世界観
舞台となる世界は、表裏一体の白の世界と黒の世界という、それぞれに別の理で存在している二つから成り立っており、ダムとディーが守っている鏡によってのみ行き来する事ができる。黒の世界の住人の一部だけが白の世界の存在を認知しており、黒の世界の女王のルナすらもその存在を知らされていない。
あらすじ
ふつうの女子高校生の愛日梨は、世間を騒がせている連続殺人事件を不安に思いながらも平穏な日々を過ごしていた。しかしある日、出会った少年のレインによって、異世界である黒の世界に連れ去られてしまう。不安に襲われる愛日梨にレインは、女王となってこの世界を治めるよう伝える。一方、黒の世界の女王として君臨していたルナは、側近であるスノウによって半強制的に白の世界へと避難させられていた。
関連作品
本作『白と黒のアリス』は、同名のテレビゲームが原作となっている。原作は女性向けの恋愛アドベンチャーゲームで、最初に愛日梨とルナのどちらかを主人公として選択する事で、攻略できる男性キャラクターや冒険する世界が変化する仕様となっている。
登場人物・キャラクター
愛日梨 (あいり)
高校2年生の少女。白の世界で暮らしている。緩くウェーブがかった金髪で、ルナの身代わりとして黒の世界に連れ去られてからは、青色のワンピースとフリルが付いた白のエプロンドレスを身につけている。もともとは黒の世界の王家に生まれたが、双子の女王は不吉とされているために17年前に白の世界に送られていた。「アリス」を保有している事から、ルナの身代わりとして連れ去られた。また、黒の世界で過ごす日々を重ねるたびに、白の世界での記憶が薄れていく事に危機感を抱いている。実はルナの双子の妹だが、その真実を知らされていなかった。
ルナ
黒の世界で女王として君臨している少女。ストレートの黒髪で、黒の世界ではつねにモノトーンに赤を差し色に使ったドレスと王冠を身につけている。責任感が強く、負けず嫌いで、女王である事にプライドを持っている事から、一時的とは言え玉座を空ける事に不満を抱いている。頻繁に死刑を執行した先々代の女王を嫌っているが、「アリス」が暴走しかけており、その苛立ちから「死刑」が口をつく事が増えてしまい、その事に気づいて危機感を抱いていた。白の世界に避難してからは、美羽達が友人として接して来る事に戸惑いを覚えている。実は愛日梨の双子の姉だが、その真実を知らされておらず、ルナ自身もほかにアリスを所有している人物がいるとは思っていなかった。
レイン
黒ウサギの少年。黒の世界の住人で、ルナの側近であり、スノウの双子の弟でもある。黒髪で、黒を基調とした衣装を身につけている。無口でクールな性格で、感情をあまり表に出す事もなく、職務を第一に考えている。愛日梨を黒の世界に連れ去った人物で、愛日梨に対しても冷たい態度を見せる事が多い。しかし、愛日梨が黒の世界で塞ぎ込んでいる事を気にして、ネロ達にお茶会を開く事を提案するなど、表情には出さないものの非常に心を配っている様子がある。
スノウ
白ウサギの少年。黒の世界の住人で、ルナの側近であり、レインの双子の兄でもある。白髪で、白を基調とした衣装を身につけている。物腰が柔らかく柔和な性格で、つねに笑顔を絶やさないが、職務のために強引に事を運ぶ一面もある。ルナを白の世界に避難させた人物で、ルナと共に白の世界に留まっており、ルナが白の世界で学生としての生活に馴染むよう色々と気遣っている。
ネロ
三月うさぎの少年。黒の世界の住人で、城に出入りする商人でもある。新たな黒の世界の女王として連れて来られた愛日梨のために、洋服を仕入れてきた。頭部に長い茶色の耳が生えており、短髪でありながら右側の髪だけを三つ編みに結っている。カノンと仲がよく、いっしょにお茶会を開く事が多い。
カノン
帽子屋の少年。黒の世界の住人で、スノウがルナの世話役の一人として白の世界に呼び寄せた。薔薇や時計があしらわれた派手な帽子をかぶっているが、これは売り物だとうそぶき、他人に触らせない。ネロと仲がよく、いっしょにお茶会を開く事が多い。
ミネット
チェシャ猫の青年。黒の世界の住人で、ジャックの幼なじみ。ピンク色の長髪をハーフアップに結っており、毛量の多い尾を持つ。公爵夫人に飼われているが、つねにふらふらと好きなところを自由に行き来している。実はルナを恐れている。
ジャック
女王直属親衛隊の第一部隊隊長を務める青年。黒の世界の住人で、スノウがルナの世話役の一人として白の世界に呼び寄せた。青い髪をポニーテールに結っており、ルナを神聖視するあまり、ルナの前では緊張で話す事ができなくなる。トランプ兵だが剣の腕を買われて隊長に就任した。
美羽 (みう)
高校2年生の少女。白の世界の住人で、愛日梨の友人。占いが得意で、おっとりとした性格をしている。黒髪のショートボブを、ヘアピンで留めている。愛日梨が黒の世界に連れ去られる前、愛日梨に大きな困難や変化が訪れる事を占いで知り、心配していた。
ダム
継ぎ接ぎされたクマのぬいぐるみ。黒の世界と白の世界をつなぐ鏡を守っている。ディーとは双子で、ピンク色を基調とした体をしている。なぞなぞと言葉遊びが好きだが、正解を忘れてしまう事が多い。また、なぞなぞの正解も真実も秘密としており、愛日梨とルナを鏡に近づけないようにしている。
ディー
黒の世界と白の世界をつなぐ鏡を守っている、継ぎ接(は)ぎされたクマのぬいぐるみ。ダムとは双子で、青色を基調とした体をしている。なぞなぞと言葉遊びが好きだが、正解を忘れてしまう事が多い。また、なぞなぞの正解も真実も秘密としており、愛日梨とルナを鏡に近づけないようにしている。
場所
白の世界 (しろのせかい)
愛日梨が住んでいた世界。若い女性が全身の血を抜き取られるという連続殺人事件が起きており、世間を騒がせている。黒の世界でアリスが暴走しかけた影響から、非日常を日常と捉えられるほど住人達の感覚が麻痺しており、ドレス姿のルナが突然現れても、美羽達は疑う事もなく以前からの友人のように扱っている。
黒の世界 (くろのせかい)
ルナが治めていた世界。夕方がなく、昼間から突然夜になる。ルナの中のアリスが暴走しかけたため、治安の悪化が著しく、暴動や事件が絶えず起きており、裁判の数が激増している。住民達はルナが異変を引き起こしていると考え、殺害を視野に入れていた。かつて双子の女王が生まれた際、アリスを暴走させた姉が退位させられ、次代の女王となった妹を妬みから殺害したという史実がある事から、双子が生まれた際には必ず一人を白の世界に送り込んでいた。
その他キーワード
アリス
愛日梨とルナの血の中に含まれる特別な物質。万能の効果があるといわれており、黒の世界の人々を惹きつけ、従わせる事ができる力を持っている。また、黒の世界の住人がアリスが含まれた血を摂取すると、能力を高めたり、ケガを治癒する事ができるとされている。強大すぎる力なため、暴走させると国や国民にも影響が出てしまい、治安が悪化してしまう。また、アリスの能力は白の世界の住人には通用しない。
クレジット
- 原作
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アイディアファクトリー・工画堂スタジオ