概要・あらすじ
戦後の人口爆発や悪霊の凶暴化を原因とし、溢れかえった亡者によって混乱を極めた今日の地獄。そこで働く獄卒たちはあまりの人手不足に喘いでいた。そんな中、頼りない閻魔大王に代わり地獄を取り仕切るのは第一補佐官を務める鬼神・鬼灯。
彼は上司である閻魔大王にも制裁を加えつつ、地獄で起きる様々な問題を、情け容赦のない態度で次々と解決していく。
登場人物・キャラクター
鬼灯 (ほおずき)
閻魔大王の第一補佐官を務め、地獄にある全272部署を纏め上げる有能な人物。額に一本の角を持つ鬼であり、容姿端麗だが目つきが悪い。誰に対しても一切の容赦をすることのない非常にサディスティックで冷徹な性格。 それは、自身の上司である閻魔大王や自らより格上の相手に対しても変わることはなく、周囲から非常に恐れられている。しかし、不仲である白澤と相対した場合のみ、子供のような対抗心をむき出しにする一面を持つ。
お香 (おこう)
妖艶な女性獄卒で、二本の角を持つ鬼。着物の帯に当たる部分に蛇を巻き付けているのが特徴。衆合地獄の主任補佐を務めており、地獄で働く女性獄卒たちのまとめ役。鬼灯とは幼なじみで、彼女を主任補佐の地位に抜擢したのも鬼灯である。
シロ
桃太郎のお供の白い犬。後に鬼灯による紹介で不喜処地獄で働くこととなる。彼の中のヒエラルキーでは、閻魔大王を抑え鬼灯がトップに君臨しており、恐れを抱きながらも懐いている。自分のしっぽを延々と追い回す等、少々頭が弱い。
桃太郎 (ももたろう)
鬼ヶ島の鬼を退治した英雄であるが、過去の栄光に執着し、再び鬼退治をと地獄へ繰り出したところ鬼灯に手ひどく返り討ちにされる。後に鬼灯の紹介で桃源郷に職を得て、白澤の元、彼の世話をしながら漢方の勉強に励むようになる。 非常に常識的な感性の持ち主で、貴重なツッコミ役でもある。
柿助 (かきすけ)
桃太郎のお供の猿。後に鬼灯による紹介で不喜処地獄で働くこととなる。かつてカニの一家に悪さをして懲らしめられた経験があり、そのトラウマに起因するのか、非常に慎重な性格である。
唐瓜 (からうり)
新人獄卒で、頭に二本の角を持つ小鬼。背が低く、一見すると子供のような外見だが、小鬼としてはすでに立派な青年である。本人はしっかり者だが、うっかりやな茄子により度々被害を被ってしまう。妖艶な女性が好きで、お香に憧れている。 また、少々ドMの気がある。
ルリオ
桃太郎のお供の雉。後に鬼灯による紹介で不喜処地獄で働くこととなる。あくまで桃太郎を慕う忠義に厚い鳥であるが、鬼灯の能力には一目置いている。歌が得意で、聴いた者はつられて歌い出してしまう。
芥子 (からし)
カチカチ山に登場する兎で、未だ狸に対して並々ならぬ憎悪を抱いている。普段は穏やかな性格だが、狸という言葉でスイッチが入ると、一変して非常に暴力的になる。
閻魔大王 (えんまだいおう)
地獄の裁判官かつ最高責任者であり、鬼灯の上司。体格は閻魔大王に相応しく、非常に大柄で存在感があるが、威厳は全くといっていいほどない。仕事をさぼったり、愚痴を言ったりといった面も目立ち、その度に部下であるはずの鬼灯にきつい制裁を加えられている。
茄子 (なすび)
新人獄卒で、頭に三本の角を持つ小鬼。背が低く、一見すると子供のような外見だが、小鬼としてはすでに立派な青年である。マイペースな性格で、余計なことまで口に出してしまう面も持つ。コンクールでの受賞歴を持つ等、芸術的なセンスに秀でている。
ピーチ・マキ (ぴーちまき)
売り出し中の新人アイドルで、二本の角を持つ鬼。地獄生まれだが、鬼灯の名前も知らない程地獄の情報に疎く、鬼灯の正体を知った後は、過去の無礼な言動を悔いている。清純派や悪女キャラ等を経て、最終的に天然系のキャラクターに落ち着き、CDデビューも果たした。
白澤 (はくたく)
桃源郷にすむ中国の神獣。本来の姿は白い長毛に覆われた身体に六つの角と九つの目を持つが、普段は端正な顔立ちの青年の姿をとることが多い。「極楽満月」という漢方屋を経営している。非常に女好きかつ浮気性のために女性関係では問題が尽きない。 絵に描いたものを実体化させる術を使うが、肝心の絵のセンスが壊滅的である。鬼灯とは非常に仲が悪く、ことあるごとに喧嘩をしては張り合っている。
クレジット
原作
鬼灯の冷徹 (ほおずきのれいてつ)
日本地獄を会社運営に見立て、閻魔大王第一補佐官を務める鬼灯が、勤務中に上役や部下である獄卒、世界各国の地獄の悪魔や神話の登場人物たちと交流する日常を描く、江口夏実の代表作。講談社「モーニング」2011... 関連ページ:鬼灯の冷徹