ハーメルンのバイオリン弾き

ハーメルンのバイオリン弾き

勇者とその仲間達が、北の都に住む大魔王ケストラーを倒すために旅を続けるファンタジー漫画。クラシック音楽をモチーフとした人物名、地名などが多数登場する。また、主人公達の奏でる魔曲にも実在のクラシック音楽の名前が使われており、その薀蓄も披露される。シリアスな場面であっても、ギャグ展開を入れ、そのまま話が進行していくのも特徴。

正式名称
ハーメルンのバイオリン弾き
ふりがな
はーめるんのばいおりんひき
作者
ジャンル
クラシック
 
ファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

その昔、この世の全ての魔族と大魔王ケストラーが封じ込められているパンドラの箱があった。その箱をパンドラという女性が開けてしまい、平和だった世界は暗黒の闇に閉ざされる。そんな世界を旅する、勇者を自称し、大きなバイオリンを携え北の都を目指す青年、主人公ハーメル。旅のさなか立ち寄ったスタカット村で、身寄りのない村娘フルートと出会い、幼馴染のライエル、亡国の王子トロン・ボーンを旅の仲間に加える。

その後、スフォルツェンド公国の助力を受けながら、魔界軍や様々な困難へ仲間達と立ち向かっていくことになる。

登場人物・キャラクター

ハーメル

大魔王ケストラーと聖女パンドラの間に産まれた、勇者を自称する青年。金に汚く、ヒロインフルートに着ぐるみを着せ路銀を稼いだり、仲間達に肉体、精神を酷使する悪戯を行うなどかなり外道な性格をしているが、根は優しい。コントラバス並の大きさを持つバイオリンを携え、魔曲を奏で他人を強化し操るなどして魔界軍と戦う。 北の都へは、大魔王を倒し母を救う目的のために向かっている。また普段は帽子で隠しているが、頭の先に一本の角が生えていて、感情的になると魔族の血が覚醒して見境なく暴走してしまう。名前のモチーフは『ハーメルンの笛吹き男』。

フルート

スタカット村に住む村娘。正義感が強く、明るい性格の少女。魔界軍に襲われていたところを主人公ハーメルに助けられ、以後旅に同行する。だが、着ぐるみを着せられ路銀を稼がされたり、戦闘の際はハーメルの弾く魔曲で強化され戦わせられたり散々な扱いを受けている。名前の由来は木管楽器の一種であるフルート。

オーボウ

主人公ハーメルと共に旅をする、喋る黒いカラス。戦闘はできないが、ハーメルの父親的な存在で、仲間達にとってもまとめ役として重要な人物。だが、ハーメルからは、敵に向かって投げつけられたり、邪険に扱われるなど碌な目にあっていない。名前の由来は木管楽器の一種であるオーボエ。

ライエル

愛の勇者を自称する、主人公ハーメルの幼馴染。幼少期に両親をハーメルに殺されており、復讐に心を囚われている。それに加えて、北の都へ行こうとするハーメルの気持ちを誤解しているため、止めなければいけないという使命感と復讐心からハーメルの前に立ちはだかる。 だが、戦いを経て和解した後は共に旅をするようになる。性格は情に厚く心優しい。反面、女性に対する免疫は皆無で、近寄られただけで鼻血を吹きだし出血多量で死にかける。背中に500㎏の黄金のピアノを背負っており、魔曲を奏で他人を強化し操ったり、精霊火の鳥を召喚するなどして魔界軍と戦う。名前の由来は手回しオルガンのライエル。

トロン・ボーン (とろんぼーん)

スフォルツェンド公国の同盟国であるダル・セーニョ王国の若き王子。魔界軍に、故郷と両親を奪われ、敵討ちのために北の都を目指し旅をしていたところで主人公ハーメル達と出会う。生意気な性格をしているが、精神的に幼い部分もあり、泣き虫、怖がりな面もある。 だが、剣士としての素質はあり、父から受け継いだ剣技「獅子奮迅斬」(シーザー・スラッシュ)と、両親の形見の剣で魔界軍と戦う。名前の由来は金管楽器の一種であるトロンボーン。

ホルン

スフォルツェンド公国の女王。第1王子リュートの母親でもある。実年齢は50代半ばだが、外見は若々しい。慈愛に満ちた性格で人々から愛されている。法力により長命であるが、他者の傷や病気を癒す「癒しの力」の反動と、過去の魔界軍との戦争で多くの兵士を助けたことにより、寿命は幾ばくも無い。 加えて、その戦争の際に第1王子リュートも失っている。名前の由来は金管楽器の一種であるホルン。

クラーリィ・ネッド (くらーりぃねっど)

スフォルツェンド公国の魔法兵団を束ねる兵団隊長。階級は大神官。幼い頃に魔界軍との戦争の際、ホルンとリュートに助けられ、恩を返すため魔法兵団に入団した。ヒロインフルートを除く、主人公ハーメルとその仲間達を見下しており、仲は良くない。 反面、妹のコル・ネッドに対してはシスコンぶりを発揮している。名前の由来は木管楽器の一種であるクラリネット。

コル・ネッド (こるねっど)

スフォルツェンド公国に住む、クラーリィ・ネッドの妹。「魔闘家」と呼ばれる、魔法と法力を使う武闘家の地位にいる。ヒロインフルートの魔法の指導員として、主人公ハーメルの旅に同行するが、本当の目的はフルートを排除しハーメルと恋仲になること。 その目的ゆえ、外見は可愛らしいが非常に腹黒い性格をしている。名前の由来は金管楽器の一種であるコルネット。

パーカス

スフォルツェンド公国の女王ホルンに仕える執事。モノクル(片眼鏡)を付け、髭を生やした老人。頭にはカツラを着用している。執事ではあるが、作戦指示を出したり、法力の力にも秀でている実力者。ヒロインフルートを除く、主人公ハーメルとその仲間達を邪険に扱いフルートから遠ざけようとする。 名前の由来は打楽器を指すパーカッション。

リュート

かつてスフォルツェンド公国の第一王子だった青年。絶大な魔法と法力の力を持ち、人々から「人類の守護神」、魔界軍からは「スフォルツェンドの魔人」と呼ばれていた。心優しいが、天然な性格ゆえ加減を知らず周囲への被害を出すことも多い。魔界軍との戦争の際、魔王軍を圧倒し、魔界軍王の一人冥法王(ヘル・キング)ベースを倒すが、頭部のみになっても生きていたベースに魂を取られ死亡する。 その後、新たな魂を与えられ、ベースの頭部を運ぶ操り人形として魔界軍に付き従うこととなる。名前の由来は撥弦楽器の一種であるリュート。

冥法王ベース (へる・きんぐべーす)

魔界軍王NO.1の実力を持つ、魔界軍王の長。髭面の男の頭部を持つ漆黒の軍服を着た青年、という異様な風体をしているが、これはスフォルツェンド公国との戦争の際、リュートとの戦いによって頭部のみが残ったため、死亡したリュートの肉体を操り自分を運ばせているからである。 パンドラの箱に封印され動けない大魔王ケストラーを復活させるべく、北の都から魔界軍に指示を出している。頭が切れる上、非情な性格をしていて使えない部下を平然と切り捨てる。名前の由来は弦楽器のベース。

オル・ゴール (おるごーる)

冥法王ベースの副官。実力は魔界軍王に匹敵するが、悪ふざけの過ぎる性格から副官に甘んじている。精神的に相手を追い詰めることが好きで、口癖は「あー、楽しい」。鎌とハープを掛け合わせた武器を使い、主人公ハーメルやライエルが魔曲によって人を操るのと同じように、死者の魂を操る魔曲を奏でる事ができる。 その能力を使い、ハーメルの魔族の血を暴走させる作戦をベースから担う。名前の由来は機械仕掛けにより自動演奏する楽器の一種、オルゴール。

幻竜王ドラム (どらごんきんぐどらむ)

魔界軍王NO.2の実力を持つ、破壊力に特化した魔族。傲慢で頭が悪く、妖鳳王サイザーとは折り合いが悪い。見た目は、棍棒を持ち2つの頭部を有した巨躯の竜。大魔王ケストラーに気に入られ、次の大魔王になると考えている野心家。冥法王ベースからスフォルツェンド公国へ侵攻するように命令され、自身の軍と超獣王ギータと共に進軍する。 名前の由来は打楽器のドラム。

妖鳳王サイザー (ほーく・きんぐさいざー)

魔界軍王NO.3の実力を持つ、翼の生えた美しい女性。幻竜王ドラムとは折り合いが悪い。血塗られた甲冑と翼、鎌を持った姿で数多の国を滅ぼしてきたことから、人々に「ハーメルンの赤い魔女」と呼ばれ恐れられている。また、鎌の持ち手は楽器のフルートとして使うことも可能で、精霊ワルキューレを呼び出すことができる。 冥法王ベースからパンドラの箱をスラー共和国から奪ってくるよう命令される。「フン」と鼻であしらうような口癖を持っている。名前の由来は電子楽器の一種であるシンセサイザー。

オカリナ

魔界軍王NO.3妖鳳王サイザーの副官。右目に傷跡のある白いカラスの格好をしているが、本当の姿はきりりとしたショートヘアの女性。サイザーがまだ幼い頃から面倒を見ており、サイザーの母親的な存在でもある。戦闘の際は、鳳凰千破という必殺技を使う。 名前の由来は気鳴楽器の一種であるオカリナ。

ワルキューレ

妖鳳王サイザーが楽器のフルートを奏でて召喚する精霊。9人おり、肩当に番号が書かれている。それぞれの名前は番号順に、ゲルヒルデ、ヘルムウィーゲ、ワルトラウテ、シュウェルトライテ、オルトリンデ、ジークルーネ、グリムゲルデ、ロスワイセ、ブリュンヒルデとなっている。 サイザーの気分で性格が変わり、気分がいい時は女子高生のような非常に軽い性格になるが、いざ戦闘となれば槍を携え、敵を容赦なく貫く非情の天使となる。また命令次第で姿形を変えることも可能で、ブリュンヒルデはサイザーの甲冑に変身している。

超獣王ギータ (うぉーりあ・きんぐぎーた)

魔界軍王NO.4の実力を持つ。上半身に犬型の獣人、下半身に犬そのものが付いた見た目をしている。魔界軍一の剣客で様々な剣を集めることと、強い相手がもがき苦しむ様を眺めるのが趣味。強者に媚び、弱者には強く出る態度を取り、弱って勝てると判断した強者に対しては手の平を返す、狡猾で野心家な性格を持つ。 基本的には剣客らしく、自身の集めた剣を武器に戦うが、血を飲んだ相手の能力をコピーする特殊能力も持っている。冥法王(ヘル・キング)ベースから、パンドラの箱の鍵を探すよう命令され、幻竜王(ドラゴン・キング)ドラムと共にスフォルツェンド公国へ進軍する。名前の由来は弦楽器のギター。

ヴォーカル

かつて魔界軍王の立場であったが、大魔王ケストラーに歯向かい、幽閉されていた罪人。主人公ハーメルの魔族の血を暴走させることと、ケストラー復活を成し遂げるために連れ出された。人間、魔族関係無く破壊し尽す快楽主義者。魔曲によって生み出された精霊も殺す力を有していたり、相手の生命力を奪い取って自身を回復、腹にある口で攻撃を受け止めるなど様々な能力を持つ。 幽閉された際、冥法王(ヘル・キング)ベースによって力を抑え込む鉄球を付けられているが、それすらも武器として使う。また、人を虐げる事にも長けており、話術も巧みである。名前の由来は楽曲の歌を、声によって演ずる役割を担うボーカル。

大魔王ケストラー (だいまおうけすとらー)

大昔にパンドラの箱に封印された魔族の王。箱の綻びから自身の肉体の一部を抜け出させ、天使と人間のハーフである聖女パンドラと接触し、主人公ハーメルを作る。その後、パンドラを騙し、自身が封印されている箱を開けさせ完全復活を果たすが、直後に再び封印された。 性格は冷酷無比で、自分以外の生物、我が子やパンドラすらも餌か玩具としかみていない。子供を作ったのも、その血を飲み自身の力を高めるためである。魔界軍王や魔族からもを恐れられているが、魔族はみなケストラーに力を与えられて生きているので、逆らうことができない。名前の由来はオーケストラ(王+ケストラー)のもじり。

パンドラ

主人公ハーメルの母親にして、大魔王ケストラーの妻。天使の父と人間の母親を持つ聖女でもある。ハーメルの持つバイオリンの元の所有者。慈愛に満ちた性格をしているが、ケストラーとの間に異形の子供を授かって以来、人間に迫害される。また、ケストラーに騙されパンドラの箱を開けてしまった事件の後、人間を信じつつも疑うという複雑な性格を抱えるようになってしまう。 その後、冥法王ベースの軍に魔曲を使って立ち向かうが、最終的に氷漬けで封印され北の都へ連れていかれてしまう。名前の由来は弦鳴楽器の一種のバンドューラ。

ヴァイ・オリン (ゔぁいおりん)

スフォルツェンド公国から離れた山小屋に住む老人。世紀の発明家として知られ、パンドラの箱を作り上げた張本人。主人公ハーメルの持つバイオリンを作ったのも彼である。また、ハーメルのファーストキッスを奪った人物でもある。名前の由来は弦楽器の一種のバイオリン。

集団・組織

魔界軍 (まかいぐん)

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する魔族達の軍隊。それぞれに魔界軍王と呼ばれる指揮官が存在し、冥法軍を冥法王ベース、幻竜軍を幻竜王ドラム、妖鳳軍を妖鳳王サイザー、超獣軍を超獣王ギータが指揮している。部下にオル・ゴールオカリナなどがおり、また部隊には所属していないがヴォーカルも軍の一員である。 パンドラの箱を探し出し、魔族の王、大魔王ケストラーを復活させるのが目的。スフォルツェンド公国とは、昔から戦争状態が続いている。

スラー聖鬼軍 (すらーせいきぐん)

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する軍団。スラー共和国の5人の王子と王女で構成された軍隊で、有事の際には国を守護する戦闘集団となる。名前は生まれた順から、第1王子コキュウ、第2王子ガイタ、第3王子ゴーン、第1王女リラ、第4王子ショウという。それぞれがスラー共和国の機械文明により体をサイボーグ化しており、高い戦闘力を有する。

場所

スフォルツェンド公国 (すふぉるつぇんどこうこく)

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する国家。魔法と法力の力を用いて魔界軍と戦う国家。領土全体を城壁で囲まれている、守りの堅い強大な大国。女性が統治する国家で、現在は女王ホルンが国を治める。執事パーカスは指揮を担当し、兵団隊長クラーリィ・ネッド率いる魔法兵団や、聖十字軍親衛隊によって国は守られている。 ダルセーニョ王国、グローリアー大帝国、スラー共和国など、国同士の交友関係は多数。国名の由来は演奏記号の一種、スフォルツァンド。

ダル・セーニョ王国 (だる・せにょーるおうこく)

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する国家。無敵の剣術によって国を守護する王宮騎士団を有し、魔界軍と戦う。スフォルツェンド公国に並ぶ強大な大国で、トロン・ボーンの父親である、騎士王シュリンクス・ボーンと、王妃ショーム・ボーンによって統治されていた。しかし、魔界軍の総攻撃を受け、トロン・ボーンと騎士団長以外は皆殺しにされている。 国名の由来は演奏記号の一種、ダル・セーニョ。

グローリアー大帝国 (ぐろーりあだいていこく)

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する国家。古の力を持つ精霊と契約を結んでいる帝国。軍事力はスフォルツェンド公国に及ばないが、精霊の加護を受け戦闘力を高められる。現在は、大帝グロッケンシュピールの手によって統治され、帝国最強と言われる近衛師団長ハープ・シコードが側近として付いている。 名前の由来はミサ曲の通常文の一種だと思われる。

スラー共和国 (すらーきょうわこく)

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する国家。独自の機械文明を持ち、人類最強の軍事国家、東の大国ともいわれている。スフォルツェンド公国とは友好関係にあり、パンドラの箱の保管を任されている。国王シターンによって統治されており、国の守護はスラー聖鬼軍に任せられている。国名の由来は演奏記号の一種、スラー。

北の都 (きたのみやこ)

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する、大魔王ケストラーが統治している魔族達が住まう都。都の名前は「ハーメルン」。主人公ハーメルとその仲間達が目指す最終目的地であり、ハーメルの母親であるパンドラもここに捕らえられている。

その他キーワード

パンドラの箱

『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する、発明家ヴァイ・オリンが作り上げた箱。大魔王ケストラーや魔族達を封じる力を持つ。手の平に置けるほど小さいため、魔界軍王達も探すのに苦労していた。現在、箱自体はスラー共和国に、箱を開けるための十字架型の鍵はスフォルツェンド公国によって守られている。

魔曲 (まきょく)

『ハーメルンのバイオリン弾き』にて使われる、楽器を演奏することで出せる必殺技の総称。演奏を聴いた相手を操る、身体能力を強化する、精霊を召喚し戦わせるなど、効果は様々ある。作中でこの技を使えるのは、主人公ハーメル、ライエル、パンドラ、オル・ゴールの四人。また、妖鳳王サイザーも魔曲とは違うが、精霊を呼び出す演奏を奏でられる。 作中に登場する魔曲には、実在のクラシック音楽の名称が使われており、その際曲に関する薀蓄も披露される。

アニメ

ハーメルンのバイオリン弾き

山あいの平和な村で暮らすハーメルとフルートは、故郷を魔物に襲われ、恐ろしい真実を知らされる。フルートは魔族と戦う人類の最重要拠点スフォルツェンド公国の姫であり、彼女を守る結界が破られて魔族が侵攻してき... 関連ページ:ハーメルンのバイオリン弾き

SHARE
EC
Amazon
logo