マクロスΔ

マクロスΔ

TVアニメ『マクロスΔ』を原作とするコミカライズ作品。宇宙の移民惑星を主な舞台に、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」と可変戦闘機部隊「Δ小隊」の活躍や恋愛を描くSF作品。「月刊シリウス」2016年6月号から2018年3月号にかけて連載された。

正式名称
マクロスΔ
ふりがな
まくろすでるた
漫画
ジャンル
その他SF・ファンタジー
関連商品
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あらすじ

第1巻

西暦2067年の宇宙。人類が銀河辺境の惑星に移民を始めてから、すでに半世紀が経とうとしていた。人類がさまざまな異星人と遭遇し、一大星間文明を築く中、奇病「ヴァールシンドローム」が人類を襲い始めていた。このヴァールシンドロームに対抗するために結成された戦術音楽ユニット「ワルキューレ」にあこがれる少女のフレイア・ヴィオンは、故郷を飛び出し「ワルキューレ」のオーディションを受けるために、惑星、アル・シャハルに密航していた。アル・シャハルの港でアルバイトをしている少年のハヤテ・インメルマンは、追われているフレイアと出会い、街の騒ぎに巻き込まれる。街の人々にヴァールシンドロームが発生し、戦場と化した街が混乱と恐怖に包まれる中、事態収拾のために「ワルキューレ」と可変戦闘機部隊「Δ小隊」が動き出す。

第2巻

アラド・メルダースにスカウトされて、ハヤテ・インメルマンは可変戦闘機部隊「Δ小隊」に入隊する事になった。しかし、飛行実技の訓練以外はサボってばかりだったハヤテは、入隊の最終試験としてミラージュ・ファリーナ・ジーナスと対戦する事になる。一方、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の新メンバーとなったフレイア・ヴィオンは、念願の「ワルキューレ」に入ったにもかかわらず、思うように力を発揮できず伸び悩んでいた。その後、美雲・ギンヌメール達と共に初ライブに挑むフレイアだったが、ライブ中に空中騎士団が現れ、ウィンダミア王国が地球の新統合政府に宣戦布告する。銀河を揺るがす大きな戦いが再び幕を開ける中、ハヤテとフレイアはそれぞれの今後について、大きな決断を迫られるのだった。

第3巻

第二次独立戦争が始まり、可変戦闘機部隊「Δ小隊」と戦術音楽ユニット「ワルキューレ」は、ウィンダミア王国空中騎士団と激しい攻防を繰り広げる。戦いの中でハヤテ・インメルマンは敵パイロットの命を奪ったのをきっかけに、自分がパイロットであると同時に戦士である重みを突きつけられる。ハヤテはミラージュ・ファリーナ・ジーナスに励まされ、新たな決意を胸にする。一方、美雲・ギンヌメールに、ステージに立つ意味や歌に込める思いを問われたフレイア・ヴィオンは、新たな試練に直面していた。そんな時、Δ小隊と「ワルキューレ」は、惑星「ヴォルドール」の合同調査任務に出る事になる。ウィンダミア王国占領下にあるヴォルドールは、軍や警察機構もウィンダミアによってマインドコントロールされていた。そしてフレイア達は、家族と引き離され、マインドコントロールてされ道具のように扱われるパイロットの男性に遭遇する。

第4巻

可変戦闘機部隊「Δ小隊」のエースであるメッサー・イーレフェルトに、ヴァールシンドロームの症状が再発し始める。2年前にヴァールシンドロームになっていた彼には、すでにヴァール化の兆候が見え始めており、ハヤテ・インメルマンミラージュ・ファリーナ・ジーナスは彼の過去と思いを知る。転属が決まったメッサーの見送りの当日、空中騎士団が再び襲撃して来る。メッサーとキース・エアロ・ウィンダミアは、空中でエース同士の激しいドッグファイトを繰り広げる。しかし激戦の中で、メッサーはヴァールシンドロームが再発してしまい、暴走しそうになってしまう。それでもキースとの決着をつけるべく戦い続けようとするメッサーは、かつて歌で自分を救ってくれたカナメ・バッカニアに対し、「歌って欲しい」と願うのだった。

登場人物・キャラクター

ハヤテ・インメルマン (はやていんめるまん)

惑星アル・シャハルの港でアルバイトをしている少年。年齢は17歳。具体的な夢や目標を持たず、仕事を転々としながら銀河のあちこちの惑星を渡っていた。胸元にある、父親の形見であるペンダントを大切にしている。アル・シャハルに密航して来たフレイア・ヴィオンと出会い、アラド・メルダースにスカウトされて可変戦闘機部隊「Δ小隊」に入隊し、准尉となる。 当初はフレイアの事をバカにしていたが、徐々に彼女の歌声に惹かれ、お互いに励まし合うようになる。また教育係となったミラージュ・ファリーナ・ジーナスにもよく反発していたが、徐々に認め合い、互いに協力し合うようになる。自覚はないが天性のリズム感を持っており、歌に合わせて機体が踊るように操縦するなど、誰にも予想できない動きを見せる。 その自由な動きはアラドなどから「インメルマン・ダンス」と称されている。サボり癖があり、アルバイトの仕事をよくサボり、Δ小隊入隊後も、実技飛行以外はよくサボっていた。第二次独立戦争が始まってからは統制や隊規による不自由さや、敵の命を奪う事の重みに翻弄されるものの、自由に空を飛ぶために戦争を終わらせる事を決意する。 思っている事をすぐにはっきり言ってしまう、ぶっきらぼうな性格をしている。実は猫アレルギー持ちで、海猫を含む猫が近くにいると、くしゃみが出る。

フレイア・ヴィオン (ふれいあゔぃおん)

戦術音楽ユニット「ワルキューレ」にあこがれる、歌が大好きな少女。年齢は14歳。「ワルキューレ」の新メンバーを決めるオーディションを受けるために、銀河辺境の田舎から飛び出して来た。オーディション会場がある惑星、ラグナを目指していたものの、誤って密航した惑星、アル・シャハルにて、ハヤテ・インメルマンに出会う。 のちにオーディションに合格し、「ワルキューレ」の一員となる。天真爛漫な性格で明るく、芯が強い。訛り口調で話し、口癖は「ごりごり」。ウィンダミア王国出身のウィンダミア人で、「ルン」と呼ばれる独特の器官を持つ。感情が昂ぶると、ハート型のルンが光る「ルンピカ」状態になる事もある。幼い頃にウィンダミア王国を訪れた地球人から貰った携帯音楽プレイヤーを大切にしており、その影響で地球の音楽文化に触れ、「ワルキューレ」をはじめとした歴代の歌姫達に強いあこがれを抱くようになる。 第二次独立戦争が始まってからも「ワルキューレ」に残るものの、空中騎士団など母国の者からは裏切り者扱いされてしまい、さらには新統合政府からもスパイの疑いをかけられる。 しかし、ハヤテや「ワルキューレ」メンバーなど仲間達に支えられ、銀河中に歌を届けて平和を取り戻すために歌い続ける事を誓う。

ミラージュ・ファリーナ・ジーナス (みらーじゅふぁりーなじーなす)

可変戦闘機部隊「Δ小隊」の女性パイロット。Δ小隊の紅一点。年齢は18歳で、階級は少尉。ゼントラーディ人と地球人のクォーターで、耳が尖っている。「英雄」とも呼ばれた天才パイロットのマクシミリアン・ジーナスと、ミリア・ファリーナ・ジーナスを祖父母に持つ。過去に新統合軍に所属していたが、天才の血を引いている事で、周囲からの期待やプレッシャーを受け、自信を持てずにいた。 軍に居心地の悪さを感じていたところをアラド・メルダースにスカウトされ、ケイオスに移りΔ小隊に入隊する。Δ小隊の新人パイロットとなったハヤテ・インメルマンの教育係を任され、自由奔放でサボり癖のある彼に手を焼いている。このため当初はハヤテの事を認めず、何度か衝突していたが、Δ小隊での試験や任務を通して徐々に彼を認めていき、互いに励まし合うようになる。 パイロットとして優秀だが、生真面目で融通が利かないところがあり、マニュアル通りで応用に欠けるという欠点を、メッサー・イーレフェルトに指摘されている。

美雲・ギンヌメール (みくもぎんぬめーる)

戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のエースボーカルの女性。素性や来歴、プライベートなどが謎に包まれており、ほかのメンバーもその詳細を知らない。プライベートだけでなく任務中にも時おり単独行動を取る事があり、言動や行動も謎が多く、クールでミステリアスな雰囲気を漂わせている。「ワルキューレ」のエースとして確かな実力を持ち、身体能力も高い。 その歌声に含まれる多量のフォールド波は、ケイオスの切り札となっている。新メンバーのフレイア・ヴィオンに対しては厳しい態度で接する事が多いものの、歌への新たな目標や思いを抱くようになった彼女に、期待を寄せるようになる。

カナメ・バッカニア (かなめばっかにあ)

戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の女性ボーカル。リーダーを務めている。チームのスケジュール管理からブリーフィングまで、マネジメントを担当している。穏やかで、しっかり者な性格をしている。「ワルキューレ」に入る前は、アイドルとしてソロ活動をしていた。しかし業績が奮わず引退し、ケイオスにスカウトされ、フォールドレセプターを保有していたため、「ワルキューレ」に加入する。 また、美雲・ギンヌメール加入まではエースボーカルだった。過去にヴァールシンドロームを発症したメッサー・イーレフェルトを歌で救った過去を持つ。

マキナ・中島 (まきななかじま)

戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のボーカルを務める女性。天真爛漫の性格でふわふわした雰囲気を持っている。バストの大きさは「ワルキューレ」の中で一番で、お色気担当でもある。また、メカニックの家系に生まれてケイオスのメカニックも担当しており、お気に入りの機体には愛称を付けている。レイナ・プラウラーとはかつて犬猿の仲だったが、現在は姉妹のように仲がよく、同居もしている。

レイナ・プラウラー (れいなぷらうらー)

戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のボーカルを務める女性。音楽だけでなくメカにも強く、ハッカーとしての能力も優れており、電子作戦などの任務中は、電子制御も担当している。マキナ・中島とはかつて犬猿の仲だったが、現在は姉妹のように仲がよく、同居もしている。口数が少なく、いつも無表情でクールな性格で、やや毒舌な面もある。 惑星ラグナ名物の「バレッタクラゲ」が大好きで、生のまま丸呑みする。

アラド・メルダース (あらどめるだーす)

可変戦闘機部隊「Δ小隊」の男性パイロット。隊長を務めている。年齢は33歳。才能や実力のある者は自らスカウトしてΔ小隊に引き入れているが、実力重視なため癖のあるパイロットを集める事が多い。惑星ラグナで出会ったハヤテ・インメルマンに才能を見出し、Δ小隊に引き入れる。大らかで包容力のある性格で、チームの頼れる兄貴的存在。 かつては新統合軍として、ウィンダミア第一次独立戦争に参加していた。また、アーネスト・ジョンソンとはその頃からの友人。クラゲ料理とバナナ酒が好きで、クラゲに関することわざをよく使う。

メッサー・イーレフェルト (めっさーいーれふぇると)

可変戦闘機部隊「Δ小隊」の男性パイロット。若くしてΔ小隊のエースを務めている。年齢は21歳。隊長のアラド・メルダースをも超える操縦技術を持ち、「死神」の異名を持つ。また、搭乗する機体には、死神をイメージしたアートが描かれている。つねに冷静で、自他共に厳しい性格。ミラージュ・ファリーナ・ジーナスやハヤテ・インメルマンなどの教官でもあり、彼らにも厳しく接している。 空中騎士団エースのキース・エアロ・ウィンダミアとはライバル関係。2年前にヴァールシンドロームを発症するが、カナメ・バッカニアの歌に救われた過去を持つ。以来、恩人であるカナメに強く感謝しており、彼女の歌を携帯音楽プレイヤーに入れて大切にしている。

チャック・マスタング (ちゃっくますたんぐ)

可変戦闘機部隊「Δ小隊」の男性パイロット。惑星、ラグナ出身で、年齢は24歳。普段はラグナ星にある「裸喰娘娘」で、調理人をしている。主に早期警戒任務を担当。明るい性格でΔ小隊のムードメーカー的な存在。女好きでお調子者で、気に入った女性を見ると、すぐに口説こうとする。五人兄弟で、四人の弟と妹がいる。

アーネスト・ジョンソン (あーねすとじょんそん)

マクロス・エリシオンの艦長を務める男性。ゼントラーディと地球人のハーフで、身長は2メートルを超える。体格と怪力を活かした格闘技も得意。かつては新統合軍に所属し、ウィンダミア王国での任務でグラミア・ネーリッヒ・ウィンダミアの教官をしていた。

海猫 (うみねこ)

猫とアザラシが融合したような動物。惑星ラグナの海辺に棲息する。尻尾はアザラシの尻尾になっており、水陸両性で泳ぎも得意とする。害獣などを退治してくれるため、古くからラグナ人に重宝され、共に生活してきた。また、地球でもペットとして人気がある。雑食だが、魚を特に好んで食べる。

キース・エアロ・ウィンダミア (きーすえあろうぃんだみあ)

空中騎士団のエースパイロットを務めている、近衛騎士の男性。年齢は19歳。つねに騎士道精神を貫く孤高のパイロット。称号は「ダーウェントの白騎士」。ロイド・ブレームとは、学生時代からの友人。ハインツ・ネーリッヒ・ウィンダミアの異母兄でもある。のちにメッサー・イーレフェルトのライバルとなる。

ロイド・ブレーム (ろいどぶれーむ)

ウィンダミア王国の空中騎士団の聖騎士団長を務める男性。年齢は20歳。グラミア・ネーリッヒ・ウィンダミアに代わり、宰相として王国の政治も行っている。キース・エアロ・ウィンダミアとは学生時代からの友人。プロトカルチャーを研究する学者としても有名。メガネに特別なこだわりを持ち、多数のコレクションを持つ。

テオ・ユッシラ (ておゆっしら)

ウィンダミア王国の空中騎士団に所属するパイロットの少年。年齢は16歳。ザオ・ユッシラの双子の兄。実家は商家で、薬を扱っている。弟のザオと比べて、冷静な性格の持ち主。

ザオ・ユッシラ (ざおゆっしら)

ウィンダミア王国の空中騎士団に所属するパイロットの少年。年齢は16歳。テオ・ユッシラの双子の弟。実家は商家で、薬を扱っている。兄のテオと比べて、好戦的な性格の持ち主。

ボーグ・コンファールト (ぼーぐこんふぁーると)

ウィンダミア王国の空中騎士団に所属するパイロットの少年。空中騎士団白騎士部隊メンバーの中では最年少で、年齢は15歳。名家コンファールト家に生まれ、五人の姉に囲まれて育ったが、ウィンダミア第一次独立戦争で家族を失っている。このため地球人への憎しみが人一倍強く、音楽など地球文化も嫌い、フレイア・ヴィオンを裏切り者扱いしている。 好戦的で、やんちゃな性格の持ち主。

カシム・エーベルハルト (かしむえーべるはると)

ウィンダミア王国の空中騎士団のに所属するパイロットの男性。年齢は23歳。かつては実家のリンゴ農家で暮らしていたが、ウィンダミア第一次独立戦争で家族と家を失った過去を持つ。

ヘルマン・クロース (へるまんくろーす)

ウィンダミア王国の空中騎士団のに所属するパイロットの男性。年齢は33歳。ボーグ・コンファールトをはじめとする部下からは「マスター・へルマン」と呼ばれている。顔にいくつもの傷跡がある。空中騎士団メンバーの教官を務める。

ハインツ・ネーリッヒ・ウィンダミア (はいんつねーりっひうぃんだみあ)

ウィンダミア王国の王子。ウィンダミア伝承の「風の歌い手」で、「風の歌」と呼ばれる特殊な歌で、ヴァールシンドローム発症者をマインドコントロールする事ができる。しかし体が弱く、風の歌を歌う事は体への負荷となっている。異母兄のキース・エアロ・ウィンダミアの事を「兄様」と呼んで慕っている。

グラミア・ネーリッヒ・ウィンダミア (ぐらみあねーりっひうぃんだみあ)

ウィンダミア王国現国王で、キース・エアロ・ウィンダミアとハインツ・ネーリッヒ・ウィンダミアの父親。年齢は35歳だが、短命なウィンダミア人であるためすでに老人の姿になっており、内政は宰相のロイド・ブレームに委ねている。かつては「ダーウェントの白騎士」の称号を持つエースパイロットだった。またウィンダミア王国で教官をしていたアーネスト・ジョンソンの、元教え子でもある。

ベルガー・ストーン (べるがーすとーん)

巨大財閥「イプシロン財団」の男性。ブリージンガル球状星団方面を担当している。ウィンダミア王国に膨大な援助を行いながら、プロトカルチャーに関する調査をしている。

集団・組織

ワルキューレ

ケイオスの情報・芸能部門で結成された戦術音楽ユニット。キャッチコピーは「超時空ヴィーナス」。メンバーは美雲・ギンヌメールを中心とした四人だったが、のちにフレイア・ヴィオンが加わって五人となる。メンバーはいずれもフォールドレセプター保有者から選抜され、歌声に含まれるフォールド波によって、ヴァールシンドロームを発症した人間(ヴァール発症者)を、鎮圧ライブによって鎮静化するという活動を行っている。 ヴァールシンドローム発生地は戦場となる事が多いため、命がけの危険な任務も多い。またウィンダミア王国の宣戦布告によって第二次独立戦争が起こったあとは、潜入作戦などにも参加するようになる。

ケイオス

銀河のあちこちで活動している、大規模な星間複合企業体。もともとはフォールド波を活用するベンチャー企業だったが、10年ほどで急成長し、情報・芸能部門や軍事部門を持つ。ヴァールシンドロームに対抗するため、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」や、その護衛となる可変戦闘機部隊「Δ小隊」を結成する。

Δ小隊 (でるたしょうたい)

ケイオスの軍事部門で結成された可変戦闘機部隊。戦術音楽ユニット「ワルキューレ」と共同任務にあたり、「ワルキューレ」メンバーの護衛と、パフォーマーを務めている。

空中騎士団 (くうちゅうきしだん)

ウィンダミア王国王家に仕える翼の騎士の精鋭部隊。機体などには翼と剣の紋章が刻まれている。聖騎士団長のロイド・ブレームが統率している。かつてはムササビスーツを着用して空で戦う特殊な戦闘集団だったが、ウィンダミア王国に地球の文明や技術が入って来てからは、可変戦闘機部隊となった。巨大財閥「イプシロン財団」より、膨大な支援を受けて活動している。

新統合政府 (しんとうごうせいふ)

宇宙からの脅威に備え、国境や人種などを超えて生まれた地球の統一政体。正式名称は「新統合宇宙政府」。2027年に訪れたウィンダミア王国と国交を結ぶが、不平等な条約などによりウィンダミアからの不満が募った事で、ウィンダミア第一次独立戦争が勃発し、現在でも対立し続けている。

新統合軍 (しんとうごうぐん)

地球の新統合政府による軍隊。地球人の宇宙移民事業が始まってからは、船団護衛や惑星の治安維持などを任務としている。かつてのウィンダミア第一次独立戦争では、ウィンダミア王国と激戦を繰り広げた。

場所

ブリージンガル球状星団 (ぶりーじんがるきゅうじょうせいだん)

宇宙の球状星団で、星団直径は約1000光年。惑星、アル・シャハルや惑星、ラグナ、惑星、ウィンダミアⅣなど、それぞれの惑星の先住民をはじめ、人類が居住している惑星が多く位置している。また惑星のあちこちにはプロトカルチャーの遺跡がある。

アル・シャハル (あるしゃはる)

ハヤテ・インメルマンが貨物コンテナ運搬のアルバイトをしていた惑星。周辺は砂漠だが、観光産業のために開発が進められている。先住民のコータル人は、砂漠での生活に適応した種族とされる。

ラグナ

惑星、アル・シャハルより30光年離れた海洋惑星。港湾都市バレッタシティにはケイオスの支部「マクロス・エリシオン」や、男子寮も兼ねた飲食店「裸喰娘娘」がある。海神やクラゲを信仰する風習があり、海辺のあちこちに海猫が棲息している。「クラゲラーメン」や「月光アワビ」などの海産物を使った名産品が多い。

裸喰娘娘 (らぐにゃんにゃん)

惑星、ラグナの港湾都市、バレッタシティに碇泊する飲食店船。チャック・マスタングが経営し、兄弟と共に切り盛りしている。また可変戦闘機部隊「Δ小隊」男性パイロット達の寮も兼ねている。Δ小隊メンバーだけでなく、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」メンバーもよく来店している。名物はバレッタクラゲなど新鮮な海産物を使った海鮮料理。

ウィンダミア王国 (ゔぃんだみあおうこく)

惑星、ラグナから800光年離れた惑星、ヴィンダミアⅣを中心とした惑星にある王国。グラミア・ネーリッヒ・ウィンダミア王が統治する。1年の大半が雪の寒冷気候で、「風の王国」とも呼ばれる。惑星の周囲は、巨大な次元断層に囲まれている。フレイア・ヴィオンの故郷でもあり、「ウィンダミアアップル(銀河リンゴ)」の名産地。 2060年に起こったウィンダミア第一次独立戦争以降は、人の出入りに厳しくなっている。王家には空中騎士団が仕えている。過去に王国の利益を独占しようと近づいて来た、地球の新統合政府を恨んでおり、第一次独立戦争に挑むが、しばらく停戦状態となっていた。しかし2067年に再び宣戦布告し、第二次独立戦争を起こす。 先住民のウィンダミア人はルンと呼ばれる特殊な感覚器官を持っており、優れた身体能力を持っている。ただし寿命は短く、平均寿命は30年~35年で、20歳を超えると急速に老化する。

マクロス・エリシオン (まくろすえりしおん)

ケイオスのラグナ支部の基地となっている巨大戦艦。戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のオーディション会場にもなった。アーネスト・ジョンソンが艦長を務める。

ヴォルドール

水と緑が豊かな惑星。可変戦闘機部隊「Δ小隊」と戦術音楽ユニット「ワルキューレ」が調査任務のために訪れた。陸地の62%が湿原で覆われている。木材・果物・天然水を主な資源としている。原住民のヴォルドール人は猫型哺乳類から作られたため、猫耳と尻尾が生えており、顔などに模様がある。ジャングル地帯が多く、プロトカルチャーの遺跡もある。 ウィンダミア王国の支配下にあり、軍や警察はマインドコントロールされている。

イベント・出来事

ウィンダミア第一次独立戦争

地球の新統合政府から独立するために、2060年にウィンダミア王国が仕掛けた独立戦争。カーライルの黒い嵐をきっかけに停戦状態となる。この戦争以降、ウィンダミア王国は経済封鎖するようになり、人の出入りにも厳しくなる。

第二次独立戦争

西暦2067年にウィンダミア王国が、再度新統合政府に宣戦布告した事で起こった独立戦争。ケイオスが参戦した事で、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」や可変戦闘機部隊「Δ小隊」も巻き込まれる事になる。

カーライルの黒い嵐 (かーらるのくろいあらし)

ウィンダミア第一次独立戦争の末期に起こった惨劇。本来は使用禁止の「次元兵器」と呼ばれる大量破壊兵器が使用された事で、現地の民間人を巻き込む深刻な被害を及ぼした。甚大な被害を被った新統合軍は、ウィンダミア王国からの撤退を強いられ、第一次独立戦争は実質停戦状態となる。

その他キーワード

ヴァールシンドローム

銀河系各地で猛威を振るう、謎の多い奇病。「ヴァール」とも呼ばれる。発症すると突然精神に異常をきたし、身体能力が高まるが、我を失って凶暴化し、周囲を襲うようになる。フォールド波と呼ばれる生体波を放つ歌を聞く事で、沈静化できる。凶暴化のメカニズムとしては、人体の細胞内に寄生したフォールド細菌が、亜空間を通じて強烈な感情を伝播・増幅させていると考えられている。

ルン

フレイア・ヴィオンをはじめとしたウィンダミア人の頭部にある独特の器官。頭皮の一部に同化しているため、髪の毛の一部に見え、男性は2本、女性は1本生えている。また先端部の形も男女で異なり、男性はダイヤ型、女性はハート型のようになっている。感情の起伏に応じて変化し、光を放ったり、大型化する事もある。

MDP-001W シグナス

ブーメラン形のマルチドローンプレート(無人航空機)。可変戦闘機部隊「Δ小隊」の機体「VF-31 ジークフリード」から複数展開される。戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のステージに展開され、さまざまな形でメンバーをサポートする。また、ワルキューレが持つ端末から操作する事も可能。複数連結する事でバリアを展開したり、巨大な粒子加速器としても活用できる。

フォールド波 (ふぉーるどは)

高次元空間で発生する波動や波長の総称。「フォールド・ウェーブ」とも呼ばれる。主に歌を通して伝播するが、その速度は光よりも速く、時空をも超えるといわれている。歌によって増強され、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」メンバーの歌には、このフォールド波成分が含まれており、ヴァールシンドローム発症者鎮静化の効果を持つ。

風の歌い手 (かぜのうたいて)

ウィンダミア王国に伝わる伝承に登場する歌い手。その特殊な歌声は、生物だけでなく、風や大地とも心を通わせる事ができるといわれている。ウィンダミア王国の王家の者に現れる事が多い。

プロトカルチャー

50万年前に、高度なテクノロジーで銀河系に一大星間文明を築いた先史文明や種族。さまざまな惑星の現住生物に遺伝子操作を施す事で、地球人をはじめとする多くの人類種を作り上げた。しかし、その種族のうち、ゼントラーディなどによって滅ぼされてしまう。その偉大な力と文明の痕跡は、銀河の各所に遺されており、ブリージンガル球状星団の惑星にある遺跡には、プロトカルチャーの末裔が訪れていた痕跡も見られる。

ゼントラーディ

身長10メートルを超える巨人種族。プロトカルチャーが戦争のために生み出し、耳の先が尖っているのが特徴。マイクローン装置と呼ばれる機械を使った「マイクローン化」によって、普通の人間と同等のサイズになる事も可能。しかし、マイクローン化を多用すると幼児体型になってしまったり、アーネスト・ジョンソンのように元のサイズに戻れなくなってしまう事もある。

フォールドレセプター

ヴァールシンドロームの症状を鎮静化、もしくは促進できる因子受容体の事。正式名称は「フォールド因子受容体」。ヴァールシンドロームの原因となる「フォールド細菌」の影響を抑える、特別な因子となっている。このため、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」メンバーは、この因子受容体を持つ人間から選ばれている。

デカルチャー

もともとはゼントラーディ人の言葉で、「凄い」「信じられない」「オーマイゴッド」といった意味で使われる。現在はゼントラーディ人だけでなく、広く一般的に使われている。

クレジット

監修

ストーリー原案

「マクロスΔ」より

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