あらすじ
第1巻
21歳のユキポンは、人間の年齢でいうと100歳になる老猫。飼い主は、かつてユキポンをモデルにした漫画を描いていた。だが、今は連載のない漫画家、つまり無職でユキポンからは、エサ係兼マンガ家と見下されている。そんな夫を奥さんは辛抱強く支えており、小学生の一人息子は、生物に夢中でいろいろな魚や爬虫類を捕まえてきては、たくさんの水槽で飼っている。無職のマンガ家を多少は心配しながらも、ユキポンは今日ものんびりと過ごすのだった。(第1話「老猫と漫画家」。ほか、16エピソードを収録)
登場人物・キャラクター
ユキポン
マンガ家の家で飼われている茶虎の猫。年齢は21歳。人間でいうと100歳にあたる老猫で、腰をカックンカックンさせながら歩く。名前は「ユキ」だが、飼い主であるマンガ家からは「ユキポン」、奥さんからは「ユキちゃん」と呼ばれている。現在無職の売れない漫画家である飼い主の事は「エサ係兼マンガ家」と、自分よりも下に見ている。家族の会話内容を把握しており、なかなか仕事の決まらない夫を支える奥さんの苦労も理解している。
マンガ家 (まんがか)
ユキポンの飼い主である中年男性。かつてユキポンを主人公にした「ユキポンのお仕事」という漫画を連載していたが、現在は連載もないために無職。奥さんと、小学生の息子との三人暮らし。両親はとなりの市にある実家で暮らしており、まめに自転車で様子を見に行っている。家族以外に会う機会は少なく、テレビやインターネットも見ずに、音楽も聴かず、街にも出ず、自宅や喫茶店で漫画のアイデアを考えている。
奥さん (おくさん)
マンガ家の妻。なかなか仕事の決まらない夫と、家計や将来の事を心配しつつも、忍耐強く夫を支えている。好きな音楽をインターネットで探すのが日課で、ロックやヘヴィメタル、韓流アイドルにラップ、クラシックと聴く音楽は幅広い。
息子 (むすこ)
マンガ家と奥さんの一人息子。元気いっぱいな小学生で、生物が大好き。さまざまな川魚、海の生物、爬虫類、昆虫などを集めてきては水槽や池で飼っている。シロアリからゴキブリ、ヘビまでなんでも集めている。3歳の頃に、母親の生まれ故郷で笛や太鼓の民間芸能の舞台を見てハマり、その時のDVDを家で見ては、太鼓を叩いたり、踊ったりしている。父親とはとても仲がいい。