概要・あらすじ
石から生まれた猿の孫悟空は、天上界の方々も手を焼くほどの乱暴者。あまりの傍若無人さにお釈迦様は悟空を五行山の岩の中に閉じ込てしまった。悟空の手下がみんなでかかっても割ることのできない五行山の岩だったが、通りかかった旅の僧、三蔵法師の祈りにより岩はあっさり崩れる。
こうして出会った三蔵と共に悟空は天竺を目指すこととなる。
登場人物・キャラクター
孫悟空 (そんごくう)
花果山の岩から生まれたオス猿。天性の乱暴者で、盗賊の大親分となる。また、竜子の祖父である竜海仙人の持つ巻物から仙術を覚え一城の城主にまでおさまる。しかし、これで満足できない悟空は天上界でも大暴れ。 そのためお釈迦様により岩の中に閉じ込められてしまう。誰にも割ることのできない岩だったが、三蔵法師の祈りによりあっさり解放されたため共に旅に出ることにする。武器は、伸縮自在なキンソウ棒と自身の石頭。 そして、分身が出るワケミの術など72通りの仙術を使い、金色の雲キント雲に乗り空を駆ける。頭には金の輪をはめ、赤い着物を着ている。好物は柿。
竜子 (たつこ)
アニメオリジナルキャラクター。全身ピンクの女の子。竜海仙人を祖父にもち、自身も蝶やツバメに変身する術を使う。何かと悟空の世話を焼き口喧嘩が絶えないが、悟空がピンチのときには手を差し伸べる。 悟空の悪さが目立つときには呪文で悟空の頭の輪をしめてこらしめることができる。三蔵法師一行に同行する。
三蔵法師 (さんぞうほうし)
頭には冠、紫の袈裟をかけた僧。ひょろりとした外見で、僧にしては若者である。学があり名僧といわれるが、人としては未完成。信念を貫く気持ちが強いため、頑固で強情となる一面もある。自身が思う正義のためには相手かまわず向かっていき災難に巻き込まれる。 そのため、このような自分の行動に、時々反省をしている。馬に乗り、天竺まで経文を取りに行く旅をしていたが、途中で助けた悟空と八戒、沙悟浄をボディーガードとして連れて行く。
八戒 (はっかい)
オス豚。縦ストライプの服に赤い蝶ネクタイがトレードマーク。手には、釘鈀(ていは)という熊手のような農具を持ち武器としている。いつもお腹がすいていて、食べ物を見ると飛びついてしまう。臆病な性格だが、何かにつけすぐにチョッカイを出すクセがある困り者。 ギント雲号という車に乗っていたところ、三蔵法師と悟空に会い同行する。
沙悟浄 (さごじょう)
髪の毛はあるが頭の上が平らで、長い口髭をたくわえた痩せの男。緑の服を着て、大きな袋を担ぎ、手にはシャベルを持っているトレジャーハンター。誰にも解読できない宝の地図を頼りにお宝を探していた。三蔵法師が地図を解読しお宝を掘り当てるも、太古の石のお金が出土し力を落とす。 この後、三蔵法師一行に同行する。
竜海仙人 (りゅうかいせんにん)
竜子の祖父で仙人である。口髭と顎鬚をたくわえた老人で、仙術を学びたいとやってきた悟空を門前払いにしている。しかし、悟空に家に忍び込まれ、無断で仙術の巻物を読まれてしまう。
カンカラ大臣 (かんからだいじん)
カンカラ国の王を裏で操っている男。カミナリ大臣と組み、雨を降らせないように仕組むと、民衆に高額な水を売りつけては私腹を肥やしていた。これに気づいた悟空たちは、カンカラ大臣と三蔵法師の雨乞い合戦を提案。 三蔵が雨乞いをしているときに悟空がカミナリ大臣を倒し、三蔵の雨乞いを勝利に導く。これに腹を立てたカンカラ大臣は本性を現し、悟空と凄絶な術戦を繰り広げる。
サンショウウオ
緑の体にオレンジの斑点があるサンショウウオの化け物。美しい物を嫌悪しているため、美しいはずの花咲き村も薄汚い村に変えてしまった。三蔵法師をさらい火あぶりにしようと企むが失敗。沙悟浄を胃袋に収めたが、胃の中で沙悟浄が暴れたため苦しみもがくハメに。 悟空にとどめを刺されそうになるが、三蔵の説法により改心する。
プランクトン
世界中を火の海にしようと企んでいるスキンヘッドのマッドサイエンティスト。火山を大爆発させるが、悟空の顔なじみの雷によって火山の火は消火される。怒ったプランクトンは女性部下ミクロンを使って八戒と三蔵法師のハートを盗ませた。 野心家であるが、実験が成功することはほとんどない。
ミクロン
マッドサイエンティスト、プランクトンの女性部下。相手のハートを盗むという術を使い、自分に惚れさせる力を持つ。この術で八戒と三蔵法師を自分の虜にしている。また、芭蕉扇という扇を持ち、どんなものでも宇宙のかなたに飛ばしてしまう。
コブコブ大王 (こぶこぶだいおう)
山の沼に住む化け物。頭にコブがたくさんあるようにボコボコしている。青龍刀を振り、水を自由自在に操って戦い、悟空をピンチに陥れる。しかし、悟空のキンソウ棒がコブコブ大王の持っていた箱にあたると、元の金魚の姿に戻ってしまった。
大妖怪 (だいようかい)
邪悪の象徴「妖怪連合」を作っていた妖怪たちだが、次々と悟空に倒されていた。その悟空に倒された6体の妖怪が組み合わさってひとつの体となった史上最強の妖怪が大妖怪である。緑色の巨体に一つ目。 髪の一本一本が動いて攻撃をする大妖怪には悟空の術も利かず、一行に苦戦を強いる。大妖怪が悟空に勝利するかに見えた時、お釈迦様の力により大妖怪は消えた。
妖怪大王 (ようかいだいおう)
邪悪の象徴「妖怪連合」の統制者。妖怪大王は、この世を悪で覆い闇の世界にしようと企んでした。しかし、三蔵法師が天竺に着けばお釈迦様の力で「妖怪連合」が滅ぼされてしまうと危惧し、三蔵を捕まえ処刑しようと考える。 そこで、これまで悟空に倒された6体の妖怪の体を合体させて大妖怪を作り、刺客として送り込んだ。最終的に、お釈迦様の力により妖怪大王もろとも「妖怪連合」は滅ぼされた。
つらら大王 (つららだいおう)
雪山(ふゆやま)に城を持つ氷の妖怪。全身白く、目だけが黄色い。冷凍光線を発する杖を使い悟空を氷づけにし、その隙に三蔵法師をさらっていく。氷づけになった悟空は高熱にうなされるが、竜子の取ってきた薬草により全快。 再戦してきた悟空の吐いた火によりつらら大王は倒れる。
金角/銀角 (きんかく/ぎんかく)
レンゲ洞に住んでいる妖怪。盗賊のようなマスクを頭にかぶっている。長生きをするために、年に一度、満月の夜に生贄として出された村の娘を食べていた。この話しを聞いた悟空と八戒が金角・銀角退治に乗り出すが、金角・銀角の持っている不思議なひょうたんコンロウに吸い込まれてしまう。 この後、金角・銀角は、その肉を食べれば三千年生きられるという三蔵法師の存在に気づき、娘ではなく三蔵を狙う。 しかし、分身の術でコンロウから脱出した悟空に倒され、逆にコンロウに閉じ込められる。
お釈迦様 (おしゃかさま)
仏教の開祖。生まれながらの乱暴者で、盗賊の大親分となり、仙術を覚えてさらに手が付けられなくなった悟空を力比べで負かして五行山の岩に閉じ込めた。また、三蔵法師一行が天竺に近づくと、旅の老人に化けて彼らの旅の成果を試している。
クレジット
原作
ぼくの孫悟空 (ぼくのそんごくう)
ありがたいお経をもとめて天竺へ向かう三蔵法師と孫悟空ら従者たち。途中、様々なバケモノたちと戦いながら旅をしていく。手塚治虫が中国最初の長編アニメ『鉄扇公主』に刺激されて、『西遊記』を翻案した作品。原作... 関連ページ:ぼくの孫悟空