギルド「黄金林檎」の元メンバー。カインズと共に過去の事件でのリーダーの死の真相をさぐるべく芝居を打ち、同じギルドで事件の共犯者だったシュミットに脅しをかけ白状させ、真犯人を炙りだした。
キバオウ
SAOのアバターで、「アインクラッド解放軍」のリーダー。もう一人のリーダーであるシンカーを罠にはめ、亡き者としてギルドのトップの地位を狙ったが失敗。ギルドから追放された。キリトとは1層のボス攻略戦で知り合っていた。
ユージーン
ALOのアバターで、サラマンダー族の将軍を務める。サラマンダー族最強にしてALO最強と謳われる実力者。キリトと一対一の勝負に破れ、領主襲撃を諦め去った。伝説武器(レジェンダリィ・ウェポン)である「魔剣グラム」を持つ。
ディアベル
SAOのアバターで、盾持ち片手剣使い。元ベータテスターであったが、独善には走らなかったできた人物。1層ボス戦においてレイドのリーダーを務め、終盤にラストアタックボーナスを狙ったが、パターンの変わっていたボスの攻撃に打ち倒され、後をキリトに託して死亡した。
エギル
SAOのアバターで、斧持ち重戦士。大きな体躯と褐色の肌を持つ黒人で、顔は厳つく恐れられている。商人としての顔も持ち、浮遊城アインクラッド50層のアルゲードの街でアイテム故買の店を経営している。 キリトとは1層のボス攻略戦で知り合った。クラインと並んでキリトの良き理解者。
シュミット
SAOのアバターで、ギルド「黄金林檎」の元メンバー。そうとは知らずにリーダーの殺害に手を貸してしまい、そのことを後悔していた。ヨルコとカインズの芝居によるリーダーの影に怯え、全てを白状した。
ヒースクリフ
SAOのアバターで、アスナの所属するギルド「☆血盟騎士団」の団長を務める。初めて確認されたユニークスキル「神聖剣」の使い手。
コーバッツ
SAOのアバターで、「アインクラッド解放軍」のメンバー。リーダーであるキバオウの命により、無謀にもワンパーティーで74層のボス攻略に挑み、自身を含めた3人の死者を出した。
クライン
SAOのアバターで、曲刀使い。後に刀と鎧を装備するサムライ的な出で立ちになった。ゲーム開始直後に見かけたキリトに声を掛け知り合った。SAOには仲間数人とともにログインしており、その仲間と作ったギルド「風林火山」のリーダーを務める。 気さくな性格で、人付き合いが苦手なキリトの数少ない知り合い。エギルと並んでキリトの良き理解者。
ユイ
正確には「人」ではなく、プレイヤーの精神的ケアを司るカウンセリング用AIである「MHCP(Mental Health Counciling Program)001」。エラーを蓄積して崩壊寸前となり、22層の森のなかを彷徨っていたところをキリトとアスナに保護された。 シンカー救出の際にシステムコンソールに触れたことでエラーを解消、同時にシステムに異物と判定され削除されそうになるも、キリトの機転でアイテムとして分離された。 ALOではアイテムから「ナビゲーション・ピクシー」として復活、キリトをサポートした。
ケイタ
SAOのアバターで、サチが所属していたギルド「月夜の黒猫団(つきよのくろねこだん)」のリーダー。ギルドのメンバーと別行動している間にギルドが壊滅、一人生き残り事情を説明するキリトに対し、恨みの言葉を吐きつつ浮遊城アインクラッドの外周から飛び降りて自殺した。
茅場 晶彦 (かやば あきひこ)
脳インターフェース機器である「ナーヴギア」とオンラインゲームとしてのSAOを生み出した天才的な学者兼開発者で、SAOを死のゲームとした張本人。
アリシャ・ルー (ありしゃるー)
ALOのアバターで、ケットシー族の領主を務める実力者。サクヤ共々、世界樹に向かう途中のキリトに命を救われた。世界樹攻略では、種族の最終戦力「ドラグーン隊」を従えサクヤと共に参戦した。
場所
浮遊城アインクラッド (ふゆうじょうあいんくらっど)
『ソードアート・オンライン』の舞台となる架空の城。城の名の通り先細りの構造を持ち、100の階層に、都市や村、森や湖など様々な「フィールド」を内包する。一番広い第1層の直径は10kmにも及び、その規模は浮遊大陸と呼んでも差し支えないほどのもの。 上の層に進むためには、階段が存在する「迷宮区」を突破し階層ごとのフロアボスを倒す必要がある。クリア済みの階層には、各層の主街区にある転移門から転移することができる。
その他キーワード
VRMMORPG
『ソードアート・オンライン』に登場する架空のオンラインゲームの形態で「仮想現実大規模多人数オンラインロールプレイングゲーム(Virtual Reality Massively Multiplayer Online Role Playing Game)」の略。 脳と直接信号をやりとりする機器で仮想現実を作り出し、その中で行われる多人数によるオンラインロールプレイングゲーム。プレイするためには「ナーヴギア」や後継機の「アミュスフィア」が必要。
ビーター
ソフトウェアのβ版を表す「ベータ」と、ゲーム的にズルをする人を表す「チーター」を合わせた造語で、「ベータ版の有益な経験と知識を持ちながら独善的に活動した一部の人々」を指す。ベータ版経験者全体の迫害を防ぐため、主人公のキリトが、自分に批判の矛先を向けるため最初に名乗った。
アミュスフィア
『ソードアート・オンライン』に登場する架空の脳インターフェース機器。「ナーヴギア」の後継機でソフトウェア互換。頭をぐるっと囲む輪のような形のゴーグルで、後頭部側を上下に開き、頭から被って使用する。 旧世代機で事件が起きたため、電磁波の出力が低く抑えられ、バッテリー非搭載となり、外部からの刺激や体の異常があった場合には強制シャットダウンするようになっているなど、徹底的に安全性が高められている。
ソードアート・オンライン (そーどあーとおんらいん)
『ソードアート・オンライン』に登場する架空のオンラインゲーム。英文綴りは「Sword Art Online」で略称は「☆SAO」。「浮遊城アインクラッド」を舞台とするファンタジー色の強い、剣による戦闘をメインとしたRPGで、最終目的は「100層ある浮遊城の天辺に居る最終ボスを倒す」こと。 一部アイテムの効果を除き魔法は存在せず、武器ごとに多様な種類を持つ「ソードスキル」を駆使して戦う。 鍛冶や裁縫などの生産系や、はては釣りや料理などの趣味系スキルまで存在し、またゲーム内で空腹を感じ飲食も出来るなど、まさにゲーム内で生活することができる。ゲーム開始後すぐに開発者・茅場晶彦の手により、自発的ログアウト不可、HPがゼロになった場合やクリア以外でのゲーム退去が試みられた場合には現実のプレイヤーが死亡、という死のゲームと化した。 開始から2年と1日で主人公・キリトによりクリアされた。
世界樹 (せかいじゅ)
『ソードアート・オンライン』に登場する神話の巨木。フェアリィ・ダンス編の舞台となる「☆アルヴヘイム・オンライン」の世界の真ん中に聳え立つ。根本にあるドームからクエストに挑むことができ、成功すると世界樹の天辺に登ることが出来る。
ナーヴギア
『ソードアート・オンライン』に登場する架空の脳インターフェース機器。専用ソフトウェアをインストールして使用する。ジェットヘルメット形で、使用時には頭に被り顎の下でロックする。脳とのインターフェースに電磁波を使用しており、出力素子を焼き切るほどの出力を与えると、電子レンジと同じ理屈で使用者の脳を焼くことが出来る危険な機器。 バッテリーを内蔵しており、電源が断絶した状態でも数時間程度なら動作してしまうため、被害者の頭から除装することが不可能となっていた。
アルヴヘイム・オンライン (あるゔへいむおんらいん)
『ソードアート・オンライン』に登場する架空のオンラインゲーム。英文綴りは「Alfheim Online」で略称は「☆ALO」。北欧神話がベースの妖精世界である「アルヴヘイム」を舞台としたRPG。 プレイヤーは妖精なので空を飛ぶことができ、またSAOと違い魔法が存在する。世界の中心に世界樹があり、グランドクエストは「世界樹の天辺に辿り着き、妖精王オベイロンに謁見し、上位種族アルフに転生する」こと、となっている。