概要
日本がドイツに敗北した世界大戦から十数年が経った東京。破壊工作を行う反体制過激派組織セクトのテロ攻撃を鎮圧していた、治安警察首都警の特殊部隊特機隊の隊員伏一貴は自爆したセクトの少女阿川七生の姿にショックを受け、判断を誤ってしまった。
その責任を問われた伏一貴が任務を外される中、その過激な手法に外部の批判が高まる首都警内部では特機隊隊長巽志郎と警備部長安仁屋勲や公安部長室戸 文明との対立が深まっていた。
登場人物・キャラクター
伏 一貴 (ふせ かずき)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊隊員。二十代後半の男性。装甲化された制服であるプロテクトギアを装着した近接戦闘など警官としての能力は高いが情緒のコントロールに問題があり、他人とのコミュニケーションが苦手。 友人は訓練学校時代の同期である公安部員の辺見 敦のみ。反体制過激派組織セクトの鎮圧任務中に自爆テロをしたメンバーの少女阿川七生の姿にショックを受け、発砲を躊躇した責任を問われて任務を外されて再訓練を命じられる。 その時、少女雨宮 圭と出会った。
辺見 敦 (へんみ あつし)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の諜報部署である公安部の部員。伏一貴とは訓練学校の同期で、共に塔部 八郎の指導を受けた、数少ない友人である。上司の公安部部長室戸 文明の元、伏一貴に接近する。
首都圏治安警察機構 (しゅとけんちあんけいさつきこう)
『人狼 JIN-ROH』に登場する組織。もう一つの歴史を歩む戦後日本で、復興に伴う東京の治安悪化に対処するために設立された治安部隊。強力な権限と通常の警察組織以上の武装を持つが、管轄は首都圏に限定されている。 同じ警察組織である自治警とは対立しており、強行な武力による鎮圧に対する世論の反発も激しく、組織存続の危機にある。隷下に特殊部隊特機隊を抱える実働部署の警備部と諜報部署の公安部がある。
塔部 八郎 (とうべ はちろう)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊養成学校の教官であり、伏一貴とその友人辺見 敦の恩師。厳格な性格で、その指導も厳しい。任務中に判断を躊躇し、再訓練を命じられた伏一貴 を再び指導する。 特機隊内の非公然防諜組織人狼の実行部隊を率いている。
特殊機甲大隊 (とくしゅきこうだいたい)
『人狼 JIN-ROH』に登場する組織。もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊。反体制過激派組織セクトのような重武装の犯罪者に対処するために組織された。隊員は黒い強化装甲服を装着している。 敵対する者を徹底的に鎮圧する強硬な手法で、悪化した東京の治安改善に功績もあったが、世論や同じ警察組織である自治警からは批判の的になっている。その容赦のない戦いぶりから、嫌悪と畏怖を込めて、地獄の番犬の名にちなんで「ケルベロス」とも呼ばれていた。
雨宮 圭 (あめみや けい)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の反体制過激派組織セクトの元メンバーであり、爆弾や武器の運搬係である赤づきんだった過去を持つ女性。組織内での呼び名は、ドイツ語で「長い毛並みのジャーマン・ポインター」を意味するラングハール。 セクトと特機隊との戦闘で自爆した女性メンバー阿川七生に似ている容貌をしており、任務を外されて再訓練中の伏一貴と出会う。
安仁屋 勲 (あにや いさむ)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の実行部署である警備部の部長。優れた政治手腕を持つ官僚であり、その強硬な手法に批判が高まる首都警の特殊部隊特機隊隊長巽志郎の立場に配慮しつつ、敵対的な警察組織自治警とも妥協点を探る。
赤づきん (あかづきん)
『人狼 JIN-ROH』に登場する組織構成員。もう一つの歴史を歩む戦後日本の反体制過激派組織セクトで、武器や物資の運搬係を務める女性達の総称。現役メンバーの阿川七生や元メンバーの雨宮 圭がこの任務を務めていた。
半田 元 (はんだ げん)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊副長。隊長巽志郎の片腕として、現場で部隊の指揮を執る冷徹な男。特機隊内の非公然防諜組織人狼を率いていると噂される切れ者である。
巽 志郎 (たつみ しろう)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊隊長。反体制過激派組織セクトなど治安の敵には徹底して戦う方針の首都警武闘派の急先鋒だが、その方針に組織の内外から批判が強まっている。
セクト
『人狼 JIN-ROH』に登場する組織。もう一つの歴史を歩む戦後日本で、復興のための経済政策の失敗による治安悪化の中から出現した反政府勢力の総称。主に左翼思想のグループを中心としており、武装襲撃や爆弾テロを繰り返す。 銃器のみならず、対戦車ロケット砲のような重火器も装備している。そのメンバーは身元を秘匿するために偽名を名乗ることもある。組織内には赤づきんと呼ばれる、武器や物資の運搬係である女性達がいる。
公安部 (こうあんぶ)
『人狼 JIN-ROH』に登場する組織。もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の諜報部署。部長室戸 文明の元、各勢力に対して諜報活動を行っている。捜査権限を持たない実働部隊の首都警の特殊部隊特機隊が内部に持つという非公然の諜報組織人狼を激しく敵視している。
自治警幹部 (じちけいかんぶ)
同じ首都東京を管轄する首都警を敵視する警察組織自治警の幹部。その強硬な手法が世論の批判を集める首都警の解体を目論み、首都警の諜報部署である公安部の部長室戸 文明と接触する。 その際、自治警と首都警との合併による組織存続を打診し、条件として首都警の特殊部隊特機隊の解散を提示した。
人狼 (じんろう)
『人狼 JIN-ROH』に登場する組織。もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊内部に存在するといわれる非公然の諜報組織。本来は捜査権限の無い特機隊が独自に情報収集、防諜任務のために活動する。 そのため、首都警の諜報部署である公安部からその越権行為に激しい敵意を持たれる。隊員は素性を隠しているが、リーダーは特機隊副長の半田 元と噂されている。
自治体警察 (じちたいけいさつ)
『人狼 JIN-ROH』に登場する組織。もう一つの歴史を歩む戦後日本の警察組織であり、各自治体を管轄する。劇中に専ら登場するのは、首都東京を管轄する自治警である「警視庁」。同じ首都の治安を管轄する組織として、首都警とは激しく対立しており、その批判の急先鋒として組織解体を狙っている。
室戸 文明 (むろと ぶんめい)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の諜報部署である公安部の部長。各方面のの批判が高まり、組織解体も噂される首都警を公安部主導で存続させるために、問題視されている特機隊を犠牲にしようと、敵対する警察組織自治警とも手を組む、冷徹な権力主義者。
阿川 七生 (あがわ ななみ)
もう一つの歴史を歩む戦後日本の反体制過激派組織セクトのメンバーであり、爆弾や武器の運搬係である赤づきんの女性。学生デモに乗じてセクトが行おうとしていた襲撃に参加していたが、治安機関首都警の特殊部隊特機隊に包囲され、伏一貴の眼前で持っていた爆弾で自爆する。 組織内での呼び名は、ドイツ語で「毛並みの短いジャーマン・ポインター」を意味するクルツハール。
その他キーワード
強化装甲服 (きょうかそうこうふく)
『人狼 JIN-ROH』に登場する衣服。もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊の隊員達が主として装着する装甲服であり、プロテクトギアとも呼ばれる。近距離からの短機関銃の銃弾程度に抗弾性能のある装甲や暗視機能付ゴーグルなどを装備している。 伏一貴も着装し、反体制過激派組織セクトの鎮圧任務に出動した。
MG42 (えむじーよんじゅうに)
『人狼 JIN-ROH』に登場する火器。第二次世界大戦でドイツ軍が使用した実在する機関銃。もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊で、強化装甲服を着装した隊員達が使用する。 本来は二人組で使用するが強化装甲服部隊の隊員は一人で使用している。
モーゼルC96 (もーぜるしーきゅうじゅうろく)
『人狼 JIN-ROH』に登場する火器。19世紀末にドイツで開発された実在する拳銃。もう一つの歴史を歩む戦後日本の治安機関首都警の特殊部隊特機隊では補助火器をして使用される。任務中に判断を躊躇し、再訓練を命じられた伏一貴が訓練学校で射撃訓練に使用した。
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