桜蘭高校ホスト部

桜蘭高校ホスト部

葉鳥ビスコの代表作。不慮の事故からホスト部でホストとして働くようになった藤岡ハルヒとホスト部の面々たちの騒動を描いたラブコメ漫画。白泉社「LaLa」2002年9月号掲載の読み切り版を経て、2003年4月号から2010年11月号まで連載。2006年のテレビアニメ化、2011年7月のテレビドラマ化をはじめメディアミックス多数。

正式名称
桜蘭高校ホスト部
ふりがな
おうらんこうこうほすとぶ
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

女子であるにもかかわらず、訳あって男のような格好で生活している藤岡ハルヒは、上流階級の子息や令嬢をはじめとする金持ちばかりが通う私立高校・桜蘭高校に特待生として入学した。庶民の出という事もあり、金持ちの空気になじめないハルヒは、勉強ができる静かな場所を求めて、南校舎にある第三音楽室を訪れる。しかしそこでは、ヒマを持て余した上流階級の美少年達が、同じくヒマを持て余したお嬢様生徒をもてなす「桜蘭高校ホスト部」が活動中だった。未知の空間に迷い込んでしまったハルヒは、不注意から高級なツボを割り、800万円の借金を背負ってしまう。この借金を帳消しにする条件として、ハルヒは部長の須王環からホスト部の新入部員となって、100人の指名客を集める事を提示される。ハルヒは渋々その条件を承諾し、ホスト部の隠れ紅一点として、男子のふりをしながら女子生徒達を接待する事となった。そしてハルヒは、その初々しさと人を惹きつける魅力から、すぐに指名客を増やしていく。一方、ハルヒが抱える事情を知った環達は、ホスト部でのさまざまな出来事を経て、彼女への思いや関係を変化させていく。

第2巻

新学期を迎えた桜蘭高校では、身体検査の日が近づいていた。藤岡ハルヒの性別がばれてしまえばホスト部でいられなくなってしまうと考えた須王環達は、「ハルちゃんは断じて男の子」作戦を実行に移し、部員の総力をあげて、ハルヒの秘密を守ろうとする。そして迎えた身体検査当日、ハルヒは環達の助けを受け、ほかの生徒達とは別の部屋で身体検査を受ける事になった。しかしそこに見知らぬ医者が紛れ込み、不審人物の気配に気づいた環達は、すぐにハルヒを助け出す。環達の猛攻を受けた医者は観念して「野武」と名乗り、妻と出て行って以来しばらく会っていない娘の顔を見に来たと、身の上話を始める。しかし野武の娘が通っていたのは、桜蘭高校ではなかったのである。一同があきれかえる中、環は娘を思う野武を激励し、彼に娘の学校への地図を渡すのだった。

第3巻

藤岡ハルヒがうっかり口にした「海なら行ってもいい」の一言に反応し、桜蘭高校ホスト部の面々はプライベートビーチへの海水浴を決行。白い砂浜の中、ハルヒのかわいい水着姿を期待する須王環達だったが、ビーチには多くの女子が招かれ、「出張ホスト部」状態になってしまう。女子に囲まれくつろぐヒマもない中、部員達はふだんから女子らしいそぶりを見せないハルヒには弱点がないのかと疑問を覚え、さまざまな方法で彼女の弱点を探ろうとする。そこへナンパ男達が現れ、ゲストの女子に絡み始める。男達に一人で立ち向かったハルヒは、間一髪で環に助けられて無事だったものの、彼女の無謀な行為に環は激怒。二人はこれまでにないほど険悪になり、楽しかった海水浴は空気が一変してしまう。

第4巻

庶民の生活への好奇心から、ヒマを持て余した桜蘭高校ホスト部の面々は、須王環の提案で藤岡ハルヒの自宅に押しかける事になった。環達にとって、庶民の家はまさにワンダーランドとも言える場所で、金持ちの常識など一切通用しない世界だった。それでもハルヒが貧富の差に悩まないよう、環達は自分なりの気づかいを始める。そんな中、見当違いな気づかいで空回りしていた環は、滑ってハルヒを押し倒し、その現場を帰宅したハルヒの父親・藤岡涼二に見られてしまう。これにより涼二の環に対する第一印象は最悪なものとなり、涼二は彼をなにかと敵視するようになる。思いがけず過酷な試練を与えられる事となった環は、マイナスのイメージを払拭するために必死に奮闘する。

第5巻

高校生活最初の夏休み、藤岡ハルヒは軽井沢のペンションでアルバイトをする事になった。父親の友人みすずの経営するペンションで働きながら、勉強に力を入れるつもりだったハルヒであったが、ハルヒを追って桜蘭高校ホスト部の部員達がペンションを訪れ、夏休みプランは早くも崩れ去ってしまった。しかし、ペンションの空き部屋はたったの一室のみ。須王環達はこの一室を巡って、「さわやか度」を競う「客室争奪戦・さわやかアルバイトin軽井沢」をする事になった。ルールは、人手が足りないペンションでアルバイトをして、その中でさわやかさをアピールし合い、一番だった者が客として宿泊できるというもの。こうして環達は、軽井沢にふさわしいさわやか青年を目指して、慣れないアルバイトをしながら競い合う。鳳鏡夜の作戦もあって、争奪戦が盛り上がりを見せる中、環達の存在を脅かすほどの、本物のさわやか青年が出現する。

第6巻

藤岡ハルヒがトランプ勝負で鳳鏡夜達に敗北して「大貧民」になる中、桜蘭高校では学祭のシーズンが近づいていた。父兄や来客に団体ごとに企画や出し物を披露するのは変わらないが、桜蘭高校がほかの学校と決定的に違うのは、やはり金のかけ方であった。豪勢な学祭準備にハルヒが驚く中、注目度の高い「中央棟サロン」の使用候補団体が発表される。中央棟サロンは来客の目につきやすい事から、毎年多くの生徒が欲する人気エリアだった。さらに、このサロンを巡って争奪戦が行われる事も明らかになる。当然のようにサロンの獲得を目指す桜蘭高校ホスト部は、争奪戦における最強ライバル・アメフト部に異様な闘争心を燃やしていた。しかし、そんなホスト部のもとに、「争奪戦を辞退せよ」と書かれた脅迫状が何通も届く。トランプ勝負の罰ゲームも兼ねて、鏡夜から脅迫状の犯人を探して叩き潰すよう命じられたハルヒと須王環は、わずかな情報をもとに犯人探しを始めるのだった。

第7巻

桜蘭高校ホスト部の活動を続ける中で、一般庶民の藤岡ハルヒは、金持ちの家系に生まれたホスト部部員達とのあいだに、大きな壁を感じるようになっていた。夏休みも終わりが近づいたある日、鳳鏡夜は地方物産展が開催されているデパートの中に立っていた。須王環が庶民の事を知ろうと地方物産展を見に行く事になり、鏡夜は彼に無理やり連れられて、いつの間にかデパートに来ていたのである。低血圧で寝起きが悪い鏡夜は、不機嫌になりながら一人で帰ろうとするが、そこで地方物産展目当てでデパートに来ていたハルヒと遭遇。そのままハルヒと行動する事になった鏡夜は、骨董品を物色する老婦人と出会う。自分のメリットになる行動しかしない鏡夜が、その老婦人に対し意外な行動に出たのを目にしたハルヒは、彼の意外な一面と鳳家の事情を知る事となる。

第8巻

夏が終わる頃、藤岡ハルヒのクラス・1-Aでは、クラスメイトの親睦企画として「校内肝試し大会」が開催される事になった。しかしクラス委員長の相賀は、実は暗所恐怖症で怪談や幽霊を大の苦手としていた。それでも片思いしている女子・倉賀野のために肝試しに同意した相賀は、そのままクラスメイトと共に準備を進めていく。肝試し当日、相賀の思いと事情を知ったハルヒ、そして常陸院光常陸院馨は、肝試しの最中に倉賀野にかっこ悪いところを見せたくないという相賀に協力する事になる。一方、肝試し大会の存在を知った黒魔術部では、ホラー好きの猫澤梅人を中心に、底なしの恐怖を演出するための計画が立てられていた。相賀と同じグループになったハルヒと常陸院兄弟は、校内を回る中で次々と謎の怪奇現象に遭遇する。そして階段で複数の骸骨に遭遇したハルヒは逃げる途中で足を滑らせ、近くにいた光と共に巨大な網に絡まってしまう。

第9巻

「常陸院ブラザーズ」こと常陸院光常陸院馨の二人は、兄弟の絆こそ強いものの昔から周りを見下し、いつも心を閉ざして友人を作らずにいた。つまらない事にはいっさい興味がなく、ヒマつぶしのためなら人を使って遊ぶ事もいとわない身勝手で未熟な彼らは、他人とかかわろうとせず自分達の世界だけで生き、次第に誰もが寄りつかなくなっていた。そんな彼らに何度も声をかけ、桜蘭高校ホスト部に勧誘したのが、部長の須王環であった。入部の条件として光と馨からゲームを持ちかけられた環は、彼らをホスト部に引き入れるため、そのゲームに挑む事となる。ゲームのルールは、そっくりな双子である光と馨を見分ける事であった。環は瓜二つの二人をなかなか見分けられずに苦戦を強いられるが、そんな中、環が発した何気ない一言をきっかけに、光と馨は新しい世界に踏み出す決意をする。そして、ホスト部部員として新しい生活を始めた光と馨には、特別な出会いが待っていた。

第10巻

いつも黒装束をまとっている黒魔術部部長の猫澤梅人は、今日も桜蘭高校の一般生徒を怖がらせていた。そんな猫澤が率いる黒魔術部の紅一点・伽名月麗子は、自身の趣味である「呪い」の新たな生贄として、桜蘭高校ホスト部埴之塚光邦に白羽の矢を立てる。麗子に呪われるような事をした覚えがない光邦は、彼女の不気味な行為におびえていたが、彼女が呪いと言いながらやっている行為は、光邦への片思いを叶えるための恋のおまじないだった。光邦への思いをエスカレートさせる麗子は、次の日からも光邦に対して一方的なアタックを仕掛ける。一方の光邦は、呪い趣味が災いして友人がおらず、周りから浮いている麗子の事を心配するようになっていく。そんな光邦の心配を知らずにおまじないを続ける麗子だったが、その様子を見かねた銛之塚崇はある行動に出る。

第11巻

秋になり、桜蘭高校では体育祭の時期が近づいていた。白組の大将を務める鳳鏡夜と、赤組大将を務めるアメフト部部長・九瀬猛とのあいだでは、大将対決が繰り広げられる事になった。赤組になると同時に二人の大将対決を仕掛けた須王環であったが、本当の目的は過去の出来事で悪化した、鏡夜と九瀬の関係を改善させる事にあった。自ら九瀬の補佐役となった環は、鏡夜の事を誤解したままの九瀬を鏡夜と直接対決させる事で、誤解を解いて和解に導こうとする。そんな環の思惑を「おせっかい」と思いながらも、本気を出した鏡夜はその頭脳を活かして、白組勝利のための計略を次々と練っていく。そして秋晴れの日に迎えた体育祭当日。さっそくパン食い競走や男子100メートル競走が開始されるが、環達の意気込みもむなしく、いきなり白組が圧勝し優勢となる。ピンチになった赤組の生徒達はやる気をなくし始めるが、あきらめていない環は応援合戦で勝負に出るのだった。

第12巻

研修旅行のためにフランスに滞在中の鳳鏡夜は、旅行を欠席した須王環の代わりに、行方不明になっている環の母親アンヌ=ソフィーを捜す事になった。一方、桜蘭高校ではいつもなかよしだった双子の常陸院光常陸院馨が、大ゲンカをしたままになっていた。馨から離れた光は、銛之塚崇の家に泊まっていた。そんな中、自分の気持ちにケリをつけようとする馨は、藤岡ハルヒに告白する事を決意。ハルヒがケンカしたままの二人を心配する中、馨は放課後に彼女を遊園地に誘う。複雑な思いを抱えたままの光も、崇と埴之塚光邦に連れられて、同じ遊園地に来ていた。そして、馨はついにハルヒにその思いを告げる。ハルヒに告白した事で長らく積もっていた気持ちを整理した馨は、銛之塚邸にとどまっている光のもとへ急ぐのだった。

第13巻

桜蘭高校2年生の研修旅行が終わった頃、桜蘭高校ホスト部は営業を再開。常陸院光常陸院馨のケンカ騒動も無事終わり、二人はさらに絆を深めていた。そんな中、須王環はサービス業を志すようになり、ホスト部の本格的な経営にも力を入れるようになる。環はホスト部や学業の傍らで父親の仕事を見学したり、サービス業の本を読む事も多くなり、将来の目標に向かって進んでいた。一方で、藤岡ハルヒは以前から原因不明のカゼのような症状に悩まされていた。その症状は特に環の前に出ると強く現れ、ハルヒは無意識に環を避けるようになる。そんなハルヒの前に安村メイが現れ、ハルヒはメイに自分の悩みを相談する。ハルヒの気持ちをすぐに察したメイは、恋の診断について書かれた雑誌を渡すが、その雑誌を読んだハルヒはますます困惑してさらなる悩みを抱えてしまう。一方、ハルヒへの思いに悩み続けていた光は、環にハルヒへの思いを告げて宣戦布告を果たすのだった。

第14巻

冬休みに入り、藤岡ハルヒのクラスは倉賀野のプライベートスキー場にて、クラスメイトと共にスキー旅行を楽しむ事になる。次々とトラブルも発生する波乱の旅行の夜、ハルヒと同室になった常陸院光は彼女に思いを告げる。ハルヒからの返答は保留となるが、スキー旅行から数日後、年末の常陸院家で忘年会パーティーが開催される事になった。パーティーに招かれたハルヒは、光に対して告白の返事をする。ハルヒにふられてしまったものの、彼女が須王環への思いをはっきりと自覚していないと悟った光は、環を呼び出してさらなる宣戦布告をする。光から「過去と本音に向き合うべきだ」と指摘された環は、自分の過去と本音、そしてハルヒへ向けている感情について少しずつ考え始める。そして新年を迎えたハルヒ達は、みんなで浅草へ初詣に行く事になった。環とぎこちない状態が続いていたハルヒだったが、環達と離れた瞬間に何者かに連れ去れられてしまう。

第15巻

桜蘭高校ホスト部のイベント中の事故で須王環が助けた鹿谷愛は、神戸からやって来た転入生だった。しかも、愛は環の脳内でいつも妄想している藤岡ハルヒにそっくりな少女だった。愛と出会った事で、ハルヒの事でずっと悩み続けていた環の心情に、大きな変化が訪れる。そんな中、ハルヒの企画で「ホスト部杯・校内カレー作りオリエンテーリング大会」が開かれる。優勝賞品は「ホスト部部員に1日どんな願いでも聞いてもらえる権利」。興味を持った九瀬猛笠野田律も参加し、ハルヒに促された環は、トラブルから部員を守るために愛と共に参加する事になった。環を心配するハルヒは珍しく自分から積極的に動き、企画を成功させるために奮闘する。そんなハルヒを見た環はオリエンテーリングに参加する中で、ハルヒ達がこの企画を始めた意図に気づく。そして環は愛と過ごす中で、ハルヒに抱く思いと、自分のトラウマにようやく向き合う事になる。

第16巻

桜蘭高校では卒業式が迫り、3年生の埴之塚光邦銛之塚崇も卒業が近づいていた。しかし、卒業間近にして光邦と崇の関係が悪化し決裂、二人は主従対決となる決闘を繰り広げる事になる。二人の決闘は学校内でも話題になり、新聞部も大きく騒ぎ立てていた。決闘宣言以来、一度も口を聞いていないままの二人を藤岡ハルヒ達が心配する中、丘の上でついに決闘が始まる。多くの生徒達が見守った決闘は、光邦が場外に出た事で崇の勝利となった。後日、卒業式も無事終了するが、光邦と崇は卒業後もOBとして、桜蘭高校ホスト部の活動を続ける事が判明。今後も先輩達と離れないで済むと安心した須王環は、謝恩会の途中でハルヒにその事を伝えようと急ぐ。しかし廊下で話をする途中で、環とハルヒのあいだにとてつもないハプニングが発生する。一方、須王財閥では、環が須王静江達の住む、須王家本邸に入る事が決定していた。

第17巻

須王家本邸での生活を始めた須王環は、桜蘭高校ホスト部を辞めると宣言。部長である環の退部騒動を受け、ほかのホスト部部員も無期限活動停止を命じられる。本邸入りした環はなかなか身動きが取れず、祖母の須王静江との関係修復にも悪戦苦闘していた。そんな中、行き場をなくして学校をサボっていた藤岡ハルヒは、高坂由布子を通してホスト部の活動停止を知る。環が隠していた真意と本音を察したハルヒは、ホスト部入部以前の自分に戻ると宣言し、見た目もイメージチェンジする。学校で環と再会したハルヒは、元の姿に戻った理由を正直に話して環を励まし、ホスト部は静かに解散となった。一方、環を信じながら待ち続ける鳳鏡夜達は、祖母の事で悩みながらも、長い戦いを始めた環を助けるために動き出していた。そして鏡夜達は、須王譲が裏で進めていた計画をつき止める。譲の策略により、静江は須王財閥会長の座を失う。静江との和解を進めていた環は、彼女の失脚にショックを受け、譲とも大きなすれ違いを起こしてしまう。

第18巻

桜蘭高校で出会った多くの仲間達の力を借りて、須王環は3年ぶりにアンヌ=ソフィーとの再会を果たす。押し殺していた願いをようやく果たした環を見て安心した藤岡ハルヒは、彼に自分の気持ちを告白する。とまどいながらも二人はようやく互いの思いを交わし合い、相思相愛となった。須王譲須王静江も和解し、静江は須王財閥の相談役に就任。同時に、環の桜蘭高校ホスト部への復帰も認められる事になった。ホスト部にいつも通りの日常が戻る中、ハルヒは密かにボストン留学の事で悩んでいた。そんな中、環はハルヒを休日の初デートに誘う。当然のように環とハルヒを尾行しデート見守るホスト部部員であったが、その途中で白百合の会「ヅカ部」と遭遇する。ハルヒを慕っているヅカ部から、ハルヒが性別を隠し続けている現状について指摘された鳳鏡夜達は、ハルヒの隠し事について改めて考え始める。一方、ハルヒの母親に挨拶をしたいと言う環の希望で、環とハルヒは藤岡琴子の墓を訪れていた。

登場人物・キャラクター

藤岡 ハルヒ (ふじおか はるひ)

桜蘭高校に奨学特待生として入学した女子で、1-Aに在籍している。中性的な見た目で、一人称は「自分」。幼少期に母親を亡くしたあとは父親の藤岡涼二に男手一つで育てられて来たため、おしゃれなど女子らしい事に興味がなく、ふだんは男子のような格好で過ごしている。一般庶民だが成績優秀で、特待生として桜蘭高校に入学した。しかし、偶然訪れた桜蘭高校ホスト部のツボを割ってしまい、800万円の借金を帳消しにするために入部する。以降、須王環を中心とする部員達に振り回されたり、価値観の違いに辟易しながら、男子のふりをしてホスト部を続けている。将来は法学部に進学し、母親の藤岡琴子の職業であった弁護士になることを目指している。勉強は得意だが大半の事に無関心かつ無感動で、天然な面も見られる。ふだんは淡々としているが、大雑把な性格が災いして時おり無自覚な毒舌家になり、悪意のない強烈な一言を放っては、環をはじめとする周囲の者を落ち込ませている。一方で他人の特徴や行動を細かく観察するのが得意で、些細な変化から本音や真意を察する事もある。無自覚ながら女子らしい面や律儀な面もあり、周囲からの信頼は厚く、ホスト部部員を中心に周囲から慕われている。虫や高所は平気だが、雷が大の苦手。

須王 環 (すおう たまき)

桜蘭高校に通う2年生の男子で、2-Aに在籍している。桜蘭高校の理事長を務めている須王譲の息子。桜蘭高校ホスト部を創設し、自ら部長を務めると同時に、高い指名率を叩き出している。一部のホスト部部員からは「殿」や「キング」と呼ばれている。天性の女たらしだが、男女問わず人気がある。反面、ナルシストでいじけやすいなど、子供っぽい面もある。色恋沙汰には鈍感で、当初は藤岡ハルヒを娘のように思っていたが、次第に女子として意識するようになる。ハルヒへの思いは父性だと思い込んでいるため、藤岡涼二とよく似た親馬鹿行動が多く、親馬鹿の扱いに慣れたハルヒには軽くあしらわれている。フランス人の母親を持つハーフで、幼少期は母のアンヌ=ソフィーと共にフランスで暮らしていた。しかし妾の子であるため、祖母の須王静江からは、冷たい態度を取られている。14歳の時に日本に呼ばれて桜蘭学院中等部に編入し、鳳鏡夜と知り合う。桜蘭高校入学後は、鏡夜と共にホスト部を設立した。時代劇や人情ドラマを好み、情にもろくお人好しな性格。落ち込みやすい反面、苦難に立たされてもポジティブに立ち向かい、須王家の複雑な事情も苦労しながら乗り切った過去を持つ。部長としての威厳はないが、明るくポジティブな人柄から、部員達の信頼は厚い。

鳳 鏡夜 (おおとり きょうや)

桜蘭高校ホスト部の副部長を務める男子生徒。一見爽やかな優男だが、その笑顔の裏では自分のメリットになることしかしないという計算が常になされている。三男として産まれたために、兄たちを立てて出しゃばらないという立ち位置を取っていたが、須王環と関わりあうなかで跡継ぎを目指すようになる。

常陸院 光 (ひたちいん ひかる)

桜蘭高校ホスト部に所属する男子高校生。双子の弟・馨と共に「禁断の兄弟愛」というネタで客をもてなしている。イタズラ好きで子供っぽい性格。自分と馨の二人とそれ以外の存在との間に境界を作り、他人をおもちゃのように扱っていたが、藤岡ハルヒの存在で少しずつ変わっていく。

常陸院 馨 (ひたちいん かおる)

桜蘭高校ホスト部に所属する男子高校生。双子の兄・光と共に「禁断の兄弟愛」というネタで客をもてなしており、受け担当。双子で人をおもちゃ扱いしているが、光と比べるとやや常識人。

埴之塚 光邦 (はにのづか みつくに)

桜蘭高校ホスト部に所属する男子高校生三年。部内では年長者だが、小学生と言っても違和感がないほどの童顔で低身長。言動もそれに見合ったもので、いわゆるマスコットキャラクター的存在。甘いものが大好物。その一方で武道の達人という面も持っている。時折腹黒い一面を見せることも。 後輩たちからはハニー先輩と呼ばれる。

銛之塚 崇 (もりのづか たかし)

桜蘭高校ホスト部に所属する男子高校生。三年生。寡黙で逞しい長身の男子で、後輩からモリ先輩と呼ばれ頼られている。従兄弟の埴之塚光邦とは代々主従関係にあり、彼の世話をしている。

藤岡 涼二 (ふじおか りょうじ)

藤岡ハルヒの父親で、夜の仕事をしているニューハーフ。中性的な顔立ちの美形であり、恋人もいる様子。散財癖があり、藤岡家貧困の原因でもある。また、かなりの親ばか。

猫澤 梅人 (ねこざわ うめひと)

桜蘭高校に通う男子高校生。オカルト部に所属し、怪しげな研究をしている。金髪の美青年だが、明るいところを極端に怖がって普段は黒髪のカツラを着用しフードつきのマントを被っている。

須王 譲 (すおう ゆずる)

須王環の父親で桜蘭高校の理事長を務める男性。やり手の実業家であるが、息子をからかうことが好きな親ばか。本妻の子でないために、財閥の権力を握る母親から疎まれる環の地位向上の為に何か出来ないかと考えている。

安村 メイ (やすむら めい)

藤岡ハルヒが夏休み中アルバイトしたペンションのオーナー・美鈴の娘で、口の悪いガングロギャル。裁縫が趣味。当初は須王環に好意を抱いており、ハルヒに助力をお願いしていたが、後にハルヒを応援することになる。

笠野田 律 (かさのだ りつ)

桜蘭高校に通う男子生徒。暴力団の跡継ぎであり、組員からは若と呼ばれる。非常に凶悪な人相をしているせいで友人が出来ず、ホスト部の銛之塚崇に相談を持ちかけた。藤岡ハルヒが女性と知ってから彼女に熱を上げるが、あっさり友人だと切り捨てられてしまう。赤い髪の毛を伸ばした姿からボサノバと呼ばれている。

須王 静江 (すおう しずえ)

須王環の祖母。須王財閥の会長を務めている女性。夫の他界後、一人で須王財閥を経営して来たため、現在でも会長として強い権力を持つ。厳しい性格だが、須王財閥と須王家の事情によそ者を巻き込むのをよしとしない信条を持つ。跡取りとして環を日本に呼ぶものの、妾の子である環を快く思っておらず、厳しい態度を取る事が多い。また、環とアンヌ=ソフィーが会うのを3年間禁じていた。のちに環を本邸に移し、桜蘭高校ホスト部が活動休止した際には、環と和解しかけるものの、息子の須王譲の策略で会長の座を失う。失脚騒動の中で藤岡ハルヒの説得を受け、環とアンヌの再会を許可する。のちに譲とも和解し、須王財閥の相談役に就任した。実は環と同様に時代劇が好き。

九瀬 猛 (くぜ たけし)

桜蘭高校に通う男子。3年A組に在籍している。アメフト部の部長を務める。生徒会書記の満山香南の婚約者でもある。一つ年下の鳳鏡夜とは幼なじみで、昔の騒動で鏡夜にプライドを潰されて以来、一方的に彼をライバル視している。実家は有名な青果輸入業を営んでおり、つねにオレンジを持ち歩いては皮ごと食べるなど豪快。体育祭では赤組大将となり、須王環の策略で、白組大将の鏡夜と対峙する。鏡夜の策略で不利になった際は、高い運動神経を活かして、赤組を勢いづかせた。

城之内 綾女 (じょうのうち あやめ)

桜蘭高校に通う女子。須王環のクラスメイトで、副委員長を務めている。まじめな性格で学年3位の成績を誇り、あだ名は「モールス女史」。桜蘭高校内では鳳鏡夜に並ぶ頭脳派で、追試を受ける事になった藤岡ハルヒの教師役を務めた。当初は環をライバル視していたが、その感情が好意の裏返しであると自覚してからは、桜蘭高校ホスト部の常連客となる。また、事あるごとにほかの常連客と共に、ホスト部に協力している。

鹿谷 愛 (かのや めぐみ)

須王環のクラスに転入して来た女子。神戸の名門高校「葵塚学院」出身。父親は関西に料亭を持つ板前だが、両親と親族の不仲により、桜蘭高校に転入する事になる。父親の影響から料理が好きで、父親が昔書いた料理の本を大切にしている。桜蘭高校ホスト部のイベント中に起きた事故で環に助けられ、環に片思いするようになる。環が脳内で思い描いている藤岡ハルヒにそっくりである事から、ハルヒへの恋心が自覚できていない環にも、さまざまな影響を与える。家族と親族の事情で仕方なく桜蘭高校に来たものの、本音では神戸に帰ってお笑いの道に進みたがっている父親の背中を押してあげたいと思っている。

藤岡 琴子 (ふじおか ことこ)

藤岡ハルヒの母親。旧姓は片山。ハルヒが幼い頃に病気で亡くなっている。生前は弁護士で、藤岡涼二を養うために町の小さな法律事務所に勤務していた。闘病中には料理のレシピノートを作ったり、娘のハルヒの将来のための銀行口座を作って金を用意したりなど、家族の事を最後まで大切に思っていた。

アンヌ=ソフィー

須王環の母親。フランス人の女性。夫の須王譲とは愛し合っていたが、須王静江からは結婚を認められていなかった。フランスの貴族の令嬢だが病弱気味で、環が幼い頃もよく寝込んでいた。ピアノが得意で、体調が優れている時は環にピアノを教えていた。明るく天然な性格で、譲から教えられた間違った日本文化をそのまま覚えている。環と会う事は静江に禁じられていたため、息子とは3年間離れたまま、フランスで療養している。のちに長年の病弱体質の原因が、難病の「シスレーゼ症候群」である事が判明する。

高坂 由布子 (こうさか ゆうこ)

須王家と取引をしている弁護士の女性。藤岡涼二とは知り合いで、藤岡琴子の後輩でもある。父親の借金が原因で家庭崩壊し、荒(すさ)んだ生活をしていた過去を持ち、金にうるさい細かい性格。須王静江の依頼で、須王環が本邸に戻るにふさわしいかを調べるべく、彼の素行調査をしていた。また、環を調査する内に藤岡ハルヒとも知り合う。涼二には密かに片思いしている。魚肉ソーセージが大好物で、メーカーにもこだわりがあり、外出先でもよく食べている。のちの静江の失脚騒動をきっかけに、勤めていた大きな事務所を退職して、小さな事務所に移った。

集団・組織

桜蘭高校ホスト部 (おうらんこうこうほすとくらぶ)

『桜蘭高校ホスト部』に登場する部活道。桜蘭高校南校舎にある第三音楽室を拠点に活動する部活で、発起人は須王環。暇と財力を持て余す美男子が、同じく暇を持て余す女子生徒をもてなす、ホストクラブのような場所。モットーは「強く・気高く・麗しく」。在籍メンバーは、須王環、鳳鏡夜、常陸院光、常陸院馨、埴生塚崇に藤岡ハルヒを加えた七人。 南国風や日本昔話風など、趣向を凝らした企画を行うこともある。接客費等は取っていないが、メンバーの私物をオークションにかけることで利益を得ている。

場所

桜蘭高校 (おうらんこうこう)

財閥や、政治家など上流階級の子供たちが通う高等学校。更にその中でも、家柄の良さや成績でクラス分けがなされている。特待生制度も導入されており、成績が優秀なものは家柄など関係無しにAクラスへと振り分けられて授業料も免除になる。

アニメ

桜蘭高校ホスト部

生徒のほとんどが上流階級の子どもの私立桜蘭学院高等部。そこに特待生として通う一般庶民の藤岡ハルヒは、静かに勉強できる場所を探すうちに、理事長の息子・須王環が部長を務める「ホスト部」に迷い込み、壊してし... 関連ページ:桜蘭高校ホスト部

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