パンツァークライン

パンツァークライン

氣の力を武具として具現化できるクライン使いたちの抗争を描いた異能バトルアクション。序盤は主人公の本上貴典を主軸として物語が展開するが、中盤からは仲間や敵役に焦点を当てたエピソードが主体となり、群像劇の様相を呈する。神田晶にとって初めてコミックスが刊行された作品でもある。「月刊少年ガンガン」に連載された作品で、コミックスの最終巻には外伝「新名物・雨ヶ瀬温泉へようこそ!」「戦慄!! 旧校舎の怪!!」も掲載されている。

正式名称
パンツァークライン
ふりがな
ぱんつぁーくらいん
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

右手から剣が現れる特異体質の持ち主である高校生の本上貴典は、その能力を隠しながら、妹の本上弥生とともに普通の生活を送っていた。だが、ある事件をきっかけにその能力が露呈してしまい、これにより、同じ能力を持つ者を管理する雨ヶ瀬学園と、能力を私利私欲のために使う雄鬼高の2つの高校から身柄を狙われるようになってしまう。

貴典はどちらの組織にも入るつもりはなかったが、弥生が雄鬼高に拉致されたため、雨ヶ瀬学園への転校を決意。妹の奪還を目標に、両校の抗争へと身を投じることになる。

登場人物・キャラクター

本上 貴典 (ほんじょう たかのり)

ごく一般的な高校に通う2年生の男子。本上弥生の兄。クライン使いだが、本人は能力の詳細を知らない。5年前、流星の降り注いだ夜にクラインに寄生され、自らの意思とは無関係に、右手から剣が出現するようになってしまった。海部美波との出会い、弥生の誘拐事件を経てクライン能力のことを知ると、雨ヶ瀬学園に転校。 生徒会の面々と協力して雄鬼高へと潜入し、弥生の奪還を図る。使用するクラインは広刃剣(ブロードソード)タイプ。貴典は5年間にわたって片手で扱っていたが、のちに両手剣のベイシスクラインであることが判明。両手で握ることによって本来の形状に変化することが発覚し、その強大な力に振り回されることになる。なお、コメディパートでは、不可抗力的に女子の身体に触れてしまうことが多く、その後ボコボコにされるまでがお約束の展開となっている。

本上 弥生 (ほんじょう やよい)

本上貴典の妹で、アルバイトに加えて家事までこなす活発な少女。貴典と同じ高校に通っていたが、年齢や学年は不明。初対面の緋出茜に貴典と勘違いされるなど、外見は兄と非常によく似ている。弥生の存在は貴典のアキレス腱となっており、彼女が雄鬼高に拉致されたことが、貴典の運命を決定付けることとなった。のちに両手剣のクライン使いとなって正気を失い、雨ヶ瀬学園の面々に牙を剥くことになる。

海部 美波 (かいふ みなみ)

雨ヶ瀬学園生徒会に所属する1年生の女子。クライン使い。髪型は黒いリングで留めたツインテールにしている。明るく向こう見ずな性格で、個別包装の回復薬とおやつのキャンディを混ぜてしまうなど、粗忽な面も目立つ。もともとは大企業として知られる「海部物産」の社長令嬢だった。ある事件によって天涯孤独となり、雨ヶ瀬学園に保護された。 使用するクラインはナックルタイプの「ローゼンドルフ」。インファイトに長けており、日本海投げという投げ技をフィニッシュブローとしている。また、超鉄砲魚という氣弾による遠距離攻撃も習得している。当初はD(ディサイプル)ランクだったが、のちにA(アデプト)ランクへと成長。両手のナックルに加えてシューズ型の追加武装が発現し、機動力が向上した。

清河 桜華 (きよかわ おうか)

雨ヶ瀬学園生徒会に所属する3年生の女子。クライン使い。兄妹の清河柊華、清河藍華とともに雨ヶ瀬学園の前身である研究所で育った。生徒会の会長として学園のトップに君臨している。グランドマスターだが、帯びている属性は不明。黒髪のロングヘアで縁なしの眼鏡をかけており、その外見は双子の妹である藍華に酷似している。 使用するクラインは拳銃タイプの「アルトヴァイス」。連発銃(リボルバー)とも表現され、銃身には「Mehr Licht großer Mutter」と刻まれている。開発されたクラインの中でも新型で優れた攻撃力を誇るが、引き換えに回復能力が存在しない、という致命的な弱点を持つ。対クライン使い戦では特殊弾を使用する。 なお、胸が小さいことを気にしており、それを指摘した者は恐ろしい目に遭わされる。

佐伯 貴浩 (さえき たかひろ)

雨ヶ瀬学園生徒会に所属する3年生の男子。クライン使い。生徒会副会長にして風のグランドマスター。前髪で隠れているが、額にクライン使いの治癒力でも消えない傷跡がある。関西弁で話し、高校生ながらあらゆる場所、状況で堂々と煙草を吸う愛煙家でもある。以前は雄鬼高の副会長だったが、ある事件を経て親友の清河柊華と袂を別ち、雨ヶ瀬学園に移籍。 現在は清河桜華の右腕として、また生徒会メンバーの兄貴分として辣腕を振るっている。使用するクラインは打刀(日本刀)タイプの「クサナギ」。切り、突き、払いなどの多彩な剣技、かまいたちを発生させる「風刃破」「風刃裂破」などの技を得意とする。コメディパートではボケ倒す本上貴典、海部美波に対するツッコミ役として活躍。 なお、学業に関しては芳しい結果が出ておらず、番外編では緋出茜とともに補習を受けている姿が確認できる。

緋出 茜 (ひじ あかね)

雨ヶ瀬学園生徒会に所属する1年生の女子。クライン使い。火のグランドマスター。真っ赤な髪を外跳ねにしている。性格は勝気で直情型。クラインとの適正値が高く、雨ヶ瀬学園の前身である研究所で、戦闘実験の対象として扱われていた過去を持つ。以前は実験と称して戦わされることに嫌悪感を抱いていたが、現在では吹っ切れて戦闘を楽しんでいる節もある。 米水逗琴音とは研究所時代に知り合い、今では親友と呼べる間柄となっている。使用するクラインはトンファータイプの「スザク」。両手に1本ずつ構えて、打突や払いなどさまざまな方法で戦う。必殺技は地面を叩いて炎を噴出させる「レイジングボム」で、その威力は校舎を半壊させるほど。なお、学業に関しては芳しい結果が出ておらず、番外編では佐伯貴浩とともに補習を受けている姿が確認できる。

米水逗 琴音 (よのうづ ことね/よのうず ことね)

雨ヶ瀬学園生徒会に所属する2年生の女子。クライン使い。水のグランドマスター。水色の長髪を左側に流した独特の髪型をしている。語尾に「ですわ」と付ける口調に高笑いなど、お嬢様的な振る舞いが目立つが、やや腹黒い面もある。雨ヶ瀬学園の前身となる研究所の出身で、緋出茜とは名前で呼び合う親しい仲。現代の医療技術では治療できない難病を抱えていたが、クラインの寄生による治癒能力の強化によって進行を食い止めている。 使用するクラインはレイピアタイプの「PT025」。研究によって生み出された人工クラインなので、非常に扱いやすいという特徴がある。必殺技は水で相手を攻撃する「ティア・スプラッシュ」。なお、名前については「よのうづ」「よのうず」と異なるルビが振られている場面がある。

國東 基信 (くにさき もとのぶ)

雨ヶ瀬学園生徒会に所属する3年生の男子。クライン使い。土のグランドマスター。がっしりした体型で、右目を覆った眼帯が特徴。見かけに反して穏やかな性格をしており、「土属性は地味」「汗くさい大男ばかり」という女子の発言にショックを受けるなど、繊細な面もある。清河柊華とは雨ヶ瀬学園の前身である研究所時代から面識を持つ。 使用するクラインは槍タイプの「フェルゼン」。形状は直槍よりもハルバードや方天画戟に近いものとなっている。雄鬼高との決戦時には、槍を高速回転させる技「地槍ゲイボルグ」を使用し、無数の銃弾を弾く活躍を見せた。

姫嶋 カトリーヌ (ひめじま かとりーぬ)

年齢は11歳ながら飛び級で雨ヶ瀬学園に入った天才少女。制服の上に着た白衣、癖の付いた長髪に、カチューシャを付けている。一人称は「オレ」で、他人に接する態度はぶっきらぼう。敬語を苦手としており、無理に使おうとすると、時代劇のような口調になってしまう。両親はスタッフリーダーとしてクライン研究に従事していたが、事故により死亡。 カトリーヌもクライン研究の分野で才能を発揮し、今では研究クラスの委員長を務めている。戦闘能力は皆無だが、好奇心の赴くまま雄鬼高への潜入に同行してしまう。なお、当人は「カトちゃん」と呼ばれたがっているが、まったく普及していない。

清河 藍華 (きよかわ あいか)

清河柊華、清河桜華の妹。クライン使い。柊華、桜華とともに雨ヶ瀬学園の前身である研究所で育った。外見は桜華に酷似しているが、藍華は後ろ髪をバレッタで留めているという差異がある。また、桜華よりも物腰が柔らかい。桜華とともに雨ヶ瀬学園に所属する。柊華の身を案じて抗争中の雄鬼高に足繁く忍び込み、その手引きをしてくれた、雄鬼高副会長時代の佐伯貴浩とも懇意にしていた。 しかし、過熱する抗争の果てに消息不明となる。使用するクラインは、桜華の拳銃タイプの「アルトヴァイス」と同じ形状だが、色違いで異なる文字が刻まれたもの。なお、胸が小さいことを気にしており、それを指摘したものは恐ろしい目に遭わされる。

大野 ほのか (おおの ほのか)

香々智学園(かがちがくえん)の生徒を名乗る謎の少女。クライン使い。長い睫毛、白い肌、大きな胸を持ち、ボリュームのある長髪を2つに分けて、それぞれを編み込んだ髪型をしている。性格はお淑やかで家庭的だが、やや天然。雨ヶ瀬学園の生徒会には見られないタイプなので、本上貴典から好印象を持たれている。雄鬼高に連れ去られた仲間を救出するという名目で生徒会と共闘関係を結ぶが、実際は別の任務を帯びて雨ヶ瀬学園に潜入している。 使用するクラインは召喚精霊のレーヴェンハウプト。また、指先に氣を集中し、宙空に魔方陣を描いて異世界から召喚獣を呼び、その力を借りることもできる。呼び出された召喚獣は氣の力で実体化しており、倒されても死なずに精霊界へと帰還するだけで済む。 かまいたちを放つ怪鳥シャックス、損傷した細胞を再生させる力を持ち、翼とたてがみの生えた小動物ブエル、触手を絡ませて氣を吸収する一つ目の怪物ノミノンなどを使用する。

レーヴェンハウプト

使い魔として宿主の大野ほのかを守るクライン。召喚精霊と呼ばれる特殊タイプで、宿主から離れて自らの意思で行動できる。ただし、宿主の氣の力で実体化しているので、距離が離れすぎると弱ってしまう。性格は粗暴で、流暢な関西弁を話す。本名は「レーヴェンハウプト」だが、垂れた耳が犬のように見えることから「タロ」と呼ばれており、飼い犬に付けるような首輪まで与えられている。 また、ほんの少しだけ犬としてしつけられたため、「お手」などの言葉に反応してしまうようになった。戦闘では格闘に加えて遠距離攻撃の「電撃砲(ブリッツキャノン)」、雷の鎖で敵の動きを封じる「ブリッツクリーク」などの技を使用する。のちに同じく召喚精霊である双子の姉が存在したことが明かされ、召喚精霊についての真実が語られる。

清河 柊華 (きよかわ しゅうか)

清河桜華、清河藍華の兄。クライン使い。桜華、藍華とともに雨ヶ瀬学園の前身である研究所で育った。雄鬼高の生徒会長として学園のトップに君臨している。長い黒髪とロングコートが特徴で、雨ヶ瀬学園との抗争によって右目を負傷し、眼帯を身に付けている。もともとは穏やかな人柄だったが、右目を失ってから性格が一変。 現在は親友の佐伯貴浩とも決別し、抗争に明け暮れている。また、5年前に発生した研究所の大規模事故を起こした犯人と噂されている。使用するクラインは、サブマシンガンタイプの「エアストロート」。開発されたクラインの中でも新型で優れた攻撃力を誇るが、引き換えに回復能力が存在しない、という致命的な弱点を持つ。雨ヶ瀬学園との決戦時には、銃弾を広範囲にバラ撒く戦闘スタイルで多人数を圧倒。 桜華の使用する特殊弾のコピーを使用し、雨ヶ瀬学園の面々を苦しめた。

戌飼 琢朗 (いぬかい たくろー)

雄鬼高生徒会に所属する男子。クライン使い。ロングのソバージュとキノコ型の帽子、全身に身に付けたアクセサリーが特徴。鍛錬によりM(マスター)ランクに至り、炎を自在に操る力を持つ。かつて佐伯貴浩に勝ち逃げされたことを根に持っており、現在でも打倒佐伯を悲願としている。本上貴典と海部美波を殺害しようと登場し、両名を圧倒する実力を見せつけるが、清河桜華の介入により失敗。 撤退を余儀なくされた。雨ヶ瀬学園との全面戦争が始まると、佐伯の風の技を破る秘策を用意して立ち塞がる。使用するクラインは、穂先が鉤爪状になった黒い棒であるスコーピオン(鉤爪槍)タイプの「グルヴェイク」。なお、初登場時の一人称は「僕」だが、再登場時の一人称は「俺」となり、丁寧語の混ざった独特の口調も、荒々しいものに変更された。

麻地 丈夫 (あさち たけお)

雄鬼高生徒会に所属する男子。クライン使い。角刈りで顎ひげを生やし、黒縁の眼鏡をかけて、ピアスや指輪などの多数の装飾品を身に着けている。視力が0.04と極端に悪く、眼鏡を失うと戦闘不能になる。当初は本上貴典をスカウトしようとしたが、雄鬼高へ入る意思がないことを確認すると、目的を殺害へシフト。しかし、貴典に眼鏡を破壊され、撤退を強いられる。 使用するクラインは、ジャマダハルタイプの「ジェメリ」。両腕に1本ずつ装着し、手数で相手を圧倒する。のちに雨ヶ瀬学園を襲撃した際には土属性の使い手へと変貌し、「双刃剣土蛇(そうじんけんつちへび)」という2本の土の鎖を用いた新たな戦闘スタイルを確立。また、コンタクトレンズデビューを果たし、弱点の克服にも成功した。 おまけページや番外編にも度々登場しており、その際には作中屈指のギャグキャラとして活躍する。

謎の男 (なぞのおとこ)

雄鬼高に荷担する正体不明の男性。浅黒い肌で長髪を頭の後ろでまとめ、耳にピアスを付けて左頬にドラゴンのタトゥーを入れている。身にまとった白衣と言動から、研究者に近い職務の人物であることが読み取れる。名前や所属、目的については一切が謎に包まれている。正気を失った本上弥生の前に現われ、雨ヶ瀬学園の面々を迎撃するよう促した。

大山 (おおやま)

本上貴典にカツアゲを仕掛け、返り討ちに遭ったチンピラたちの親分。逆立てた髪が特徴。語尾に「じゃ」を付けるなど、バンカラ風の口調で話す。51人もの血をすすった手作り釘バットの「バッ太郎Jr.」を振り回して貴典に襲いかかる。しかし、クラインによって「バッ太郎Jr.」を両断され、戦意喪失に追い込まれてしまう。その後、海部美波とも交戦した。 なお、「バッ太郎Jr.」の素材はアオタモであるとされている。

月見 ミカ (つくみ みか)

ゆるくウェーブの入った長髪が特徴の女子。雨ヶ瀬学園の3年生を名乗り、肝試しの最中に行方不明になってしまった、という友人の捜索を、生徒会へ依頼した。のちに清河兄妹の旧知であったこと、そして大きな秘密を抱えていたことが判明する。

貴典の母 (たかのりのはは)

本上貴典、本上弥生の母親。5年前、流星の降り注いだ夜に起きた事故によって負傷。その後は昏睡状態に陥ってしまい、現在でも病院のベッドで眠り続けている。のちに清河桜華の提案により、雨ヶ瀬学園に付属する病院に移送された。

美波の父 (みなみのちち)

海部美波の父親。大企業として知られる「海部物産」の社長。家庭よりも仕事を優先して、美波に疎まれていた。しかし、美波が身代金目的で誘拐された際には、単身で犯人との取引現場に現れ、犯人の凶弾から美波をかばって被弾。父親としての強い愛情を示し、のちの美波の人格形成に強い影響を与えた。

先生 (せんせい)

佐伯貴浩が中学時代に所属していた剣道部で指導を行っていた女性。髪型は侍を彷彿させる特徴的なポニーテールにしている。佐伯の実力を高く評価していたが、慢心しきった態度を諫めるため、敢えて厳しく指導に当たっていた。のちに事件に巻き込まれて、二度と剣を振るうことのできない身体になってしまうが、その時に佐伯にかけた言葉が、彼を大きく成長させることになる。 なお、防具の前垂れから苗字が「武田」か「式田」であることが読み取れる。

緋出博士 (ひじはかせ)

緋出茜の母親。内側に跳ねた髪型をして、白衣を着ている。雨ヶ瀬学園の前身となる研究施設でクラインの研究に従事していた。幼い茜を獰猛な虎と戦わせるなど、常軌を逸した実験を繰り返していたこともあり、親子の仲が円満ではない時期もあった。しかし、ある事件を切っ掛けに和解。クライン研究がもたらす可能性を茜に説いた。

場所

雨ヶ瀬学園 (あまがせがくえん)

クライン使いおよび研究者のための施設。もともとはクラインの研究機関だったが、現在は約420人の生徒と30人程度の職員を抱える学校となっており、卒業すれば高校卒業資格が認められる。学園の実権はグランドマスターと呼ばれる実力者を筆頭に組織された生徒会が握っており、完全な実力制。生徒会長の清河桜華に至っては、教師も頭を下げて通るほどである。 食堂や大浴場、病院などの生活に必要な設備が一通りそろっており、宿泊用の部屋も完備されているが、全寮制とは明記されていない。なお、所属する生徒はほぼ全員がクライン使いだが、教職員は通常の授業を施すために雇われている普通の人間である。

雄鬼高 (おぎこう)

クラインの能力を有効活用しようと考える者が集う男子高校。クラインがボディチェックに引っかからないことを利用し、要人の暗殺などにも関わっていると噂されている。研究設備も用意され、クライン使いを人為的にM(マスター)ランクまで引き上げる実験、人間の数倍のサイズの大蜘蛛にクラインを寄生させる実験なども行われている。なお、雨ヶ瀬学園の女子生徒の間では、「雄鬼高にはホモが多い」とまことしやかに囁かれているが、真相は定かではない。

その他キーワード

転移光 (てんいこう)

雄鬼高の生徒会メンバーが所有する謎の発光体。薬液の入った瓶を叩きつけて割ると強い光が発生し、使用者は瞬間移動することができる。描写から閃光弾のような目くらましではなく、ワープであることが読み取れるが、原理や有効な距離など詳細については不明。麻地丈夫、戌飼琢朗が撤退する際に使用した。

特殊弾 (とくしゅだん)

雨ヶ瀬学園の研究チームが開発した対クライン使い用の弾丸。武具として具現化した部位に当ててクラインの細胞を急速に腐敗させ、最終的には死滅へと追い込むことができる。撃ち込まれてしまった場合は、クラインを折るなどして腐食部分を物理的に取り除くしか助かる方法はない。主に清河桜華、清河柊華が使用する。

クライン使い (くらいんつかい)

クラインを宿した者。身体に分散する内氣を労宮(掌のツボ)に集中させることで、氣を武具として具現化することができる。武具の形状は剣、槍、銃などクラインの種類によって異なり、その練度はランク(あるいはレベル、クラス)で表現される。D(ディサイプル)、A(アデプト)、M(マスター)の順にランクアップし、Mランクのクライン使いは火、水、風、土いずれかの属性の力を帯び、それを自在に操ることができる。 雨ヶ瀬学園ではMランクに至ったクライン使いの中でも最強の使い手を各属性から選出し、グランドマスターと呼んで生徒会の幹部としている。なお、多くのクライン使いは氣の力が増幅されており、治癒能力が飛躍的に向上している。

クライン

人間の精神に寄生して氣の力を増幅させる精霊。主に10代の少年少女を宿主とするが、人間以外の生物に寄生している例も存在する。増幅された氣は武具の形状を成し、宿主の強力な武器として機能する。この時、武具と宿主は1本のメインパルス、2本のサブパルスと呼ばれるケーブルで接続されるが、各種パルスがどんな役割を持つのかは不明。また、武具を使用している間は、宿主の背中から精霊が出現する。 精霊は基本的に羽の生えた人間の子供のような姿をしているが、髪型や肌の色、羽の形状などに個体差が見られる。精霊は宿主から離れることはできないが自我が存在し、宿主の精神に語りかけたり、身振り手振りで何かを伝えようとしたり、宿主とのコミュニケーションを図ることもある。武具の内部には血液が循環しており、武具が折れるなどして傷付くと血が噴き出す。 武具が破壊されたシーンの描写から、精霊に痛覚が存在することが読み取れるが、宿主が痛みを感じることはない。ただし、武具の損傷を回復するには、宿主の氣が必要となる。なお、宿主が死亡した場合はクラインも死んでしまう。

オリジナルクライン

雨ヶ瀬学園の前身となる研究所で発生した大規模な事故以前に研究開発されていたクライン。名称に「オリジナル」という言葉が含まれているが、ベイシスクラインを参考に研究開発されたものであり、実質的なオリジナルではない。なお、作中には米水逗琴音の使用する「PT025」のような「人工クライン」と呼ばれるタイプも登場するが、オリジナルクラインとの違いについては説明されていない。

ベイシスクライン

オリジナルクラインの研究ベースとなった原初のクライン。いつ、誰が、どういった目的で創ったものかは不明だが、本当の意味でオリジナルのクラインとされている。「聖剣ブリュンヒルド」「魔剣レヴァンテイン」の2種類が存在し、武具としての分類はどちらも両手剣。ただし、その外見はまったく異なっており、聖剣は標準的な両刃の両手剣、魔剣は禍々(まがまが)しいフォルムの片刃の両手剣である。 どちらも強力な力を秘めており、聖剣は広域に及ぶ傷の治療、魔剣は氣の吸収による宿主の強化が主な特徴。また、打倒したクラインを吸収することも可能である。

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