凄ノ王

凄ノ王

日本神話における三貴神の一柱須佐之男命の伝承をモチーフとした、壮大なSFストーリー。超能力に目覚めた主人公が、怒りと絶望から地球を滅ぼす魔神を生み出し、さらに英雄神として再生していく過程が描かれる。物語の大部分は、高校を舞台としたSF学園ドラマとして進行するが、終盤に至ると地球全土が壊滅し、宇宙的規模の超能力バトルが展開するまでにスケールアップしていく。雑誌連載は未完のまま終了(作者の永井豪によれば、当初より未完の作品とする意図であったという)しており、その後、数度にわたる加筆や、『凄ノ王伝説』など続編の発表もあったが、最終的な決着までは描かれていない。

正式名称
凄ノ王
ふりがな
すさのおう
作者
ジャンル
バトル
レーベル
KCフェニックス(講談社) / 講談社漫画文庫(講談社)
関連商品
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概要・あらすじ

ごく普通の少年として育った朱紗真悟は、恋心を抱いていた少女雪代小百合が、目の前で暴行された事件をきっかけに、超能力に目覚めた。それと同時に好戦的な性格へと変化した真悟は、町や学園に巣くう悪党たちとぶつかり始める。さらに部団連合不死団などの超能力者集団までもが真悟の敵となるが、逆に真悟の仲間に加わる者たちも現れ、超能力による激しい戦いが繰り広げられるのだった。

戦いの末、一連の事件が強力な超能力者である瓜生麗によって仕組まれたものであり、雪代小百合までもが瓜生麗のコマに過ぎなかったことを知らされた真悟は、怒りと絶望により、破壊の権化である魔神凄ノ王を生み出してしまう。

凄ノ王により、人類文明はことごとく破壊され、その誕生に呼応するように宇宙最大の八岐大蛇までもが地球への侵攻を開始する。もはやすべてが失われたかと思えたとき、抜け殻となっていたはずの真悟の体が再び動き出した。それこそがを払う神スサノオウノミコトの復活であった。

登場人物・キャラクター

主人公

普通の少年として育ったが、実は大破壊をもたらす魔神にも、人々を救う英雄神にもなりうるほどの超能力を秘めている。雪代小百合への暴行事件をきっかけに、強力な超能力者として覚醒し始め、ついには魔神凄ノ王とな... 関連ページ:朱紗 真悟

雪代 小百合 (ゆきしろ さゆり)

朱紗真悟がひそかに恋していた少女。お互いの思いを確かめ合った直後に、不良グループに暴行され、真悟の前から姿を消してしまう。実は、父親の借金により瓜生麗の奴隷状態に置かれており、暴行事件も瓜生麗によって仕組まれたものであったことが暴かれる。

美剣 千草 (みつるぎ ちぐさ)

耳宇高校ESP研究同好会部長。強力な超能力者で、朱紗真悟に超能力の存在を信じさせた最初の人物。遥かな過去から凄ノ王との戦いに備えてきた美剣一族の出身であり、凄ノ王になるうる者として真悟を注視していた。その正体は超古代文明高天原(アト・ラン・テス)において神とも崇められた摩利支天の生まれ変わりである。

瓜生 麗 (うりゅう れい)

耳宇高校始まって以来の秀才。絶大かつ多彩な超能力を持ち、それを知る取り巻きからは破壊王とも呼ばれている。凄ノ王の力を利用して現代社会を作り変えようと考え、朱紗真悟を凄ノ王として覚醒させるべく画策する。

茂坂 (もさか)

朱紗真悟の友人。瓜生麗から超能力を呼び起こすペンダントを受け取り、透視能力に目覚める。その一方で、瓜生麗の誘いを断った真悟にも一目置いており、同級生であるにも関わらず「兄貴」と呼んで慕っていた。

黒田 ミコ (くろだ みこ)

瓜生麗によって超能力を与えられた取り巻きのひとり。奔放で人懐こい性格の少女だが、露出狂的な面もある。いつのまにか茂坂と仲良くなっていた。

樫村 (かしむら)

瓜生麗によって超能力を与えられた取り巻きのひとり。超能力障壁を形成し、自身を守ったり相手の行動を阻害することができる。言動は粗野だが、瓜生麗には忠誠を示していた。

青沼 (あおぬま)

モヒカン刈りの不良学生。仲間である安村と共に雪代小百合暴行事件を起こす。その後、超能力を暴走させた朱紗真悟によって心身に強烈なダメージを受け、病院に収容されていたが、凄ノ王の誕生の先触れとして出現した魔によって異形へと変貌する。

安村 (やすむら)

ボクシング部に所属する不良学生。不良仲間の中では女の調達役を務めていた。朱紗真悟に問い詰められ、雪代小百合への暴行事件は不死団の指示によるものであることを告白するが、その直後に首吊り死体となって発見された。

ボクシング部主将。普段は理非をわきまえ、通すべき筋は通す硬骨漢として部員たちに慕われている。しかし、リングに上がるとファイティングマシーンと化してしまうため、対戦相手の命を奪ってしまったことがある。階... 関連ページ:合田

佐々木 剣道 (ささき けんどう)

剣道部主将。現代剣道と示現流を組み合わせた独自の剣法を操り、さらに念動力を剣に纏わせた超殺人剣まで使いこなす超能力者。合田に続く部団連合からの刺客として、朱紗真悟と対決する。実は瓜生麗によって現代に連れて来られた戦国時代の剣士だった。

身堂 竜馬 (みどう たつま)

剣道部副主将。剣の腕では部長の佐々木剣道さえも一目置く天才。自信家で反骨心が強く、強権的な部団連合のやり方に反発を覚えていた。朱紗真悟と佐々木剣道との勝負を契機に、真悟に味方することになる。永井豪による『ガクエン退屈男』に登場した身堂竜馬のキャラクターデザインが流用されている。

九竜木 鋼 (くずき ごう)

部団連合会長。顔面に放射状の傷跡を持つ謎の超能力者で、朱紗真悟を執拗に付け狙う。その正体は人間ではなく、瓜生麗が念動力で操作する人形であった。

カーミラ

耳宇高校の暗部に潜む謎の超能力者集団である不死団のリーダー。強力な超能力を持つ金髪の女性である。朱紗真悟を不死団の一員に加えようと画策する。その正体は、超能力により姿を変えた瓜生麗であった。

ニック・ボーマン (にっくぼーまん)

某国超能力部隊のひとり。テレパシーを得意とする超能力者で、日本に現れた強大な超能力者の正体を探るため、同僚のレイ・ミランダと共に教師として耳宇高校に潜入する。

レイ・ミランダ (れいみらんだ)

某国超能力部隊に所属する女性。念動力を得意とする。ニック・ボーマンと共に教師として耳宇高校へ潜入していた。朱紗真悟と佐々木剣道による超能力戦に割って入り、両者を止めようとした。

朱紗一族に連なる少女で、凄ノ王の出現により荒廃した地上をさまよっていたところ、スサノオウノミコトとして覚醒し始めた朱紗真悟と再会する。その後、朱紗一族の定めの通りにスサノオウノミコトである真悟と同化す... 関連ページ:朱紗 真弓

凄ノ王 (すさのおう)

『凄ノ王』に登場する魔神。かつての超古代文明高天原(アト・ラン・テス)を大陸ごと海に沈めたとされる。強力な超能力者へと成長した朱紗真悟が、怒りと絶望に囚われ、破壊の権化として覚醒した。覚醒直後は真悟の肉体が巨大化した実体を持っていたが、凄ノ王の出現に呼応して現れた魔を吸収したことで肉体を捨て、真の姿である破壊のみを求める精神エネルギーの怪物へと成り果てる。 同時に、地球上に存在した人類文明の大部分が、物理的に破壊されてしまった。

スサノオウノミコト

『凄ノ王』に登場する神。魔を打ち払う英雄神として、美剣一族や朱紗一族にその存在が伝えられていた存在である。劇中では、凄ノ王が精神エネルギー体となった際に脱ぎ捨てられた朱紗真悟の肉体が再び動き出し、スサノオウノミコトとして覚醒し始めるが、具体的な活躍が描かれないままに物語が終わっている。

八岐大蛇 (やまたのおろち)

『凄ノ王』に登場する怪物。宇宙最大の魔とも呼ばれ、星さえも一瞬で破壊するという恐るべき力を持つ。凄ノ王の出現に前後して、その存在が宇宙の彼方で観測され、地球を目指して進んできていることが断片的に描写されるが、魔を払う神スサノオウノミコトと激突することを予感させて物語は終了する。

(ま)

『凄ノ王』に登場する怪物。凄ノ王の出現により次元の壁が破られたことで、この世界に侵入してきた邪悪なエネルギー体。人間に取り付き、怪物へと変えてしまう。また、その多くが凄ノ王に吸収・同化され、その糧となった。劇中では「暗黒の異次元より進入してくる、太古に肉体を失った邪悪な生物の精神体」と説明されている。

集団・組織

美剣一族 (みつるぎいちぞく)

『凄ノ王』に登場する超能力者集団。超古代文明高天原(アト・ラン・テス)の血を伝える者たちで、凄ノ王の出現に備えていた。朱紗真悟が凄ノ王を生み出すと同時に、本拠地に隠されていた宇宙戦艦天浮舟(ラン・グーン)を始動させた。美剣千草をリーダーとして、宇宙空間において凄ノ王と激しい戦闘を繰り広げた末、火星に残されていた特殊な時間加速装置である時の棺を利用して凄ノ王の浄化に成功する。

美剣十人衆 (みつるぎじゅうにんしゅう)

『凄ノ王』に登場する超能力者集団美剣一族に属する10人の美少女たち。美剣千草の側近として、陰日向となり主を守っていた。実は10人全員が美剣千草のクローンであり、役割に応じて遺伝子操作を受けているため容姿が異なっている。永井豪による『イヤハヤ南友』に登場したイヤハヤ十人衆のキャラクターデザインが一部踏襲されている。

美剣十二神将 (みつるぎじゅうにしんしょう)

『凄ノ王』に登場する美剣一族の戦士たち。凄ノ王の出現と同時に美剣千草の下に駆けつける。その名の通り12人おり、伐折羅、因達羅、迷企羅など、仏教における十二神将と同じ名を持つ。全員が強大な超能力者であり、宇宙戦艦天浮舟(ラン・グーン)の各ブロックにおける責任者となっている。

朱紗一族 (すさいちぞく)

『凄ノ王』の主人公朱紗真悟の血族集団。一族の中から英雄神スサノオウノミコトを生み出し、その血肉となることを使命とする。百数十名が存在すると言及されているが、劇中では真悟の母と姉、叔母などごくわずかしか... 関連ページ:朱紗一族

某国超能力部隊 (ぼうこくちょうのうりょくぶたい)

『凄ノ王』に登場する組織。朱紗真悟が暴走させた超能力を感知し、その発生源を調査・確保するためにやってきた外国人の集団。劇中では明言されないが、米軍に関連する組織と思われる。テレパシーなどを用いて調査・探索を行うPT斑と、念動力をもって直接戦闘に当たるPK斑によって構成されている。調査の過程で、PK斑の数人が真悟の精神が作り出した亜空間に取り込まれてしまう。

超能力クラブ (ちょうのうりょくくらぶ)

『凄ノ王』に登場する組織。耳宇高校で活動する同好会で、雪代小百合に誘われ朱紗真悟が入部した。まだできたばかりで、集まった部員にはSFファンが多かったが、部長の美剣千草が正真正銘の超能力者であり、「超能力は誰にでもある」と説いたことから、真悟を含む全員が超能力者となる訓練を始めることになった。 正式名称はESP研究同好会。

部団連合 (ぶだんれんごう)

『凄ノ王』に登場する組織。正式名称を部団連合会といい、耳宇高校で活動している応援団や武術系の部活動の統括を目的とする。学内の一角には、専用の集会所が与えられていた。しかし、その実態は武力によって全校を支配せんとする者たちの集まりで、部団連合に属する部の方針に逆らう者には、試合の名を借りて制裁を与えていた。 また、会長である九頭木鋼をはじめとして、何人かのメンバーは強力な超能力者である。

不死団 (のすふぇらとぅ)

『凄ノ王』に登場する組織。耳宇高校の闇に潜む謎の一団。金髪碧眼の女性カーミラに率いられた超能力者の集団で、部団連合とは敵対関係を装っている。朱紗真悟を仲間に加えようと画策していたが、真悟によってカーミラの正体が瓜生麗であることを見破られたため、決着を着けることなく物語の舞台から消えてしまった。

耳宇高校 (みうこうこう)

『凄ノ王』の主な舞台となる学校。一見すると規模が大きいだけの普通の学校に見えるが、犯罪者も同然の不良生徒たちが幅を利かせている。にも拘らず、それが大きな問題にはならず、不思議と一定の秩序は保たれている。さらに生徒たちの中には異常な比率で超能力者たちが存在し、さまざまな事件を引き起こしていく。

書誌情報

凄ノ王 全6巻 講談社〈KCフェニックス〉 完結

第1巻

(1996年6月発行、 978-4063290103)

第2巻

(1996年7月発行、 978-4063290110)

第3巻

(1996年8月発行、 978-4063290127)

第4巻

(1996年9月発行、 978-4063290134)

第5巻

(1996年10月発行、 978-4063290141)

第6巻

(1996年11月発行、 978-4063290158)

凄ノ王 全6巻 講談社〈講談社漫画文庫〉 完結

第1巻

(2000年11月発行、 978-4062608558)

第2巻

(2000年11月発行、 978-4062608565)

第3巻

(2000年12月発行、 978-4062608770)

第4巻

(2000年12月発行、 978-4062608787)

第5巻

(2001年1月発行、 978-4062608862)

第6巻

(2001年1月発行、 978-4062608879)

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