概要
継母と暮らす少女アーニャは、春の花マツユキソウを見たがる女王の気まぐれで雪の降る森へ探しに行く。寒い冬に見つかるはずもないマツユキソウを、アーニャの境遇に同情した十二月の精が現れ、季節を一時間だけ春にして咲かせる。
届けられた花を見た女王は自分も森で探すと言い出し、皆で出かけてくる。そのわがままに怒った十二の月の精は、女王を懲らしめるために一年の季節を一度に見せてみせる。
登場人物・キャラクター
アーニャ
実の父と母の死後、継母と義理の姉である娘に辛い仕打ちを受けながら暮らしている少女。不幸な境遇でも明るさと優しさを失わない。わがままな女王の言いつけで吹雪の森に春の花マツユキソウを探しに来て、十二月の精に出会い助けられる。 若い青年の姿の四月の精に好意を寄せられた。
四月の精 (しがつのせい)
十二の月の季節を司る十二月の精の一人。歳若い青年の姿をしており、アーニャの事も知っている。吹雪の森に春の花マツユキソウを探しに来たアーニャに好意を寄せ、季節を一時間だけ四月にして、その花を咲かせた。
博士 (はかせ)
アーニャが住む国の女王の教育係の学者。わがままに振舞う女王に逆らえず、言うがままになっている。女王に春の花マツユキソウを教えた事で、アーニャは吹雪の森へと行くことになった。
女王 (じょおう)
両親を亡くし、幼くしてアーニャの住む国の王位についた少女。思慮分別を身につけないままに女王の権力を振るう。特に勉強が大嫌いで、教育係の博士に無理難題を言う。真冬に春の花マツユキソウを見たがったので、アーニャは吹雪の森に行くことになった。
娘 (むすめ)
アーニャの義理の姉に当たる少女。アーニャにとっては義理の母に当たる継母に溺愛されている。自分勝手な性格で母親共々、女王が宣言した報酬の金貨目当てにアーニャを春の花マツユキソウを探させて、吹雪の森へ追いやる。
ひげの兵士 (ひげのへいし)
アーニャが住む国の兵隊。立派な髭をしている。冬の森に宮廷のクリスマス用に使う樅の木を探しに来て、アーニャと出会う。アーニャを「べっぴんさん」と呼ぶ。
十二月の精 (じゅうにつきのせい)
十二の月の季節を司る十二人の精霊達。それぞれ様々な年齢の男性の姿をしている。互いに「兄弟」と呼び合い、特に年長者に対しては「兄さん」と呼んで敬う。吹雪の森に春の花マツユキソウを探しに来たアーニャに出会い、助けた。
一月の精 (いちがつのせい)
十二の月の季節を司る十二月の精の一人。白く長い髭を蓄えた老人の姿をしたリーダー的存在。吹雪の森に春の花マツユキソウを探しに来たアーニャに同情し、助ける。
継母 (ままはは)
アーニャの義理の母親。義理の娘であるアーニャに辛く当たり、家の仕事でこき使う。その反面、実の娘を溺愛する。女王が宣言した報酬の金貨目当てに、娘共々アーニャを春の花マツユキソウを探させて、吹雪の森へ追いやる。
その他キーワード
マツユキソウ
『世界名作童話 森は生きている』に登場する植物。春に咲く白い花。その存在を教育係の博士から教えられた、アーニャの住む国の女王は真冬にこの花を取ってきた者に金貨を与えると宣言する。