横浜が舞台のヴァンパイア物語
高校生の一郎・ロザリオ・ディ・マリアは、吸血鬼を祓(はら)う絶大な力を持つ「マリアの血」を受け継いでいるが、同時にマリアの血は吸血鬼に絶大な力を与える効果もあり、つねに吸血鬼たちにその身を狙われていた。そんな中、マリアの前に現れたのは「死にたがり屋の吸血鬼」であるブラッディ・メアリーで、彼は自分を殺してくれとマリアに懇願する。当初、マリアはメアリーの言葉を疑っていたが、彼の言動に裏表がないことを知ると、メアリーに吸血鬼を殲滅(せんめつ)すれば殺してあげると取り引きを持ち掛ける。
吸血鬼の異端者
吸血鬼のブラッディ・メアリーは、吸血鬼の中でも特殊な存在。吸血鬼の弱点をすべて克服し、死ぬほどの傷を負っても決して死なない不死身の体を持つ。また、ふつうの吸血鬼であれば黒髪か白髪が特徴ながら、メアリーは赤色の髪をしており、その見た目と特性によって同族たちからも「異端児」として扱われ、400年もの長い時間を孤独に過ごしてきた。そんなメアリーが一郎・ロザリオ・ディ・マリアとの出会いをきっかけに、大きな変化を迎えることとなる。
大きな謎に包まれる二人
吸血鬼のブラッディ・メアリーは、吸血鬼の中でも多くの特殊性を持つ異端児で多くの謎に包まれているが、一方の一郎・ロザリオ・ディ・マリアも「マリアの血」を受け継いでいるにもかかわらず、まったくその力を発揮できずにいる。謎を持った者同士の出会いに呼応するように、メアリーとマリアはさまざまな謎を解明する手がかりを得るが、それと同時に二人を妨害する者たちも現れ、新たな謎が明らかになる。
登場人物・キャラクター
ブラッディ・メアリー
吸血鬼の男性。赤髪で小柄な少年ながら、実年齢は400歳以上。吸血鬼の弱点をすべて克服し、致命傷を負っても死なない不死身の体を持つ。その見た目と絶大なる力によって同族からも「異端児」として扱われている。人懐っこい性格で、若干天然気味なところがある。400年も生きているために生きることに飽きており、死ぬことを望んであらゆる方法を試しているが失敗を繰り返している。最後の手段として、最強の吸血鬼殺しの力を持つ「マリアの血」を求め、唯一自分を殺せる力を持った一郎・ロザリオ・ディ・マリアを探し当てる。当初はマリアに殺してもらうつもりだったが、力を発揮できずにいた、マリアに「自分を殺しにきた吸血鬼を皆殺しにしたら最後に殺してあげる」と言い含められ、この提案を受け入れる。マリアの血を飲んだ際の戦闘能力は強力無比で、並みの吸血鬼ならば一撃で仕留めることができる。吸血鬼であるために吸血衝動に駆られるが、それに強い抵抗感を抱いており、数百年にわたって自分を律し、血を飲まずにいる。マリアの血を飲んだことを後悔しつつも、その味に魅了され、依存しつつあることに悩んでいる。一方で、マリアの死にたい理由に対してはウソをついているのではないかと疑っている。
一郎・ロザリオ・ディ・マリア (いちろう ろざりお でぃ まりあ)
横浜の高校に通う2年生の男子。身長は179センチで、血液型はAB型。少し灰色がかった金髪の好青年で、いつも朗らかな笑顔を浮かべている。外面はいいが、かなりの曲者で、周囲の人物を自分に価値があるか否か判断する打算的な性格をしている。そのため、その正体を知っている者からは胡散臭いと思われている。先祖に、吸血鬼退治で有名な神父のイザーク・ロザリオ・ディ・マリアがおり、「マリアの血」を受け継いだ一郎・ロザリオ・ディ・マリア自身にも強力な「払いの力」があるとされる。マリアの血は吸血鬼にとって天敵であると同時に、ご馳走でもあるため、つねにその身は吸血鬼に狙われている。しかしマリア自身はその事実を知らされておらず、ブラッディ・メアリーとの出会いでそれを知ってからは、自らの置かれた環境に疑問を抱くようになる。父親はおらず、現在は櫻庭家の庇護下のもと、教会で一人暮らしをしているが、メアリーと出会ってから櫻庭家に対して疑念を感じ始めている。吸血鬼も人間も信頼できないためにメアリーと取り引きを行い、彼を自分のボディーガードとして手駒にしている。
書誌情報
ブラッディ+メアリー 全10巻 KADOKAWA〈あすかコミックスDX〉
第1巻
(2014-04-24発行、 978-4041211281)
第10巻
(2017-03-25発行、 978-4041053454)
ブラッディ+メアリー 第7巻 Mがよろこぶ特装版 7巻 KADOKAWA〈あすかコミックスDX〉
第7巻
(2016-03-26発行、 978-4041038789)