概要・あらすじ
富樫勇太は、中学時代に中二病になり、自身が「ダークフレイムマスター」であるという妄想の元、様々な奇行をしていた。しかし、ある時、周囲に迷惑をかけていた事を自覚し、中二病であった事を封印した。
過去を知る知り合いとは違う高校に進み、心機一転して充実した高校生活を満喫しようとするが、入学式当日に、校内でうっかり中二病を発症した所を小鳥遊六花に見られてしまう。中二病真っ盛りの彼女に親近感を抱かれ、ややなし崩し的に、彼女の言う所の「契約」をするに至り、さらには、同好会極東魔術結社を立ち上げに巻き込まれる。
中二病とは距離を置きたがるも、生来の面倒見の良さもあり、彼女の妄想や設定から来る、行き過ぎた行動には容赦無くツッコミをいれつつも、行動を共にし続ける事になった。
やがて、六花に、彼女の中二病に絡む、過去に起きた父の死や、家庭環境などの問題が浮上し、勇太と同好会の仲間は、状況の改善に奔走する事となる。
登場人物・キャラクター
小鳥遊 六花
私立銀杏学園の高等部1年4組所属。同好会極東魔術昼寝結社の夏の代表。ショートヘアに細い一本のアホ毛が特徴的な、色白で小柄な美少女。特に眼が悪いわけではないが、右目に眼帯をしている事が多い。 頑固な所はあるものの、根は素直で優しい性格だが、中二病真っ盛りで、「邪王真眼の使い手という自分が作った設定に基づき、痛々しい言動を繰り返し続ける。友達は少ない。暗い色調のゴスロリ調の服を好み、右目の眼帯の下には、「邪眼」と称す、金色のカラーコンタクトを着けている。 ローラーシューズを履き、自動開閉傘を魔具「シュバルツゼクスプロトタイプマークII」と設定し持ち歩く。 人見知りする面もあるが、自分の設定に関する事には饒舌。言い出した事を曲げず富樫勇太達を閉口させるが、何かと強がりな上、どこか間の抜けたミスを頻発するので、今一設定したキャラクターを貫き通せない。 勇太にツッコミを入れられると、「あぅ」とうめくなどして素に戻る。ままならない事があると、舌打ちしたり、スライディングをしかけたり、子供ぽい反応をしがち。他に入れる部活や同好会が無かったため、勇太を巻き込み極東魔術結社を結成した。 同じ中二病の魂を持つと認定した勇太に惹かれており、その感情の正体を自覚しないままに、丹生谷森夏などに嫉妬する事もある。勉強嫌いで、理数系は壊滅的だが、文系科目は優秀。 家事全般に疎く、買い物すらままならないが、裁縫は得意。なにかと動作はトロく、スポーツも苦手だが、中二病設定で動く時は俊敏。富樫家が住むマンションの直上の部屋に姉と住んでおり、自室を、意味ありげなアイテムで埋め尽くしている。 「爆ぜろリアル、弾けろシナプス! バニッシュメント・ディス・ワールド!」という、呪文を唱えると、拡張世界(妄想世界)に入る事が出来ると言う設定を信じ、その世界では管理局の妨害をかいくぐって不可視境界線を探索するのが目標。 拡張世界では、ト音記号がモチーフで、眼の意匠のある大柄な得物「ケーニギン・デア・ナハ」を振るう。中学時代、突然のように起こった父の死に囚われており、その事への逃避が、中二病になる切欠、特に、楽しかった過去のメタファーでもある、「不可視境界線」の存在を信じる切欠の一つとなった。 誕生日は6月12日、身長150cm体重47kg、血液型A型、スリーサイズB78W53H80。
五月七日 くみん (つゆり くみん)
私立銀杏学園の高等部2年4組所属。同好会極東魔術昼寝結社の夏所属。おっとりとしたマイペースな天然少女。若干、ぼーっとしている所もあり、物忘れをする事が多いが、洞察力に優れた側面もある。こでも寝られる特技を持つ。 飼い猫のどどめんを探していたところで、富樫勇太や小鳥遊六花と知り合う。極東魔術昼寝結社の夏のメンバーの中で、唯一中二病とは無縁な存在だが、中二病的な事に抵抗はない。 「昼寝部」という部活を作ろうとしていたが部員が集まらず、小鳥遊六花の「極東魔術結社」と合流する形で、「極東魔術昼寝結社」として念願の「昼寝部」を手に入れた。昼寝にかける情熱は本物で、その日の気分にあわせて使えるように、ロッカーに多数のマイ枕をしまっている。 一色誠の坊主頭に興味を持ち触った事により、彼に惚れられるが、くみんはまったく気が付いていない。誕生日は10月14日、身長155cm体重54kg、血液型O型、スリーサイズB89W56H82。
極東魔術昼寝結社の夏 (きょくとうまじゅつひるねけっしゃのなつ)
『中二病でも恋がしたい!』の登場組織。私立銀杏学園の同好会。小鳥遊六花を代表とし、富樫勇太、丹生谷森夏、凸守早苗、五月七日くみんが所属する。幾つかの部に体験入部したが、居場所を見つけられなかった六花が、学校に「拠点」を求めて設立した。 勇太と二人で始めた時は極東魔術結社、凸守とくみんが加わった時は極東魔術昼寝結社、森夏がさらに加わった時は極東魔術昼寝結社の夏と、名前が追加されて行き現在の形となった。 一色誠もくみん目当てに出入りし、実質的にメンバーの一人となっている。4組の担任九十九七瀬が顧問を務め、ボランティアとして学校の雑用をするのが、公式的な活動内容。 部室には、電気で青く光る魔法陣が敷かれる。
小鳥遊 十花 (たかなし とおか)
小鳥遊六花の姉で一緒に暮らしている。ロングヘアでスタイルが良い美人。六花に似た、細めのアホ毛を持つ。姉御肌で、気は強いが、優しく面倒見が良い。口数は少なく、偶に言うジョークは唐突過ぎて余り笑えない。 料理の腕は一流で、レストランのシェフを仕事としている。六花の保護者的存在でもある。新体操の経験者で身体能力は非常に高い。六花の中二病には手を焼き、オタマを武器に厳しい態度で接する。 重度の猫アレルギーで、六花の拾ってくる猫への対処に苦労している。元・中二病であることをネタに、階下に住む富樫勇太を強請り、六花の拾ってきた猫を押し付ける、やや強引な側面も持つ。
富樫 勇太 (とがし ゆうた)
ナレーションも担当する。私立銀杏学園の高等部1年4組所属。同好会極東魔術昼寝結社の夏所属。妹が二人がいる事もあり、面倒見がよい。成績は全般的に優秀だが、英語教科はやや苦手。父母が不在な事が多い所為もあり、家事は得意。 中学時代に中二病になり、「魔王」や「ダークフレイムマスター」になりきり妄想を闇ノートに書き留めていた。呪文「闇の炎に抱かれて消えろ!」を唱えたり、武装して外出したり、蛍光灯でピラミッドを作って瞑想のフリをしてみたりと、周りを引かせつつ様々な行為を行っていたが、ある時周囲に迷惑をかけていた事を自覚、中二病の忌まわしい記憶を封印した。 過去を知る知り合いとは違う高校に進み、心機一転して充実した高校生活を満喫しようとするが、入学式当日、校内でうっかり中二病ころの癖を出してしまった所を小鳥遊六花に見られてしまう。 中二病真っ盛りの彼女に親近感を抱かれ、ややなし崩し的に、彼女の言う所の「契約」をするに至り、さらには、同好会極東魔術結社を立ち上げに巻き込まれる。 中二病とは距離を置きたがるも、生来の面倒見の良さもあり、彼女の妄想や設定から来る、行き過ぎた行動には容赦無くツッコミをいれつつも、行動を共にし続ける事になった。 「ダークフレイムマスター」になりきると、声が渋くカッコよくする事ができる。共にクラス委員長に務める丹生谷森夏を意識する時もあったが、その本性を知った後は気のおけない悪友的な関係となる。 六花とは、当初はツッコミを入れつつ面倒を見る相手だったが、極東魔術昼寝結社の夏の活動や、彼女の実家で中二病に成った経緯を知るなど、共に様々な経験をしていくうちに、次第に彼女に惹かれていく。 「我が名は、ダークフレイムマスター。闇の炎に抱かれて消えろ!」を決め台詞とする。誕生日は7月7日、身長170cm体重60kg、血液型A型。
一色 誠
私立銀杏学園の高等部1年4組所属。富樫勇太の友人。軽音楽部所属だが、同好会極東魔術昼寝結社の夏に良く顔を出す。真面目でノリの良い少年だが、女子のプロフィールなどを集めて、メモ帳に纏める変態でもある。 ボサッとした髪型だったが、物語中盤、クラスの女子を品定めする選手権を密かに主催していた事がバレ、責任を取り坊主頭となる。坊主頭に興味を持った「五月七日くみん」になでられた事が切欠で、くみんに好意を持つ。 彼女目当てで同好会に入り浸るが、好意には気付いてもらえない。
丹生谷 森夏 (にぶたに しんか)
私立銀杏学園の高等部1年4組所属。学年成績トップの優等生で、長身でスタイルも良い美少女。栗色のロングヘアで、前髪にピンクの大き目のヘアピンを付けている。黒髪ロングにロングスカート姿にイメージチェンジした事もあった。 クラスでは富樫勇太とクラス委員を務める。卒無い性格で面倒見も良く、一見非の打ち所が無い様に見えるが、その実は猫を被っており、素はやや高圧的で自己中心的。中学時代は魔術師もしくは精霊巫女になりきり、「モリサマー」と名乗っていた。 当人は必死に隠そうとするが、「精霊とお話する方法」、「呪いを操る方法」、「異世界への移動法」などを唱え、ネットで活躍したり、現実世界で奇行に及んでいたりと、勇太にも引けをとらない黒歴史を持つ。 勇太と同様、中学卒業共に、中二病だった過去を消し、新天地で心機一転しようとしたが、消し切れてはおらず、ふとした隙に、スピリチュアルな発言を漏らしたり、「呪い殺す」と脅したりと、中二病的側面を見せる。 モリサマーに心酔する後輩、凸守早苗が自分の発言が載ったウェブページの掲示板の写し「闇聖典(マビノギオン)」を持ってる事を知り、写しを処分しようと奮闘する。 その過程で凸守が所属する、小鳥遊六花が作った同好会極東魔術昼寝結社に入る事となり、様々な経緯の結果、そこに居つく形となった。後にモリサマー本人であると明かすが、凸守には信じて貰えず、偽・モリサマー、偽サマーと呼ばれる事となる。 同好会でも面倒見の良さは発揮され、電車に酔った凸守を介抱したり、恋に悩む六花の相談相手となってアドバイスするなどをした。 当初はチアリーディング部と兼部していたが、人間関係に嫌気がさし退部している。誕生日は8月30日、身長165cm体重57kg、血液型B型、スリーサイズB86W57H83。
凸守 早苗 (でこもり さなえ)
私立銀杏学園の中等部3年。同好会極東魔術昼寝結社の夏所属。金髪をツインテールにし、先を団子状にして袋で纏めるという、特徴的な髪型をしている。前髪が短くオデコが目立ち、時に輝く。一人称は「凸守」。 ネット上で知り合った小鳥遊六花の中二病友達で、自称、唯一無二なサーヴァント。自己設定では、ミョルニルハンマーの使い手。「です!」、「でーす!」と「DEATH」の意味と思しき語尾をつける事が多い。 毛先の袋を重しとしてツインテールを勢いよく振り回し、ポーズを付けたり、攻撃行動を取る。しかし、身体を回転させて酔ったり、髪を身体に絡ませたり、自ら踏んで転ぶなど、残念な結果になる事が多い。 アホの子的な奇行とは裏腹に、学年成績トップの優等生。背が低い事を気にしており、乳製品を取る事を薦められているが、苦手で摂取する事が出来ない。近視持ち。呪文を唱えて拡張世界(妄想世界)に入る事が出来ると言う設定を信じ、その世界では、巨大な槌の形をとるミョルニルハンマーを振り回す。 一年前にネット上で「異世界への行き方」を教えてくれた、モリサマーにも心酔しており、ネットの掲示板から言葉を集め「マビノギオン(闇聖典)」に纏め愛読している。 当時モリサマーを名乗っていた、丹生谷森夏 を本人であると認めず、偽・モリサマー、偽サマーと呼んでいる。森夏とは、モリサマーや中二病の件などで、いがみ合う反面、懐いている側面もあり、不在になった時などは落ち込んだ。 ファーストキスの相手は丹生谷森夏 。誕生日は8月9日、身長143cm体重45kg、血液型A型、スリーサイズB72W53H70。
その他キーワード
邪王真眼 (じゃおうしんがん)
『中二病でも恋がしたい!』の用語。黄金に輝く小鳥遊六花の右眼。「邪眼」であり、聖なる心によって闇の力を御している。力が発動したときは、雪の紋章が浮かび上がる。拡張世界(妄想世界)では、マシンガンの様に魔力弾を打ち出すガンティンクルという技も使える。 または、六花の右目に装着した黄色のカラーコンタクトに付けられた設定。
ダークフレイムマスター
『中二病でも恋がしたい!』の用語。「闇の炎の使い手」とも呼ばれる。14才で自分の力に覚醒し、旅に出た。途中で闇の竜の力を狙う組織や、過去の敵の生まれ変わりと、やむを得ず戦うことになる運命を背負った宿命。 黒ずくめの衣装に、「魔剣 ダーインスレイヴ」と「魔銃 Super Government 45 mugunam」を装備する。右腕には宿した黒炎龍を封印するために包帯を巻いている。 第二形態は「闇炎神究極第二形態(ディザナ・ゲルゾニアンサス)」となる。愛車として世界に一台しかない「ダークフレイム・モービル -オメガロメオZIII-」を所有。という設定の富樫勇太の中二病時代の自称名。