アリスの不思議な贈り物
アリスは、さまざまな悩みやコンプレックスを抱える人々の前に現れ、彼らの悩みに応じたアイテムを贈り、その様子を静かに見守る。たとえば、他者からの説教を煩わしく感じている少女に贈られた「あやつりバサミ」は、口うるさい人々を黙らせる効果があるが、その一方で、相手をアイテムの使用者に対して無関心にさせてしまうという大きな代償が伴う。このように、アリスが贈るアイテムには、つねになんらかのデメリットが存在する。
不思議の国のアイテムの謎
アリスが人々に不思議の国のアイテムを渡す際、ほとんどの場合、注意事項もいっしょに伝えている。「使い切るまで大切に扱うこと」「本当に必要な時にだけ使うこと」といった、非常にシンプルな注意ばかりだが、アイテムの不思議な力に魅了され、アドバイスを無視する者も少なくない。アリスが贈る奇妙なアイテムの力だけでなく、それによって人々がどのように翻弄され、どのような結末を迎えるのかがスリリングに描かれており、これが作品全体の大きな魅力となっている。
登場人物・キャラクター
アリス
不思議の国の住人。尖った耳と赤い目、ウエーブのかかった銀色のロングヘアで、青と白のエプロンドレスを身につけている。その姿は、児童文学『不思議の国のアリス』の主人公・アリスを彷彿とさせる。さまざまな悩みやコンプレックスを抱えた人々に近づき、彼らの悩みに応じて不思議の国で作られたアイテムを与え、人生を破滅へと導いていく。心の弱さを抱えた人々が苦しむ姿を、愉悦の表情で見守っている一方で、自らを犠牲にしてでも誰かを救おうとする人間には、悪意のない救いの手を差し伸べる。かつては「ありさ」という名の人間で、子役として活躍していたが、人気が高まるにつれて周囲の人間関係に苦悩するようになる。ある日、ハートの女王から不思議の国のアイテムを贈られ、世界からアリス自身を消し去られてしまった。その後、ハートの女王のしもべとして働くことになり、優しさを奪われ、「アリス」と名付けられた。
ウサギ
アリスの相棒である白いウサギ。スリーピーススーツのズボン以外の服を身にまとい、二足歩行で人間言葉を話す。ふだんはアリスと共に、不思議の国で心の弱さを抱える人々を冷笑しているが、状況がウサギ自身の想像を超えて悪化すると、アリスにすがりつくような脆弱な一面を見せることもある。アリスの相棒でありながら、彼女の心情をすべて理解しているわけではなく、アリスが初めて人間に救いの手を差し伸べた際には、彼女に対して悪態をついていた。かつては人間に捨てられたふつうのウサギだったが、さまざまな経緯をたどってアリスの相棒となり、人間が不思議の国のアイテムを使って動物を虐待する行為に対しては、激しい怒りを覚えている。
書誌情報
ブラックアリス 11巻 小学館〈ちゃおコミックス〉
(2017-07-21発行、978-4091394552)
第2巻
(2018-05-30発行、978-4098700585)
第3巻
(2018-12-26発行、978-4098703067)
第4巻
(2019-08-01発行、978-4098705894)
第5巻
(2020-02-28発行、978-4098707423)
第6巻
(2020-09-30発行、978-4098711710)
第7巻
(2021-07-26発行、978-4098714568)
第8巻
(2022-02-25発行、978-4098715848)
第9巻
(2022-12-26発行、978-4098718795)
第10巻
(2023-10-26発行、978-4098724062)
第11巻
(2024-08-26発行、978-4098727483)







