概要
表現の自由をめぐり政府と図書館が互いに武装して対立する近未来の日本。図書特殊部隊に入隊した笠原郁は、鬼教官・堂上篤の厳しい指導と苛酷な現場を通して日々成長していた。やがてかつての憧れの人が堂上と分かり、不器用ながらも距離を縮めていく郁。
そんな中、郁は小説家・当麻蔵人の身辺警護を任命された。小説の内容がテロの手口に酷似しているとして、メディア良化委員会が作家狩りを始めたのだ。
登場人物・キャラクター
笠原郁 (かさはらいく)
図書特殊部隊・堂上班所属。高3の秋に図書隊員に助けられ、彼を“王子様”と慕い、図書隊に入隊する。運動神経抜群だが、座学は全般的に苦手。「山猿」「熊殺し」などの異名を持つ。
玄田竜助 (げんだりゅうすけ)
図書特殊部隊隊長。義理人情を尊ぶ豪傑漢。破天荒な性格で、無謀な作戦を立案することも多いが、実はかなり計算して動いている。郁の戦闘能力に一目置いている。
メディア良化委員会 (めでぃありょうかいいんかい)
『図書館戦争 革命のつばさ』に登場する組織。あらゆるメディアの良化を目指し、公序良俗に反する書籍・映像作品・音楽作品などを任意で取り締まる権限を持つ。だがその検閲基準は、細則や施行令で随時補うことができ、その裁量権は執行機関に委ねられるという極めて恣意的なものである。 抵抗する者には武力の行使も辞さない。
当麻蔵人 (とうまくらと)
人気小説家。テロの手口に似た小説を書いたとしてメディア良化委員会に作家狩りに遭い、辺警護をすることになった笠原郁と堂上篤ら図書隊と行動を共にする。
堂上篤 (どうじょうあつし)
図書特殊部隊・堂上班班長。笠原郁たちの指導を担当する上官。実直で責任感が強いゆえに新人図書隊員を厳しく指導し、鬼教官と呼ばれる。実はかつて郁を救った“王子様”である。
小牧幹久 (こまきみきひさ)
図書特殊部隊・堂上班副班長。堂上篤の同僚で、ともに郁たちの指導を担当する。堂上とは対照的に物腰が柔らかく常に笑顔だが、ときおりシビアな言葉がサラリと飛び出す。
図書特殊部隊
『図書館戦争 革命のつばさ』に登場する組織。メディア良化委員会に唯一対抗できる防衛組織・図書隊におけるエリート部隊。主人公・笠原郁や堂上篤らが所属している。
図書隊 (としょたい)
『図書館戦争 革命のつばさ』に登場する組織。メディア良化委員会に唯一対抗できる根拠法を持つ図書館が、正化16年に発足させた防衛組織。広域地方行政機関としての性質を持ち、独自に人事・予算管理を行う。 隊員は3つの職域にわけられ、図書館業務部に所属する図書館員、防衛部に所属する防衛員、蔵書の装備・戦闘装備の整備・物流一般を行う後方支援部がある。
手塚光 (てづかひかる)
図書特殊部隊・堂上班所属。図書館協会・会長を父親に持つエリート。日々努力を惜しまない秀才だが、落ちこぼれには容赦なく、郁への当たりも強い。
柴崎麻子 (しばさきあさこ)
武蔵野第一図書館・図書館業務部の図書館員。明晰な頭脳と端正な容姿を備えた笠原郁のルームメイト。素早い情報収集能力に長け図書館員としては優秀だが、口は悪い。
児島清花 (こじまさやか)
郁の前に現われた謎の女性。堂上篤の秘められた過去を知る人物。原作小説には登場しないオリジナルキャラ。
その他キーワード
正化 (せいか)
『図書館戦争 革命のつばさ』に登場する架空の元号。作品世界における1989年の改元で、昭和に続く元号となった。
メディア良化法
『図書館戦争 革命のつばさ』に登場する架空の法律。年号が正化に変わるころ、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる目的で制定された法律。この法律に基づき、司法省の下部組織として「メディア良化委員会」が発足された。