概要・あらすじ
中学3年生の黒岩晶は、新担任としてやって来た末永聖のことが気になっている。だが、聖といるとなぜかイライラして攻撃的な態度を取ってしまい、いつも彼女を傷つけてしまうことに悩んでいた。しかし、度重なる偶然により2人の距離は少しずつ近づき、花火大会の日に大きな変化が訪れる。
登場人物・キャラクター
黒岩 晶 (くろいわ あきら)
子星中学校に通う3年生の男子。前髪を左寄りの位置で斜めに分けて額を見せ、襟足まで髪を伸ばしている。マイペースでナイーブな、やや世間知らずな性格。校内では真面目で特に問題のない生徒だったが、新任教師の末永聖といる時だけは心が落ち着かず、衝動的にぶったり、きつい言葉を放ってしまったり、攻撃的な態度を取ってしまうことに悩んでいた。 やがて聖に婚約者がいると知りながらも強く惹かれていることに気づき、思い悩むようになる。岩崎るなに想いを寄せられていることには気づいているが、彼女にはあまり関心を持っていない。
末永 聖 (すえなが ひじり)
子星中学校で黒岩晶のクラスの担任を務める、25歳の女性教師。担当教科は国語。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアをしている。右目の真下にほくろがある。おっとりとした性格で、やや要領が悪く隙が多いことから、男性には好かれるものの女性からの評判は芳しくない。教師になることは学生時代からの夢だったが、それも周囲の意見に流された部分が大きく、晶に「教師に向いていない」と指摘されたのをきっかけに思い悩むようになる。 遠距離恋愛中の婚約者の川合勝太郎がいるが、お互いに多忙なため、あまりコミュニケーションはとれていない。そんな折に晶の想いを知り、晶に惹かれていく。
岩崎 るな (いわさき るな)
黒岩晶のクラスメイトで、同じ子星中学校に通う3年生の女子。前髪を左から右に向かって斜めに分け、肩につくほどの長さのセミロングヘアをはねさせている。物おじせずはっきりものをいう性格で、誰に対しても容赦がない。晶に想いを寄せており、彼を惑わす末永聖のことを強く敵視している。兄弟が多く、兄と弟が1人ずつ、妹が2人いる。 しかし父親はおらず母子家庭。
川合 勝太郎 (かわい しょうたろう)
末永聖の婚約者で、大手企業に勤める会社員の男性。聖とは大学の同級生だったが、1年間休学してバックパッカーをしていたため年齢は1歳上。前髪を眉上で短く切り、襟足まで伸ばした髪型をしている。明るく爽やかで、聖のことを大切に想っているが、仕事が多忙なせいで聖と過ごす時間はほとんどとれていない。
九重 順一郎 (ここのえ じゅんいちろう)
黒岩晶の友人で、同じ子星中学校に通う3年生の男子。坊主頭で、目が細い。末永聖に憧れていたが、聖に婚約者がいると知りショックを受ける。ある日黒岩晶の母親から聖について聞かれるが、その際の回答がきっかけで大きな事件が起きてしまう。
白石 淳紀 (しらいし あつき)
岩崎るなの友人で、同じ子星中学校に通う3年生の女子。前髪を眉上で短く切りそろえ、顎の高さまで伸ばしたボブヘアをしている。目が細い。落ち着いたマイペースな性格だが、るなのことは大切に想っている。るなと同様に末永聖のことは快く思っていない。
黒岩晶の母親 (くろいわあきらのははおや)
黒岩晶の母親。バリ雑貨輸入販売会社「有限会社サマサマ」の社長を務めており、年齢は38歳。前髪を上げて額を全開にし、腰まで伸ばしたロングヘアをしている。このところの晶の態度を不審に思っており、学校で何かがあったのではないかと勘ぐっている。そんな折にスタッフの上布から末永聖の悪い噂と、晶と聖が映っている写真を見せられ、2人の関係を疑うようになる。
塩谷 三千代 (しおや)
子星中学校に勤める中年の女性教師。前髪を眉上で切ってラウンド前髪にし、顎の高さまで伸ばしたボブヘアをしている。眼鏡をかけ、鼻が大きい。校内ではスクールカウンセラーも務めているが、口うるさく思い込みの激しい性格で、生徒たちからは煙たがられている。黒岩晶のことを快く思っておらず、嫌味を言ったり説教したりしている。
田辺 (たなべ)
子星中学校に勤める傍ら、塾講師としても働く男性教師。前髪を左寄りの位置の眉上で斜めに分けた短い髪型に、丸眼鏡をかけている。子星中学校のホームページの更新などを手掛けており、インターネット上に流れる校内の噂についても詳しい。また、勤めている塾が末永聖の自宅付近にあることから、聖の住むマンションの1階にあるコンビニをよく利用している。 ある日そのコンビニで黒岩晶を目撃し、黒岩晶の母親にそれを伝えたことで、晶と聖の関係が大きく変わってしまう。
上布 (じょうふ)
バリ雑貨輸入販売会社「有限会社サマサマ」に務める若い女性スタッフ。前髪を眉上で短く切りそろえた肩につくほどのセミロングヘアで、眼鏡をかけている。「上布」という苗字の発音がやや聞き取りにくいことから、聞き返されるのが面倒で、あだ名の「ジョフィ」で通している。インターネットの閲覧や噂話が大好きで、特に黒岩晶らの通う子星中学校は母校であることから、学校の噂について書かれたサイトをよく閲覧している。 その際に末永聖の悪い噂を知り、黒岩晶の母親に伝える。
原口 (はらぐち)
川合勝太郎の、会社の先輩にあたる若い女性。前髪を左寄りの位置で上げて額を見せ、肩につかない長さのウェーブがかったボブヘアをしている。マクロビアンかつバイセクシュアルで、自由な思考の持ち主。末永聖とも面識があり、彼女のことを、たとえば遠距離恋愛で長期間会えない生活が続いても、自由に他の男性と関係を持つようなことはない、一般的な女性と捉えている。
粕谷 (かすや)
子星中学校に務める女性教師。前髪を眉上で短く切りそろえ、顎の高さまで伸ばしたウェーブがかったボブヘアをしている。一見明るく穏やかだが、笑顔で辛辣なことや意地悪を言う性格。教師になったのは、教員免許を取得できたことと、地元の学校に空きがあったためで、教職に特に深い思い入れはない。校内では末永聖の先輩教師として聖の面倒を見ることが多いが、内心では「聖は教師に向いていない」と考えている。