キスしたいってねだってみろよ

キスしたいってねだってみろよ

ファーストキスは運命の人とすると思っていたピュアな女子高生が、キスしたい男ナンバーワンと呼ばれ、美しいが人間味のないモデル兼俳優と同居生活を送り、反発しあいながらもお互いを知っていくラブコメディ。「なかよし」2018年2月号から連載開始。

正式名称
キスしたいってねだってみろよ
ふりがな
きすしたいってねだってみろよ
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

鮎川茉莉はとても仲の良い両親の元で育った高校生の女の子。両親は高校時代に出会い、お互い初めて付き合った相手で、初めてのキスの相手。自分も両親のように初めてのキスは運命の人とすると思っていた。ずっと画家になることを夢見ていた茉莉の父親は、パリで認められ、3年ほどパリで活動することに。茉莉の学校のこともあり、母親は日本に残る予定だったが、茉莉はお年玉貯金で母親に航空券をプレゼントし、二人でパリに行くよう勧めるのだった。

両親がパリに出発した後、住んでいた家を引き払った茉莉は、近くに住むタケルおじさんの家でお世話になろうと思っていた。しかし、おじさんは旅に出ていて、すでにおじさんの家には別の人が住んでいた。住む場所を失った茉莉は、さらに街中で両親が用意してくれた100万円と着替えの入ったカバンを盗まれてしまう。

無一文になり、困り果てた茉莉だが、警察に連絡しては両親に心配をかけてしまう。どしゃぶりの中、空腹に耐えていた茉莉は、ネズミとの出会いをきっかけに賞味期限切れで廃棄されたお弁当を見つける。勝手にビルに潜入し、そのお弁当をネズミと分け合って食べていると、怖い雰囲気の男の人が部屋に近づいてきた。

茉莉は天井裏の排気口に隠れて難を逃れた。天井裏の狭い通路を進むと下の部屋で世界的に有名な映画監督・桝羊一がオーディションを行っていた。オーディションを受けていたのは高砂皇生という男の子。彼は街中で女の子が騒いでいたポスターのモデルで、女子中高生からキスしたい男ナンバーワンと呼ばれていた。

オーディションを受ける彼の声も顔もしぐさも人じゃないみたいにきれいだと見とれてしまう茉莉。もう少し良く顔を見たいと身を乗り出したところで、天井裏の排気口がはずれ、オーディション会場の部屋に落ちてしまう。茉莉が警備員に追い出されそうになった時、桝羊一が「キミも不合格だから帰っていい」と皇生に伝える。

そこで茉莉は思わず、どうして不合格なのか監督に尋ねてしまう。監督は「彼は美しいが見ていて面白くない。マネキンのようで、色気がなく、キスが下手そうだ」と不合格の理由を語った。そこまで言われた皇生は「本当にキスが下手か見てほしい」と半ば強引に茉莉を抱き寄せ、キスしてしまうのだった。運命の人とするはずだったファーストキスを皇生に奪われてしまった茉莉は、涙を浮かべながら怒り、皇生の腹を蹴った後、「私はあんたとキスしたいなんて一生思わない」と罵った。

そのやりとりを見ていた桝羊一は面白がり、「こんな子にキスをしたいと言われる男になったら君に主役をあげる」と皇生に言うのだった。その後、皇生のマネージャー、から皇生の無礼を詫びられる茉莉。

柊はお詫びのしるしに事務所の所有する部屋を無償提供するので、そこに住んでほしいと告げられる。住むところがなく困っていた茉莉は、契約書にサインしてしまうが、その契約書には小さく「高砂皇生と同居し、彼の演技に関わるすべてに協力する。この契約は茉莉が皇生にキスをねだるまで有効」と書かれていた。さらに契約違反による賠償金は1千万円と書かれており、逃げ場を失う茉莉。

皇生は茉莉をソファに押し倒して、「早くキスしたいとねだれ」とICレコーダーに音声を録音しようとする。茉莉は仕方なく同居は受け入れるものの「この先もあんたみたいな欠陥イケメンとキスをしたいなんて思わない」と猛反発。そんな茉莉を相手に皇生はどんな手を使っても「キスしたい」と言わせてみせると自信満々に宣言する。

こうしてキスしたい男ナンバーワンの皇生と茉莉の同居生活がはじまった。

登場人物・キャラクター

鮎川 茉莉 (あゆかわ まつり)

恋に恋するピュアな女子高生。とても仲の良い両親の元で育ったため、ファーストキスは運命の人とするものだと思っている。画家の父がパリを拠点に活動することになった時、母も一緒に行くよう勧め、航空券まで買ってあげた。また、住むところがなくカバンを盗まれて、無一文になっても両親に心配をかけまいとする頑張り屋。両親思いで、明るく前向きな性格。 自分の信念は曲げない強さも持っている。髪は腰までのロングストレートで両サイドの一部をお団子にまとめている。高砂皇生のことを見とれるほどきれいだと思っているが、彼の勝手で強引なふるまいに腹を立てることも多い。皇生のことを「欠陥イケメン」と呼ぶ。

高砂 皇生 (たかさご こうせい)

女子中高生から圧倒的に支持されている人気のモデル兼俳優の男性。「キスしたい男ナンバーワン」とも呼ばれている。高圧的で自信家だが、努力も怠らない。世界的に有名な映画監督・桝羊一の作品に出演したいと強く希望している。桝羊一に顔も声もしぐさもとてもきれいで完璧だが、人間味がなくマネキンのようだと言われてしまう。オーディション会場に居合わせた鮎川茉莉に強引にキスするなど、思いやりに欠ける勝手な行動もしてしまう。 目的のためには手段を選ばないタイプ。茉莉のことを「ガキネズミ」と呼ぶ。

桝 羊一 (ます よういち)

世界的に有名な映画監督の男性。世界的な映画賞「ゴールデンアワード」受賞時のコメントで「とれると思っていた」と発言し、一躍有名となり、バラエティーなどにも出演。髪型は七三分けで丸メガネをかけている。にこやかで優しそうな風貌だが高砂皇生に対し「彼は美しいが見ていて面白くない。マネキンのようで、色気がなく、キスが下手そうだ」と歯に衣着せぬ物言いをする。 面白いことが好きで、配役も自分が面白いと思ったことで決めるところがある。

(ひいらぎ)

高砂皇生の事務所の男性マネージャー。桝羊一のオーディションの後、鮎川茉莉を縛って無理やり連れ去ったり、茉莉のスマホから勝手に情報を収集したり、少し荒っぽいことをする。また、茉莉に事務所の部屋を無償提供すると言って、気づかれないような小さい文字を追加した契約書にサインさせ、茉莉を逃げられなくした狡猾で敏腕なマネージャー。 物腰が柔らかく、丁寧な言葉を使い、説得も上手。細身でスーツを着用し、肩までの髪を後ろで縛っている。

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