概要・あらすじ
中学校の卒業式、松乃かなでは、同級生の優木に思い切って告白した。優木の返事は「お願いします」。こうして、同じ高校に進学する2人は付き合うことに。そんな夢みたいな卒業式から2か月後の5月。入学した高校で、松乃はひとりスマホの写真に見いっていた。被写体は優木。優木が部活とバイトで忙しいので、2人はまったく会うことができない。
松乃はストーカーのごとく、彼の写真をとりまくり、それをひたすらながめる日々を送っていた。そんな松乃を見て、隣の席の男子・丹羽翠は、「松乃ってストーカー?」と疑問を投げかける。慌てて、優木と付き合っていることを主張する松乃。しかし、丹羽は疑わしい目つき。彼氏以外の男子と必要以上に近づきたくない松乃は、係わり合いを避けようとするが、丹羽はぐいぐいと距離を縮めてくる。
独特の思考法で袋小路にはまっている松乃に興味津々な丹羽は、彼女に「優木が自分のことをどう思っていると思うか」と尋ねられると、「自然消滅」とあっさり回答。激しく落ち込む松乃だったが、丹羽はそんな彼女を優木のもとに連れて行き、背中を押す。おかげで、松乃は久しぶりに優木と話すことができたのだった。
大喜びの松乃は、優木とさらに親密に付き合うためのアドバイスを、丹羽に求める。丹羽はややシニカルな調子ながら、松乃にイメチェンするように助言。彼女は精一杯努力し、優木との仲を深めようとする。しかし、優木に好きな人がいる感じとった松乃は、自分から彼に別れを告げてしまう。そんな傷心の松乃に、丹羽は、「お前すげーかっこよかった」と優しい言葉をかけ、そのまま映画に誘う。
ぶっきらぼうな態度の中に温かな優しさを感じた松乃は、丹羽に友情を感じ始める。だが、その翌日、「自分には松乃と関わる呪いがかけられている」と、彼に感じた友情をあっさり否定されてしまう。なんとも不思議なふたりの関係だが、この後もどんどん迷走していくこととなる。
登場人物・キャラクター
松乃 かなで (まつの かなで)
末永高校に通う高校1年生。明るくて一生懸命な性格であるが、独自の思考方法で気持ちが袋小路に入ってしまう時がある女の子。中学校の卒業式で優木に告白して受け入れられ、彼の彼女となる。しかし、同じ高校に進学したものの、優木は部活とアルバイトに忙しく、疎遠になってしまう。そんな彼との関係を修復するため、隣の席の男子・丹羽翠にアドバイスを求め、一度はよりを戻す。 だが、その後、「彼には他に好きな人がいる」と思い込んでしまい、自分から別れを切り出してしまう。悲しみにうちひしがれる中、丹羽の優しさに触れ、彼と友達になりたいと思う。しかし、丹羽には「自分には松乃と関わる呪いがかけられている」と、微妙に拒否されてしまう。
丹羽 翠 (にわ みどり)
末永高校1年生の男子。松乃かなでのクラスメイト。いつもスマホで優木の写真を見ている松乃に、「ストーカー?」と声をかけたことをきっかけに、彼女と会話するようになった。女子にはぶっきらぼうな態度をとりがちだが、見た目の良さで人気が高い。松乃に頼まれ、優木との仲を修復するためのアドバイスをした。結局、自分から別れを切り出した松乃を「すげー、かっこよかった」と慰めるなど、優しい心根の持ち主。 ふたりの間に友情が目覚めたと思い込んでいる松乃に、「自分には松乃と関わる呪いがかけられている」と突き放した。
優木 (ゆうき)
末永高校1年生の男子。松乃かなでの元彼氏。中学の卒業式に松乃に告白され、ふたりはつきあうようになった。しかし、高校に入学すると、優木は部活とバイトで忙しくなり、松乃と疎遠になってしまう。結局、優木には別に好きな人がいると思った松乃に、別れを切り出されてしまった。体育委員。
森山 圭南 (もりやま かなん)
末永高校1年生の女子。バレーボール部所属。南中学校出身。身長165センチ。松乃かなでは、森山圭南が優木の好きな人であると思い込み、彼に別れを告げることとなった。優木と同じく体育委員会に所属している。
七緒 ハルカ (ななお はるか)
末永高校1年生の女子。松乃かなでのクラスメイト。雑誌に写真が載るような美少女だが、クラスではいつもひとりで過ごしている。優木に別れを告げた後、クラスに友達がひとりもいないことに気づいた松乃が、女子の中で最初に声をかけた相手。思ったことをすぐ口にする性格。その上、空気を読むのがヘタで、ひとりで過ごしていたが、実はきさくで飾らない性格の女子。 恐ろしく汚い字を書く。
場所
末永高校 (すえながこうこう)
松乃かなでや丹羽翠、優木、七緒ハルカらが通う高校。男女共学。松乃かなでは1年6組所属。