概要
平安時代からの遺跡や地名も留めている山口県防府市に住む青木新子は、千年前のこの土地の人の暮らしに思いを馳せる空想好きの女の子。ある日、東京から引っ込み思案の少女、島津貴伊子が転校してくる。田舎の暮らしに馴染めない人見知りな貴伊子に新子は積極的に触れ合い、やがて友達になる。
新子の働きかけで貴伊子にも遊び友達が増え、みんなの心がひとつになった頃に、ある出来事が起こる。
登場人物・キャラクター
青木 新子 (あおき しんこ)
額につむじ(マイマイ)があるために髪がピョンとはねている。平安時代の人の生活を空想するのが好きだが、内向的な性格というわけではなく明るく活発。小学3年生。転校生の島津貴伊子の世話を焼くうちに親友となる。
千古 (ちふる)
諾子同様に、青木新子の空想の中に現れる平安時代の少女。下働きをして貧しい妹たちの面倒を見ている。
青木 光子 (あおき みつこ)
青木新子の妹。キューピー人形を大事にしている5歳の子。島津貴伊子が土産代わりに持ってきたウイスキーボンボンを食べて酔ってしまう。
鈴木 タツヨシ (すずき たつよし)
青木新子と同じ学校に通う5年生。父親は警察官で、父の木刀をいつも持ち歩いている。あまり笑わず無口だが、新子の呼びかけで島津貴伊子の遊び友達の仲間になる。
青木 長子 (あおき みちこ)
青木新子の母親。若くして新子を出産したので、まだ20代という若々しさ。
ひづる先生 (ひづるせんせい)
青木新子たちが通う小学校の保険医。長い黒髪で清楚な雰囲気を漂わせ、生徒から慕われている。
諾子 (なぎこ)
青木新子の空想の中に度々現れる平安時代の少女。京の都から周防にやってきた。
島津 貴伊子 (しまづ きいこ)
東京から引っ越してきた裕福な家庭の子。田舎の雰囲気に馴染めず最初は口数が少なく孤立しがちだった。青木新子の家に遊びに行ったり、自宅に新子を招いたりしながら親しくなる。
青木 小太郎 (あおき こたろう)
千年前からこの土地には同じ川が流れている事を教える青木新子の祖父。頑固な白髭の老人だが孫には優しい。