今日もいい天気

今日もいい天気

漫画家山本おさむが、福島県天栄村で生活する模様を描いたエッセイ漫画。田舎での暮らしを面白おかしく描いた「田舎暮らし編」と、東北地方太平洋沖地震による原発事故について描いた「原発事故編」の2つからなる。第42回日本漫画家協会賞特別賞受賞作品。

概要

山本おさむは漫画家としての生活に疲れ、親戚の紹介で妻の両親の故郷、福島県天栄村での田舎暮らしを始める。月に数回都心の仕事場へ向かい漫画を書きながら、田舎暮らしを満喫する。「田舎暮らし編」では、自然豊かな村での、面白おかしくも苦労とトラブルの絶えないコミカルな生活が繰り広げられるが、「原発事故編」では一転、福島での原発事故による被災経験が赤裸々に描かれる。

登場人物・キャラクター

山本 おさむ

漫画家として、生活に疲れ、福島県天栄村での田舎暮らしを決意する。定期的に都心の仕事場との間を往復しつつ、ときに癒やされながら、ときに苦労しながら、美しい自然環境の中での暮らしを満喫する。

ケーコさん

山本さんの妻。移住先の福島県天栄村は両親の故郷でもある。しかし彼女自身は生まれも育ちも都会のため、初めは田舎暮らしに悪戦苦闘していた。しかし、だんだんと慣れていくに連れ、田舎での生活を楽しみ始める。

コタ

『今日もいい天気』に登場する犬。ペットショップで山本さんが一目惚れして迎えた黒の柴犬。基本的に山本さんに懐いているが、散歩や遊びの主導権を自分が取ろうとするフシがある。蜂を叩いて刺されたり、リードが取れた瞬間走りだしてしまったりと、なかなかわんぱく。

田中 孝子

ケーコさんの母であり、山本さんのお義母さん。頑固で厳しい性格の夫、田中猛に一歩も引かず寄り添ってきたパワフルな女性。夫と共に、故郷である天栄村で山本さん夫婦と暮らすことになる。

田中 猛

ケーコさんの父であり、山本さんのお義父さん。きつい性格の持ち主だが、優しさも持ち合わせている。故郷である天栄村で娘夫婦と共に暮らすこととなり、田舎暮らしのアドバイスをしてくれる。筋肉が衰えていく病気で、体は弱っているが、強い精神力で、最大限自分のことは自分でこなそうとする。

尾瀬 あきら

山本さんの友人であり漫画家。以前山本さんをアシスタントとして雇っていた。移住や別荘を買うのは難しいが、リフレッシュのため、安い空き家があれば借りたいと山本さんに相談し、天栄村に家を借りることになる。

Yさん

天栄村で米栽培を研究する、天栄米栽培研究会の事務局長。原発事故の後、放射能に汚染されてしまった田んぼで、高いブランド力を誇った天栄村の米を復活させようと奮闘する。研究会のメンバーはやる気を失ってしまった人も多かったが、彼の努力を見て一丸となり、天栄村の米栽培は復活へ走りだした。

石田さん

東北地方太平洋沖地震で、地震や津波、そして原発事故で大きな被害を受けた大熊町に住んでいた男性。今は仮設住宅に住んでいる。一時帰宅の際に山本さんに同行の許可を出し、被災地の痛ましい姿を実際に見せてくれた。さらに被災者の生々しい体験談も語ってくれた。

場所

天栄村

『今日もいい天気』の舞台となる村。前半では福里村という仮の名前だったが、「原発事故編」の半ばで実際の村の名前を公表した。山本さんの妻、ケーコさんの両親の故郷で、親戚も住んでいる。温泉が多く、山本さんがリフレッシュしに行く描写が度々登場する。「原発事故編」からは、被災地としての天栄村が描かれる。

イベント・出来事

東北地方太平洋沖地震

『今日もいい天気』に登場する災害の名称。2011年3月11日に起きた東北を震源とする大震災。地震だけでなく津波や、それを起因として起こった原発事故で、甚大な被害をもたらした。本作では「原発事故編」にて、被災地に家を持つ山本さんの目線を中心に、その被害の痛ましさや、被災者の心情を描いている。

原発事故

『今日もいい天気』に登場する災害の名称。東北地方太平洋沖地震によって起こった原発事故。東北を中心に、大規模な放射能汚染を引き起こした。「原発事故編」にて、被災者である山本さんの目線から不安や怒り、実質的な被害等を交えて描かれる。

その他キーワード

放射能

『今日もいい天気』に登場する名称。原発事故によって東北を中心に問題視されている存在。一定量を超えて人体に摂取してしまうと健康被害が引き起こされるとされている。「原発事故編」にてこの存在が大きく扱われ、被災地で暮らすリスクや、農作物への影響について描かれた。

除染

『今日もいい天気』に登場する用語。放射能の数値を下げるために行う行為。山本さんは天栄村で暮らすために、家やその周辺を自ら除染しようとするも、その重労働に悪戦苦闘する。国や町が行う除染の計画は、「原発事故編」の後半部で大きく扱われるテーマとなる。

風評被害

『今日もいい天気』に登場する用語。反発事故後、福島県産の農作物などが危険だという考えが、必要以上に高まってしまった問題。作中では天栄村で行われた、限りなく放射能の検出量がゼロに近い米作りが描かれている。その計画は順調に進んだが、福島県産=全て危険というレッテルが根強いという問題が描かれている。

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