概要・あらすじ
都内某所。とある超高層ビルの地下一階にある「社団法人深刻お悩み相談室」。ここには毎日、ある悩みを持った人間が訪れる。それは、本人も「くだらない」「騒ぐほどのことではない」と感じている悩みである。例えば、あるOLの木下絵美の悩みは、すぐにパンストを伝線させてしまうこと。本人ですら「どうでもいい」という悩みだったが、イエティ顧問相談員の解釈は違った。パンストの伝線は、放置すれば「デリケートゾーン」に到達する。「デリケートゾーン」につながる伝線を衆目にさらすのは、人前でパンツを丸出しにしていることと同じであり、公然わいせつ罪が適用されるというのだ。イエティの言葉を聞いていた、お悩み相談室絶滅危惧担当のマヌルネコは、あまりの事態の深刻さに驚き、全身の毛が抜けてしまう。それを見たイエティは、「毛のないマヌルネコはマヌルネコとは言えない」と続け、パンストの伝線が、絶滅危惧種が一匹消えることにつながったと結論づけた。相談室からの帰り、くだらない悩みを深刻な悩みにされてしまった木下は、絶望の淵に立たされていた。そんな時、彼女の肩を叩いたのは、毛の抜けたマヌルネコであった。マヌルネコは、木下のお悩みを解決する言葉を投げかける。
登場人物・キャラクター
マヌルネコ
社団法人深刻お悩み相談室の絶滅危惧担当。準絶滅危惧種であるマヌルネコ。全身が体毛に覆われた真ん丸の体型をしているが、ショックを受けると体毛が全部抜けて細身になる。最後の1ページ「悩める生物代表人間たちへ」に登場し、相談者への解決策を語る。語尾は「~ヌル」。
イエティ
社団法人深刻お悩み相談室の顧問相談員。全身を白い体毛に覆われたUMAで、356歳。イエティなのに、苦手な季節は冬。ちゃんと火が通ったアザラシが好物。
ロックウェル
社団法人深刻お悩み相談室の室長。来日三日目の黒人男性で、ビシッとしたスーツを着ている。好きな寿司は塩カルビらしい。英語を話す。
シャロン・石 (しゃろん いし)
社団法人深刻お悩み相談室の書記。ショートカットとスーツが特徴の若い女性。飼い猫の名前は(愚臼)で、好きなスイーツは參鶏湯。冷静沈着な性格をしており、表情を変えずにきつい言葉を放つ。